日本人が知らない自由主義の歴史~後編
この講義は登録不要無料視聴できます!
▶ 無料視聴する
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
計画経済が失敗する理由…ミーゼス、ハイエクの鋭い指摘
日本人が知らない自由主義の歴史~後編(2)社会主義計画経済への批判
柿埜真吾(経済学者/思想史家)
第一次世界大戦後、リベラリズムは社会主義に傾倒していく流れがさらに顕著となっていく。この時期、ニューリベラリズムへの異を唱えたのがミーゼスやハイエクといった自由主義経済学者たちであった。彼らはニューリベラリズム(社会主義計画経済)に対して、どのような警告を発していたのだろうか。(全13話中2話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:8分31秒
収録日:2022年7月25日
追加日:2023年7月21日
≪全文≫

●社会主義計画経済がうまくいかないワケ


―― 次に「『ニューリベラリズム』への異議申し立て」ですけれども、1920年代から1940年代、ちょうどロシアも滅びてソ連になり、社会主義国ができました。あるいは1920年代ですと、その末に大恐慌が起こって、その流れの中で社会主義への注目が高まってくる時期です。ミーゼスやハイエクといった人物が、この社会主義計画経済を批判していったという流れになるわけですね。

柿埜 第一次世界大戦の時にロシア革命が起こって、社会主義者の言っていた夢が、ある意味で実現したわけです。それで計画経済に対する期待がすごく高まっていたわけですが、ここでミーゼスという人が出てきます。

 彼はオーストリアの経済学者なのですが、大変頑固な、超情熱的な自由主義者だった人です。ミーゼスは、それ(計画経済)は間違いだと指摘します。「社会主義計画経済はうまくいかない」と言うわけです。彼は何を言ったか。

 市場経済とは「価格」によって、何が必要で何が足りないか、あるいは何が余っているかといったことを皆に伝えるシステムです。

 例えば、鉄を使っている製品がとても需要があるとすると、鉄の値段が高くなる。鉄の値段が高いということは、鉄を節約しなければいけない、ということが鉄を使っている人たちには分かります。値段が高いから、企業はあまり鉄を使わない方法で製品を作ろうとするし、鉄を使っている製品を買っている人たちは「あまり鉄を使っていないものを買ったほうがいいかな」となる。鉄を作っている企業に対しては「今、鉄がとても需要がある」ということで、「たくさん作らなければ」というシグナルが与えられる。値段が高いわけですから。

 逆に余っているものだったら、値段が安くなる。値段が安いと、「それほどたくさん作らなくていい」と企業は考えるし、使っている人たちは「ああ、これはたくさん使っていいのだな」ということが分かるわけです。

 これは、市場があって、価格があるからです。けれども、もし、これが計画経済だったらどうなるか。全部が国有ですから、何にも値段がついていません。

 国有企業が何かを使うときに、勝手に政府が決めた値段をつけることはもちろんできますけれども、競争の結果として決まった値段ではないから、実は分からないわけです。つまり、不足し...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「哲学と生き方」でまず見るべき講義シリーズ
ヒトはなぜ罪を犯すのか(1)「善と悪の生物学」として
ヒトが罪を犯す理由…脳の働きから考える「善と悪」
長谷川眞理子
日本文化を学び直す(1)忘れてはいけない縄文文化
日本の根源はダイナミックでエネルギッシュな縄文文化
田口佳史
逆境に対峙する哲学(1)日常性が「破れ」て思考が始まる
逆境にどう対峙するか…西洋哲学×東洋哲学で問う知的ライブ
津崎良典
AI時代と人間の再定義(1)AIは思考するのか
AIは間違いが分からない…思考で大事なのは訂正可能性
中島隆博
楽観は強い意志であり、悲観は人間の本性である
これからの時代をつくるのは、間違いなく「楽観主義」な人
小宮山宏
平和の追求~哲学者たちの構想(1)強力な世界政府?ホッブズの思想
平和の実現を哲学的に追求する…どんな平和でもいいのか?
川出良枝

人気の講義ランキングTOP10
豊臣兄弟~秀吉と秀長の実像に迫る(8)秀長の死の影響と秀吉政権の瓦解
「家康対奉行」の構図は真っ赤な嘘!? 秀吉政権瓦解の真相
黒田基樹
独裁の世界史~未来への提言編(1)国家の三つの要素
未来を洞察するために「独裁・共和政・民主政」の循環を学べ
本村凌二
AI時代と人間の再定義(2)仏法僧の三宝と対話による道徳的進歩
仏法僧の三宝――なぜ1人で仏教に向かってはいけないのか
中島隆博
「進化」への誤解…本当は何か?(7)進歩思想としての進化論と社会進化論
適者生存ではない…進化論とスペンサーの社会進化論は別物
長谷川眞理子
逆境に対峙する哲学(1)日常性が「破れ」て思考が始まる
逆境にどう対峙するか…西洋哲学×東洋哲学で問う知的ライブ
津崎良典
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(1)「スキーマ」問題と認知の仕組み
なぜ「何回説明しても伝わらない」のか?鍵は認知の仕組み
今井むつみ
歌舞伎はスゴイ(4)歌舞伎のサバイバル術(後編)
江戸時代の歌舞伎にも大波乱が…どうやって生き残ったか
堀口茉純
健診結果から考える健康管理・新5カ条(4)血圧を甘く見てはいけない
血圧を甘く見てはいけない…血圧が血管を傷つける仕組み
野口緑
学力喪失の危機~言語習得と理解の本質(2)言葉を理解するプロセスとスキーマ
なぜ子どもは教えられても理解できないのか?鍵はスキーマ
今井むつみ
生成AI「Round 2」への向き合い方(1)生成AI導入の現在地
生成AIの利活用に格差…世界の導入事情と日本の現状
渡辺宣彦