明治維新から学ぶもの~改革への道
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福沢諭吉の凄さ…どんな人物で何をしたのか?
明治維新から学ぶもの~改革への道(18)福沢諭吉と慶應義塾
島田晴雄(慶應義塾大学名誉教授/テンミニッツ・アカデミー副座長)

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福沢諭吉の著書『西洋事情』『学問のすゝめ』『文明論の概略』は今なお続くロングセラーとして、老若男女の向学心を後押ししている。では福沢諭吉とは一体どんな人物だったのか。明治維新においてどのような役割を果たしたのか。(2018年11月13日開催島田塾講演「明治維新とは:新たな史観のこころみ」<後編>より、全22話中第18話)
時間:9分24秒
収録日:2018年11月13日
追加日:2019年5月4日
≪全文≫

●咸臨丸から遣欧使節団に参加する幕僚時代


 明治初期の状況の中、西南戦争までの動きを見事に超越した人物が一人います。それが、皆さんもよく知っておられる福沢諭吉です。

 福沢は緒方洪庵の適塾で蘭学を学び、江戸で英語を学ぶ中、万延元(1860)年の咸臨丸で渡米、帰国した11月に幕府に採用されます。それからちょうど1年たつと、遣欧使節団が組織されるというので、今度はそこに加えられます。

 遣欧使節団とは何かというと、安政5(1858)年の条約で幕府が一定期間のうちに神奈川、長崎、函館、新潟、兵庫の5港と江戸、大坂の開市を約束したところまでさかのぼる必要があります。

 幕府は、なんとかこれを延期できないかと模索し、この方針を列国に要請したのですが、同意を得られない。しかし、英仏公使から「あなた方が欧州を訪問して直接交渉したらどうか。その資金はわれわれが出しましょう」と随分丁寧な提案があります。ロンドンには彼らの泊まった所が残っていますが、なかなかいいホテルに泊まっています。

 この時に乗り込んだ船は、オーディン号というイギリスの最優秀のフリゲート艦です。外輪を2個付けて2000トン、大砲16門、乗員200~300名という大きな船です。さらに、日本の使節のために内部を日本座敷風にする改装工事香港で行っています。なぜかというと、イギリスの方がアメリカより上であることを印象付けたかったからです。


●ヨーロッパ文明に触れ、「富国強兵のもとは人物養育」と知る


 遣欧使節団はシンガポールからヨーロッパに渡り、パリからイギリス、ベルリン、ペテルスブルグ、そして東洋を回って帰ってきます。ほぼ11カ月の旅程で、外交的には大した成果は挙げませんでしたが、ヨーロッパ文明を見たことが最大の成果です。

 福沢は、さまざまな土地の社会制度について書き留めました。専売局、病院、鉄道、ガス、電信、博覧会、盲唖院、養護院、トンネル、軍隊、徴兵令。福沢は、表立った現象よりも、なぜこれが可能なのか、どういう心映えでできているのかというところに非常に興味を持ちました。結局、イギリスをつぶさに観察して、「当今の急務は富国強兵。富国強兵のもとは人物を養育すること専務」と書きます。これが慶應義塾のもとになるのです。

 帰国して最初の仕事は、生麦事件の処理でした。翌文久3(1863)年に緒方洪庵が亡くなりますが、通夜の席に行...

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