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DATE/ 2016.09.05

非正規雇用に地域差…給料格差は一体どうなる?

 誰もがあまりお金を使わず、ファッションもそんなに気張らなくなっている現在、普段の生活で「格差」に気づく瞬間はそれほどありません。いや、実はそれも富裕な側からの「差を見せない」配慮で、ママ友会にはサイゼリアやバーミヤンなどリーズナブルで「当たり障りのない」ファミレスがわざと選ばれる、という噂もあるほどです。

 そこで、今回はお金の使い方や暮らしぶりではなく、収入それ自体に格差を感じる瞬間について調べてみました。

28歳正社員の年収格差、なぜ700万円もの差が?

 少し前の調査ですが、転職サイト「リクナビ」が「『28歳の年収格差』実態レポート」を発表しています。

 28歳といえば、大卒で就職して5、6年。それほど個人差がつくとは思えないのですが、紹介されているのは「セレブさん(年収700万円以上)」と「ビンボーさん(年収200万円以下)」の著しい二極化でした。

 「セレブさん」の中でも高い給与を誇っているのが、投資信託会社で企画・マーケティング担当として働く女性の年収850万円。年間のボーナスは250万円、貯蓄額は900万円で、仕事の満足度は70パーセントとは、バチが当たりそうに感じますね。

 同じ28歳女性でも、建築内装会社で事務として働く「ビンボーさん」女性の年収は150万円。ボーナスはゼロで貯蓄額は7万円。外食はほとんどせず、休日は家でテレビを見たり、掃除・洗濯をして過ごすといいます。仕事の満足度は20パーセントで、それは自分の必要性があまり感じられないから、という謙虚ともいえる理由です。

 これらは2006年、リーマンショックよりも前のレポートなので、あれから10年後の今年、2016年現在はどう変わっているのか、同社の調査に期待したいところです。

正規と非正規では、どのぐらい収入に差があるの?

 さて、「セレブさん」「ビンボーさん」が取り上げられた翌年の2007年、日本の「非正規雇用」の割合は、男性19.9パーセント、女性55.2パーセント、全体では35.5パーセントという数字を示しています(総務省就業構造基本調査による)。直近の2012年調査では、男性22.1パーセント、女性57.5パーセント、全体では38.2パーセントとなり、5年前より数パーセント上昇していることがわかります。

 正規雇用と非正規雇用では、どのぐらい年収に差があるのでしょうか(平成26年分民間給与実態統計調査結果より)。

・男性:正規532.3万円/非正規222.0万円/年収格差310.3万円 
・女性:正規359.3万円/非正規147.5万円/年収格差211.8万円
・平均:正規477.7万円/非正規169.7万円/年収格差308.0万円

 この調査は短時間労働者も含められているため、数値イコール格差と断言することはできませんが、労働者がもう一人雇えるほどの格差とは、つまり企業側は非正規労働者を「半人前」としか見なしていないということでしょうか。

 実際には年収だけでなく社会保険費用の会社負担分、各種手当の支給などもあるため、この数字以上の差があることも考えられます。さらに仕事内容が単純労働の繰り返しであればスキルアップは望めないため、そこから浮上する可能性も閉ざされてしまいます。

地域間格差と「コストコ」の時給黒船ショック

 狭い日本ですが、収入の格差には、正社員であれバイトであれ、勤務地の物価指数を考慮した地域間格差もあります。

 地域間格差については、都道府県によって定められた最低賃金が目安にしやすいでしょう。2016年の地域別最低賃金は東京都907円、神奈川県905円、大阪府858円と続き、全国平均は798円ですが、最も低い鳥取・高知・宮崎・沖縄県は693円で、東京都とは200円以上も差があります。

 1日8時間労働で月20日働くとすれば、その差は3万円。これが地元を離れて都会で働きたがる人が増えた理由の一つなのかもしれませんが、給料の高い都会は住居費が高いことも忘れてはいけません。中でも東京都は全国平均の約1.5倍の家賃が必要なので、3万円の差はなけなしといえるレベルでしょう。

 アベノミクスが目標の一つとしている「同一労働同一賃金」は、この差を是正しようとする提案ですが、実際に全国同一時給を取り入れていることが話題になったのが、大手外資系ショッピングセンター「コストコ」です。

 コストコのアルバイト時給は、全国25店舗に置いて一律1250円スタート。勤務時間が1000時間を超えると昇給するシステムです。全国平均798円と比べると、ほぼ1.5倍。しかも、コストコでは正社員も管理職以外は時給制が取られているといいます。

 この時給黒船ショック、地方にとっては吉と出るのでしょうか。

<参考サイト>
・総務省統計局ホームページ(平成19年就業構造基本調査)
http://www.stat.go.jp/data/shugyou/2007/pdf/youyaku.pdf
・総務省統計局ホームページ(平成24年就業構造基本調査)
http://www.stat.go.jp/data/shugyou/2012/pdf/kgaiyou.pdf
・国税庁ホームページ(平成26年分民間給与実態統計調査結果)
https://www.nta.go.jp/publication/statistics/kokuzeicho/minkan2014/pdf/000.pdf
・厚生労働省hポームページ(地域別最低賃金の全国一覧)
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/minimumichiran/
(10MTV編集部)

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