社会人向け教養サービス 『テンミニッツTV』 が、巷の様々な豆知識や真実を無料でお届けしているコラムコーナーです。
ハローワークは使える?就職サイトとの違いは?
就職や転職に際して、ハローワークは「使える」のでしょうか?
結論から言うと、ハローワークは使えます。ただし使うメリットのより多い人と少ない人はいます。そして、より有効な活用方法を知らないため、お得な情報を逃している人もいるかもしれません。
そしてなにより、求人情報や就職支援情報が玉石混淆していることも事実なため、「利用のコツ」が必要になってきます。就職サイトと比較しつつ、ハローワークの有効活用法をみていきたいと思います。
ハローワーク利用にはいくつかのメリットがありますが、そのうちの主な3つを紹介します。1つ目は、求人量が多いことです。就職サイト等と違い無料で求人を出すことができるため、幅広い層の企業が求人を登録しています。2つ目は、全国に550以上あり、地域に根ざした求人案件を多数紹介していることです。3つ目は、職員や相談員によるキャリアコンサルティングやサポートや就職支援セミナーなどを無料で受けられることです。
ただし、メリットも見方を変えるとデメリットになってしまうこともあります。まず無料で求人を出せるため、残念ながらブラック企業の求人や実際の業務内容と違う求人情報が混ざっていることも多々あります。そして、地元のハローワークでは十分な支援が用意されていなかったり、地域性によっては似たような求人しかなかったりする場合もあります。また、職員や相談員の質にばらつきがあり、腕利きの相談員や相性のよい職員に出会えないこともあります。
そして、ハローワークの求人と違い、画像や動画などの独自のコンテンツが求人情報と一緒公開されていることが多いため、企業の雰囲気や業務内容がわかりやすくイメージしやすくなります。また、応募企業の担当者と直接やり取りができたり、スカウト機能などで新たな企業との出会いがあったりといったメリットがあります。
しかし、ネットで世界中に公開されており、なおかつ応募もカンタンにできるため、応募総数は多くなり倍率が高くなる傾向にあります。さらに採用企業からサイト運営企業への料金が発生してしまうこともあり、採用どころか面接にも至らないことも多々あります。また、基本は間に入ってくれる人がいないため、すべて自分で調整しなくてはならないことや、選考に落ちた理由や評価ポイントなどがフィードバックされないといったデメリットがあります。
日向氏は、まずは「ハローワークインターネットサービス」を併用し、おおまかな検索はハローワークに行く前に済ましておくこと。つぎに、「ハローワークプラザ」など、地元以外のより支援やサービスの手厚いハローワークにも行くことをすすめています。ハローワークによっては、マンツーマンのキャリアコンサルを受けられたり、質の高い就職セミナーやワークショップなどにも、無料で気軽に参加できたりもします。
また、中高年ホワイトカラー求職者の再就職活動を支援するための「キャリア交流プラザ」や、「ヤングワークプラザ」「ジョブカフェ」のような若者向けのハローワークの関連施設など、年齢や用途に応じた特化した施設もあります。そして「求職者支援制度(職業訓練)」の利用によって、より高度な専門技術を無料もしくは安価かつ、失業手当の受給中に手にすることも可能になると取り上げ、年齢やライフスタイルに応じたハローワークの、さらなる有効活用方法を多面的に提案しています。
労働社会学・マスメディア論・ジェンダー研究を専門とする、ジャーナリストで和光大学教授の竹信三恵子氏は、著書『これを知らずに働けますか?』で「ハローワークか民間かを問わず、求人票は会社が出した情報が元です。だからこそ、必ず客観的なデータなどで裏付けをとること、必要な情報は自分で多角的に収集すること」とし、「情報は丸呑みせずにウラをとることが基本です」と警鐘を鳴らし、『就職四季報』等の活用を提案しています。
情報や選択肢が多いことは、基本的にはとてもすばらしいことです。しかし多様な情報には、間違った情報や不要な情報も含まれてしまいます。そのような情報に惑わされないためにも、しっかりとした目的を定めてエビデンスに基づく有益な情報を選べるようにしたいですね。
結論から言うと、ハローワークは使えます。ただし使うメリットのより多い人と少ない人はいます。そして、より有効な活用方法を知らないため、お得な情報を逃している人もいるかもしれません。
そしてなにより、求人情報や就職支援情報が玉石混淆していることも事実なため、「利用のコツ」が必要になってきます。就職サイトと比較しつつ、ハローワークの有効活用法をみていきたいと思います。
ハローワークのメリットとデメリットとは?
ハローワークとは「公共職業安定所」の愛称です。その名のとおり厚生労働省の運営する公共の機関で、職業紹介や職業指導、失業給付や雇用保険に関する手続きや事務なども無料で行ってくれます。すべての世代における、「就職活動の基本となる機関」といえます。ハローワーク利用にはいくつかのメリットがありますが、そのうちの主な3つを紹介します。1つ目は、求人量が多いことです。就職サイト等と違い無料で求人を出すことができるため、幅広い層の企業が求人を登録しています。2つ目は、全国に550以上あり、地域に根ざした求人案件を多数紹介していることです。3つ目は、職員や相談員によるキャリアコンサルティングやサポートや就職支援セミナーなどを無料で受けられることです。
ただし、メリットも見方を変えるとデメリットになってしまうこともあります。まず無料で求人を出せるため、残念ながらブラック企業の求人や実際の業務内容と違う求人情報が混ざっていることも多々あります。そして、地元のハローワークでは十分な支援が用意されていなかったり、地域性によっては似たような求人しかなかったりする場合もあります。また、職員や相談員の質にばらつきがあり、腕利きの相談員や相性のよい職員に出会えないこともあります。
就職サイトにもあるメリットとデメリット
一方、就職サイトは民間企業が運営しており、就職活動に関する情報提供を行ってくれ、登録やエントリーをすることによって、就職活動をバックアップしてくれます。なお、就職サイトの資金源の基本は、求人情報を出している各企業です。ですから利用者は、登録・求人検索・応募など基本的な利用は、ハローワークと同じく無料で行うことができます。そして、ハローワークの求人と違い、画像や動画などの独自のコンテンツが求人情報と一緒公開されていることが多いため、企業の雰囲気や業務内容がわかりやすくイメージしやすくなります。また、応募企業の担当者と直接やり取りができたり、スカウト機能などで新たな企業との出会いがあったりといったメリットがあります。
しかし、ネットで世界中に公開されており、なおかつ応募もカンタンにできるため、応募総数は多くなり倍率が高くなる傾向にあります。さらに採用企業からサイト運営企業への料金が発生してしまうこともあり、採用どころか面接にも至らないことも多々あります。また、基本は間に入ってくれる人がいないため、すべて自分で調整しなくてはならないことや、選考に落ちた理由や評価ポイントなどがフィードバックされないといったデメリットがあります。
ハローワークの有効活用方法あれこれ
転職や失業など職業生活全般の情報に詳しく、関連書籍なども多数執筆しているフリーランスライターの日向咲嗣氏は、著書『ある日突然、失業したら、どうする・どうなる』で、「転職を一歩リードするにはハローワークを使おう」と呼びかけ、ハローワークの有効活用方法を紹介しています。日向氏は、まずは「ハローワークインターネットサービス」を併用し、おおまかな検索はハローワークに行く前に済ましておくこと。つぎに、「ハローワークプラザ」など、地元以外のより支援やサービスの手厚いハローワークにも行くことをすすめています。ハローワークによっては、マンツーマンのキャリアコンサルを受けられたり、質の高い就職セミナーやワークショップなどにも、無料で気軽に参加できたりもします。
また、中高年ホワイトカラー求職者の再就職活動を支援するための「キャリア交流プラザ」や、「ヤングワークプラザ」「ジョブカフェ」のような若者向けのハローワークの関連施設など、年齢や用途に応じた特化した施設もあります。そして「求職者支援制度(職業訓練)」の利用によって、より高度な専門技術を無料もしくは安価かつ、失業手当の受給中に手にすることも可能になると取り上げ、年齢やライフスタイルに応じたハローワークの、さらなる有効活用方法を多面的に提案しています。
目的とエビデンスをしっかりと持つためにも
ここでいったん、「なぜハローワークや就職サイトを使うのか」という、根本に戻りたいと思います。それは「よりよい就職や転職という目的を達成するため」でしょう。労働社会学・マスメディア論・ジェンダー研究を専門とする、ジャーナリストで和光大学教授の竹信三恵子氏は、著書『これを知らずに働けますか?』で「ハローワークか民間かを問わず、求人票は会社が出した情報が元です。だからこそ、必ず客観的なデータなどで裏付けをとること、必要な情報は自分で多角的に収集すること」とし、「情報は丸呑みせずにウラをとることが基本です」と警鐘を鳴らし、『就職四季報』等の活用を提案しています。
情報や選択肢が多いことは、基本的にはとてもすばらしいことです。しかし多様な情報には、間違った情報や不要な情報も含まれてしまいます。そのような情報に惑わされないためにも、しっかりとした目的を定めてエビデンスに基づく有益な情報を選べるようにしたいですね。
<参考文献>
・『ある日突然、失業したら、どうする・どうなる』(日向咲嗣著、明日香出版社)
・『これを知らずに働けますか?』(竹信三恵子著、ちくまプリマー新書)
・『ある日突然、失業したら、どうする・どうなる』(日向咲嗣著、明日香出版社)
・『これを知らずに働けますか?』(竹信三恵子著、ちくまプリマー新書)
~最後までコラムを読んでくれた方へ~
より深い大人の教養が身に付く 『テンミニッツTV』 をオススメします。
明日すぐには使えないかもしれないけど、10年後も役に立つ“大人の教養”を 5,300本以上。
『テンミニッツTV』 で人気の教養講義をご紹介します。
経営をひと言で?…松下幸之助曰く「2つじゃいけないか」
東洋の叡智に学ぶ経営の真髄(1)経営とは何かをひと言で?
東洋思想を研究する中で、50年間追求してきた命題の解を得たと田口佳史氏は言う。また、その命題を得るきっかけとなったのは松下幸之助との出会いだった。果たしてその命題とは何か、生涯の研究となる東洋思想とどのように結び...
収録日:2024/09/19
追加日:2024/11/21
次の時代は絶対にアメリカだ…私費で渡米した原敬の真骨頂
今求められるリーダー像とは(3)原敬と松下幸之助…成功の要点
猛獣型リーダーの典型として、ジェネラリスト原敬を忘れてはならない。ジャーナリスト、官僚、実業家、政治家として、いずれも目覚ましい実績を上げた彼の人生は「賊軍」出身というレッテルから始まった。世界を見る目を養い、...
収録日:2024/09/26
追加日:2024/11/20
冷戦終焉から30年、激変する世界の行方を追う
ポスト冷戦の終焉と日本政治(1)「偽りの和解」と「対テロ戦争」の時代
これから世界は激動の時代を迎える。その見通しを持ったのは冷戦終焉がしきりに叫ばれていた時だ――中西輝政氏はこう話す。多くの人びとが冷戦終焉後の世界に期待を寄せる中、アメリカやヨーロッパ諸国、またロシアや同じく共産...
収録日:2023/05/24
追加日:2023/06/27
遊女の実像…「苦界と公界」江戸時代の吉原遊郭の二面性
『江戸名所図会』で歩く東京~吉原(1)「苦界」とは異なる江戸時代の吉原
『江戸名所図会』を手がかりに江戸時代の人々の暮らしぶりをひもとく本シリーズ。今回は、遊郭として名高い吉原を取り上げる。遊女の過酷さがクローズアップされがちな吉原だが、江戸時代の吉原には違う一面もあったようだ。政...
収録日:2024/06/05
追加日:2024/11/18
国の借金は誰が払う?人口減少による社会保障負担増の問題
教養としての「人口減少問題と社会保障」(4)増え続ける社会保障負担
人口減少が社会にどのような影響を与えるのか。それは政府支出、特に社会保障給付費の増加という形で現れる。ではどれくらい増えているのか。日本の一般会計の収支の推移、社会保障費の推移、一生のうちに人間一人がどれほど行...
収録日:2024/07/13
追加日:2024/11/19