日本企業の病巣を斬る
この講義シリーズは第2話まで
登録不要で無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
6,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
理念と使命感と塩梅…組織や数字の奴隷にならない生き方
日本企業の病巣を斬る(6)組織の奴隷にならないために
企業の「勝ち負け」は、相手を蹴落とすこととは違う。それは「いかに顧客の心をつかむか」の競争であり、「顧客の心をつかむ」のは「勝ち負け」とは関係ない。顧客の心をつかむことで得られるのは満足や愛である。理念の実現に向かっていくと敵味方という考えはなくなる。一方、企業内ではよく「数字を達成しなければいけない」といわれるが、その数字自体が間違っている可能性もある。それを見極めるのが教養や知恵で、そのためにも心と物質社会の動きを切り離して考える習慣をつけることである。企業では本社から指示が出るが、その指示に対して「自立」していないと組織の奴隷、数字の奴隷になってしまう。(全12話中第6話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:11分21秒
収録日:2023年10月18日
追加日:2024年1月5日
カテゴリー:
≪全文≫

●理念が実現された状態に向かうと、敵味方も目標もなくなる


―― 先ほどの田村先生から「企業は勝たなければいけない」というお話がありました。企業が勝つためには、誰かを倒さないと(ならない)。例えばアサヒビールのシェアを奪わないと、キリンビールは勝てないと。

田村 結果として、ですね。結果論では。

―― それが「利他なのだ」といったとき、表面的には矛盾するように感じますが…。

田村 それは違います。「お客さんに喜んでもらう」を追求していくと、お客さんのことだけを考えるようになるのです。ライバルメーカーがいて、ライバルメーカーのお店ができるとキリンを飲めない店ができてしまう。これは理念的に見たらダメで、だからキリンに変えてもらう。

執行 これは蹴落とすのとは違う。

田村 そう、これは敵ではないのです。

―― なるほど。

田村 相手にしているのは、お客の心だけ。その心に満足してもらう。キリンを飲んで喜んでもらうには、そうした活動が必要だからやるだけ、という話です。

執行 これは勝ち負けとは違うと思う。

田村 だから、「勝て」と指示したことがありません。

執行 「勝ち負け」という思想は、多分アメリカンビジネスだと思います。

―― なるほど。

執行 だから(ジョン・)ロックフェラーがスタンダード石油を作る際、乗っ取りによって200人以上が首を括ったと言われています。あれは「どちらが勝つか」(という世界)です。

田村 そうですね。

執行 だから、ロックフェラーも年を取ってから慈善家になったのです。日本やヨーロッパの商売は違います。

田村 ライバルは敵ではない。相手にするのは、顧客の心だけです。だから、目標もありません。

執行 企業相手ではない。顧客の心をつかむ。つかんだ人が、勝ち負けで「勝った」とは言わないでしょう。

田村 そう。満足とか愛です。

執行 アサヒビールがダメになったのなら、アサヒは怠けて顧客が何を求めているかがわからなかったというだけです。別にキリンに負けたわけじゃない。

田村 そうです。それだけです。だから、すごくシンプルなのです。目標設定もそうです。理念が実現された状態に向かっていくと、敵味方はなくなり、目標もないのです。だから、私は目標を作りませんでした。作れないのです。日本人を幸せにする目標など、ないですから。だからよか...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)

人気の講義ランキングTOP10
編集部ラジオ2026(38)アメリカ中間選挙と民主主義
【10min解説】第2期のトランプ大統領と中間選挙を考える
テンミニッツ・アカデミー編集部
「良き対話」とは?――哲学から考える(1)対話とは何か――会話・説教との違い
「良き対話」のヒントを哲学から考える…「対話」の大前提とは、そして「会話」「説教」「場回し」とは何が違うのか?
納富信留
伊福部昭で語る日本・西洋・近代(1)チェレプニン賞に輝いた無名の作曲家
映画『ゴジラ』の作曲家・伊福部昭が直面した「日本と東洋と西洋」そして「近代の超克」
片山杜秀
ロシア人の見る「ロシアの歴史」(3)ヴァイキング招致説とキエフ・ルーシ
ロシアの起源はヴァイキング?…キエフ・ルーシの興亡と、ロシアとウクライナの決定的な「歴史的溝」
上月豊久
「満洲」から考える日本とアジア(1)「満洲」を知る意義とは
「満洲史」はなぜ現代日本でタブー視されるのか?…王道楽土の夢とアヘンなどの裏面から見えてくる現代への教訓
宮脇淳子
民主主義の本質(1)近代民主主義とキリスト教
なぜ民主主義が「最善」か…法の支配とキリスト教的背景
橋爪大三郎
チームパフォーマンスを高める心理的安全性(1)心理的安全性が注目される理由
なぜ今「心理的安全性」なのか、注目を集める背景に迫る
青島未佳
高齢者のフレイル・認知症とその予防対策(1)老年病科と高齢者の疾患・病態の特徴
頻尿、低栄養、転倒、誤嚥、フレイル…増える老年症候群と高齢者の疾患・病態の特徴
小川純人
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(1)ユダヤ人とは誰のことか
ユダヤ人とは?なぜ差別?お金持ち?…『ユダヤ人の歴史』に学ぶ
鶴見太郎
仏教とキリスト教が照らし出す日本の宗教(3)「覚り」とは?「空」とは?
「覚り」「因果」「空」とはどういうものか…仏教の本質と変遷
橋爪大三郎