社会人向け教養サービス 『テンミニッツTV』 が、巷の様々な豆知識や真実を無料でお届けしているコラムコーナーです。
「体に良い食べ物」が次々出てくるのはなぜ?
「自然派食品」や「オーガニック」は、健康情報に興味がない方でも、一度は耳にする言葉です。テレビや本で紹介された「体に良い食べ物」はすぐに売れてしまうため、手に入れるために必死になる人も多いのではないでしょうか。
「これさえ食べればもう安心」という食べ物があれば、それは売れ続けるはずですが、情報がどんどん変わっていき、昨日まで良いとされていたものが良くないということになっていたり、さほど注目もされていなかったものが一躍人気食材にのぼりつめたりすることも少なくありません。なぜ、光が当たるものが次々と変わるのでしょうか。
畑中氏は、栄養学者で研究者の高橋久仁子氏が定義する『フードファディズム』について言及しているのですが、『フードファディズム』とは「食べ物や栄養が健康や病気に与える影響を過大評価すること」。そこで畑中氏は、まさに「これさえあれば」と人々に過度の期待を持たせ、まるで薬かのようなうたい文句でその含有量にかかわらず宣伝するので、皆わかっていても踊らされてしまい、健康を願う人にとってこれを避けるのは難しいのだ、と言っています。
とはいえ、ブームに踊らされて偏った食事をし、お金や時間をかけすぎたりして、心と体の健康を損なうという方は考え直すべきです。畑中氏は「健康のハードルが上がりすぎている」と主張しています。つまり、はたしてブームに乗ることが本当に健康的なことなのかどうか、一度よく考えてみることが大事なのです。
「これさえ食べればもう安心」という食べ物があれば、それは売れ続けるはずですが、情報がどんどん変わっていき、昨日まで良いとされていたものが良くないということになっていたり、さほど注目もされていなかったものが一躍人気食材にのぼりつめたりすることも少なくありません。なぜ、光が当たるものが次々と変わるのでしょうか。
ヘルシーフードが次々と出てくるのはなぜ?
『体にいい食べ物はなぜコロコロと変わるのか』(畑中三応子著、ベストセラーズ)によると、まず健康食品の流行は、ありきたりな食べ物から科学者が新しい発見をし、専門家が本を出すことによって始まっていくのだといいます。日本人は食べ物に対して、善悪を分けるのが好きで、肉の良し悪し、野菜の良し悪し、主食の米にいたるまで、意見が分かれることがしばしば。結局、体に良いの?悪いの?ということを知りたがる人も多く、そこに「これがいい」という食材が現れれば、たちまち虜になってしまう、ということです。畑中氏は、栄養学者で研究者の高橋久仁子氏が定義する『フードファディズム』について言及しているのですが、『フードファディズム』とは「食べ物や栄養が健康や病気に与える影響を過大評価すること」。そこで畑中氏は、まさに「これさえあれば」と人々に過度の期待を持たせ、まるで薬かのようなうたい文句でその含有量にかかわらず宣伝するので、皆わかっていても踊らされてしまい、健康を願う人にとってこれを避けるのは難しいのだ、と言っています。
ほとんどの食材がヘルシー・ファッション・フードとなる!?
そんな中、健康食品に大きな変化が起こっているのだといいます。平成27年4月に「機能性表示食品」制度が始まりました。機能性表示食品とは、「事業者の責任で、科学的根拠を基に商品パッケージに機能性を表示するものとして、消費者庁に届け出られた食品」のこと。消費者庁によると、「国の定めるルールに基づき、事業者が食品の安全性と機能性に関する科学的根拠などの必要な事項を、販売前に消費者庁長官に届け出れば、機能性を表示することができます」とのこと。対象は、特定保健用食品など一部を除き、「生鮮食品を含め、すべての食品」とありました。詳しくは、消費者庁のホームページをご覧いただきたいのですが、つまり健康食品について、科学的根拠をもとにどの成分によってどういう効能が期待できるか、ということが書けるようになったということです。そうなると、ほとんどの食材がヘルシー・ファッション・フードとなる可能性があるのかもしれません。ブームで食材を選ぶのは悪いことなのか
そうした状況をみて感じるのは、健康食品ブームは必ずしもすべて否定されるものではないということです。なぜなら、いろんな食材が注目されることによって生活に彩りが出てきますし、食べたことのないものに挑戦してみるという楽しみも生まれてくるからです。また、慣れ親しんできた食材がこんな一面も持っていたのかと、知るきっかけにもなります。とはいえ、ブームに踊らされて偏った食事をし、お金や時間をかけすぎたりして、心と体の健康を損なうという方は考え直すべきです。畑中氏は「健康のハードルが上がりすぎている」と主張しています。つまり、はたしてブームに乗ることが本当に健康的なことなのかどうか、一度よく考えてみることが大事なのです。
<参考文献・参考サイト>
・『体にいい食べ物はなぜコロコロと変わるのか』(畑中三応子著、ベストセラーズ)
・消費者庁ホームページ:「機能性表示食品」って何?
https://hfnet.nih.go.jp/usr/kiso/pamphlet/150407kinousei1.pdf
・『体にいい食べ物はなぜコロコロと変わるのか』(畑中三応子著、ベストセラーズ)
・消費者庁ホームページ:「機能性表示食品」って何?
https://hfnet.nih.go.jp/usr/kiso/pamphlet/150407kinousei1.pdf
~最後までコラムを読んでくれた方へ~
「学ぶことが楽しい」方には 『テンミニッツTV』 がオススメです。
明日すぐには使えないかもしれないけど、10年後も役に立つ“大人の教養”を 5,600本以上。
『テンミニッツTV』 で人気の教養講義をご紹介します。
なぜ思春期は大事なのか?コホート研究10年の成果に迫る
今どきの若者たちのからだ、心、社会(1)ライフヒストリーからみた思春期
なぜ思春期に注目するのか。この十年来、10歳だった子どもたちのその後を10年追跡する「コホート研究」を行っている長谷川氏。離乳後の子どもが性成熟しておとなになるための準備期間にあたるこの時期が、ヒトという生物のライ...
収録日:2024/11/27
追加日:2025/07/05
フェデラリスト・ハミルトンの経済プログラム「4つの柱」
米国派経済学の礎…ハミルトンとクレイ(1)ハミルトンの経済プログラム
第2次トランプ政権において台頭する米国派経済学。実はこの保護主義的な経済学は、アメリカの成長と繁栄の土台を作っていた。その原点を振り返り解説する今シリーズ。まずはワシントン政権の財務長官でフェデラリストとして、連...
収録日:2025/05/15
追加日:2025/07/08
グリーンランドに米国の軍事拠点…北極圏の地政学的意味
地政学入門 ヨーロッパ編(10)グリーンランドと北極海
北極圏に位置する世界最大の島グリーンランド。ここはデンマークの領土なのだが、アメリカの軍事拠点でもあり、アメリカ、カナダとヨーロッパ、ロシアの間という地政学的にも重要な位置にある。また、気候変動によってその軍事...
収録日:2025/02/28
追加日:2025/07/07
スターバックスのコンセプトは「サードプレイス」
ストーリーとしての競争戦略(6)事例に見る経営者の戦略
一橋大学大学院国際企業戦略研究科教授の楠木建氏が、ホットペッパーとスターバックスを事例として、コンセプトの重要性を解説する。スターバックスやホットペッパーは、「第3の場所」・「狭域情報」といったコンセプトを的確に...
収録日:2017/05/25
追加日:2017/07/18
最悪のシナリオは?…しかしなぜ日本は報復すべきでないか
第2次トランプ政権の危険性と本質(8)反エリート主義と最悪のシナリオ
反エリート主義を基本線とするトランプ大統領は、金融政策の要であるFRBですらも敵対視し、圧力をかけている。このまま専門家軽視による経済政策が進めば、コロナ禍に匹敵する経済ショックが世界的に起こる可能性がある。最終話...
収録日:2025/04/07
追加日:2025/06/28