本当のことがわかる昭和史《2》軍縮ブームとエネルギー革命の時代「明治の精神」の死
この講義シリーズは第2話まで
登録不要で無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
6,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
なぜ二十一カ条の要求が猛批判されたか…暴露された第5号
本当のことがわかる昭和史《2》軍縮ブームとエネルギー革命の時代「明治の精神」の死(7)シナの宣伝で嵌められた「対支二十一カ条」
渡部昇一(上智大学名誉教授)

講義一覧を見る▼
1915年、当時の中国の袁世凱政府に提出した対支21カ条は、中国では要求を受諾した5月9日を「国恥記念日」と定め排日運動を展開され、アメリカが反日に向かう際、非常に有効な口実にもなった。上智大学名誉教授・渡部昇一氏によるシリーズ「本当のことがわかる昭和史」第二章・第7話。
時間:8分11秒
収録日:2014年12月15日
追加日:2015年8月17日
≪全文≫
 イギリスは日本に対し、日本が参戦する場合、派兵に必要な費用を負担し、講和の際に日本に有利な条件になるよう交渉すると申し出る。具体的には、ドイツ領の南洋諸島と青島を含めた山東半島を日本に譲渡するという密約を、大正6年(1917)に交わした。

 日本はすでに青島を大正3年(1914)11月7日に占領し、同10月19日までに南洋諸島を占領したほか、同11月1日にオーストラリアからヨーロッパに兵員を送るために派遣された輸送船団を巡洋戦艦伊吹が護衛している。

 ところが余計なお節介というか、愚かなことに、日本政府はシナにドイツに対する宣戦布告を勧めてしまったのだ。シナがドイツに対して宣戦布告しなければ、交戦国とは認められないから、戦後の講和条約でシナは賠償等の権利を主張することは不可能である。それが日本に有利に働くことは明らかなのに、余計なことをしたものだ。結局シナは日本に勧められ、ドイツに対して形式上の宣戦布告を行なったが、これが後述するように、日本にとってマイナスになる。

 4年3カ月にわたって戦われた第一次世界大戦が終結してまもなく、大正8年(1919)1月18日にパリ講和会議が始まり、6月28日にベルサイユ講和条約が調印された。これは有名な話だが、イギリスはきちんと約束を守り、日本は密約通り山東半島と南洋諸島の権益を認められている。

 話が前後するが、第一次世界大戦中の大正4年(1915)1月に、第二次大隈内閣は対支21カ条をシナの袁世凱政府に提出している。当時の外務大臣は加藤高明だが、第一次世界大戦の参戦をめぐって元老と協議する中で、元老から不信感を買うなど批判が多かった。

 ただし、日本がこの対支21カ条を提出した背景には、日清戦争の折の三国干渉が当時の日本人にとって、いわゆるトラウマになっていたことを挙げる必要はあるだろう。

 第1号から第4号までは、山東省に関する条約(第1号)、旅順と大連の租借権および満鉄権益の期限を99カ年に延長することなど(第2号)、製鉄会社の漢冶萍公司(かんやひょうこんす)の合弁について(第3号)、福建省の沿岸を外国に割譲したり貸与したりしないこと(第4号)を要求したものとされている。

 だが、たとえば山東省に関する条約も、ドイツが保有している山東省の権益について日本政府がドイツ政府と結ぶ協定を承認すること、...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「歴史と社会」でまず見るべき講義シリーズ
小澤開作と満洲事変・日中戦争(1)少年時代の苦労と五族協和の夢
満洲で「五族協和」に命を懸けた小澤征爾の父・小澤開作
小澤俊夫
核DNAからさぐる日本のルーツ(1)人類の起源と広がり
核DNAデータで日本人のルーツを探る…アフリカから日本まで来た行程と時期は?
斎藤成也
平安時代の歴史~「貴族道」と現代(1)日本の歴史における平安時代の意味
平安時代の意外な真実…貴族社会の華やかさの裏の激動と転換
関幸彦
本当のことがわかる昭和史《5》満洲事変と石原莞爾の蹉跌(1)なぜ満洲が重要だったのか
放っておけば朝鮮はロシア領になりかねなかった
渡部昇一
豊臣政権に学ぶ「リーダーと補佐役」の関係(1)話し上手な天下人
織田信長と豊臣秀吉の関係…信長が評価した二つの才覚とは
小和田哲男
モンゴル帝国の世界史(1)日本の世界史教育の大問題
なぜ日本の「世界史」はいびつなのか…東洋史と西洋史の違い
宮脇淳子

人気の講義ランキングTOP10
ロシア人の見る「ロシアの歴史」(3)ヴァイキング招致説とキエフ・ルーシ
ロシアの起源はヴァイキング?…キエフ・ルーシの興亡と、ロシアとウクライナの決定的な「歴史的溝」
上月豊久
「重要思考」で考え、伝え、聴き、議論する(1)「重要思考」のエッセンス
重要思考とは?「一瞬で大切なことを伝える技術」を学ぶ
三谷宏治
民主主義の本質(1)近代民主主義とキリスト教
なぜ民主主義が「最善」か…法の支配とキリスト教的背景
橋爪大三郎
『「甘え」の構造』と現代日本(1)「甘え」のインパクト
「甘え」は現代においてダメなものなのか…名著『「甘え」の構造』への2種類の誤解とは?
與那覇潤
プラトン『ポリテイア(国家)』を読む(14)ポリスと魂の堕落過程〈下〉僭主の末路
僭主制は欲望の奴隷…過度の自由が過度の隷属に転換する
納富信留
小澤開作と満洲事変・日中戦争(1)少年時代の苦労と五族協和の夢
満洲で「五族協和」に命を懸けた小澤征爾の父・小澤開作
小澤俊夫
『万葉集』と律令社会~官僚の心得と歌宴(3)国司と郡司のつきあい
郡司の妻たちと宴会!?……国司・大原真人今城へのはなむけの歌に記された「媚態表現」の真相と人心掌握術
上野誠
高齢者のフレイル・認知症とその予防対策(5)サルコペニア・フレイル対策
認知症予防にはどんな食事がいいのか?鍵はビタミンDの充足
小川純人
イラン戦争とトランプ大統領の戦争指導(1)米軍式戦略リーダーシップによる評価
イラン戦争…トランプ大統領の戦争指導のどこが問題なのか?
東秀敏
「発想力」の技法を学ぶ(1)発見と探究(前編)
“なぜ”を繰り返せ!『発想力の全技法』に学ぶ原因探究法
三谷宏治