社会人向け教養サービス 『テンミニッツTV』 が、巷の様々な豆知識や真実を無料でお届けしているコラムコーナーです。
来るべき「大失業時代」を生き残る人材とは?
現在、失業率は低く、新卒の採用合戦も、かつてないほど加熱しています。人手不足が深刻化し、労働市場は売り手市場だといわれています。
就職氷河期だといわれた時代も遠い過去の話。アベノミクスの成果として、安倍政権がさかんに宣伝している実際の経済現象です。
一方で、実質賃金が下がり、生活が圧迫されているという現状もあります。アベノミクスの失敗として、野党がさかんに批判した、こちらも実際の経済現象です。
一体、景気は良いのでしょうか?悪いのでしょうか?
実は、企業が採用活動を強めている理由は、今後の労働力不足に備えてという側面が強いといわれています。少子高齢化で、若年層人口はどんどん減りつつあり、その勢いは今後も衰えないでしょう。つまり、現在の経済状況は、良くも悪くもアベノミクスとは関係ないということです。
少子高齢化が進むと、高齢者はどんどん退職していくのに、それを補う若い働き手は採用がままならないという状態が予測されます。なので、今からそれに備えて採用活動を強めているというわけなのです。
今のうちに人材は確保しておくけれど、それは将来の備えであって、売上が伸びたからではありません。現在売上が上がっている、もしくは将来上がる可能性が高いというなら給料も上げやすいでしょうが、そうでないなら、給料を上げてしまうとまずいことになります。
なので、就職はしやすいけれど、実質賃金は下がっているという状態が生まれていると考えられるのです。
つまり、企業はせっかく人をいっぱい雇ったのに、仕事を与えられないという状況になってしまうということなのです。そうすると、せっかく雇った人材でも手放すしかありません。当然雇用も再び悪化します。
また、現在は人工知能とロボットの導入が著しく進んでいます。それはつまり、10年前には100人でやっていた仕事が、ロボットの導入により現在は10人で、さらに10年後には1人で済むようになってしまうということです。そうなると、少子高齢化も関係ありません。年をとらず、給料も退職金も要らないロボットの方が企業としてもよっぽど都合が良いでしょう。
・脳と体の若さをなるべく保ち、労働できる期間を延ばしておく
・ロボットに置き換えられないスキルを身につける
健康を保ち、労働できる期間を延ばしておくことは非常に重要です。今後、定年は延び、あるいは廃止されていくでしょう。そのとき、企業としては、新しい人材を採用するための費用をつぎ込むよりも、昔からいる人材を雇用し続けるほうが合理的です。しかし、当然のことですが、それは働き続けられるのであれば、です。
年をとったときに、衰えてもできる仕事を探すのは大変ですが、若いときからと同じ仕事を続けられるのであれば、自分にとっても、採用や教育に新しいコストを遣わなくてよい企業にとっても幸せな話です。
そして、もうひとつは人間らしいスキルを磨くことです。これはつまり、ロボットに置き換えられない仕事の技術を身につけるということです。
例えば、ロボットは自動車をつくることはできますが、自動車をつくるロボットをつくることは人間にしかできません。ロボットは選択肢の限られたオーダーには応えることはできますが、複雑なニーズをくみ取って気配りの細かい接客をすることはできません。ロボットは条件を入力すれば、最適のプランを提示することはできますが、ゼロからまったく新しいアイディアを企画することはできません。
このように、将来も決してロボットに置き換えられない仕事で自分が得意なこと、やってみたいことを見つけ、そのスキルを磨いておくことが、今後の大失業時代を乗り切るためのサバイバル術なのです。
就職氷河期だといわれた時代も遠い過去の話。アベノミクスの成果として、安倍政権がさかんに宣伝している実際の経済現象です。
一方で、実質賃金が下がり、生活が圧迫されているという現状もあります。アベノミクスの失敗として、野党がさかんに批判した、こちらも実際の経済現象です。
一体、景気は良いのでしょうか?悪いのでしょうか?
現在の人手不足は一時的なもの?
現在、企業は大量に人材を抱えるために躍起になっています。となると、最も簡単な手段は賃金を上げて、人を引き寄せたり、退職を防いだりするのが最も簡単な手段ですが、本当に優秀な一部の層を除いて、給料が劇的に上がっているという話を聞くことはほとんどありません。実は、企業が採用活動を強めている理由は、今後の労働力不足に備えてという側面が強いといわれています。少子高齢化で、若年層人口はどんどん減りつつあり、その勢いは今後も衰えないでしょう。つまり、現在の経済状況は、良くも悪くもアベノミクスとは関係ないということです。
少子高齢化が進むと、高齢者はどんどん退職していくのに、それを補う若い働き手は採用がままならないという状態が予測されます。なので、今からそれに備えて採用活動を強めているというわけなのです。
今のうちに人材は確保しておくけれど、それは将来の備えであって、売上が伸びたからではありません。現在売上が上がっている、もしくは将来上がる可能性が高いというなら給料も上げやすいでしょうが、そうでないなら、給料を上げてしまうとまずいことになります。
なので、就職はしやすいけれど、実質賃金は下がっているという状態が生まれていると考えられるのです。
景気の悪化とロボット化
しかし、少子高齢化によって働ける人口が減るということは、積極的に消費する人口も減るということです。年金は現役時代の収入よりも一般的に低いものですから、それも当然の話です。それは、モノをつくったりサービスを提供してもなかなか売れないということを意味します。つまり、企業はせっかく人をいっぱい雇ったのに、仕事を与えられないという状況になってしまうということなのです。そうすると、せっかく雇った人材でも手放すしかありません。当然雇用も再び悪化します。
また、現在は人工知能とロボットの導入が著しく進んでいます。それはつまり、10年前には100人でやっていた仕事が、ロボットの導入により現在は10人で、さらに10年後には1人で済むようになってしまうということです。そうなると、少子高齢化も関係ありません。年をとらず、給料も退職金も要らないロボットの方が企業としてもよっぽど都合が良いでしょう。
今こそ人間らしさを磨くとき
現在は、大失業時代の一歩手前、小休止の時代といえるかも知れません。そうなると、今後に備え、今からできることは次のようになるでしょう。・脳と体の若さをなるべく保ち、労働できる期間を延ばしておく
・ロボットに置き換えられないスキルを身につける
健康を保ち、労働できる期間を延ばしておくことは非常に重要です。今後、定年は延び、あるいは廃止されていくでしょう。そのとき、企業としては、新しい人材を採用するための費用をつぎ込むよりも、昔からいる人材を雇用し続けるほうが合理的です。しかし、当然のことですが、それは働き続けられるのであれば、です。
年をとったときに、衰えてもできる仕事を探すのは大変ですが、若いときからと同じ仕事を続けられるのであれば、自分にとっても、採用や教育に新しいコストを遣わなくてよい企業にとっても幸せな話です。
そして、もうひとつは人間らしいスキルを磨くことです。これはつまり、ロボットに置き換えられない仕事の技術を身につけるということです。
例えば、ロボットは自動車をつくることはできますが、自動車をつくるロボットをつくることは人間にしかできません。ロボットは選択肢の限られたオーダーには応えることはできますが、複雑なニーズをくみ取って気配りの細かい接客をすることはできません。ロボットは条件を入力すれば、最適のプランを提示することはできますが、ゼロからまったく新しいアイディアを企画することはできません。
このように、将来も決してロボットに置き換えられない仕事で自分が得意なこと、やってみたいことを見つけ、そのスキルを磨いておくことが、今後の大失業時代を乗り切るためのサバイバル術なのです。
~最後までコラムを読んでくれた方へ~
「学ぶことが楽しい」方には 『テンミニッツTV』 がオススメです。
明日すぐには使えないかもしれないけど、10年後も役に立つ“大人の教養”を 5,600本以上。
『テンミニッツTV』 で人気の教養講義をご紹介します。
胆のう結石、胆のうポリープ…胆のうの仕組みと治療の実際
胆のうの病気~続・がんと治療の基礎知識(1)胆のうの役割と胆石治療
消化にとって重要な臓器「胆のう」。この胆のうにはどのような仕組みがあり、どのような病気になる可能性があるのだろうか。その機能、役割についてあまり知る機会のない胆のう。「サイレントストーン」とも呼ばれる、見つけづ...
収録日:2024/07/19
追加日:2025/07/14
青春期は脳のお試し期間!?社会的ニッチェと信頼の形成へ
今どきの若者たちのからだ、心、社会(2)思春期の成長、青春の脳
思春期にからだが急激に成長することを「思春期のスパート」と呼ぶ。先行して大きくなった脳にからだを追いつかせるための戦略である。脳はそれ以上大きくならないが、脳内の配線が変化する。そうした青春期の脳の実態を知るた...
収録日:2024/11/27
追加日:2025/07/12
イエスも法華経のアバター?「全世界救済」の具体像を示す
おもしろき『法華経』の世界(7)真の救済に向かう
『法華経』の原題は「サッダルマ・プンダリーカ・スートラ」といい「白蓮の正しい教え」を表す。想像を超えた長い年月、無数のアバターを通して『法華経』が目指すのは真の救済である。それゆえキリスト教のイエスも「久遠実成...
収録日:2025/01/27
追加日:2025/07/13
アベノマスク、ワクチン調達の決算は?驚きの会計検査結果
会計検査から見えてくる日本政治の実態(1)コロナ禍の会計検査
日本の財政をくまなく検査し、その収入と支出を把握する会計検査院。日本のメディア報道などでは、予算の決定や補助金などの政策決定については詳しく報じられるが、それがどのように実際に使われたかは、ほとんど言及がない。...
収録日:2025/04/14
追加日:2025/07/11
信用創造・預金創造とは?社会でお金が流通する仕組み
お金の回し方…日本の死蔵マネー活用法(1)銀行がお金を生む仕組み
日本経済が低迷する原因は何か。大きなポイントとして「お金が回っておらず、死蔵されてしまっていること」が挙げられる。そもそも、お金が市中にどのように流通し、どのような役割を果たしていくのかを理解しなければ、経済を...
収録日:2024/12/04
追加日:2025/02/22