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企業における「自己信頼」の根源は「企業理念」である

自信について(3)理念や理想への共感が自己信頼の源

対談 | 執行草舟田村潤
概要・テキスト
「自己信頼が高く」「自分を失わない」人はどのような人だろうか。挙げられるのは「心の中に理想として共鳴できる人」を持っているかどうかである。松下幸之助や出光佐三も、自分が理想として共感できる人を心の中に持っていた。自己信頼はアメリカの哲学者エマーソンが唱えた言葉で、そこには「神への信頼」があった。日本人の多くは、キリスト教的な絶対神を持っていないが、尊敬する人や先祖などとの「魂のつながり」が同じような役割を果たしている。企業においては「企業理念」が自己信頼の根源になるのである。(全12話中第3話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:11:39
収録日:2022/01/25
追加日:2022/04/08
カテゴリー:
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≪全文≫

●「自分が理想として共感する人」を心の中に持つ


―― 「自信」と「自己信頼」という言葉が出ました。自信があると、かえって間違いのもとになると、いまのお話で非常によく分かってきました。

 反面、今名前が出た松下さんも出光さんも「自分」というものが明確にあった気がします。惑わされない。いろんなものを素直に聞くけれど、それでブレることはない。必ず自分があって、その自分というものに立脚して進んできた部分があると思います。そこがもしかすると自己信頼になるのかもしれません。では自分をなくしてしまう人と自分を持ち続けられる人は、どう違ってくるのでしょう。

執行 それは「共感」です。松下幸之助や出光佐三みたいな人は、自分が理想として共感する人を心の中に持っているのです。実際の知り合いなのか歴史上の本の上の知り合いなのかは分かりませんが、その共感を実行するための自己信頼なのです。

 先ほど少し言いましたが「自己信頼」は、哲学的にはエマーソンが 最初に言った言葉です。エマーソンは19世紀のアメリカの哲学者で、厳格なプロテスタントのキリスト教徒として有名です。彼が人生論の中で「自己信頼」という言葉を使ったのです。これは何かというと、すぐわかると思いますが、「神への信頼」です。神への信頼があるからこその自己信頼です。

 ところがわれわれ日本人は「絶対神=GOD」を持っていません。われわれにとって絶対神に代わるものは何かというと「魂のつながり」です。先祖であり、尊敬する過去の人であり、魂が共感する人々です。そのような人とのつながりにおいて、自己信頼できるかです。

 出光佐三と松下幸之助は、強烈なそれを持っている人です。僕は会ったことがありませんが、本を読んでも分かるし、顔を見ても分かります。多分それは実際の知り合い(理解してくれる人)ではない。だから家族とか周りにいる人は、誰も理解していない。理解しないというのは、魂の問題だからです。でもそれが自己信頼になっているのです。

―― そこはどうですか。

田村 現役のとき、いろんな社員がいて、すごく頑張ってすごい成果を収めている人間もいました。僕は直接聞くんです。「おまえ、なんでそんなすごいの?」と。やはり最初に尊敬する上司や先輩に巡り合って、その先輩から評価されたという人がほとんどです。自分もそうでした。最後に立ち上がる勇気は、そ...
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