明治維新から学ぶもの~改革への道
この講義シリーズは第2話まで
登録不要で無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
6,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
廃藩置県はどのようにして達成されたのか?
明治維新から学ぶもの~改革への道(11)廃藩置県の断行
島田晴雄(慶應義塾大学名誉教授/テンミニッツ・アカデミー副座長)

講義一覧を見る▼
明治新政府にとって、各地の大名領(藩)をどうするかは大問題であった。廃藩置県はできないと思われていたが、明治4(1871)年7月14日、藩は廃止となり、大きな抵抗はみられなかった。廃藩置県はいったいどのようにして達成されたのか。(2018年11月13日開催島田塾講演「明治維新とは:新たな史観のこころみ」<後編>より、全22話中第11話)
時間:4分20秒
収録日:2018年11月13日
追加日:2019年4月27日
≪全文≫

●廃藩置県は山県邸の「書生論」に始まった


 明治4(1871)年、木戸孝允と西郷隆盛が参議に就任して、改革を推進しようとしますが、うまく進展しません。後に「書生論」と呼ばれた「廃藩置県を断行すべし」という青臭い議論は、この時になって持ち上がります。

 この経緯は、麹町の兵部少輔・山県有朋の屋敷で、野村靖と鳥尾小弥太という二人の若者が天下の大勢を議論し、「封建を廃し、郡県の治を」と言ったことに始まります。山県は「そうだ。それがいい。木戸と西郷に諮ってくれ」と後を押します。

 次には井上馨がこれを周旋し、国家の大事なので「西郷に相談するが良い」と言います。井上の助言を受けて山県が西郷に会いに行きます。西郷は「それはよろしかろうが、木戸の意見はどうなのか」。西郷自身の意見を問うと、「国家のためなら、それはよろしい」と、西郷は即座に同意します。

 この時、「それはよろしい」としか西郷は言わなかったといわれています。木戸も、「西郷がよしと言うなら」と同意します。ただ、皆、廃藩は必要だと思っていたけれど、まさかできないだろうとも思っていたわけです。


●薩長高官の4日におよぶ密議と、蚊帳の外に置かれた公家


 西郷からゴーサインが出たので、実行に向けて7月9日夕刻、九段にある木戸の屋敷で鹿児島・山口の実力者がそろって会合を持ちます。鹿児島県からは西郷兄弟(隆盛・従道)、大久保利通、大山巖、山口から木戸、井上、山県。この日から4日間、廃藩置県を前提とした政府改革が極秘に検討されました。廃藩を実行するのであれば軍事力の行使もいとわないと言ったのが、西郷らしい話として伝えられています。

 密議の内容については、廃藩の発表は、諸藩の知事の状況を待たずに行う。全国に二百数十人の知事がいますから、待つ必要はなく、迅速に一斉に発表する。管轄地にいる知事は、廃藩の発令後、直ちに上京を命ず。状況が遅れた場合、不服な姿勢を見せた者については断固たる処罰を与える。

 ここまではいいのですが、公家の三条実美と岩倉具視には、密議の翌日(13日)に報告をしています。岩倉は「意外な大変革で、恭悦と申すまでもなく候得共狼狽もありなん」と言っています。

 大久保は、王政復古のクーデターに臨むのと同様の決死の覚悟で、「もし岩倉さんが三条の元に駆け付けようとするのだったら、狐疑することなく必ずご裁断を...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「歴史と社会」でまず見るべき講義シリーズ
核DNAからさぐる日本のルーツ(1)人類の起源と広がり
核DNAデータで日本人のルーツを探る…アフリカから日本まで来た行程と時期は?
斎藤成也
中国史概説~『皇帝たちの中国』を読む(1)なぜ「中国史はつまらない」のか?
驚きの中国史~「中国史はつまらない」という通説の裏の波乱の真実
宮脇淳子
古代中国の「日常史」(1)日常史研究とは何か
『古代中国の24時間』英雄だけでなく無名の民に注目!
柿沼陽平
中国春秋戦国時代と始皇帝(序)映画『キングダム』の中国史監修
中国古代史の真実と『キングダム』…史実がわかれば物語はもっと面白い
鶴間和幸
天皇のあり方と近代日本(1)「人間宣言」から始まった戦後の皇室
皇室像の転換…戦後日本的な象徴天皇はいかに形成されたか
片山杜秀
ロシア人の見る「ロシアの歴史」(1)会ってみたプーチン…その実像
ロシア人の見る「ロシアの歴史」を知るとロシアがよくわかる・・・実際に会ってみたプーチンの印象とは?
上月豊久

人気の講義ランキングTOP10
編集部ラジオ2026(37)長谷川眞理子先生の公開収録!
【アンケート&公開収録】長谷川眞理子先生:男と女でどう違う?能力の高め方
テンミニッツ・アカデミー編集部
ロシア人の見る「ロシアの歴史」(2)タタールのくびきと「第三のローマ」
なぜロシアが「第三のローマ」なのか?…東ローマ帝国とモンゴル帝国の根深い影響を探る
上月豊久
『万葉集』と律令社会~官僚の心得と歌宴(1)国守・大伴家持と地方社会の日常
『万葉集』でわかる奈良時代の貴族と地方豪族の関係と日常…歌人・大伴家持の歌に秘められた国守時代の苦労話
上野誠
『「甘え」の構造』と現代日本(1)「甘え」のインパクト
「甘え」は現代においてダメなものなのか…名著『「甘え」の構造』への2種類の誤解とは?
與那覇潤
『オデュッセイア』で読み解く神話の秘密(1)物語の構造を読み解くおもしろさ
『オデュッセイア』の面白さの秘密を神話の構造から読み解く…なぜ波乱万丈の神話が人間の創作の源泉になったか
松村一男
小澤開作と満洲事変・日中戦争(1)少年時代の苦労と五族協和の夢
満洲で「五族協和」に命を懸けた小澤征爾の父・小澤開作
小澤俊夫
高齢者のフレイル・認知症とその予防対策(1)老年病科と高齢者の疾患・病態の特徴
頻尿、低栄養、転倒、誤嚥、フレイル…増える老年症候群と高齢者の疾患・病態の特徴
小川純人
万葉集の秘密~日本文化と中国文化(1)万葉集の歌と中国の影響
『万葉集』はいかなる歌集か…日本のルーツと中国の影響
上野誠
江戸とローマ~日本酒とワイン(2)ローマの酒文化とファストフード
ポンペイのファストフード店、遺跡が物語るローマの酒文化
本村凌二
近現代史に学ぶ、日本の成功・失敗の本質(6)東條内閣で行われた行政改革
悲惨な末路につながった東條英機内閣での兼職と省庁再編
片山杜秀