本当のことがわかる昭和史《2》軍縮ブームとエネルギー革命の時代「明治の精神」の死
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第一次世界大戦への日本の参戦理由と寄せられた感謝
本当のことがわかる昭和史《2》軍縮ブームとエネルギー革命の時代「明治の精神」の死(6)連合国から感謝された日本艦隊
渡部昇一(上智大学名誉教授)

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日本は当初、第一次世界大戦に参戦する気はなかった。しかし、ドイツの勢力が拡大する中で、イギリスからの要請を受けて参戦し、艦隊を派遣して連合国の船舶保護に当たり、連合国から非常に感謝されている。上智大学名誉教授・渡部昇一氏によるシリーズ「本当のことがわかる昭和史」第二章・第6話。
時間:5分04秒
収録日:2014年12月15日
追加日:2015年8月17日
≪全文≫
 第一次世界大戦に話を戻そう。

 私は1974年に発刊した『ドイツ参謀本部』を書いた頃にかなり調べたが、結局、著名な歴史家たちは第一次世界大戦が起きた原因を特定しきれていない。私自身、いろいろと調べて不思議に感じたのは、第一次大戦はドイツが始めたように思われているものの、動員令を下した最後の国がドイツだったということだ。歴史とは複雑怪奇なものだと、つくづく思う。

 これも、いまではわかりきっていることだが、日本は当初、第一次世界大戦に参戦する気はなかった。イギリスも、日本が第一次世界大戦に参戦することで発言力を拡大させても困るので、積極的に参戦を求めることはしなかった。

 ところがいざ戦線が拡大しだすと、ドイツ軍は圧倒的に強く、これは大変だということで、日本に重ねて参戦を要請したのだ。

 第一次世界大戦には、第二次大隈重信内閣(大正3年〈1914〉4月16日~5年〈1916〉10月9日)、寺内正毅内閣(大正5年〈1916〉10月9日~7年〈1918〉9月29日)、原敬内閣(大正7年〈1918〉9月29日~10年〈1921〉11月13日)の3内閣が関わっている。

 第二次大隈重信内閣では当初、三菱財閥創始者・岩崎弥太郎の女婿である加藤高明が外務大臣を務めたが、同内閣では、「日本陸軍は自衛のための軍隊であり、ヨーロッパには派兵させない」と断っていた。

 当時、日本がヨーロッパへの派兵を断らざるをえなかったのもうなずける。軍部の資料にも、そんなことは不可能だと書いてある。なぜなら、まず、輸送力が不足していたからだ。実際にその後、日本が陸軍を派兵したのもシナ大陸の周辺国だけであるが、それでも兵隊一人につき3トンの輸送船が必要だった。ヨーロッパに派兵する場合、一連隊もしくは一旅団を出すだけでは独立して戦闘が可能な戦略単位にならず、イギリス軍やフランス軍などの外国軍の指揮下に置かれてしまう。日本軍単独で大規模な作戦を遂行するには、三個師団は必要だった。そこで計算してみると、兵員や装備の輸送には、日本が保有する全船舶の約半分が必要なことがわかった。

 そういう台所事情はあったにせよ、対外的には、日本陸軍は自衛のための軍隊だと明言したので、イギリスのグレイ外相は、日本の姿勢は実に禁欲的で立派だったと褒めている。同時に、そういうところを褒めつつ、どうしても日...

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