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考えてみれば人類が発展したのは「性悪説」の時代だった

電脳社会の未来(6)人類は性善説によって滅びる

執行草舟
実業家/著述家/歌人
情報・テキスト
理解しておかなければいけないのは、人類の発展を支えたのは「性悪説」だということである。だが、現在は「生まれただけで素晴しい」という性善説ばかりがもてはやされている。それでは、しつけも教育もできるはずがない。そして、これまで述べてきたように、「楽をしたい」という意識が、ホモ・サピエンスを滅びへの道に進ませている。一昔前であれば、「楽をしたい」ということばかり言う人は「クズ」だと言われた。だが今では、「楽をしたいのは、人間だから当たり前」と言う人ばかりになってしまった。(全9話中第6話)
※インタビュアー:神藏孝之(テンミニッツTV論説主幹)
時間:12:48
収録日:2023/08/02
追加日:2023/10/20
カテゴリー:
≪全文≫

●日本人の半分が餓死するような時代は来るか?


執行 グローバリズムの中で暮らしている人間は全員、滅びる前のローマ帝国の状況になります。でも、しばらくのあいだはAIが養うと思います。

―― なるほど。AIとロボティクス(ロボット工学)で。

執行 今もう基幹産業の90パーセントをロボットがやっています。人間はロボットをコントロールするのに2、3人いれば十分です。

 今はロボットを作るために人手が要りますが、そのうち自己修復できるようになれば、作ることまで全部ロボットが自分でやると。山で金属を掘ってきて、それを製錬して自分たちで自分の肉体、つまりロボット作り、そこにAI入れればできるようになると。

―― なるほど。

執行 これ笑い事ではなく、必ずなります。だから、よいことは科学的にも平等も全部AIがやったほうが素晴らしい社会ができる、間違いなく。とにかく楽をしたい限り、もうダメです。

―― そうでしょうね。

執行 そして、もう全員なっている。嫌な言葉ですが、やはり理屈を抜いた神の摂理、天の摂理を感じます。これだけみんな「楽したい、楽したい」と思うのは、ある種、異常です。

「人間だから当たり前」と言う人もいますが、それはクズの言うことです。当たり前ではない。昔は、そんなことを言う人は「クズ」と言われました。

―― そうですね。

執行「うまいことやりたい」とか。私が若い頃まではそうでしたが、今は言われません。

―― むしろ「クズ」と言った人が攻撃されます。

執行 本当にそうです。自分が楽したい。自分が得したい。「その何が悪いんだ」とみんな言っています。でも悪いのです。こんなことを昔言ったら大変です。

―― でも先生が言われるように、1000兆円以上の借金がある国が少子化対策で恒常的に社会保障費を3.5兆円増やし、防衛費を4兆円増やす。愚かなこと、この上ないですね。

執行 そうです。でも、アメリカとヨーロッパはもっとすごい。

―― アメリカは200兆円を2回撒いています。

執行 日本のほうが、まだいいぐらいです。日本人と結婚しているフランス人の知人は「子どもを絶対にフランスには住ませない。日本がいい」と言っています。(フランスは)まず危険だし、もう一切嫌だと。とにかく好き嫌い抜きで、「日本が安全だ」と言っています。安全だけでも日本だと。

 これはドイツ人もフランス人も、日本に来たことのある知り合いの外国人はみんな言ってます。日本人と結婚したり、外国人同士で結婚して日本で子どもを産んだ人、みんなに日本(がいい)と言っている。例外はありません。

 国民がおとなしいですから。おとなしいというだけでメリットなのです。

―― なるほど。(それは、ある意味)家畜になりやすいわけですね。

執行 まあ、そういう欠点もありますが。

―― でも、おとなしいことはメリットだと。

執行 でもヨーロッパ人も、もうほとんど家畜です。私はヨーロッパ文明が好きだったから、残念ですが、あの偉大なヨーロッパの面影はもう全くありません。一時代前のヨーロッパ人の面影は全然ない。キリスト教を失ったから。

―― やはり神があって、ルネサンスも必要だったんですね。

執行 そうです。今のヨーロッパで神の名前を挙げたら大変です。私なんて、もう首切りです。今、宗教の話は、ヨーロッパ人には絶対にタブー。ヨーロッパの国で「キリスト教」という言葉を使っただけで、もう差別として引っかかってしまいます。国民の半分を占めるイスラム教徒に対する差別ということで、「キリスト教」という言葉は使えないのです。

―― 頑強なカソリックだった国が……。

執行 あの宗教裁判と魔女狩りの国が…。

―― 確かにそうですね。宗教裁判と魔女狩りですね。

執行 そう、呆れてしまいます。

―― はい。教会で鐘がつけなくなったと。

執行 全部訴えられる。騒音防止法で鐘を打てない。鐘なんて叩いたら、すぐ近所から騒音で訴えられるのです。これがヨーロッパの現状です。だから、もう滅びているのです。

―― 滅びているわけですね。

執行 これを今、みんな認めないでしょう。だから、AIの問題がわからない。実はAIは人類の唯一の希望なのです。もうロボット技術とAIの技術がなければ、ホモ・サピエンスは滅びるのを待つだけです。

 今、AIとロボットが世界中からいなくなったとします。そうすると、日本人は多分、半分餓死します。

―― 稼げないから。

執行 もう一切ドルが入ってこない。ゼロです。(そうなると)日本の場合、餓死で、3カ月で6000万人が死ぬでしょう。これは本当の話です。

―― エネルギーも買えないし、食料も買えないですから。

執行 ロボットが動かなくなったら、日本はエネルギーも買えません。日本は知っての通り、食料自給率がゼロで...
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