明治維新から学ぶもの~改革への道
この講義シリーズは第2話まで
登録不要で無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
6,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
奥羽越列藩同盟はなぜ新政府と戦ったか…東北戦争の経緯
明治維新から学ぶもの~改革への道(5)東北戦争
島田晴雄(慶應義塾大学名誉教授/テンミニッツ・アカデミー副座長)

講義一覧を見る▼
慶応4(1868)年の江戸城無血開城後、各地で激しい内戦が繰り広げられた。特筆すべきは東北戦争である。京都守護職として幕末の京都で治安を担当していた会津藩主松平容保を朝敵と断じる薩長新政府と、断罪に納得できない東北諸藩の間に生じた争いは、さまざまな確執をはらみ、北越六藩も巻き込んでゆく。(全22話中第5話)
時間:16分01秒
収録日:2018年11月13日
追加日:2019年4月24日
≪全文≫

●会津藩主松平容保は死罪に値するかが問われた東北戦争


 さて、明治は始まりましたが、そう簡単には始まらず、「東北戦争」という大きな内戦がありました。その話をします。

 東北は、奥羽が米どころであるため、力のある諸藩が多い。仙台藩も力のある雄藩ですし、何より会津藩が名門として力を持っていました。しかし、まさか誰も奥羽が戦場になるとは思ってもみなかったのです。朝廷の権威で会津藩が恭順するのではないかという観測がありました。

 力のある仙台藩は、自己主張もします。「なぜ会津藩が特別な処罰を受けなければいけないのだ。会津藩は、たまたま徳川将軍の懇請を受けて京都守護職を務めただけではないか。何の問題があるのだ」と、藩主・伊達慶邦が官軍に申し立てたわけです。

 奥羽鎮撫総督の下では、慶応4(1868)年2月に薩摩藩の強硬派である大山綱良が鎮撫使の任につき、3月初めには長州出身の世良修蔵が参謀として実権を握ります。これがかなり残酷な人物で、会津藩に対しては強硬派として厳罰処分を要求します。

 要求は、具体的には会津藩主・松平容保の死罪ですが、恭順する徳川慶喜が穏やかな処遇を受けているのに、京都守護職の任務を担っただけの名将・容保がなぜ死罪なのか。東北人にとっては疑問でした。

 この頃、西郷隆盛はどうしていたかというと、東征軍司令官として北上している最中で、まだ関わっていません。この頃から少しずれていたのか、事態の中心にはいませんでした。


●仙台・米沢両藩の会津救済嘆願、功を奏さず


 鎮撫使一行は、3月23日に仙台に入ります。鎮撫使の世良は仙台藩に対し「早く出兵して、会津を懲らしめろ」と要請します。止むを得ず1000人ほどを会津藩境に送りますが、戦争する気はありません。鎮撫使が強請してくるため、仙台藩、米沢藩、会津藩が頻繁に接触して、なんとか戦争をしないで済む方法はないかと議論したのです。

 この時、仙台藩主の伊達慶邦が世良に面会しています。「会津藩が謝罪したいと言っているから、その周旋をしたい。謝罪の条件は、どうなるか」と質問したのに対して、世良は聞くまでもなく激怒して「容保の斬首と開城」の線を譲りません。

 仙台・米沢両藩は、あまりに過酷だと見て修正案をつくります。「開城、減封、重臣の首級三つでは、どうか」。これには会津藩が、「いや、のめない」と拒否します。
...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「歴史と社会」でまず見るべき講義シリーズ
本当のことがわかる昭和史《5》満洲事変と石原莞爾の蹉跌(1)なぜ満洲が重要だったのか
放っておけば朝鮮はロシア領になりかねなかった
渡部昇一
ロシア人の見る「ロシアの歴史」(1)会ってみたプーチン…その実像
ロシア人の見る「ロシアの歴史」を知るとロシアがよくわかる・・・実際に会ってみたプーチンの印象とは?
上月豊久
中国春秋戦国時代と始皇帝(序)映画『キングダム』の中国史監修
中国古代史の真実と『キングダム』…史実がわかれば物語はもっと面白い
鶴間和幸
モンゴル帝国の世界史(1)日本の世界史教育の大問題
なぜ日本の「世界史」はいびつなのか…東洋史と西洋史の違い
宮脇淳子
核DNAからさぐる日本のルーツ(1)人類の起源と広がり
核DNAデータで日本人のルーツを探る…アフリカから日本まで来た行程と時期は?
斎藤成也
徳川将軍と江戸幕府~井伊直弼編(1)桜田門外の変と井伊直弼の人物像
「桜田門外の変」の謎…井伊直弼の警護に問題はなかったのか
山内昌之

人気の講義ランキングTOP10
ロシア人の見る「ロシアの歴史」(4)アレクサンドル・ネフスキーの英雄化
ロシアの英雄「アレクサンドル・ネフスキー」はなぜ英雄か…ドイツ騎士団と戦った歴史がどう利用されたか
上月豊久
プラトン『ポリテイア(国家)』を読む(14)ポリスと魂の堕落過程〈下〉僭主の末路
僭主制は欲望の奴隷…過度の自由が過度の隷属に転換する
納富信留
「重要思考」で考え、伝え、聴き、議論する(1)「重要思考」のエッセンス
重要思考とは?「一瞬で大切なことを伝える技術」を学ぶ
三谷宏治
大統領に告ぐ…硫黄島からの手紙の真実(2)翻訳に込めた日米の架け橋への夢
アメリカ人の心を震わせた20歳の日系二世・三上弘文の翻訳
門田隆将
「発想力」の技法を学ぶ(1)発見と探究(前編)
“なぜ”を繰り返せ!『発想力の全技法』に学ぶ原因探究法
三谷宏治
民主主義の本質(1)近代民主主義とキリスト教
なぜ民主主義が「最善」か…法の支配とキリスト教的背景
橋爪大三郎
『「甘え」の構造』と現代日本(1)「甘え」のインパクト
「甘え」は現代においてダメなものなのか…名著『「甘え」の構造』への2種類の誤解とは?
與那覇潤
高齢者のフレイル・認知症とその予防対策(5)サルコペニア・フレイル対策
認知症予防にはどんな食事がいいのか?鍵はビタミンDの充足
小川純人
「満洲」から考える日本とアジア(4)蒙古襲来と清朝建国
実は元寇はモンゴル人ではなかった?満洲をめぐる民族興亡史と「漢族」との関係…蒙古襲来から清朝建国まで
宮脇淳子
なぜ働いていると本が読めなくなるのか問答(1)読書と教養からみた日本の近現代史
『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』で追う近現代史
三宅香帆