●日本人の半分が餓死するような時代は来るか?
執行 グローバリズムの中で暮らしている人間は全員、滅びる前のローマ帝国の状況になります。でも、しばらくのあいだはAIが養うと思います。
―― なるほど。AIとロボティクス(ロボット工学)で。
執行 今もう基幹産業の90パーセントをロボットがやっています。人間はロボットをコントロールするのに2、3人いれば十分です。
今はロボットを作るために人手が要りますが、そのうち自己修復できるようになれば、作ることまで全部ロボットが自分でやると。山で金属を掘ってきて、それを製錬して自分たちで自分の肉体、つまりロボット作り、そこにAI入れればできるようになると。
―― なるほど。
執行 これ笑い事ではなく、必ずなります。だから、よいことは科学的にも平等も全部AIがやったほうが素晴らしい社会ができる、間違いなく。とにかく楽をしたい限り、もうダメです。
―― そうでしょうね。
執行 そして、もう全員なっている。嫌な言葉ですが、やはり理屈を抜いた神の摂理、天の摂理を感じます。これだけみんな「楽したい、楽したい」と思うのは、ある種、異常です。
「人間だから当たり前」と言う人もいますが、それはクズの言うことです。当たり前ではない。昔は、そんなことを言う人は「クズ」と言われました。
―― そうですね。
執行「うまいことやりたい」とか。私が若い頃まではそうでしたが、今は言われません。
―― むしろ「クズ」と言った人が攻撃されます。
執行 本当にそうです。自分が楽したい。自分が得したい。「その何が悪いんだ」とみんな言っています。でも悪いのです。こんなことを昔言ったら大変です。
―― でも先生が言われるように、1000兆円以上の借金がある国が少子化対策で恒常的に社会保障費を3.5兆円増やし、防衛費を4兆円増やす。愚かなこと、この上ないですね。
執行 そうです。でも、アメリカとヨーロッパはもっとすごい。
―― アメリカは200兆円を2回撒いています。
執行 日本のほうが、まだいいぐらいです。日本人と結婚しているフランス人の知人は「子どもを絶対にフランスには住ませない。日本がいい」と言っています。(フランスは)まず危険だし、もう一切嫌だと。とにかく好き嫌い抜きで、「日本が安全だ」と言っています。安全だけでも日本だと。
これはドイツ人もフランス人も、日本に来たことのある知り合いの外国人はみんな言ってます。日本人と結婚したり、外国人同士で結婚して日本で子どもを産んだ人、みんなに日本(がいい)と言っている。例外はありません。
国民がおとなしいですから。おとなしいというだけでメリットなのです。
―― なるほど。(それは、ある意味)家畜になりやすいわけですね。
執行 まあ、そういう欠点もありますが。
―― でも、おとなしいことはメリットだと。
執行 でもヨーロッパ人も、もうほとんど家畜です。私はヨーロッパ文明が好きだったから、残念ですが、あの偉大なヨーロッパの面影はもう全くありません。一時代前のヨーロッパ人の面影は全然ない。キリスト教を失ったから。
―― やはり神があって、ルネサンスも必要だったんですね。
執行 そうです。今のヨーロッパで神の名前を挙げたら大変です。私なんて、もう首切りです。今、宗教の話は、ヨーロッパ人には絶対にタブー。ヨーロッパの国で「キリスト教」という言葉を使っただけで、もう差別として引っかかってしまいます。国民の半分を占めるイスラム教徒に対する差別ということで、「キリスト教」という言葉は使えないのです。
―― 頑強なカソリックだった国が……。
執行 あの宗教裁判と魔女狩りの国が…。
―― 確かにそうですね。宗教裁判と魔女狩りですね。
執行 そう、呆れてしまいます。
―― はい。教会で鐘がつけなくなったと。
執行 全部訴えられる。騒音防止法で鐘を打てない。鐘なんて叩いたら、すぐ近所から騒音で訴えられるのです。これがヨーロッパの現状です。だから、もう滅びているのです。
―― 滅びているわけですね。
執行 これを今、みんな認めないでしょう。だから、AIの問題がわからない。実はAIは人類の唯一の希望なのです。もうロボット技術とAIの技術がなければ、ホモ・サピエンスは滅びるのを待つだけです。
今、AIとロボットが世界中からいなくなったとします。そうすると、日本人は多分、半分餓死します。
―― 稼げないから。
執行 もう一切ドルが入ってこない。ゼロです。(そうなると)日本の場合、餓死で、3カ月で6000万人が死ぬでしょう。これは本当の話です。
―― エネルギーも買えないし、食料も買えないですから。
執行 ロボットが動かなくなったら、日本はエネルギーも買えません。日本は知っての通り、食料自給率がゼロで...