明治維新から学ぶもの~改革への道
この講義シリーズは第2話まで
登録不要で無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
6,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
日本外交の草分けとして新政府をリードした陸奥宗光
明治維新から学ぶもの~改革への道(8)陸奥宗光という人物
島田晴雄(慶應義塾大学名誉教授/テンミニッツ・アカデミー副座長)

講義一覧を見る▼
不平等条約解消の雄として名高い陸奥宗光は、若い頃は尊皇の志士として活動、海援隊にも参加した。外交の目が人並みすぐれた陸奥は、維新後の新政府でも頭角を表す。やがて薩長土肥中心の政府人事への不満、「廃藩置県」建白への無理解から下野し、紀州藩強化策に専念することとなる。(2018年11月13日開催島田塾講演「明治維新とは:新たな史観のこころみ」<後編>より、全22話中第8話)
時間:9分57秒
収録日:2018年11月13日
追加日:2019年4月27日
≪全文≫

●不平等条約解消、三国干渉受諾の偉業を成し遂げた英明


 陸奥宗光がどういう人であるかは、歴史の授業にも出てきます。ここまでに、参議など大臣クラスの官職名が出てきましたが、きちんとした定めはありませんでした。初めての憲政内閣になるのが伊藤博文内閣であり、そこで外務大臣を務めたのが陸奥です。

 幕末より日本は不平等条約に悩んできましたが、一連の不平等条約改正に当たったのが陸奥宗光の大いなる偉業でした。その後、日清戦争が始まると軍略に詳しいことからやはり外交の任に当たりますが、終結時には三国干渉を受けることになります。

 三国干渉は、ロシア・フランス・ドイツからの圧力で、日本が中国から取り上げたものを返還するようにという勧告でした。伊藤博文は困り果てます。天皇陛下は当時、前線の広島で執務をされていて、閣議も広島で行われていました。陸奥はこの頃、肺結核を患って療養中でしたが、その病床で閣議が開かれました。高熱の陸奥でしたが、どうしたらいいか問われると、言下に「三国を受け入れるように」と答えました。

 この干渉に対して伊藤には、戦争に勝っている以上、不当ではないかという考えがありました。列国会議を開き、公平な審判をすべきだという考えだったのですが、陸奥は、「そんなことをすると大騒ぎになり、決着がつかなくなる。外交巧者の中国が何をしてくるか分からない。この機に乗じ、三国に応じて速やかに賠償し、遼東半島を返せば、それで片付く」と言う。実際、それ以降は沙汰止みになり、日本は大混乱に巻き込まれずに済みました。陸奥はこの後ほどなく亡くなりますが、彼のような人物が明治初年にいたのです。


●日本外交の草分けとして新政府をリード


 若い頃の陸奥は、当時の風潮として誰もがしたように尊皇攘夷を説き、人物という人物の門を訪ね、勉強に励みました。勝海舟が陸奥に着目して海軍操練所に入れますが、海軍操練所は素性の正しからぬ脱藩者がいるということでお取りつぶしとなります。その後は坂本龍馬の海援隊に入り、倒幕運動の行動家になっていきます。

 自伝によると、陸奥は鳥羽伏見の戦いがまだ決着を見る前に「独り天下の形勢を察するところがあり」、幕府軍の後をついて大坂に赴き、後の駐日公使アーネスト・サトウを通じて、パークス(幕末~明治初期の英国公使)に面会を申し入れます。今後の新政府の外交をど...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「歴史と社会」でまず見るべき講義シリーズ
「武士の誕生」の真実(1)10世紀の東アジア情勢と「王朝国家」
武士は「お手本がない時代」だからこそ生まれた…武士誕生の真実と大唐帝国の解体
関幸彦
家康の人間成長~戦略性をいかに培ったか(1)今川「人質」時代と今川義元の思惑
徳川家康の秘密…「辛抱」イメージとは異なる自由奔放な人質時代
小和田哲男
徳川家康の果断と深謀~指導者論と組織論(1)率先し陣頭指揮する
徳川家康の「天下泰平」デザインとは?…陣頭指揮とカリスマ性
片山杜秀
古代中国の「日常史」(1)日常史研究とは何か
『古代中国の24時間』英雄だけでなく無名の民に注目!
柿沼陽平
インテリジェンス・ヒストリー入門(1)情報収集と行動
日本の外交には「インテリジェンス」が足りない
中西輝政
中国春秋戦国時代と始皇帝(序)映画『キングダム』の中国史監修
中国古代史の真実と『キングダム』…史実がわかれば物語はもっと面白い
鶴間和幸

人気の講義ランキングTOP10
伊福部昭で語る日本・西洋・近代(1)チェレプニン賞に輝いた無名の作曲家
映画『ゴジラ』の作曲家・伊福部昭が直面した「日本と東洋と西洋」そして「近代の超克」
片山杜秀
「良き対話」とは?――哲学から考える(1)対話とは何か――会話・説教との違い
「良き対話」のヒントを哲学から考える…「対話」の大前提とは、そして「会話」「説教」「場回し」とは何が違うのか?
納富信留
「満洲」から考える日本とアジア(1)「満洲」を知る意義とは
「満洲史」はなぜ現代日本でタブー視されるのか?…王道楽土の夢とアヘンなどの裏面から見えてくる現代への教訓
宮脇淳子
編集部ラジオ2026(38)アメリカ中間選挙と民主主義
【10min解説】第2期のトランプ大統領と中間選挙を考える
テンミニッツ・アカデミー編集部
ロシア人の見る「ロシアの歴史」(1)会ってみたプーチン…その実像
ロシア人の見る「ロシアの歴史」を知るとロシアがよくわかる・・・実際に会ってみたプーチンの印象とは?
上月豊久
高齢者のフレイル・認知症とその予防対策(1)老年病科と高齢者の疾患・病態の特徴
頻尿、低栄養、転倒、誤嚥、フレイル…増える老年症候群と高齢者の疾患・病態の特徴
小川純人
「重要思考」で考え、伝え、聴き、議論する(1)「重要思考」のエッセンス
重要思考とは?「一瞬で大切なことを伝える技術」を学ぶ
三谷宏治
生成AI「Round 2」への向き合い方(1)生成AI導入の現在地
生成AIの利活用に格差…世界の導入事情と日本の現状
渡辺宣彦
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(1)ユダヤ人とは誰のことか
ユダヤ人とは?なぜ差別?お金持ち?…『ユダヤ人の歴史』に学ぶ
鶴見太郎
小澤開作と満洲事変・日中戦争(1)少年時代の苦労と五族協和の夢
満洲で「五族協和」に命を懸けた小澤征爾の父・小澤開作
小澤俊夫