本当のことがわかる昭和史《2》軍縮ブームとエネルギー革命の時代「明治の精神」の死
この講義シリーズは第2話まで
登録不要で無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
6,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
尼港事件…ニコラエフスクで700人の日本人が虐殺される
本当のことがわかる昭和史《2》軍縮ブームとエネルギー革命の時代「明治の精神」の死(8)シベリア出兵と尼港事件の惨劇
渡部昇一(上智大学名誉教授)

講義一覧を見る▼
1918年、チェコ軍団救出を名目にした日本とアメリカのシベリア共同出兵は、各国が撤兵したあとも日本は残留し、支配への執着と後世の歴史家から批判を受けた。しかし、日本にはすぐに引き揚げたくても引き揚げられなかった事情があった。1920年の尼港事件だ。上智大学名誉教授・渡部昇一氏によるシリーズ「本当のことがわかる昭和史」第二章・第8話。
時間:7分03秒
収録日:2014年12月15日
追加日:2015年8月17日
≪全文≫
 大正時代にはまた、世界史に大きな影響を与えたロシア革命(大正6年〈1917〉)が起きている。このことが日本にもたらす影響は非常に大きく、ロシアが倒れたらドイツ軍がシベリアまで押し寄せてくることを懸念する声もあった。ロシアは当時、連合国の一員としてドイツと戦っていたが、壊滅的な損害を被ったタンネンベルクの戦い(大正3年〈1914〉)を皮切りに、敗戦が続いて社会が動揺し、それが引き金になってロシア革命が起きたのだった。

 成立したロシアのボルシェビキ政府は大正7年(1918)3月3日にドイツ、オーストリア=ハンガリー、オスマントルコなどとブレスト・リトウスク条約を結び、単独講和を行ない、ドイツ・オーストリア軍はウクライナの首府キエフを占領した。ロシアがドイツと戦っている最中に講和を結んでしまったこと、ボルシェビキ政府が革命を輸出する方針を明確に打ち出していたこと、さらに革命外交と称してそれまでのロシア帝政時代の債務不履行を宣言したことから、逆にイギリスやフランスなど連合国は干渉戦争を行ない、ウクライナまで入ってキエフなどを占領したのだ。

 その流れもあって、日本はシベリアに出兵することになるのだが、その経緯を説明するためには、話を第一次世界大戦中に戻さなくてはならない。

 第一次世界大戦では、当時、ハプスブルク家の支配下にあったチェコ人たちが同盟国側に加えられて東部戦線に参加していたが、それまでのハプスブルク家支配に反感を持ち、独立を求めていたチェコ人たちの中にはロシアに投降し、逆にドイツに対して戦いを挑む者が多かった。そのためロシアもチェコ人の捕虜たちを集めて軍団を編制し、積極的に活用したが、その数はロシア革命の頃には約4万5千にも達していたといわれる。

 ブレスト・リトウスク条約でロシアが戦線から離脱したために、彼らチェコ軍団は引き続きドイツと戦い、チェコの独立を目指すためにシベリアを回って西部戦線に参加することになった。だが、シベリア移動中にボルシェビキ政権への不満を募らせたチェコ軍団は武装蜂起し、ボルシェヴィキ政権は同軍団を反革命分子として弾圧した。

 連合国内ではイギリス、フランス、イタリアが、日本やアメリカにシベリアへの出兵を再三求めていた。ロシアがドイツと単独講和を結んでしまったため、西部戦線が危機に陥る恐れが高まったためである。日...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「歴史と社会」でまず見るべき講義シリーズ
家康の人間成長~戦略性をいかに培ったか(1)今川「人質」時代と今川義元の思惑
徳川家康の秘密…「辛抱」イメージとは異なる自由奔放な人質時代
小和田哲男
古代中国の「日常史」(1)日常史研究とは何か
『古代中国の24時間』英雄だけでなく無名の民に注目!
柿沼陽平
徳川将軍と江戸幕府~井伊直弼編(1)桜田門外の変と井伊直弼の人物像
「桜田門外の変」の謎…井伊直弼の警護に問題はなかったのか
山内昌之
豊臣兄弟~秀吉と秀長の実像に迫る(序)時代考証が語る『豊臣兄弟!』の魅力
織田家中一の武略者…『豊臣兄弟!』秀吉と秀長の知られざる実像
黒田基樹
天皇のあり方と近代日本(1)「人間宣言」から始まった戦後の皇室
皇室像の転換…戦後日本的な象徴天皇はいかに形成されたか
片山杜秀
中国史概説~『皇帝たちの中国』を読む(1)なぜ「中国史はつまらない」のか?
驚きの中国史~「中国史はつまらない」という通説の裏の波乱の真実
宮脇淳子

人気の講義ランキングTOP10
編集部ラジオ2026(37)長谷川眞理子先生の公開収録!
【アンケート&公開収録】長谷川眞理子先生:男と女でどう違う?能力の高め方
テンミニッツ・アカデミー編集部
ロシア人の見る「ロシアの歴史」(2)タタールのくびきと「第三のローマ」
なぜロシアが「第三のローマ」なのか?…東ローマ帝国とモンゴル帝国の根深い影響を探る
上月豊久
『「甘え」の構造』と現代日本(1)「甘え」のインパクト
「甘え」は現代においてダメなものなのか…名著『「甘え」の構造』への2種類の誤解とは?
與那覇潤
『万葉集』と律令社会~官僚の心得と歌宴(1)国守・大伴家持と地方社会の日常
『万葉集』でわかる奈良時代の貴族と地方豪族の関係と日常…歌人・大伴家持の歌に秘められた国守時代の苦労話
上野誠
小澤開作と満洲事変・日中戦争(1)少年時代の苦労と五族協和の夢
満洲で「五族協和」に命を懸けた小澤征爾の父・小澤開作
小澤俊夫
「満洲」から考える日本とアジア(1)「満洲」を知る意義とは
「満洲史」はなぜ現代日本でタブー視されるのか?…王道楽土の夢とアヘンなどの裏面から見えてくる現代への教訓
宮脇淳子
『オデュッセイア』で読み解く神話の秘密(1)物語の構造を読み解くおもしろさ
『オデュッセイア』の面白さの秘密を神話の構造から読み解く…なぜ波乱万丈の神話が人間の創作の源泉になったか
松村一男
「進化」への誤解…本当は何か?(1)進化の意味と生物学としての歴史
実は生物の「進化」とは「物事が良くなる」ことではない
長谷川眞理子
万葉集の秘密~日本文化と中国文化(1)万葉集の歌と中国の影響
『万葉集』はいかなる歌集か…日本のルーツと中国の影響
上野誠
江戸とローマ~日本酒とワイン(2)ローマの酒文化とファストフード
ポンペイのファストフード店、遺跡が物語るローマの酒文化
本村凌二