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DATE/ 2017.10.19

ゴミ袋「1枚120円」!地域で異なるゴミ処理戦略

 日々の暮らしの中でどうしても出てしまうものが、ゴミ。断捨離ブームの続く昨今ですが、ゴミ回収にも地域で差があるのはご存知ですか。筆者も、最近有料ゴミ袋のある地域に引っ越して来ましたが、ゴミ袋の値段の高さに驚きました。

 以前住んでいた地域ではゴミ袋はスーパーのレジ袋で代用可能でしたが、越してきた地域では自治体指定の有料ゴミ袋でないと回収されません。また、分別もとても細かく、不動産屋さんのサイトでは物件のある町のごみ処理についての情報をまとめているところもあるくらいです。

 生活から切り離せないゴミですが、有料袋の有無や価格、分別のルールもそれぞれ異なり地元民の生活に影響を投げかけています。どうしてこんなに差があるのでしょうか。

あなたの町でゴミ袋はおいくらですか?

 『廃棄物年間 2017年度版』によれば、ゴミ処理の有料化に踏み切った自治体は全国市町村の半数以上にあたります。実は無料の方が少数派なのです。

 ゴミ袋の価格の中でもっとも目をひくのは北海道帯広市。最大容量40リットル入りの袋が1枚120円になります。東京都内では府中市や立川市が同サイズで1枚80円、広島県呉市では40円、熊本県熊本市では45リットル入りで35円、沖縄県那覇市では30円とだいぶ差があるのがわかります。また、茨城県下妻市などをはじめとして、指定ゴミ袋を世帯ごとに無料配布し、足りなくなった分は購入するという、超過量方式を採用している自治体もあるようです。

 そもそもなぜ有料化が始まったのでしょう?ひとつには自治体が持っているゴミの埋立地などの残量が関わっているようです。狭い日本、大量のゴミをどこへやる……広大な面積を誇るアメリカでさえ処分場確保に行き詰まった地域から有料化が開始されています。

 また、自治体ホームページによれば有料化やエコ意識の浸透でゴミそのものの排出量を低くすること、焼却施設の維持費は高額になるためそのための財源確保という面もあるようです。

有料化の費用対効果

 市民感情としてはなるべく支出は抑えたいところですが、実際有料化の効果はどうなのでしょうか。日本のゴミの総排出量は2000年をピークに下降してきています。前後して有料化に取組み始める自治体が増えていることもありますが、単純に有料化するだけでなく、エコ活動を呼びかけるなど、地道な活動あってこその効果であるともいわれています。価格設定を市販の袋と同じにしたところ、抑制効果が得られずじまいというケースもあるようです。

 また、同時にごみの排出量は「景気の上下」に左右されるという点も指摘されています。現在の総排出量の低下はエコ意識によるものではなく、単に節約意識からという指摘も出ているのです。

 とはいえ、ゴミそのものを少なくするのに越したことはないでしょう、先進国でもっとも一人当たりのゴミ排出量の多いのは日本。日本は世界有数のごみ焼却炉保持国であり、ダイオキシンの排出量も世界一と、不名誉な数値を叩き出しているのが現状です。ごみ処理にかかる必要経費が下がれば億単位の維持費のかかる処理場そのものの性能向上もしくは縮小が可能になり、ひいては全体のコストパフォーマンス削減へとつながることが期待されているのです。

有料ゴミ袋よりも先へ、新世界のゴミ戦略

 ここで世界に目を向けてみると、最先端のゴミ処理事情が見えてきます。情報番組でも度々とりあげられているノルウェーやスウェーデンは、ごみの焼却熱を利用しての発電施設は効率が非常に高く、燃料となるごみが足りなくて海外から輸入するほどと有名です。アジアではベトナムでもごみ処理熱発電システムに着手するというニュースが入ってきています。

 また、米国サンフランシスコ州、韓国の釜山ではゴミを管理するのではなく消滅させ、すべての廃棄物を資源に変えるというゼロウェイスト戦略で、埋立地問題から新展開を迎えました。地域で出たごみは地域で処理する、従来の燃えるゴミを生ゴミと可燃ゴミで徹底してわけて堆肥などにして畑に使う、リサイクル不能となるゴミの責任は生産者側に回るなどを徹底するなど、新たな取組みが自治体の環境そのものを向上させています。

 2020年の東京五輪において、世界に「もったいない」の精神を誇るには、日本のごみ処理問題について大きな舵取りの必要があるようです。

<参考文献>
・『廃棄物年間 2017年度版』(環境産業新聞社)
・『ごみゼロへの挑戦 ゼロウェイスト最前線』(山谷修作著、丸善出版)
・『ごみ見える化 有料化で推進するごみ減量』(山谷修作著、丸善)
・『ごみ減量 全国自治体の挑戦』(服部美佐子著、丸善)
・『ごみを資源にまちづくり』(中村修著、農山漁村文化協会)
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