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誇るべき自分へ…「使命を自分が果たす」と自分で決定せよ

日本企業の病巣を斬る(10)会社の使命を自分の使命に

対談 | 執行草舟田村潤
概要・テキスト
アメリカの企業と日本の企業はそもそも成り立ち、性質が違う。アメリカの企業は株主が「金儲けのために作った」のに対し、日本の企業は「どういう儲け方をしたか」を問う歴史伝統に立脚している。日本人はそこに戻る必要がある。それには自分の会社が何のために存在しているかを突き詰め、「その使命を自分が果たす」と決定することが大事である。そのうえで体を動かしていると、会社の使命もわかってくる。しかし、そこで今は労働基準法の問題が出てくる。それを乗り越えるためにも、「理念への思い」が重要になる。(全12話中第10話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:12:07
収録日:2023/10/18
追加日:2024/02/02
カテゴリー:
≪全文≫

●アメリカの企業はそもそも日本と成り立ちが違う


執行 先ほど(前回)の田村さんのキリンビール高知支店の話は、野中(郁次郎)さんが「共感」と表現しているものを「愛」と表現しているということですね。

田村 そうです。

執行 言葉の違いです。

田村 はい。「愛」と「義」は「理念」と同じです。「勇気」も…。

執行 共感だから。どんどん数字を求めること自体が間違いなのです。

田村 でも入社以来、みんなそれで育ってきています。

執行 アメリカの企業は「でき方」が違うのです。アメリカの企業はもともと株主がいて、金儲けのために作ったものです。だから、悪いというと間違いで、もともと金儲けのシステムで、儲けた人ほど偉い。でも、ヨーロッパ(欧米)と日本は違います。どういう儲け方をしたか、どういう商売の内容かを問うてきた。

 日本人やフランス人などはそういう歴史的伝統を持っているから、そこに戻らない限り、われわれが持っている暗黙知は働かない。フランス人は、もう移民も止められなくなっています。生活保護を求める人も多く、少しでも生活保護や社会保障がダメになりそうだと暴動になる。

 あれだけ偉大だったフランス人が、もうアメリカ人以下になったのです。アメリカンビジネスを取り入れ、フランスの伝統に則っていないからです。

田村 数値以前に大きな暗黙知があるのに、数値以外は認めないとなっているから、全部切り捨てられてしまう。それでは負けてしまいます。

執行 無限経済成長以外で一つ嫌なところは、何度も同じことを言うようだけれども社会保障は減るし、労働時間も長くなる(ところ。そうなると、)どんどんみんなが楽して生活する社会システムではなくなってしまう。必要なことをやるから。でも、大会社を作って、すごく大儲けして、それを社会に還元するシステムの場合、働かないでも食べられる人がいる社会ができる。

 そういう、神のいない理想をヒューマニズムで追いかけたけれども、それが行き詰まるところまで来ているということです。


●運命を受け入れて日本の伝統精神で行くと、心が燃えてくる


―― 田村先生から見て、アメリカンビジネスモデルから日本企業が抜け出すための具体的な方法論は、どうなりますか。

田村 企業には企業理念があり、それはやはり「使命」です。何のためにその会社が存在しているか。ここを...
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