明治維新から学ぶもの~改革への道
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
留守政府の光と影…改革の連打と井上馨らの汚職
明治維新から学ぶもの~改革への道(14)留守政府の腐敗
島田晴雄(慶應義塾大学名誉教授/テンミニッツ・アカデミー副座長)

講義一覧を見る▼
岩倉使節団出発後、留守政府は学制・徴兵令・地租改正・太陽暦採用等の改革を連打していく。一方、鉱山利権にからむ「尾去沢銅山事件」、「山口県地租米不正事件」等、留守政府の不正も続出。これはいったいどういうことなのか。(2018年11月13日開催島田塾講演「明治維新とは:新たな史観のこころみ」<後編>より、全22話中第14話)
時間:7分00秒
収録日:2018年11月13日
追加日:2019年4月27日
≪全文≫

●郵便、学校制、徴兵制、太陽暦導入の影で


 岩倉使節団はいろいろな学びを得て帰ってきますが、留守政府は出発前の約定など守らず、どんどん新しい政策を進めていました。

 使節団がパリに入った明治5(1872)年11月、「徴兵告諭」と「全国募兵の詔」が出されます。学校制度の制定も同年に始まりました。大中小の学区に、大学、中学、小学を置き、「国民皆学制」を構想したものです。4年後の明治9(1876)年には2万6584校と、目標の半分を達成して、欧米とほとんど同じレベルに達しています。維新前から寺子屋の数が3~4万を数えていたため、それを使った側面もありました。

 そして郵便制度(明治4年)、太陽暦の導入(明治5年)なども、矢継ぎ早に行われています。

 この頃、留守政府内ではとんでもないことが行われています。大蔵省の井上馨、司法省の江藤新平、文部省の大木喬任らの対決です。どちらかいうと、土佐と肥前が主導権を握り、とうとう井上が締め出されて辞職することになります。実は井上は、権力を悪用してとんでもないことをしていました。かなり有名な話ですが、数々の疑獄です。


●究明されずに終わった近代初の陸軍省疑獄


 まず、陸軍省の疑獄として明治5年の「山城屋和助事件」があります。山城屋和助の元の名は野村三千三で、長州奇兵隊の幹部として山県有朋にかわいがられていました。

 兵部省のトップとなった山県が長州藩のよしみで便宜を図るため、御用商人の山城屋はたちまち蓄財して豪商となり、山県たちの軍資金や遊興費の全てを賄っていました。が、生糸相場に手を出して大失敗したため、埋め合わせの資金を陸軍省の公金から引き出し勝手に使ってしまいます。その額は15万ドル(65万円とも80万円とも)で当時の国家歳入の1パーセントに相当しました。

 事態を善処するどころかパリで豪遊していた山城屋の情報が政府筋の耳に入り、陸軍省で糾弾せよということになります。首魁は陸軍大輔の山県有朋だと分かりますが、追及した近衛兵たちにとっては自分の組織のトップでもあります。西郷隆盛は山県を近衛兵統率の部署から降ろし、陸軍大輔に専念させることにします。これで一件落着のはずでしたが、パリから呼び戻された山城屋には返済能力がまったくありません。帳簿などの証拠書類を全て焼却した上で、彼は陸軍省の一室で割腹自殺を遂げます。真相は闇として葬られること...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「歴史と社会」でまず見るべき講義シリーズ
戦前日本の「未完のファシズム」と現代(1)シラス論と日本の政治
独裁ができない戦前日本…大日本帝国憲法とシラスの論理
片山杜秀
織田信長と足利義昭~検証・本能寺の変(1)はじめに
新史料の発見で見直される「本能寺の変」
藤田達生
敗戦から日本再生へ~大戦と復興の現代史(1)厚木飛行場に降り立った占領者
敗戦した日本の武装解除はなぜ無血だったか…その背景とは
島田晴雄
昭和の名将・樋口季一郎…ユダヤ人救出編(1)決断と信念のユダヤ人救出
毅然として人道を貫き、命を救う…樋口季一郎のユダヤ人救出
門田隆将
天皇のあり方と近代日本(1)「人間宣言」から始まった戦後の皇室
皇室像の転換…戦後日本的な象徴天皇はいかに形成されたか
片山杜秀
天下人・織田信長の実像に迫る(1)戦国時代の日本のすがた
織田信長の「天下」とは…最新研究で激変する人物像・時代像
柴裕之

人気の講義ランキングTOP10
編集部ラジオ2026(23)上半期人気ランキングBest30
【編集部ラジオ】令和8年上半期人気ランキングBest30
テンミニッツ・アカデミー編集部
老子の神髄(1)「絶対自由の境地」を求めて
『老子』が求める「絶対自由の境地」とは?…そして創造長寿へ
田口佳史
中国史概説~『皇帝たちの中国』を読む(4)5人の皇帝と現代中国
特筆すべき5人の皇帝…中国史を知らなければ現代中国もわからない
宮脇淳子
AI時代と人間の再定義(1)AIは思考するのか
AIでは「思考の三位一体」が成立しない…考えるとは?
中島隆博
中国春秋戦国時代と始皇帝(4)秦と周辺国の激烈な戦い
秦と周辺国の激戦の真実に迫る…各国の兵力と秦の戦略とは?
鶴間和幸
AI大格差~最新研究による仕事と給料の未来(1)最新研究から見えてくる未来像
AI大格差…なぜ日本の雇用環境では「ショックが大きい」のか?
宮本弘曉
日本の財政の真実を検証する(4)日本の台所事情と財政の本義
「1秒間に41万円?」…この数字はいったい何を意味するか?
宮本弘曉
AI時代にリベラルアーツがなぜ必要か(1)AIに置き換わる仕事と人間がやる仕事
AI時代にリベラルアーツがなぜ必要か…人間がやるべきこととは?
橋爪大三郎
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(6)陰謀論とユダヤ人
ユダヤ人を巡る「陰謀論」の裏を読む…ロシア革命とユダヤ人
鶴見太郎
豊臣兄弟~秀吉と秀長の実像に迫る(序)時代考証が語る『豊臣兄弟!』の魅力
織田家中一の武略者…『豊臣兄弟!』秀吉と秀長の知られざる実像
黒田基樹