政治思想史の古典『法の精神』と『社会契約論』を学ぶ
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
エピソードが語るモンテスキューとルソーの両極端な人物像
『法の精神』と『社会契約論』を学ぶ【質疑篇】(1)モンテスキューとルソーの人物像
川出良枝(東京大学名誉教授/放送大学教養学部教授)
モンテスキューとルソーは、思想だけではなく人物像も好対照をなしている。中庸の人ともいえるモンテスキューに対して、ルソーは極端から極端といった振れ幅のある人で、人とよく争うが、女性には人気があったという。また、二人はお互い古代ローマを研究しながら方向性が大きく異なっている。二人の興味深い違いに注目しよう。講義終了後の質疑応答編1回目。(全11話中第8話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:13分00秒
収録日:2020年8月17日
追加日:2020年11月7日
≪全文≫

●モンテスキューとルソーの人物像


―― 先生、本当にありがとうございました。モンテスキューとルソーの対比を通じて、お互いの思想の違いが浮かび上がる講義で、非常に理解が進んだと思います。

 その上でいくつか質問をさせていただきたいと思います。まず、お互いの主張を聞いていると、感覚的にではありますが、モンテスキューは非常に常識人というか、よくものを考え、世の中の酸いも甘いも噛み締めて理解している人だという印象を受けました。一方、ルソーの場合は、どちらかというと頭でっかちというか、本当に実現できるのかというところまで思考を煮詰めていってしまうタイプとお見受けしました。二人の実際の人物像は、どのようなものだったのでしょうか。

川出 まさにご指摘の通りだと思いますね。講義の中でもお話ししましたように、モンテスキューはワインの醸造家であり、経営者でもあり、法律家でもあり、同時に文筆家でもありと、マルチな才能を発揮した人物です。家庭にも恵まれ、晩年に目を悪くした際にも、妻だけではなく、娘が献身的にサポートしたというエピソードが残っています。良き家庭人でもあったのですね。

 他方、ルソーは世間ではいろいろいわれていますが、有名なエピソードとしては、人に好かれるものの、なぜかその人とよく喧嘩する。そうしたことが非常に多い人です。最も激しく喧嘩したのは、ヴォルテールです。ヴォルテールとルソーの間の関係は、本当に泥仕合のようなものでした。ヴォルテールもすでに超大物であったにもかかわらず、ルソーごときになぜそんなに必死にというほど、意地悪な対応をします。一方のルソーも、ビシバシとヴォルテールを批判しました。

 他にも有名なのは、ディドロとヒュームという二人の大物です。この二人はルソーを本当に可愛がり、サポートしました。しかしこの二人に対しても、最初は仲が良いのですが、結局は悪口三昧というと言い過ぎかもしれませんが、喧嘩別れしてしまうという人物でした。

 ですので、身近にいるとなかなか厄介な人物だったかもしれませんね。最終的には孤独を愛した人でした。それゆえに、非常にロマンチックな孤独を描写した作品なども残しています。日本でも『孤独な散歩者の夢想』という作品はとりわけ人気がありますね。そして、ルソーはなぜか御婦人方に人気があるという意味でも、ロマンチックなところがあります...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
内側から見たアメリカと日本(1)ラストベルトをつくったのは誰か
トランプの誤謬…米国製造業を壊した犯人は米国の経営者
島田晴雄
アメリカの理念と本質(1)西洋文明の行き着いた先と三つの建国
アメリカの理念と本質とは?…まず「三つの建国」から原点に迫る
中西輝政
習近平中国の真実…米中関係・台湾問題(1)習近平の歴史的特徴とは?
一強独裁=1人独裁の光と影…「強い中国」への動機と限界
垂秀夫
クライン『ショック・ドクトリン』の真実(1)ショック・ドクトリンとは何か
100分de名著!?『ショック・ドクトリン』驚愕の印象操作
柿埜真吾
本当によくわかる経済学史(1)経済学史の概観
経済学史の基礎知識…大きな流れをいかに理解すべきか
柿埜真吾
AI大格差~最新研究による仕事と給料の未来(1)最新研究から見えてくる未来像
AI大格差…なぜ日本の雇用環境では「ショックが大きい」のか?
宮本弘曉

人気の講義ランキングTOP10
日本の財政の真実を検証する(5)財政政策で経済は成長するか
どうすれば経済成長できるのか…財政政策の可能性と限界とは?
宮本弘曉
昭和の名将・根本博…内蒙古・終戦後の戦い(1)軍人の本義を貫いた根本博中将
ソ連軍から在留日本人4万人を守れ…内蒙古での「戦後」の激闘
門田隆将
編集部ラジオ2026(23)上半期人気ランキングBest30
【編集部ラジオ】令和8年上半期人気ランキングBest30
テンミニッツ・アカデミー編集部
中国史概説~『皇帝たちの中国』を読む(4)5人の皇帝と現代中国
特筆すべき5人の皇帝…中国史を知らなければ現代中国もわからない
宮脇淳子
中国春秋戦国時代と始皇帝(5)孝公・恵文王の時代と商鞅の変法
秦はいかに強大な国になったのか…「商鞅の変法」でどう改革したか
鶴間和幸
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(1)ユダヤ人とは誰のことか
ユダヤ人とは?なぜ差別?お金持ち?…『ユダヤ人の歴史』に学ぶ
鶴見太郎
外交とは何か~不戦不敗の要諦を問う(1)著書『外交とは何か』に込めた思い
外交とは何か…いかに軍事・内政と連動し国益を最大化するか
小原雅博
AI時代と人間の再定義(1)AIは思考するのか
AIでは「思考の三位一体」が成立しない…考えるとは?
中島隆博
「怒り」の仕組みと感情のコントロール(1)「キレる高齢者」の正体
「キレやすい」の正体とは?…ヒトの「怒り」の本質に迫る
川合伸幸
小澤開作と満洲事変・日中戦争(1)少年時代の苦労と五族協和の夢
満洲で「五族協和」に命を懸けた小澤征爾の父・小澤開作
小澤俊夫