明治維新から学ぶもの~改革への道
この講義シリーズは第2話まで
登録不要で無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
6,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
西郷隆盛を盟主とした士族の反乱「西南戦争」
明治維新から学ぶもの~改革への道(17)西南戦争と西郷の最期
島田晴雄(慶應義塾大学名誉教授/テンミニッツ・アカデミー副座長)

講義一覧を見る▼
明治維新後、日本にとっては最大級の内戦となった「西南戦争」。西郷隆盛を盟主とした士族の反乱は、どのように起こっていくのか。実は当の本人である西郷と政府の大久保利通の二人だけが、最後までこの成り行きを信じられなかったともいう。(2018年11月13日開催島田塾講演「明治維新とは:新たな史観のこころみ」<後編>より、全22話中第17話)
時間:8分18秒
収録日:2018年11月13日
追加日:2019年5月4日
≪全文≫

●鹿児島に帰り、「私学校」をつくる西郷隆盛


 いよいよ西南戦争が起こります。よく知られている史実ですが、この機会に事実関係をフォローしておきましょう。

 明治6(1873)年の政変で西郷隆盛が下野すると、鹿児島士族の大半が郷里に帰ってしまいます。天皇陛下はこれをとどめようとしますが、聞く者はなく、西郷に従って帰ってしまう者ばかりだったので、大変不穏な状況になります。

 西郷は、鹿児島に「私学校」をつくります。戊辰戦争による賜金があったので、それを用いて学校をつくり、不平士族の受け皿にしようとしたのです。内容的には精神修養の団体ですが、その一環として武芸に励むこともありました。

 世間は西郷の一挙一動に注目していましたが、西郷はそれらに背を向け、帰郷してからの3年あまりは畑仕事や山野での狩猟に励んでいました。いろいろな人が会いに来ましたが、そのほとんどが密偵で、彼は常に観察されていました。


●江華島事件を経て内乱の時代へ


 この間に、日朝の国交問題が解決したことになっています。明治8(1875)年5月、日本海軍の「雲揚」という軍艦が調停のために派遣され、江華島の水道河口からは陸に向かったところ、江華島の砲台から砲撃を受けたのです。翌日には報復攻撃を行い、砲台を焼き払って一時的に占領しています。これを機に朝鮮問題解決が志向されます。全権大使として派遣されたのは黒田清隆。明治9(1876)年2月には日朝修好条規(江華条約)が結ばれます。

 この経緯に対し、西郷は「とんでもないことをしてくれた」と反発しますが、後の祭りでした。国交樹立により征韓論の議論が消えたところで、士族の不満が内側に向けて爆発します。まさに一触即発の状態となり、この後に大変な反乱が続くわけです。

 まず、熊本の敬神党(神風連)が廃刀令に反発し、福岡の秋月士族が続きます。次には山口で元参議の前原一誠が蜂起して斬首されます。

 瞬く間に鹿児島の情勢も非常に不穏になってくるのです。私学校では西郷を狩猟や温泉から引き離そうと相談しますが、肝心の西郷は「焦るな」と抑制するばかりです。


●警察が仕掛けた罠か、私学校士族の暴走か


 中央から見ると、私学校の者たちは何をやっているか分からない危険集団そのものではないかということで、明治9年暮れには警視庁幹部の川路利良が元締めとなり、何十人もの警察官が調査...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「歴史と社会」でまず見るべき講義シリーズ
豊臣政権に学ぶ「リーダーと補佐役」の関係(1)話し上手な天下人
織田信長と豊臣秀吉の関係…信長が評価した二つの才覚とは
小和田哲男
徳川家康の果断と深謀~指導者論と組織論(1)率先し陣頭指揮する
徳川家康の「天下泰平」デザインとは?…陣頭指揮とカリスマ性
片山杜秀
「武士の誕生」の真実(1)10世紀の東アジア情勢と「王朝国家」
武士は「お手本がない時代」だからこそ生まれた…武士誕生の真実と大唐帝国の解体
関幸彦
小澤開作と満洲事変・日中戦争(1)少年時代の苦労と五族協和の夢
満洲で「五族協和」に命を懸けた小澤征爾の父・小澤開作
小澤俊夫
中国史概説~『皇帝たちの中国』を読む(1)なぜ「中国史はつまらない」のか?
驚きの中国史~「中国史はつまらない」という通説の裏の波乱の真実
宮脇淳子
平安時代の歴史~「貴族道」と現代(1)日本の歴史における平安時代の意味
平安時代の意外な真実…貴族社会の華やかさの裏の激動と転換
関幸彦

人気の講義ランキングTOP10
小澤開作と満洲事変・日中戦争(1)少年時代の苦労と五族協和の夢
満洲で「五族協和」に命を懸けた小澤征爾の父・小澤開作
小澤俊夫
ロシア人の見る「ロシアの歴史」(3)ヴァイキング招致説とキエフ・ルーシ
ロシアの起源はヴァイキング?…キエフ・ルーシの興亡と、ロシアとウクライナの決定的な「歴史的溝」
上月豊久
民主主義の本質(1)近代民主主義とキリスト教
なぜ民主主義が「最善」か…法の支配とキリスト教的背景
橋爪大三郎
『万葉集』と律令社会~官僚の心得と歌宴(4)郡家の発掘と新田山を詠んだ東歌
「東歌」に刻印された奈良時代の真実とは?…地方に気をつかい地方のパワーを取り込んで中央政権はできていた
上野誠
「重要思考」で考え、伝え、聴き、議論する(1)「重要思考」のエッセンス
重要思考とは?「一瞬で大切なことを伝える技術」を学ぶ
三谷宏治
文明語としての日本語の登場(1)古代日本語の復元
なぜ「てふてふ」が蝶々?日本語の変遷を追う…まずは万葉仮名から
釘貫亨
高齢者のフレイル・認知症とその予防対策(1)老年病科と高齢者の疾患・病態の特徴
頻尿、低栄養、転倒、誤嚥、フレイル…増える老年症候群と高齢者の疾患・病態の特徴
小川純人
プラトン『ポリテイア(国家)』を読む(14)ポリスと魂の堕落過程〈下〉僭主の末路
僭主制は欲望の奴隷…過度の自由が過度の隷属に転換する
納富信留
ピアノでたどる西洋音楽史(1)ヴィヴァルディとバッハ
クラシック音楽の歴史をピアノ演奏で辿る~ヴィヴァルディ四季
野本由紀夫
『オデュッセイア』で読み解く神話の秘密(1)物語の構造を読み解くおもしろさ
『オデュッセイア』の面白さの秘密を神話の構造から読み解く…なぜ波乱万丈の神話が人間の創作の源泉になったか
松村一男