明治維新から学ぶもの~改革への道
この講義シリーズは第2話まで
登録不要で無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
6,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
佐賀の乱で「斬首・梟首」にされた江藤新平の凄惨な最期
明治維新から学ぶもの~改革への道(16)佐賀・江藤の反乱と台湾交渉
島田晴雄(慶應義塾大学名誉教授/テンミニッツ・アカデミー副座長)

講義一覧を見る▼
明治六年政変の後、内務省が新設され、大久保利通が初代内務卿に就任した直後に、「佐賀の乱」が起こる。前参議・江藤新平を首謀者にまつりあげたこの内乱に、大久保は司法・警察・軍の三権全権を行使する。下野した西郷隆盛周辺への牽制の意味が大きかったという。(2018年11月13日開催島田塾講演「明治維新とは:新たな史観のこころみ」<後編>より、全22話中第16話)
時間:4分42秒
収録日:2018年11月13日
追加日:2019年5月4日
≪全文≫

●懐柔のつもりが首謀者にまつりあげられた江藤新平


 明治六年政変直後に内務省が新設され、まだ実体が整う前に公表されています。初代長官・大久保利通内務卿としては、内政にこそ全力で邁進したかったのでしょう。当時、各地では士族の不満が非常に高まっていました。

 佐賀県で知事(権令)に就任したばかりの岩村通俊という人物が、士族集団のあまりの不穏さに音を上げ、政府に助けを求める書簡を送ってきました。この時、佐賀出身の江藤新平に不平士族をなだめるよう声がかかり、板垣退助からは止められたものの、佐賀へ帰郷することにしました。

 ところがちょうどその夜(明治7年1月14日)、高知県士族の武市熊吉らが、皇居から馬車で退出してきた右大臣の岩倉具視を赤坂で襲う事件が発生します。岩倉の命は無事だったものの大事件となったため、「なぜ江藤はこういうときに動くのか」という声が出ます。

 江藤はそれに気付かず、長崎で休養していました。江藤同様、鎮撫のために長崎へ来ていた島義勇が、偶然同船となった新知事の岩村高俊(岩村通俊の実弟)の傲岸不遜な態度に怒りを覚え、長崎で江藤と面会。二人の意見は岩村の暴挙を阻止することで一致したため、江藤は不平士族たちのグループに入ることになるのです。


●西郷隆盛は動かず、江藤新平は斬首・梟首の極刑に


 佐賀の様子は電信で東京に伝えられ、大久保は全軍出動命令を出すと、軍と処罰の全権を自分で担いました。大久保の動きは激しく、素早いものでした。江藤は最初の小競り合いで勝利したりしましたが、結局は政府軍に負けたところで党を解散、「もはや、これまで」と西郷隆盛に助けを求めに行きます。

 温泉で遊猟中だった西郷は江藤の求めに応じず、「君を助けない」と言います。部下を見捨てて自分のところへ来るなどは武士の風上に置けないと、西郷は思ったようです。

 元司法卿だった江藤は、フランスに則った司法制度や警察制度をしっかりつくった人でしたから、それらに基づき、理を尽くした裁判をしてもらいたいと考えました。ところが自分が整備させた警察制度により捕縛された彼は、東京どころか佐賀へ引き戻され、審理に先立つ2日前につくられた簡易裁判により判決を言い渡されます。

 「斬首・梟首」という極刑が、彼に科せられました。首を落とし、見せしめのために吊るすという最悪の刑罰が即日執行されまし...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「歴史と社会」でまず見るべき講義シリーズ
徳川将軍と江戸幕府~井伊直弼編(1)桜田門外の変と井伊直弼の人物像
「桜田門外の変」の謎…井伊直弼の警護に問題はなかったのか
山内昌之
平安時代の歴史~「貴族道」と現代(1)日本の歴史における平安時代の意味
平安時代の意外な真実…貴族社会の華やかさの裏の激動と転換
関幸彦
小澤開作と満洲事変・日中戦争(1)少年時代の苦労と五族協和の夢
満洲で「五族協和」に命を懸けた小澤征爾の父・小澤開作
小澤俊夫
モンゴル帝国の世界史(1)日本の世界史教育の大問題
なぜ日本の「世界史」はいびつなのか…東洋史と西洋史の違い
宮脇淳子
「三国志」の世界とその魅力(1)二つの三国志
三国志の舞台、三国時代はいつの・どんな時代だったのか?
渡邉義浩
徳川家康の果断と深謀~指導者論と組織論(1)率先し陣頭指揮する
徳川家康の「天下泰平」デザインとは?…陣頭指揮とカリスマ性
片山杜秀

人気の講義ランキングTOP10
編集部ラジオ2026(36)宮脇淳子先生「満洲史」講義の要点
【10min解説】「満洲史」はタブー?…そこから見えてくる教訓とは?
テンミニッツ・アカデミー編集部
高齢者のフレイル・認知症とその予防対策(6)認知症予防と健康寿命の延伸に向けて
フレイル・サイクルは回り出したら抜けられない!?負のスパイラルへの対処法
小川純人
「満洲」から考える日本とアジア(1)「満洲」を知る意義とは
「満洲史」はなぜ現代日本でタブー視されるのか?…王道楽土の夢とアヘンなどの裏面から見えてくる現代への教訓
宮脇淳子
文明語としての日本語の登場(1)古代日本語の復元
なぜ「てふてふ」が蝶々?日本語の変遷を追う…まずは万葉仮名から
釘貫亨
『オデュッセイア』で読み解く神話の秘密(1)物語の構造を読み解くおもしろさ
『オデュッセイア』の面白さの秘密を神話の構造から読み解く…なぜ波乱万丈の神話が人間の創作の源泉になったか
松村一男
小澤開作と満洲事変・日中戦争(1)少年時代の苦労と五族協和の夢
満洲で「五族協和」に命を懸けた小澤征爾の父・小澤開作
小澤俊夫
優れた経営者の条件(1)スキルとセンスの違い
経営者のセンスは担当者のスキルとは全く違う
楠木建
今こそ問うべき「人間にとっての教養」(1)なぜ本を読むことが教養なのか
『人間にとって教養とはなにか』に学ぶ教養と本の関係
橋爪大三郎
中国春秋戦国時代と始皇帝(序)映画『キングダム』の中国史監修
中国古代史の真実と『キングダム』…史実がわかれば物語はもっと面白い
鶴間和幸
現代人に必要な「教養」とは?(1)そもそも教養とは何か
教養とは…本質を捉える知、他者を感じる力、先頭に立つ勇気
小宮山宏