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無名でも最先端!隠れた「超優良」企業とは?
国内にはおよそ382万社の企業があります。そのうち、一般によく知られている企業はほんの一握りしかありません。それらの企業は上場企業であり、CMをたくさん打つことができる大企業です。
一方、非上場で小規模で無名ながら、最先端で活躍する素晴らしい企業がたくさんあります。このコラムでは、『業界地図の見方が変わる! 無名でもすごい超優良企業』(田宮寛之著、講談社)をもとに、無名でも将来の転職先や投資先の候補にしたくなるような企業にスポットを当てていきます。
非上場企業で、もちろんCMも打っておらず、既存の業界の枠に収まらない企業となると、一般の人が知る機会はなかなかありません。
では、既存の業界区分から離れて、「夢の新素材を生み出す企業」「天変地異と闘う企業」など本書のユニークな分類にしたがって紹介します。
CNFの開発に乗り出した企業は少なくありませんが、非上場企業の「増幸産業」は、CNF製造装置「スーパーマスコロイダー」を製造しています。興味深いことに、実は創業1804年の超老舗企業で、江戸時代はなんと大砲を製造していたそうです。
もうひとつ、CNFではありませんが、新素材開発企業として取り上げるのは、慶應大学発のベンチャー企業「スパイバー」です。世界でもっとも強靭な繊維は「クモの糸」なのだそうですが、スパイバーは人工クモの糸を生産することに成功しました。2017年にはその人工クモの糸を使った「ムーンパーカ」がアウトドアブランドのノースフェイスから発売される予定です。
たとえば、気象関連では、社員の半数以上が気象予報士で1998年創業の「ライフビジネスウェザー」。この会社は、気象庁より20倍も緻密にピンポイントで予報することを可能とし、そうした情報を建設業界など気象にシビアな業界に提供するサービスを行っています。
また、1886年創業の老舗気象観測機器メーカーの「小笠原設計製作所」も注目されています。気象庁の地域気象観測システム(アメダス)の風向風速計、雨量計、気温計は同社の製品なのです。
災害時に出動する緊急車両を製造する企業からも見逃せません。消防車メーカー2位の「日本機械工業」、日本初の可搬式の消防ポンプを開発し、現在では可搬式消防ポンプの国内シェア50パーセント以上のトップメーカー「トーハツ」、福島第一原発事故の際に出動した特殊化学車両を製造する「コーワテック」などがあります。
富士通ホーム&オフィスサービスは、2000平方メートルの植物工場で、通常のレタスよりも5倍のカリウムを含むレタスを栽培しています。社名に「富士通」とありますが、この企業も非上場企業です。
陸上養殖の企業としては、茨城県つくば市の筑波西武工場団地内の養殖場でチョウザメを養殖する「フジキン」、海なし県でおなじみの栃木県の那珂川町でトラフグを養殖する「夢創造」があります。
ちなみにフジキンは宇宙ロケット、原子力発電所、半導体などのバルブを製造するメーカーでもあります。
本書では約240社が掲載されており、その中のほんの一部しかご紹介できませんでしたが、興味・関心のわく企業があったのではないでしょうか。ちょっと調べてみるだけでも、一般的に知られている会社がほんのわずかであることを、あらためて思い知らされます。
転職あるいは投資を考える際は、マスコミの情報だけではなく、ちょっとニッチな情報にもアクセスしてみると、素敵な出会いがあるかもしれません。
一方、非上場で小規模で無名ながら、最先端で活躍する素晴らしい企業がたくさんあります。このコラムでは、『業界地図の見方が変わる! 無名でもすごい超優良企業』(田宮寛之著、講談社)をもとに、無名でも将来の転職先や投資先の候補にしたくなるような企業にスポットを当てていきます。
最先端なのにどうして無名なの?
ところで、「最先端なのにどうして無名なの?」と思われるかもしれません。その理由の一つとして、多くの無名の最先端企業は、事業が多角化しており、「証券」や「機械」といった既存の業界区分に当てはまらないことが挙げられます。非上場企業で、もちろんCMも打っておらず、既存の業界の枠に収まらない企業となると、一般の人が知る機会はなかなかありません。
では、既存の業界区分から離れて、「夢の新素材を生み出す企業」「天変地異と闘う企業」など本書のユニークな分類にしたがって紹介します。
夢の新素材、セルロースナノファイバーと人工クモの糸
「夢の新素材を生み出す企業」としては、新素材として知られるセルロースナノファイバー(CNF)関連の企業がクローズアップされています。CNFは木材から作られており、重さが鉄の5分の1なのに対して、強度はなんと鉄の5倍。現在はまだ製造コストは高いのですが、将来的には炭素繊維の6分の1まで下がるといわれている、まさに夢の新素材です。CNFの開発に乗り出した企業は少なくありませんが、非上場企業の「増幸産業」は、CNF製造装置「スーパーマスコロイダー」を製造しています。興味深いことに、実は創業1804年の超老舗企業で、江戸時代はなんと大砲を製造していたそうです。
もうひとつ、CNFではありませんが、新素材開発企業として取り上げるのは、慶應大学発のベンチャー企業「スパイバー」です。世界でもっとも強靭な繊維は「クモの糸」なのだそうですが、スパイバーは人工クモの糸を生産することに成功しました。2017年にはその人工クモの糸を使った「ムーンパーカ」がアウトドアブランドのノースフェイスから発売される予定です。
世界で多発する災害に立ち向かう「防災企業」
近年、日本でも世界でも災害が多発しています。そこで注目されているのが「天変地異と闘う企業」防災企業です。たとえば、気象関連では、社員の半数以上が気象予報士で1998年創業の「ライフビジネスウェザー」。この会社は、気象庁より20倍も緻密にピンポイントで予報することを可能とし、そうした情報を建設業界など気象にシビアな業界に提供するサービスを行っています。
また、1886年創業の老舗気象観測機器メーカーの「小笠原設計製作所」も注目されています。気象庁の地域気象観測システム(アメダス)の風向風速計、雨量計、気温計は同社の製品なのです。
災害時に出動する緊急車両を製造する企業からも見逃せません。消防車メーカー2位の「日本機械工業」、日本初の可搬式の消防ポンプを開発し、現在では可搬式消防ポンプの国内シェア50パーセント以上のトップメーカー「トーハツ」、福島第一原発事故の際に出動した特殊化学車両を製造する「コーワテック」などがあります。
食糧危機を救う「植物工場」と「陸上養殖」
最後に紹介するのは「世界を食糧危機から救う企業」です。大きくは「植物工場」と「陸上養殖」の2つの分野で、どちらも最近はテレビでも取り上げられているのでご存じかもしれませんが、「植物工場」は完全に閉鎖された屋内で蛍光灯やLEDを使って人工的に植物を育てる工場のこと、「陸上養殖」は海水に生息する魚介類の養殖を海ではなく陸で行うことです。富士通ホーム&オフィスサービスは、2000平方メートルの植物工場で、通常のレタスよりも5倍のカリウムを含むレタスを栽培しています。社名に「富士通」とありますが、この企業も非上場企業です。
陸上養殖の企業としては、茨城県つくば市の筑波西武工場団地内の養殖場でチョウザメを養殖する「フジキン」、海なし県でおなじみの栃木県の那珂川町でトラフグを養殖する「夢創造」があります。
ちなみにフジキンは宇宙ロケット、原子力発電所、半導体などのバルブを製造するメーカーでもあります。
本書では約240社が掲載されており、その中のほんの一部しかご紹介できませんでしたが、興味・関心のわく企業があったのではないでしょうか。ちょっと調べてみるだけでも、一般的に知られている会社がほんのわずかであることを、あらためて思い知らされます。
転職あるいは投資を考える際は、マスコミの情報だけではなく、ちょっとニッチな情報にもアクセスしてみると、素敵な出会いがあるかもしれません。
<参考文献・参考サイト>
・『業界地図の見方が変わる! 無名でもすごい超優良企業』(田宮寛之著、講談社)
・ベンチャー発国家プロジェクトが製品化へ-世界初の人工クモ糸素材
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-05-10/O6JH5I6JIJUO01
・『業界地図の見方が変わる! 無名でもすごい超優良企業』(田宮寛之著、講談社)
・ベンチャー発国家プロジェクトが製品化へ-世界初の人工クモ糸素材
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-05-10/O6JH5I6JIJUO01
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