本当のことがわかる昭和史《2》軍縮ブームとエネルギー革命の時代「明治の精神」の死
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
▶ 第1話を無料視聴する
閉じる
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
近代化が進む中、明治天皇が心配されたのは進化論だった
本当のことがわかる昭和史《2》軍縮ブームとエネルギー革命の時代「明治の精神」の死(15)当時の指導者の不見識は何に起因するのか
渡部昇一(上智大学名誉教授)

講義一覧を見る▼
明治時代の日本は大変な勢いで西欧の技術や制度を導入し、国家の近代化を成し遂げた。しかし、それでも日本古来の精神や、日本古来の美風が忘却されることはなかった。その背景にはどのような要因があったのか? 上智大学名誉教授・渡部昇一氏によるシリーズ「本当のことがわかる昭和史」第二章・第15話。
時間:7分07秒
収録日:2014年12月15日
追加日:2015年8月20日
≪全文≫
 つくづく思うのだが、幕末の維新や戦争の修羅場をくぐって鍛えられ、ガッツを身につけた先人たちは、素朴ではあっても時代を切り開いていくときに必要な歴史観と世界観はしっかりと身につけていた。

 だが、第一次世界大戦前後になると、日本外交を引っ張るような人々は、明治以降に教育を受けて上り詰めたエリートになっていた。

 たとえば対支二十一カ条を突きつけた折に外相を務めていた加藤高明は安政7年(1860)に生まれ、旧制愛知県立第一中学校、名古屋洋学校を経て、明治14年(1881)に東京大学法学部を首席で卒業。その後、三菱に入社してイギリスに渡り、明治19年(1886)に岩崎弥太郎の長女と結婚した人物である。

 日英同盟破棄と四カ国条約・九カ国条約の締結があったワシントン軍縮会議の折の外務大臣であり、さらに不戦条約締結の際には全権を務めた内田康哉は慶応元年(1865)に生まれ、明治9年(1876)に同志社に入学するも、のちに退学し、明治20年(1887)に帝国大学法科大学(現在の東京大学法学部)を卒業。外務省に入省している。

 また、日英同盟を破棄した折の全権代表(当時、外務次官)であり、その後、ロンドン軍縮条約締結の折の外相でもあった幣原喜重郎は、明治5年(1872)に生まれ、官立大阪中学校から、第三高等中学校を経て、明治28年(1895)に帝国大学法科大学を卒業している。ちなみに幣原の妻も岩崎弥太郎の娘(四女)であり、彼が最初に外相に就任したのも義兄・加藤高明が首相を務めた内閣の折であった。

 これまで述べてきたように、当時の外交を率いた人々の「不見識の罪」はかなり重いといわざるをえないが、彼らの不見識は何に起因するものであったか。

 ここで思い当たるのが、明治時代の教育の問題である。よく知られているように、明治23年(1890)に「教育勅語(教育ニ関スル勅語)」が発布されている。第一次大戦前後に日本を率いたリーダーたちのあり方を考えるうえでは、この教育勅語がなぜ編纂されることになったのかを見ておかねばならないと私は考えている。

 明治時代の日本は大変な勢いで西欧の技術や制度を導入して、国家の近代化を成し遂げた。しかし、それでも日本古来の精神や、日本古来の美風が忘却されることはなかった。

 実は、それを両立するのは、世界史的には類い稀なことである...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「歴史と社会」でまず見るべき講義シリーズ
百姓からみた戦国大名~国家の本質(1)戦国時代の過酷な生存環境
戦国時代、民衆にとっての課題は生き延びること
黒田基樹
最初の日本列島人~3万年前の航海(1)日本への移住 3つのルート
最初の日本列島人はいつ、どうやって日本に渡ってきたのか
海部陽介
本当のことがわかる昭和史《1》誰が東アジアに戦乱を呼び込んだのか(1)「客観的かつ科学的な歴史」という偽り
半藤一利氏のベストセラー『昭和史』が持つ危険な面とは?
渡部昇一
戦国合戦の真実(1)兵の動員はこうして行なわれた
戦国時代の兵の動員とは?…無視できない農民の事情
中村彰彦
歴史の探り方、活かし方(1)歴史小説と史料探索の基本
日本は素晴らしい歴史史料の宝庫…よい史料の見つけ方とは
中村彰彦
近現代史に学ぶ、日本の成功・失敗の本質(1)「無任所大臣」が生まれた経緯
現代の「担当大臣」の是非は戦前の「無任所大臣」でわかる
片山杜秀

人気の講義ランキングTOP10
これから必要な人材と人材教育とは?(3)無謬性とジョブローテーション
もうゼネラリストを育てる人事制度では時代に対応できない
柳川範之
AI時代と人間の再定義(6)道徳の起源から考えるAIと感情の問題
道徳の起源は理性か感情か?…AI時代に必要な思考の身体性
中島隆博
聖徳太子「十七条憲法」を読む(1)十七条憲法を学ぶ現代的意義
聖徳太子の「和」は議論の重視…中華帝国への独立の気概
賴住光子
大統領に告ぐ…硫黄島からの手紙の真実(2)翻訳に込めた日米の架け橋への夢
アメリカ人の心を震わせた20歳の日系二世・三上弘文の翻訳
門田隆将
プロジェクトマネジメントの基本(9)リーダーシップとモチベーション
マズローの欲求階層説を発展させたアルダーファの理論とは
大塚有希子
ソニー流「人的資本経営と新規事業」成功論(3)「現場の熱」こそ多角化の要点
新規事業を成功させるリーダーとは…上意下達はなぜダメか
水野道訓
これからの社会・経済の構造変化(1)民主主義と意思決定スピード
フラット化…日本のヒエラルキーや無謬性の原則は遅すぎる
柳川範之
危機のデモクラシー…公共哲学から考える(6)政治と経済をつなぐ公共哲学
どのような経済レジームを選ぶか…倫理資本主義の可能性
齋藤純一
エネルギーと医学から考える空海が拓く未来(6)曼荼羅の世界と未来のネットワーク
命は光なのだ…曼荼羅を読み解いて見えてくる空海のすごさ
鎌田東二
クーデターの条件~台湾を事例に考える(1)クーデターとは何か
台湾でクーデターは起きるのか?想定シナリオとその可能性
上杉勇司