●これからのターゲットはアジア
ヘルスケアを一つのビジネスとして考えなければいけないのは、海外への進出ということになります。これは、別にヘルスケアの世界に限ったことではなく、マーケットが大きいところを狙うといった意味では、一般のビジネスの世界でも高齢者、あるいはアジアを含めた海外へという流れは当然あると思います。
ヘルスケアの場合、高齢者はもともと主たるターゲットなので、それはあまり考える必要はなく、むしろ海外展開だという話が出てきています。その中でもアジアは身近ですし、成長力もあるので大きな市場になるということで、ここを考えようということになるわけです。
●ヘルスケアの視点でみるアジア事情
上のスライドを見ていただくと分かるように、アジアの成長率は結構高く、特に中国など近年はやや落ちてきましたが、GDPの成長率は非常に高いものがあります。少なくとも先進国であるG7などより高いということが大前提としてあります。
これを中長期、あるいは1000年くらいの単位でみると、アジアはもともと豊かなエリアでたまたまここ100年から200年くらいの間下がっただけで、今後また伸びてくるのではないかと見られています。それは日本も含めてですが、こういったところに日本がうまく絡めないかという見方もあります。
また、アジアでは可処分所得が特に中間層においてどんどん増えてきています。こういう時代において、日本あるいは日本のヘルスケアがこの中間層にうまくアピールして伸びていけるのではないかと思われます。よく言われるのは、一人当たりのGDPが1万ドルを超えると、ヘルスケアに対する関心が上がるということです。
一方、アジアの高齢化はどんどん進んでいます。日本がその最先端ではありますが、韓国、シンガポール、香港、いわゆるアジアの中の先進国では、日本に似たようなペースで進んでいるのです。また、インドネシアやマレーシア、インドあたりになると、大分先とはいえ、一応高齢化が予想されます。中国の場合、今は二人っ子と言っていますが、ずっと一人っ子政策をやっていたので、やはり高齢化は進むだろうと言われています。
ですから、...