勢いと余白
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スーッと流れる道を行く…「運命を受け入れる」とは?
勢いと余白(9)生命的自由、運命、逆遠近法
生命は表現しようとすると、嫌味になる。だからそれを表現するのは難しい。だが、コシノ芸術はそれが本当に綺麗に表わされている。コシノ芸術とは、人間賛歌であり、生命的自由の賛歌なのである。そのコシノ芸術の特長は、コシノ氏の家系の中に脈々とある、「人間の生命の自由」を本当に求めるあり方に基づくものであろう。コシノジュンコ氏にとって、ファッションは「運命」であった。その流れに逆らわないことで、スーッと人生がうまくいったという。そして、コシノ芸術の最大の魅力の1つは、「逆遠近法」である。コシノ氏の強い「目力」が、絵の中に生命力として入っているのだ。(全11話中第9話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:15分17秒
収録日:2022年10月6日
追加日:2023年2月10日
カテゴリー:
≪全文≫

●コシノ氏の家系にある「生命的自由」を求める命


執行 コシノジュンコ的なマグマの力で描くというのが、普通の人には表現できない「生命的自由」です。私のコシノ芸術論にも書きましたが、「生命的自由」の表現はものすごく難しいのです。

 生命は表現しようとすると「嫌味」になるのです。だからすごく難しいのだけれど、コシノ芸術はそれが本当に綺麗に表わされている。

 ですから、私はこの作品と対面すると、細胞が賦活します。もう、すごいです。細胞の中にミトコンドリアという細胞の核があるのですが、このミトコンドリアが回転を始めるのを感じます。

 ミトコンドリアは「生命力」と我々が呼んでいるものの中枢機関なのです。ミトコンドリアは、原始の時代にはウイルスだったと言われているものが、人間になるための細胞に入り込んでいった。ミトコンドリアが細胞に入ったために人間が出来上がったと言われているのです。そのミトコンドリアを動かす力が、コシノ芸術が持つ「人間賛歌」「生命的自由の賛歌」なのです。

 コシノさん個人、またはコシノさんの家系にあるものは、「人間の生命の自由」を本当に求めている「命」なのだと思います。『カーネーション』によるとお母さんがそうでしたから、これに関しては多分コシノ家に伝わっているのです。すごいです、この力は。

 私は予言していますが、人間がこれから突入していく霊性文明を引っ張る作品になります。これはコシノ作品以外では例えば山口長男とか、何点かね、僕はいろいろ、今、分かってるのはあるのですけども、コシノ作品もその非常に強い一個ですよ。

コシノ 今日はすごく大きな自信をいただきました。

執行 自信になるかどうかは、わかりませんが。

コシノ いや、今まで自分の中で満足しているだけでした。やはり人がどんな目で見てくれるかは怖いですよね。

執行 今まで、いろいろ言う人はいないですか。あまり言わないですか。

コシノ ここまでは解明してくださらないです。私はファッションという印象が大きいから、そういうイメージで見ると、ビックリするんです。

執行 まずファッションで、すごく有名になっていますからね。

コシノ そう。そこは、まあ邪魔でもなんでもないのですが。もともと美術のほうに行きたかったのが、『カーネーション』でもありましたが運命的にずっとファッションをやってき...

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