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日本人は「卑しい」ということをよくよく認識せよ

「葉隠武士道」を生きる(11)信義のために命を捧げる覚悟

執行草舟
実業家/著述家/歌人
概要・テキスト
友達を選ぶときは、そこに人生を捧げるぐらいの覚悟が必要である。その結果、人生がうまくいかなくても、それは失敗とは言わない。友情に命を捧げたのなら、それは見事な生き方と言っていい。人生の幸不幸、成功不成功に関係なく、生命を燃焼できればその人生は大成功である。だが戦後の日本は、あえて「卑しさ」を甘受して「得」を取った。その結果、たとえば、イラク戦争でクウェートに派遣された自衛隊は、10分の1の装備しか持たないオランダ軍に守ってもらい、危機が迫ると逃げた。一方、オランダ兵からは戦死者も出ている。これでは、軽蔑されて当たり前の話である。(全12話中第11話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:10:47
収録日:2021/04/08
追加日:2021/09/17
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≪全文≫

●友達として選んだのなら、そこに自分の人生や命を捧げる


―― 人間の生き方として、どのように、まずは信頼を得るかということ。あとイギリスの例で、同盟という話がありました。

執行 同盟、約束ということですね。

―― 人間関係に置き換えると、友達の選び方はどうでしょう。

執行 選んだのなら、昔から言われていることですが、そこに自分の人生や命を捧げる。結婚と一緒です。捧げたあげくに失敗したとしたら、それは運命ということです。山本常朝は、それで犬死にするなら犬死にでいいと言っています。

 ただ私は、本当に友情や愛情に命を捧げてダメだったとしても、それを失敗だと思いません。人生も。過去のいろいろな歴史も読んでも、みんな死んだりしても失敗だと思っていない。人が愛のために死んだとか、友情のために死んだことを失敗だと取りますか?

―― それは「見事な生き方」ということですね。

執行 そうです。「見事な生き方」ということは、成功者なのです。生命としては。私が言っている武士道は「生命としての燃焼」ですから。生命燃焼したうえでの結果は、すべていい。それを人が犬死にと言おうが何と言おうが、いいということです。だから愛とか友情も、選んだら命を懸けるということです。

―― 先ほど約束の話で、必ず果たすのだから、する約束を選ぶとありました。友達の場合も……。

執行 選びます。選ばなきゃダメです。

―― こいつのためなら死んでもいいという。

執行 そういう友達ができたら、そうしなきゃダメです。どこかの時点で、それを決める。愛情にしても、結婚式とか決める時点があります。決めたら、やらなきゃダメということです。

―― それはもう覚悟ですね。そういう覚悟を持つかどうか。

執行 ではダメだった場合は、どうするか。「約束を破った、どうしようもない卑怯な人間だ」という自分と直面しなければならない。その自分をどう立て直すかは、その人の責任です。

―― そこは完全な失敗というわけではないのですね。失敗を受け入れて、では自分がどうするか。

執行 受け入れるかどうかはわかりませんが、「そういうものだ」と認識する。


●勝ち負けに拘泥せず、信義に生きる


―― そのあたりは「人生の勝利条件」とも関わってくると思います。

執行 「勝利」というと、どうも言葉が気に入らないですよね。

―― 「武士と...
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