社会人向け教養サービス 『テンミニッツ・アカデミー』 が、巷の様々な豆知識や真実を無料でお届けしているコラムコーナーです。
医療ミスを防ぐ「セカンドオピニオン」とは?
昨今、医療ミスに関連する事件の報道が多いように感じませんか。群馬大学病院で腹腔鏡手術を行った8人が、2010年から2014年にかけて術後に相次いで死亡した事件は社会に大きな衝撃を与え、記憶に新しい人も少なくないでしょう。この事件では病院の体制も問題になりましたが、治療方針が担当医師の独断で決められていたことや、手術前に患者側に対する適切な説明がなされていなかったことも指摘事項としてあげられています。
こうした事態を防ぐために、患者側の私たちには何ができるのでしょうか。最近の日本では、患者に治療内容を説明して同意を求めるインフォームドコンセントという考え方が広がっており、治療の際には患者の了承を得ることが欠かせなくなっています。とはいえ、主治医の話に対して医療の素人である私たちが正しいのかを判断をするのは難しいもの。手術前に理解が足りないままで同意書にサインしてしまって、後悔するということは避けたいものですよね。今回はそんな私たちにとって心強い味方になるセカンドオピニオンという存在を紹介します。
実際にセカンドオピニオンを使った人のなかには「診断内容に納得していなかったが、セカンドオピニオンで違う病名を診断してもらえた」という声や「セカンドオピニオンの助言で薬を変えたらとても楽になった」という声も見られます。アメリカでは一般に浸透していて、日本ではまだまだ一般的ではないと感じるかもしれませんが、最近ではセカンドオピニオン外来を設ける病院も増えてきています。その際には信頼できる病院の外来を選ぶようにすることも大切です。インターネットで検索したり、がん治療であれば「がん相談支援センター」に問い合わせることで、情報収集できます。
注意しなければならないのは、セカンドオピニオンは公的医療保険が適用されないので全額自己負担になるということ。料金は病院によって異なりますが、30~60分で20,000~40,000円程度かかるといわれています。決して安くはありませんが、主治医の診察や治療で不安がある場合には、安心して治療を受けるためだと思い利用してみるのも良いかもしれません。
医療ミスから自分の身を守るためには、医療のプロに任せきりにするのではなく、患者自身もメディカルチームの一員であると自覚することが重要です。薬や治療方法は適切なのか、病名は合っているのか、そうした疑問をないがしろにしたことは結局自分の身に返ってくる危険性もあります。病気やケガをした際には、セカンドオピニオンの利用も視野に入れて、自分も納得した状態で治療を行うことを心がけましょう。
こうした事態を防ぐために、患者側の私たちには何ができるのでしょうか。最近の日本では、患者に治療内容を説明して同意を求めるインフォームドコンセントという考え方が広がっており、治療の際には患者の了承を得ることが欠かせなくなっています。とはいえ、主治医の話に対して医療の素人である私たちが正しいのかを判断をするのは難しいもの。手術前に理解が足りないままで同意書にサインしてしまって、後悔するということは避けたいものですよね。今回はそんな私たちにとって心強い味方になるセカンドオピニオンという存在を紹介します。
セカンドオピニオンとは
セカンドオピニオンとは主治医とは別の専門医に治療や診断についての意見を聞くことをいいます。診察は行わず、主治医のもとで行った検査結果や治療内容を見ることで、適切な診断・治療がなされているのか客観的な専門医の意見を聞くことができます。主治医による誤診や適切でない治療が見つかれば改善につながりますし、異なる治療法の選択肢を広げることもできるのです。実際にセカンドオピニオンを使った人のなかには「診断内容に納得していなかったが、セカンドオピニオンで違う病名を診断してもらえた」という声や「セカンドオピニオンの助言で薬を変えたらとても楽になった」という声も見られます。アメリカでは一般に浸透していて、日本ではまだまだ一般的ではないと感じるかもしれませんが、最近ではセカンドオピニオン外来を設ける病院も増えてきています。その際には信頼できる病院の外来を選ぶようにすることも大切です。インターネットで検索したり、がん治療であれば「がん相談支援センター」に問い合わせることで、情報収集できます。
セカンドオピニオンを受けるためには
基本的には主治医のもとで治療することが原則となるので、まずは主治医にセカンドオピニオンを受けることを相談する必要があります。前述の通りセカンドオピニオンでは診察を行わないので、主治医の紹介状とともに検査結果の資料を用意しなければなりません。また、主治医が同席するわけではないので自分の病気について理解を深め、自分が何を相談したいのか明確することが重要になります。セカンドオピニオンの意見は必ず主治医にフィードバックする必要がありますが、病院によっては報告書を作成してくれる場合もあるのであわせて確認しておくのが良いでしょう。注意しなければならないのは、セカンドオピニオンは公的医療保険が適用されないので全額自己負担になるということ。料金は病院によって異なりますが、30~60分で20,000~40,000円程度かかるといわれています。決して安くはありませんが、主治医の診察や治療で不安がある場合には、安心して治療を受けるためだと思い利用してみるのも良いかもしれません。
医療ミスから自分の身を守るためには、医療のプロに任せきりにするのではなく、患者自身もメディカルチームの一員であると自覚することが重要です。薬や治療方法は適切なのか、病名は合っているのか、そうした疑問をないがしろにしたことは結局自分の身に返ってくる危険性もあります。病気やケガをした際には、セカンドオピニオンの利用も視野に入れて、自分も納得した状態で治療を行うことを心がけましょう。
<参考サイト>
・セカンドオピニオンとは?セカンドオピニオンを賢く受ける8つの手順
https://secondopinion-japan.com/about/
・虎の門病院 セカンドオピニオン希望の方
https://www.toranomon.gr.jp/visit/2nd_opinion/
・セカンドオピニオンとは?セカンドオピニオンを賢く受ける8つの手順
https://secondopinion-japan.com/about/
・虎の門病院 セカンドオピニオン希望の方
https://www.toranomon.gr.jp/visit/2nd_opinion/
~最後までコラムを読んでくれた方へ~
より深い大人の教養が身に付く 『テンミニッツTV』 をオススメします。
明日すぐには使えないかもしれないけど、10年後も役に立つ“大人の教養”を 5,500本以上。
『テンミニッツ・アカデミー』 で人気の教養講義をご紹介します。
各々の地でそれぞれ勝手に…森林率が高い島国・日本の特徴
「集権と分権」から考える日本の核心(5)島国という地理的条件と高い森林率
日本の政治史を見る上で地理的条件は外せない。「島国」という、外圧から離れて安心をもたらす環境と、「山がち」という大きな権力が生まれにくく拡張しにくい風土である。特に日本の国土は韓国やバルカン半島よりも高い割合の...
収録日:2025/06/14
追加日:2025/09/15
地球上の火山活動の8割を占める「中央海嶺」とは何か
海底の仕組みと地球のメカニズム(1)海底の生まれるところ
海底はどうやってできるのか。なぜ火山ができるのか。プレートが動くのは地球だけなのか。またそれはどうしてか。ではプレートは海底の動きの全てを説明できるのか。地球史規模の海底の動きについて、海底調査の実態から最新の...
収録日:2020/10/22
追加日:2021/05/02
「国際月探査」とは?アルテミス合意と月探査の意味
未来を知るための宇宙開発の歴史(9)宇宙開発を継続するための国際月探査
現在の宇宙開発は「国際月探査」を合言葉に掲げている。だが月は人類の移住先にも適さず、探査にさほどメリットがない。にもかかわらずなぜ「月探査」が目標として掲げられているのか。それは冷戦後、宇宙開発の目標を失った各...
収録日:2024/11/14
追加日:2025/09/16
成長を促す「3つの経験」とは?経験学習の基本を学ぶ
経験学習を促すリーダーシップ(1)経験学習の基本
組織のまとめ役として、どのように接すれば部下やメンバーの成長をサポートできるか。多くの人が直面するその課題に対して、「経験学習」に着目したアプローチが有効だと松尾氏はいう。では経験学習とは何か。個人、そして集団...
収録日:2025/06/27
追加日:2025/09/10
狩猟採集生活の知恵を生かせ!共同保育実現に向けた動き
ヒトは共同保育~生物学から考える子育て(3)共同保育を現代社会に取り戻す
ヒトは、そもそもの生き方であった狩猟採集生活でも子育てを分担してきた。それは農業社会においても大きくは変わらなかったが、しかし産業革命以降、都市化が進み、貨幣経済と核家族化と個人主義が浸透した。ヒトが従来行って...
収録日:2025/03/17
追加日:2025/09/14