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戦後、GHQが強引なまでに徹底した占領政策とその狙い

戦後復興~“奇跡”の真実(5)占領政策の展開1

島田晴雄
慶應義塾大学名誉教授/テンミニッツTV副座長
概要・テキスト
極東国際軍事裁判(東京裁判)
戦後の占領政策は、戦前の翼賛体制の完全な解体を目論んだ徹底的なものであった。まず、武装解除と軍事裁判によって、日本の戦争遂行能力を完全に失わせることに注力した。しかし、その内容の合理性には疑問符が付いていた。また、民主的な選挙の結果、選出された第1党の党首である鳩山一郎を公職追放するなど、占領軍の統治には強引な側面が多く見られた。今回も、教科書的な知識を超えた歴史の裏側まで解説する。(2019年7月23日開催島田塾会長講演「戦後復興:“奇跡”の真実」より、第5話)
時間:09:48
収録日:2019/07/23
追加日:2019/08/27
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≪全文≫
※以下、本文は講演資料に基づいた形になっております。動画と合わせてご利用ください。

● 占領政策の展開

GHQはNew Dealersの実験場?
・New Dealers: Franklin Roosevelt大統領、1933年、大恐慌で疲弊したアメリカを復活させるために一連の社会民主的な政策を計画し執行した人々。
・Helen Mears 東洋史専門家、GHQ諮問委員会メンバーとして特に労働法策定に参画著書『アメリカの鏡・日本』1995伊藤 延司ー涙無くして翻訳できず。
(Mirror for Americans 1948) 日本での出版、M拒否。
ー日本の戦略行動は欧米に見習ったもの。それは欧米の過去の鏡
GHQのND達は日本の歴史も知らず能力も理解せず自分流の「民主主義」を強制、患者の診断もせずにメスを振るう医師の過ち?自己全能主義のNDの欠陥?
ーND主導の占領政策の本質を喝破した示唆に富む名著。

(1)基本戦略:
ー武装解除と戦犯処罰(東京裁判
ー政治民主化(公職追放、選挙制度整備と総選挙)
ー新憲法制定
ー社会民主化(労働組合認、教育改革
ー経済民主化(財閥解体、独占禁止)

(2)武装解除:
・占領開始直後から「非軍事化」の武装解除が着々と実施。
・日本軍は本土と海外領土、植民地、すべての占領地で武装解除。可能な限り本土送還。大陸戦の捕虜の多くはシベリア抑留。
・本土残存1万機以上の飛行機は廃棄。最新鋭武器や技術文書は英米に。植民地や占領地では航空機や戦車は現地で使用(中国、朝鮮)。引き上げに使用された船舶は戦勝国が押収。

(3) 戦犯処罰(東京裁判):
・公正な裁判だったのか。このような戦争裁判はWWIIまで前例がない。
・ドイツの戦争(ニュルンベルグ)裁判は1945.11.20に開始、主要な裁判については46.10に判決。東京裁判はほぼニュルンベルグ裁判を踏襲。
東京裁判は、1946.5から1948.11まで2年半。
・形式は整っているかに見えるが内容は空疎。平時なら普通の犯罪人を裁くにも2~3 年はかかるが、15年間に及ぶ世界の動乱における数十名の指導的地位の人々の夫々の責任を論じて、7人を死刑にするようなことがこの短時間でできるか?
・最初に筋書きがあって都合の良い証言を集めて素人が判断したのが実態?
・事後法による処罰。勝者の言いなり。戦争裁判が事後法に基づいているのは明白。
インド、パール判事は「敗者を即時殺戮した昔と今日の間の数世紀の文明を抹殺」と批判。
・Mの ...
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