日本人が知らない自由主義の歴史~後編
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
▶ 第1話を無料視聴する
閉じる
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
「リバタリアニズム」の様々な側面を整理して分類してみる
日本人が知らない自由主義の歴史~後編(7)「リバタニアニズム」の多様な潮流
柿埜真吾(経済学者/思想史家)
ニューリベラリズムの古典が『正義論』だったのに対し、リバタニアニズムには多様な潮流があり、それぞれの考え方には非常に距離がある。そこで今回は、政府についてのさまざまな見方、考え方として、「政府の大きさはどれくらいが望ましいか」と「なぜ、大きな政府に反対しなければならないか」の2点を手掛かりに、代表的リバタリアンの考え方の違いを整理していく。(全13話中7話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:7分16秒
収録日:2022年7月25日
追加日:2023年8月25日
≪全文≫

●「政府の大きさはどれくらいが望ましいか」


―― 続いて見ていきますのが、リバタリアニズムの著作です。ただ、リバタリアニズムには非常に多様な潮流が存在しているということですね。

柿埜 そうなのです。リバタリアンとひと口にいっても、考え方にかなり差異があります。

 ここに挙げている、ミーゼス、ハイエク、あるいはアイン・ランドやフリードマン、ノージックといった人たちが、「リバタリアン」といったときに代表的に思い浮かべられる人たちだと思いますが、彼らの考え方には非常に距離があります。

―― そこで先生がまとめてくださっているのが、こちらです。

 例えば、政府の大きさについても、いろいろな見方があるということですね。

柿埜 リバタリアニズムは、実際には古典的自由主義を引き継いでいる発想なのですが、どういうレトリックを使って正当化するか、どのぐらい政府を認めるかというところに対して若干、差異があります。その点を紹介します。

 まず、「政府の大きさはどれくらいが望ましいか」です。

 古典的自由主義の立場では、「政府の権力は制限されなければいけない。市場の失敗に対処したり、再分配したりなどは支持する」という立場です。極端な再分配はダメだけれども、ある程度の再分配はいいという立場です。

 この古典的自由主義の立場の方は、先ほどもお話ししたミーゼスやハイエク、それからミルトン・フリードマンです。そのハイエク、フリードマンの弟子であるブキャナンは、「公共選択」という、政府の行動にも経済学の原理を応用した研究(政府の失敗の研究)をした方です。ブキャナンの考え方も古典的自由主義になります。ある程度、政府を認めるわけですね。常識的な穏健な立場です。

 これより急進的な立場が、「最小国家主義=ミナーキズム」といわれるものです。これは、ロバート・ノージック(後で取り上げます)というアメリカの哲学者、それからアメリカの小説家で哲学者のアイン・ランドなどが該当します。彼らが認めるのは、国防など最小限の機能だけです。ほとんど認めないわけですね。

―― ということは、市場への介入もしないということですか。

柿埜 基本的にやらないということです。


●政府を全く認めない「無政府資本主義」


...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「哲学と生き方」でまず見るべき講義シリーズ
エネルギーと医学から考える空海が拓く未来(1)サイバー・フィジカル融合と心身一如
なぜ空海が現代社会に重要か――新しい社会の創造のために
鎌田東二
「50歳からの勉強法」を学ぶ(1)大人の学びの心得三箇条
大人の学び・3つの心得=自由、世間が教科書、孤独を覚悟
童門冬二
道徳と多様性~道徳のメカニズム(1)既存の道徳の問題点
多様性の時代に必要な道徳とは…科学的アプローチで考える
鄭雄一
折口信夫が語った日本文化の核心(1)「まれびと」と日本の「おもてなし」
「まれびと」とは何か?折口信夫が考えた日本文化の根源
上野誠
楽観は強い意志であり、悲観は人間の本性である
これからの時代をつくるのは、間違いなく「楽観主義」な人
小宮山宏
神話の「世界観」~日本と世界(1)踊りと物語
世界の神話の中で異彩を放つ日本神話の世界観
鎌田東二

人気の講義ランキングTOP10
これからの社会・経済の構造変化(1)民主主義と意思決定スピード
フラット化…日本のヒエラルキーや無謬性の原則は遅すぎる
柳川範之
和歌のレトリック~技法と鑑賞(1)枕詞:その1
ぬばたまの、あしひきの……不思議な「枕詞」の意味は?
渡部泰明
「進化」への誤解…本当は何か?(9)AI時代の人間と科学の関係
科学は嫌われる!? なぜ「物語」のほうが重要視されるのか
長谷川眞理子
独裁の世界史~未来への提言編(1)国家の三つの要素
未来を洞察するために「独裁・共和政・民主政」の循環を学べ
本村凌二
豊臣兄弟~秀吉と秀長の実像に迫る(8)秀長の死の影響と秀吉政権の瓦解
「家康対奉行」の構図は真っ赤な嘘!? 秀吉政権瓦解の真相
黒田基樹
AI時代と人間の再定義(1)AIは思考するのか
AIは間違いが分からない…思考で大事なのは訂正可能性
中島隆博
過激化した米国~MAGA内戦と民主党の逆襲(1)米国の過激化とそのプロセス
トランプ政権と過激化した米国…MAGA内戦、DSAの台頭
東秀敏
エネルギーと医学から考える空海が拓く未来(5)『秘蔵宝鑰』が示す非二元論的世界
雄大で雄渾な生命の全体像…その中で点滅する個々の生命
鎌田東二
歌舞伎はスゴイ(4)歌舞伎のサバイバル術(後編)
江戸時代の歌舞伎にも大波乱が…どうやって生き残ったか
堀口茉純
エンタテインメントビジネスと人的資本経営(1)ソニー流の多角化経営の真髄
ソニー流「多角化経営」と「人的資本経営」の成功法とは?
水野道訓