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DATE/ 2016.02.13

30歳で年収1000万超のエリート!商社マンの年収を徹底分析!

 業種・業界ごとの平均年収を、国税庁「民間給与実態統計調査」平成25~26年版のランキングで見ると、トップ3は1位:総合商社=1286万円、2位:テレビ・放送=994万円、3位:携帯電話=913万円となる。

 総合商社はぶっちぎりの高額。就活生や合コン女子たちのあこがれの的になるのも当然である。そんな彼らの年収はなぜ高いのか、どこで差がつくのかなどを調べてみた。

大手5社の初任給は意外に世間並み!

 大手5社と呼ばれる三菱商事、三井物産、住友商事、伊藤忠商事、丸紅の初任給は、完全な横並びで20.5万円。まずまず平均並みの月収である。

 しかし業績が良ければ、1年目からボーナスが年間で150万円以上支給されることもあり、この時点で全サラリーマン平均年収の415万円を上回る。さらに2年目に入って定期昇給を迎えると、例えば三菱商事の場合は年収で一気に200万円アップ。他の業界と比較してみると大きな差がつきはじめることがわかる。

30歳で年収1000万超のエリート社員たち

 さまざまな経験を必要とする商社マンは30代前半までは「トレーニング期間」とされるため、実力差などまだない。同期の全員が一律に昇給し、30歳前後で年収1000万円をクリアしていくのだ。

 東洋経済オンラインによる30歳推計年収を見てみると、

 伊藤忠商事  1008万円  6位
 三井物産   962万円  9位
 三菱商事   958万円  11位
 住友商事   925万円  15位
 丸紅     921万円  16位

海外赴任手当もなるほどの厚さ

 かつては「海外に行きたければ商社に就職」といわれたが、実際に総合商社では海外赴任が多く、その手当や新興国赴任の際の「ハードシップ手当(危険地手当)」も手厚い伝統がある。

 三菱商事では、治安レベルなどに応じて赴任先の都市が14段階にランク分けされている。例えばランク5のテヘラン勤務になった場合、若手社員の単身赴任では月額19.9万円、管理職が家族を伴って赴任すれば月額38.9万円が上乗せされるという好待遇ぶりです。住宅手当はもちろん別で、新興国ではセキュリティの厳重な外国人向け高級住宅地、単身者はホテル並みのサービスが受けられる高給マンションに、会社の補助を得て暮らすことができるのだ。

30代半ばから本格的な激務体制に

 管理職になって残業手当が問題にならなくなる30代以降、商社マンの世界は完全な実力主義に移行する。「人は財産」といわれる商社では、個々の能力を最大限に発揮するための大きな権限が与えられる一方、責任やプレッシャーも半端ない。

 トレードビジネスに加えて事業投資に力を入れるようになった現在の商社は、現場の社員すら全容がつかみきれない複雑さを呈する。肌の合わない部署や他の会社への出向(いずれも世界がターゲット)なども日常茶飯事だ。

同期間格差の広がる50代、そして…

 体育会イメージの強い商社マンの間では、「チャレンジ精神がなくなったら、おしまい」との声も。激戦を闘い抜いて部長級となると年収は2000万円超(入社する150名中2-3名)、さらに役員になると5000万円(150名中1人いるかどうか)。

 ただし50代半ばで「役職定年」を迎える直前には、三菱商事で最低年収1500万円、最高3500万円、三井物産で最低1400万円、最高2400万円(「週刊ポスト」より)と、同期間格差は著しくなっていく。

 マインドタフネスか、高給のせいか、激務の割に人が辞めないことでも有名な総合商社だが、商社出身男性の平均寿命は60代半ばともいわれている。
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