社会人向け教養サービス 『テンミニッツTV』 が、巷の様々な豆知識や真実を無料でお届けしているコラムコーナーです。
今さら聞けない「メタバース」とは何か
2021年の流行語にもなった「メタバース」。業界ではそれほど新しいワードではなく、2003年、3DCGで構成されたインターネット上に展開した仮想世界「セカンドライフ」で注目されたコンセプトでした。昨年(2021年)、フェイスブック社がメタバースを軸足に事業を行うことから、社名をメタに変更したニュースを皮切りに一般的に注目されるようになりました。
メタバース(Metaverse)の語根からみていくと、メタ(Meta)は、「超越した」といった意味をもつギリシャ語の接頭辞であり、バース(verse)は詩という意味もありますが、宇宙、森羅万象、世界などの意味をもつユニバース(Universe)に重ねた造語であるように解釈できます。
メタバースとは、これまでの生活空間を超越したワールドモデルとして、ネットワーク上の仮想空間のための、多種多様な理論や発想、技術などを包含したコンセプトとして捉えるべきワードなのです。
ご自身をゲーム世界に登場させ、無人島ぐらしを楽しむというもので、その世界には、同様に無人島ぐらしを楽しんでいる様々な人とも交流できるという遊びです。ゲームの中だけの作られたキャラクターだけではなく、世界のあらゆる人がキャラクターとしてゲームの中に登場できる仕組みがキモになります。
ちょっと古くて新しいところでは、細田守監督の「サマーウォーズ」「竜とそばかすの姫」に共通する仮想世界“OZ”、“U”もメタバースのイメージになります。
映像作品やゲームコンテンツとは違って、現実の世界とは異なる生活を送ることができるデジタルコンテンツとして脚光を浴びたのが、2003年「セカンドライフ」になります。運営会社であるリンデンラボは、当時から「メタバース」というコンセプトのもと、リンデンドル(空間内の通貨)での取引や、リンデンスクリプト(簡易プログラミング言語)によってクリエーターを募り、空間の拡張を行いました。
「セカンドライフ」は、一個人だけではなく、電通、サントリー、ソフトバンクといった大手企業も参画し、セカンドライフ内に仮想店舗を出したり、マーケティング活動を行ったり、2000年代初頭の一大ブームとなりました。
一つ目は、ネットワーク通信の速度と容量、革新的なデバイスの処理速度と進化。
当時はスマホ前夜ともいうべき時代で、3DCGの処理スピードなどからもメタバース環境にアクセスするにはハイスペックなパソコンが必須でした。そうした限られた人のためのプラットフォームから環境が一変し、パワフルなスマホやそれに対応するアプリの普及によって、誰もが簡単にメタバースにアクセスできるようになったのです。
二つ目は、スマホの普及とともに、SNSとアバターが一般化したこと。
多くの人が、リアルと必ずしも同一でないバーチャルのアイデンティティを持つことが一般化したことで、ネット上の仮想世界がなじみ深いモノとなりました。
三つ目は、暗号通貨などの普及で個人や企業が「稼げる」可能性。
2000年代と比較して、インターネット上で決済する方法が一般化し、バリエーションも豊富になりました。加えて、ブロックチェーン技術をベースにした、NFT(Non-Fungible Token=非代替性トークン)が登場することで、デジタルコンテンツが複製問題をクリアして、「所有」「資産化」できることへの期待もこめられています。
2021年12月には技術・サービスの普及などを目指す業界団体・日本メタバース協会が設立されました。
しかし、メタバースの先行事例として「セカンドライフ」の時代と比較すると、技術や価値観は大きく変化したものの、実際の世界と同様に複数乱立しにくいのがメタバースの宿命です。ひとつに集約するには、独占的な企業の権益もからみ、予測が難しくなりそうです。
あらためてメタバースとは
一般的に次世代の仮想空間と解される「メタバース」ではありますが、そのコンセプトは仮想空間であること以上の意味を持っています。メタバース(Metaverse)の語根からみていくと、メタ(Meta)は、「超越した」といった意味をもつギリシャ語の接頭辞であり、バース(verse)は詩という意味もありますが、宇宙、森羅万象、世界などの意味をもつユニバース(Universe)に重ねた造語であるように解釈できます。
メタバースとは、これまでの生活空間を超越したワールドモデルとして、ネットワーク上の仮想空間のための、多種多様な理論や発想、技術などを包含したコンセプトとして捉えるべきワードなのです。
実現されたメタバース
仮想空間で何ができるのかというところですが、分かりやすいところではコロナ禍において大ヒットしたゲーム「あつまれ どうぶつの森」をイメージするとよいでしょう。ご自身をゲーム世界に登場させ、無人島ぐらしを楽しむというもので、その世界には、同様に無人島ぐらしを楽しんでいる様々な人とも交流できるという遊びです。ゲームの中だけの作られたキャラクターだけではなく、世界のあらゆる人がキャラクターとしてゲームの中に登場できる仕組みがキモになります。
ちょっと古くて新しいところでは、細田守監督の「サマーウォーズ」「竜とそばかすの姫」に共通する仮想世界“OZ”、“U”もメタバースのイメージになります。
映像作品やゲームコンテンツとは違って、現実の世界とは異なる生活を送ることができるデジタルコンテンツとして脚光を浴びたのが、2003年「セカンドライフ」になります。運営会社であるリンデンラボは、当時から「メタバース」というコンセプトのもと、リンデンドル(空間内の通貨)での取引や、リンデンスクリプト(簡易プログラミング言語)によってクリエーターを募り、空間の拡張を行いました。
「セカンドライフ」は、一個人だけではなく、電通、サントリー、ソフトバンクといった大手企業も参画し、セカンドライフ内に仮想店舗を出したり、マーケティング活動を行ったり、2000年代初頭の一大ブームとなりました。
再注目されたメタバース
2007年以降、大手企業が離脱し、一般利用者も激減した「セカンドライフ」に象徴されるメタバース市場が、再び注目されるようになったのは理由があります。一つ目は、ネットワーク通信の速度と容量、革新的なデバイスの処理速度と進化。
当時はスマホ前夜ともいうべき時代で、3DCGの処理スピードなどからもメタバース環境にアクセスするにはハイスペックなパソコンが必須でした。そうした限られた人のためのプラットフォームから環境が一変し、パワフルなスマホやそれに対応するアプリの普及によって、誰もが簡単にメタバースにアクセスできるようになったのです。
二つ目は、スマホの普及とともに、SNSとアバターが一般化したこと。
多くの人が、リアルと必ずしも同一でないバーチャルのアイデンティティを持つことが一般化したことで、ネット上の仮想世界がなじみ深いモノとなりました。
三つ目は、暗号通貨などの普及で個人や企業が「稼げる」可能性。
2000年代と比較して、インターネット上で決済する方法が一般化し、バリエーションも豊富になりました。加えて、ブロックチェーン技術をベースにした、NFT(Non-Fungible Token=非代替性トークン)が登場することで、デジタルコンテンツが複製問題をクリアして、「所有」「資産化」できることへの期待もこめられています。
2021年12月には技術・サービスの普及などを目指す業界団体・日本メタバース協会が設立されました。
しかし、メタバースの先行事例として「セカンドライフ」の時代と比較すると、技術や価値観は大きく変化したものの、実際の世界と同様に複数乱立しにくいのがメタバースの宿命です。ひとつに集約するには、独占的な企業の権益もからみ、予測が難しくなりそうです。
~最後までコラムを読んでくれた方へ~
より深い大人の教養が身に付く 『テンミニッツTV』 をオススメします。
明日すぐには使えないかもしれないけど、10年後も役に立つ“大人の教養”を 5,100本以上。
『テンミニッツTV』 で人気の教養講義をご紹介します。
陰の主役はイラン!?イスラエル・ハマス紛争の宗教的背景
グローバル・サウスは世界をどう変えるか(4)サウジアラビアとイランの存在感
中東のグローバル・サウスといえば、サウジアラビアとイランである。両国ともに世界的な産油国であり、世界の政治・経済に大きな存在感を示している。ただし、石油を武器にアメリカとの関係を深めてきたのがサウジアラビアであ...
収録日:2024/02/14
追加日:2024/04/24
権威主義とポピュリズムへの対抗…歴史を学び、連帯しよう
民主主義の本質(5)民主主義を守り育てるために
ポピュリズムや権威主義的な国家の脅威が迫る現在の国際社会。それに対抗し、民主主義的な社会を堅持するために、国際社会の中で日本はどのように振る舞うべきか。議論を進める前提として大事なのは「歴史から学ぶ」ことである...
収録日:2024/02/05
追加日:2024/04/23
起業の極意!サム・アルトマンと松下幸之助
編集部ラジオ2024:4月24日(水)
ChatGPTを開発したことで一躍有名となったOpenAI創業者のサム・アルトマン。AIの発展によって社会は大きく、急速に変化しており、その中心的な人物こそが彼であるといっても過言ではありません。
そんなアルトマンが...
そんなアルトマンが...
収録日:2024/04/15
追加日:2024/04/24
ルネサンスはどうやって始まった?…美術の時代背景
ルネサンス美術の見方(1)ルネサンス美術とは何か
ルネサンス美術とはいったい何なのか。これを考えるためには、なぜその時代に古代ギリシャ、ローマの文化が復活しなければならなかったのかを考える必要がある。その鍵は、ルネサンス以前のイタリアの分裂した都市国家の状態や...
収録日:2019/09/06
追加日:2019/10/31
ノーベル賞受賞「オートファジー」とは?その仕組みに迫る
オートファジー入門~細胞内のリサイクル~(1)細胞と細胞内の入れ替え
2016年ノーベル医学・生理学賞の受賞テーマである「オートファジー」とは何か。私たちの体は無数の細胞でできているが、それが日々、どのようなプロセスで新鮮な状態を保っているかを知る機会は少ない。今シリーズでは、細胞が...
収録日:2023/12/15
追加日:2024/03/17