社会人向け教養サービス 『テンミニッツTV』 が、巷の様々な豆知識や真実を無料でお届けしているコラムコーナーです。
Pepperはなぜ白いのか?
ソフトバンクロボティクス株式会社のPepper担当役員:蓮実一隆氏に「Pepper」開発にまつわる様々な秘話をきいた。全3回のシリーズに渡ってお届けする。
しかしPepperは「見た目だけでは何をするロボットなのか分からないよう、意図的に作られた」という。
蓮実氏は、「一緒に生活する人によって、いろんなPepperに変身してほしい。あなた色に染めてほしい。そんな思いから、全身まっさら、白紙の状態にした」という。一体どういうことだろうか?
PepperにはPepper専用の「ロボアプリ」が100種類以上(2016年4月時点)用意されている。主題歌を歌うアプリや、背中をかいてくれるアプリなどだ。また世界中のエンジニアたちがロボアプリをつくれる開発キットも公開されている。
Pepperは、何か決められたことをするロボットではなく、買ったばかりのスマートフォンのような一種の器、インフラなのだと蓮実氏は言う。全国の家庭や店舗にいるそれぞれのPepperが、触れ合う人間の性格や趣味趣向にあわせて、それぞれに変化・成長し続けていって欲しい…Pepperの白にはそんな願いが込められているのだ。
そもそも現在のバッテリーでは、二足歩行できるロボットはせいぜい30分か1時間しかもたない。バランスをとるための計算や、体を支えるための足の微妙な動きを制御することはバッテリーの大きな消耗になるのだ。
果たして1時間しか動けないロボットが家族の一員としてとして受けいれられるのか?人とのコミュニケーションを犠牲にしてまで足を実現する必要があるのか?
蓮実氏はいう。「Pepperは人間のまねをするために人間の形をしているわけではない。人に溶け込むために人の形をしている。」この考えに基づき、最終的には足の部分は全てバッテリーにすることを決断した。これによりPepperは約12時間連続で稼働することを実現している。
Pepperの二足歩行は、少しでも長い時間、家族の一員として溶け込むために犠牲にされたのだ。
▼Pepperはなぜ白いのか?
「Pepperが白いことには重要な意味がある」と蓮実氏は言う。これまでのロボットは、見ただけでどういうロボットか想像がつきやすかった。子どもたちに大人気のあのネコ型ロボットであればちょっとドジなんじゃないかとか、ロボットアニメの元祖鉄腕アトムをみれば高性能で正義感があふれているんじゃないかとか。しかしPepperは「見た目だけでは何をするロボットなのか分からないよう、意図的に作られた」という。
蓮実氏は、「一緒に生活する人によって、いろんなPepperに変身してほしい。あなた色に染めてほしい。そんな思いから、全身まっさら、白紙の状態にした」という。一体どういうことだろうか?
PepperにはPepper専用の「ロボアプリ」が100種類以上(2016年4月時点)用意されている。主題歌を歌うアプリや、背中をかいてくれるアプリなどだ。また世界中のエンジニアたちがロボアプリをつくれる開発キットも公開されている。
Pepperは、何か決められたことをするロボットではなく、買ったばかりのスマートフォンのような一種の器、インフラなのだと蓮実氏は言う。全国の家庭や店舗にいるそれぞれのPepperが、触れ合う人間の性格や趣味趣向にあわせて、それぞれに変化・成長し続けていって欲しい…Pepperの白にはそんな願いが込められているのだ。
▼Pepperはなぜ二足歩行でないのか?
「二足歩行でないこと」もコンセプト上、非常に重要だったと蓮実氏は言う。そもそも現在のバッテリーでは、二足歩行できるロボットはせいぜい30分か1時間しかもたない。バランスをとるための計算や、体を支えるための足の微妙な動きを制御することはバッテリーの大きな消耗になるのだ。
果たして1時間しか動けないロボットが家族の一員としてとして受けいれられるのか?人とのコミュニケーションを犠牲にしてまで足を実現する必要があるのか?
蓮実氏はいう。「Pepperは人間のまねをするために人間の形をしているわけではない。人に溶け込むために人の形をしている。」この考えに基づき、最終的には足の部分は全てバッテリーにすることを決断した。これによりPepperは約12時間連続で稼働することを実現している。
Pepperの二足歩行は、少しでも長い時間、家族の一員として溶け込むために犠牲にされたのだ。
~最後までコラムを読んでくれた方へ~
物知りもいいけど知的な教養人も“あり”だと思います。
明日すぐには使えないかもしれないけど、10年後も役に立つ“大人の教養”を 5,500本以上。
『テンミニッツTV』 で人気の教養講義をご紹介します。
『法華経』と「神道」はアバター!?通底する世界観とは
おもしろき『法華経』の世界(2)『法華経』と「神道」の共通性
聖徳太子、最澄、空海、日蓮、宮沢賢治など多くの人に多大な影響を与えてきた『法華経』は長い年月にわたり日本宗教史を貫いてきた存在である。『法華経』は、苦悩を前提としつつ、むしろそうであるがゆえに明るい未来や救済の...
収録日:2025/01/27
追加日:2025/05/11
ブレーキなき極右ポピュリズム…文化戦争を重視し経済軽視
第2次トランプ政権の危険性と本質(1)実は「経済重視」ではない?
「第二次トランプ政権は、第一次政権とは全く別の政権である」――そう見たほうが良いのだと、柿埜氏は語る。ついつい「第1次は経済重視の政権だった」と考えてしまいがちだが、実は第2次政権では「経済」の優先順位は低いのだと...
収録日:2025/04/07
追加日:2025/05/10
健康診断の結果が悪い人が絶対にやってはいけないこと
健診結果から考える健康管理・新5カ条(1)血管をより長く守ることが重要な時代
健康診断の結果を現在の「病気の有無」だけに注目するのは、健康管理において不十分である。大事なことは、糖尿病、認知症、脳卒中、心筋梗塞など重篤な病気につながる共通点に着目していくこと。キーワードは「血管」である。...
収録日:2025/01/10
追加日:2025/04/15
現代日本人の中に縄文遺伝子!? 弥生人の核ゲノムで判明
弥生人の実態~研究結果が明かす生活と文化(8)弥生人の核ゲノム
渡来系弥生人のルーツを分析していくと、朝鮮半島ですでに混血していた人が渡ってきた可能性が高い。ただ、不思議なことにその痕跡が九州や近畿を飛ばして名古屋近郊の朝日遺跡で検出されている。その他にも、日本列島に渡って...
収録日:2024/07/29
追加日:2025/05/07
全体主義の暴力とは集団のアイデンティティで人を扱うこと
デモクラシーの基盤とは何か(1)全体主義の暴力
ハンナ・アーレントが批判した全体主義の本質とは何か。その答えは、アーレントが「ユダヤの娘として」考えるよう批判された際の応答に詰まっている。全体主義の暴力の本質とは、「集団的アイデンティティによって人を扱う」こ...
収録日:2024/09/11
追加日:2025/05/09