社会人向け教養サービス 『テンミニッツTV』 が、巷の様々な豆知識や真実を無料でお届けしているコラムコーナーです。
ロールプレイングゲームが車の自動運転を進化させる!?
人工知能AIがニュースを賑わせることが多くなってきました。
グーグルによるAI「アルファGO」が韓国の囲碁チャンピオンのイ・セドル9段を破ったニュースが記憶に新しいでしょう。
これまで人工知能は、チェスや将棋には届きそうで、複雑な囲碁にはまだまだ届かないのではといわれてきただけに、事情をよく知る者を大きく唸らせました。その開発を大きく進めたのは「ディープラーニング」と呼ばれる方法です。
「ディープラーニング」では、あらかじめ想定されるできるだけ多くの「問い」と「答え」をコンピュータに入れておきますが、その「解き方」は入力しません。いわゆる、ビッグデータという蓄積された膨大なデータから特定の概念を特徴づける特徴量を自動的に発見するような「解き方」の機械学習が可能になってきたことを示します。
これらは、意外にもWEBでID認証のときに読みにくい文字をタイプさせるシステムの背後で、正解と不正解を含めて人間がどのように文字を観ているかというビッグデータを利用したパターン分析の成果ともいえるものです。
このように何かと活性化している人工知能AIですが、今、最も期待されているのが自動車の自動運転の領域です。そして、この自動運転の領域でも、意外なビッグデータ分析が応用されています。それは、2000年頃に立ち上がった大規模な同時参加型オンラインRPG「MMORPG」(Massively Multiplayer Online Role-Playing Game)での経験的なリソースです。
かつて日産自動車においてクルマのICT化を推進し、自動運転技術の開発に携わってきたインテルの野辺継男氏は、MMORPGのプレイヤーをクルマに置き換えて、ユーザー自身がデータを提供するという考え方が、自動運転のクオリティを高めていくベースになると考えています。
MMORPGでは、個人のユーザーIDや、仮想マップ上の位置、レベル、アイテム、パワー、仮想貨幣などのプレイヤー情報が、逐次的にサーバーに送信され、データベースが更新されていく環境でプレイします。その遊びのクオリティは、ゲームだけでなく、ネットワークの常時接続性とリアルタイム性が決め手でした。当時のネットワークは有線でしたが、今は違います。無線であり速度も向上しています。
LTEによる携帯電話やモバイル端末で、常時接続性とリアルタイム性が保障できるようになった今、このリソースと各種センサー技術、「ディープラーニング」の組み合わせによって、リアルタイムな状況分析が可能となり、より機能的で実用に耐えうる自動運転AIとして市場投入されるのも意外に早く訪れるかもしれません。
グーグルによるAI「アルファGO」が韓国の囲碁チャンピオンのイ・セドル9段を破ったニュースが記憶に新しいでしょう。
これまで人工知能は、チェスや将棋には届きそうで、複雑な囲碁にはまだまだ届かないのではといわれてきただけに、事情をよく知る者を大きく唸らせました。その開発を大きく進めたのは「ディープラーニング」と呼ばれる方法です。
「ディープラーニング」では、あらかじめ想定されるできるだけ多くの「問い」と「答え」をコンピュータに入れておきますが、その「解き方」は入力しません。いわゆる、ビッグデータという蓄積された膨大なデータから特定の概念を特徴づける特徴量を自動的に発見するような「解き方」の機械学習が可能になってきたことを示します。
これらは、意外にもWEBでID認証のときに読みにくい文字をタイプさせるシステムの背後で、正解と不正解を含めて人間がどのように文字を観ているかというビッグデータを利用したパターン分析の成果ともいえるものです。
このように何かと活性化している人工知能AIですが、今、最も期待されているのが自動車の自動運転の領域です。そして、この自動運転の領域でも、意外なビッグデータ分析が応用されています。それは、2000年頃に立ち上がった大規模な同時参加型オンラインRPG「MMORPG」(Massively Multiplayer Online Role-Playing Game)での経験的なリソースです。
かつて日産自動車においてクルマのICT化を推進し、自動運転技術の開発に携わってきたインテルの野辺継男氏は、MMORPGのプレイヤーをクルマに置き換えて、ユーザー自身がデータを提供するという考え方が、自動運転のクオリティを高めていくベースになると考えています。
MMORPGでは、個人のユーザーIDや、仮想マップ上の位置、レベル、アイテム、パワー、仮想貨幣などのプレイヤー情報が、逐次的にサーバーに送信され、データベースが更新されていく環境でプレイします。その遊びのクオリティは、ゲームだけでなく、ネットワークの常時接続性とリアルタイム性が決め手でした。当時のネットワークは有線でしたが、今は違います。無線であり速度も向上しています。
LTEによる携帯電話やモバイル端末で、常時接続性とリアルタイム性が保障できるようになった今、このリソースと各種センサー技術、「ディープラーニング」の組み合わせによって、リアルタイムな状況分析が可能となり、より機能的で実用に耐えうる自動運転AIとして市場投入されるのも意外に早く訪れるかもしれません。
~最後までコラムを読んでくれた方へ~
「学ぶことが楽しい」方には 『テンミニッツTV』 がオススメです。
明日すぐには使えないかもしれないけど、10年後も役に立つ“大人の教養”を 5,100本以上。
『テンミニッツTV』 で人気の教養講義をご紹介します。
日本は再エネが難しい!?再エネ比率が高い国との相違点
日本のエネルギー&デジタル戦略の未来像(3)電力の部分最適と全体最適
サステナブルな電力の供給と消費が求められる現代社会。太陽光発電のように電力の生産拠点が多元化する中で、それぞれの電力需給と国全体の電力需給のバランス調整が喫緊の課題となっている。実はヨーロッパなどの「再エネ比率...
収録日:2024/02/07
追加日:2024/04/27
なぜ民主主義が「最善」か…法の支配とキリスト教的背景
民主主義の本質(1)近代民主主義とキリスト教
ロシアや中華人民共和国など、自由と民主主義を否定する権威主義国の脅威の増大。一方、日本、アメリカ、西欧など自由主義諸国における政治の劣化とポピュリズム……。いま、自由と民主主義は大きな試練の時を迎えている。このよ...
収録日:2024/02/05
追加日:2024/03/26
イーロン・マスクと対立…ChatGPT大ブームまでの紆余曲折
サム・アルトマンの成功哲学とOpenAI秘話(2)ChatGPT開発秘話
仕事をはじめさまざまな生活シーンで多様な役割をこなすチャットボットとなった「ChatGPT」。OpenAIが公開したこのサービスが世界中を驚かせるまでには、その創業に携わったサム・アルトマンとイーロン・マスクの対立など紆余曲...
収録日:2024/03/13
追加日:2024/04/26
運も実力のうち!?小早川の寝返りを生んだ黒田長政の好運
運と歴史~人は運で決まるか(2)運に恵まれるにはどうすればいいか
普通の人間の「運」については、どう考えればいいのだろうか。例えば、日本において消費文化が花開いた江戸時代、11代将軍・徳川家斉の治世には、庶民が「運がめぐってこない」ことを皮肉った狂詩があった。運には「めぐりあわ...
収録日:2024/03/06
追加日:2024/04/25
「和歌」と「宣命」でたどる奈良時代の日本語とその変遷
文明語としての日本語の登場(1)古代日本語の復元
日本語の発音は、漢字到来以来一千年の歴史を通してどう変わってきたのか。また、なぜ日本語は「文明語」として世界に名だたる存在といえるのか。二つの疑問を解き明かす日本語学者として釘貫亨氏をお招きした。1回目は古代日本...
収録日:2023/12/01
追加日:2024/03/08