憂国の芸術
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コシノジュンコの絵画作品に感じる「真の反骨精神」
憂国の芸術(3)コシノジュンコの魂と芸術
考察と随想
一番新しい執行草舟コレクション収蔵作品は、ファッションデザイナーのコシノジュンコ氏の絵である。彼女と話すと、日本人の燃える魂を感じる。そして、コシノ氏の母も、とても素晴らしい。生活そのものが芸術になっているような人であった。そんなコシノジュンコ氏の絵画作品には、彼女自身や彼女の母の「日本的な歴史に根差した真の反骨精神」が描かれているように感じる。それゆえ、彼女の絵のシリーズ全体を執行草舟は「ミューズ・ブラッキー(黒の女神)」と呼んでいる。(全9話中第3話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:10分53秒
収録日:2021年12月2日
追加日:2022年1月28日
カテゴリー:
≪全文≫

●コシノジュンコさんと、そのお母さんの「燃える魂」


執行 最近だと、ちょうど後ろに並んでいるコシノジュンコさんという有名なファッションデザイナーの作品です。これは「憂国の芸術」の中でも一番新しく、去年知り合った芸術作品です。コシノジュンコさんのファッションブランドの本店が入ったビルに行って、そこで展示されていたのを見て感動し、草舟コレクション「憂国の芸術」に入れさせていただいたのです。これからどんどん集めて、どんどん増やしていきます。

 コシノジュンコさんもここに来られ、見ていただきました。私もコシノジュンコさんのビルに何度もお邪魔しました。彼女は当然まだ生きていらっしゃるので、お話しすることもできますが、やはり本当に素晴らしい人です。ただのデザイナーじゃない。「日本を背負う」というと大げさですが、日本人の本当に燃える魂を、生きている人間として今現在持っている方です。

―― 燃える魂を。

執行 すごい、燃える魂です。それが作品になっているのです。それがファッションにもなっていると思います。私は男なのでファッションはよく分かりませんが、絵画など芸術作品は分かります。だから芸術作品として、これを譲り受けさせていただきました。すでに何点もあるので、これからどんどん展示していこうと思っています。

 コシノさんは、ご存命なのでお話ししますが、やはりこれだけの作品を描くだけあって、一言で言うと「自分というものがない人」です。

――「自分がない人」ですか。

執行 自分がまったくない。すごく自己主張は強いけれども、その主張は全部、「人間としての魂の主張」です。

―― 魂の主張なのですか。

執行 例えば、生命とはこうだとか、人間が生きるとはこうだとか、芸術とはこうだとか。そういうものがコシノさんの主張なのです。それは、自己主張と言えば自己主張ですが、わがままみたいな自己主張じゃない。本当の芸術家の自己主張です。

 だから多分、(私はまだ、ファッションについてはわかりませんが)、コシノさんのファッションは、独特の、人間の生活に革命を起こすようなファッションだと思います。

―― 彼女は焼け野原から出てきた人ですよね。

執行 らしいですね。私はコシノさんと知り合って、すっかりコシノさんに惚れ込みました。いろいろな本なども読むと、お母さんが素晴らしい。肝っ玉母さんで...