本当のことがわかる昭和史《2》軍縮ブームとエネルギー革命の時代「明治の精神」の死
この講義シリーズは第2話まで
登録不要で無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
6,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
アメリカは中国で大きな影響力を持つ日本が許せなかった
本当のことがわかる昭和史《2》軍縮ブームとエネルギー革命の時代「明治の精神」の死(12)日本はアメリカにしてやられている
渡部昇一(上智大学名誉教授)

講義一覧を見る▼
1922年のワシントン会議では、中華民国に関する九カ国条約も締結されたが、その内容は、日本の大陸政策を抑えるためだけのものだったといっても差し支えない。上智大学名誉教授・渡部昇一氏によるシリーズ「本当のことがわかる昭和史」第二章・第12話。
時間:2分22秒
収録日:2014年12月15日
追加日:2015年8月20日
≪全文≫
 ワシントン条約では、シナに関する九カ国条約も締結されている。これはシナ人たちが「シナのための大憲章(マグナカルタ)」といって、ことあるごとに振りかざした条約である。

 日本、イギリス、アメリカ、フランス、イタリア、ベルギー、オランダ、ポルトガル、中華民国の九カ国で結ばれたが、その内容からして、日本の大陸政策を抑えるためだけの条約といっても差し支えない。「中国の主権、独立、領土的・行政的保全の尊重、中国における『優先権』や独占権の禁止など、門戸開放」(『国史大辞典』)と美辞麗句が記されているが、どんなにカモフラージュしようとも、それは日本を抑えるための方便だったのである。

 先ほども述べたように、とりわけアメリカには、シナにおける日本の立場を弱くしようという思いが強くあった。

 たとえば、第一次大戦中の大正6年(1917)11月2日に、石井菊次郎特命全権大使とロバート・ランシング米国務長官が共同宣言を行なった石井・ランシング協定も、結果的にいえば、日本を騙すためのものとなったことは明らかである。

 石井・ランシング協定では、中国における門戸開放政策への支持を謳ったうえで、領土に隣接する国家との特殊な関係を相互に認め合った。これはつまり、アメリカが日本の満洲などにおける特殊権益を認めたことを意味する。これにより日米間で関係改善に向けた合意が行なわれた。だがこの協定も、1923年4月14日、九カ国条約の発効によって存続の理由を失ったとして廃棄されることとなる。

 加えてアメリカは、いわゆる「排日移民法」で日本移民を禁止し(大正13年〈1924〉)、アメリカ人男性と「写真結婚」した日本女性の入国を禁止するなど、日本に対する姿勢を硬化させていった。

 はたして日本は第一次世界大戦前に、アメリカに不義理な行為をしたことがあっただろうか。絶対にない。だが、一方のアメリカは、第六章でも触れるように人種差別を公然と掲げる国でもあり、自らが喉から手が出るほどに欲していたシナ市場で大きな影響力を発揮する日本が許せなかった。

 私が通った小学校ではアメリカに敵愾心を植え付けるような教育はされていなかったが、それでも当時の世相を受けて私たち生徒は何となく「日本はアメリカにしてやられている」と感じていたものだ。

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「歴史と社会」でまず見るべき講義シリーズ
オスマン帝国とは何か~その繁栄と共生の秘密~
オスマン帝国とは何か?その繁栄の理由
山内昌之
『江戸名所図会』で歩く東京~日本橋 (1)日本橋に見る徳川家康の手腕
徳川家康と江戸の町づくりー江戸時代の「日本橋」の姿とは
堀口茉純
ロシア人の見る「ロシアの歴史」(1)会ってみたプーチン…その実像
ロシア人の見る「ロシアの歴史」を知るとロシアがよくわかる・・・実際に会ってみたプーチンの印象とは?
上月豊久
中国史概説~『皇帝たちの中国』を読む(1)なぜ「中国史はつまらない」のか?
驚きの中国史~「中国史はつまらない」という通説の裏の波乱の真実
宮脇淳子
家康の人間成長~戦略性をいかに培ったか(1)今川「人質」時代と今川義元の思惑
徳川家康の秘密…「辛抱」イメージとは異なる自由奔放な人質時代
小和田哲男
平安時代の歴史~「貴族道」と現代(1)日本の歴史における平安時代の意味
平安時代の意外な真実…貴族社会の華やかさの裏の激動と転換
関幸彦

人気の講義ランキングTOP10
編集部ラジオ2026(39)上野誠先生の万葉集講義と現代
【10min解説】万葉集に学ぶ「公務員倫理法」の大失敗?
テンミニッツ・アカデミー編集部
ロシア人の見る「ロシアの歴史」(6)ピョートル大帝の宗教改革
王座に乗った革命家・ピョートル大帝の「宗教改革」と、ソビエト時代のロシア正教の「弾圧」と「利用」の実情
上月豊久
「良き対話」とは?――哲学から考える(1)対話とは何か――会話・説教との違い
「良き対話」のヒントを哲学から考える…「対話」の大前提とは、そして「会話」「説教」「場回し」とは何が違うのか?
納富信留
『「甘え」の構造』と現代日本(1)「甘え」のインパクト
「甘え」は現代においてダメなものなのか…名著『「甘え」の構造』への2種類の誤解とは?
與那覇潤
『源氏物語』を味わう(3)形容詞からの楽しみ方
美しい形容詞の使い分け…『源氏物語』の表現を味わう
林望
「満洲」から考える日本とアジア(9)アヘンの実態と満洲開発
満洲国の開発とアヘン問題…アヘンが資金源となったのは事実だが「同時代の世界」と比較せねば真実はつかめない
宮脇淳子
大統領に告ぐ…硫黄島からの手紙の真実(2)翻訳に込めた日米の架け橋への夢
アメリカ人の心を震わせた20歳の日系二世・三上弘文の翻訳
門田隆将
なぜ働いていると本が読めなくなるのか問答(1)読書と教養からみた日本の近現代史
『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』で追う近現代史
三宅香帆
デジタル全体主義を哲学的に考える(1)デジタル全体主義とは何か
20世紀型の全体主義とは違う現代の「デジタル全体主義」
中島隆博
『万葉集』と律令社会~官僚の心得と歌宴(1)国守・大伴家持と地方社会の日常
『万葉集』でわかる奈良時代の貴族と地方豪族の関係と日常…歌人・大伴家持の歌に秘められた国守時代の苦労話
上野誠