2018年激動の世界と日本
この講義シリーズは第2話まで
登録不要で無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
6,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
マクロン大統領はヨーロッパの希望の光
2018年激動の世界と日本(9)ドイツとフランス
島田晴雄(慶應義塾大学名誉教授/テンミニッツ・アカデミー副座長)
ドイツではメルケル政権の支持が揺らぐ一方、フランスではエマニュエル・マクロン大統領がヨーロッパの再統合を掲げている。アメリカ、イギリス、ドイツ、フランスで既存の政治にNOが突きつけられる中、マクロン大統領はヨーロッパの希望となるのか。公立大学法人首都大学東京理事長・島田晴雄氏が徹底的に解説する。(2018年1月16日開催島田塾会長講演「激動の世界と日本」より、全14話中第9話)
時間:12分45秒
収録日:2018年1月16日
追加日:2018年4月22日
カテゴリー:
≪全文≫

●誰もメルケル氏の勝利を信じて疑わなかった


 次はドイツについて見ていきましょう。島田村塾は2017年の夏、ドイツ各地を訪問しました。9月23日の連邦選挙前でしたが、何があってもアンゲラ・メルケル氏が勝つだろうという雰囲気がありました。誰も彼女の勝利を信じて疑わなかったのです。

 ところが結果を見てみると、メルケル氏率いるCDU(キリスト教民主同盟)は33パーセントしか取れず、8.6パーセントもダウンです。前回の選挙では40パーセントの投票を獲得していた党ですから、驚きです。さらに、大連合のパートナーを組むSPD(社会民主党)も戦後空前の大敗でした。両党が大連立を組めば、いつも圧倒的な議席数を占めていたのにもかかわらずです。

 SPDのマルティン・シュルツ党首は、ドイツでの国政経験がありません。長くEU議会の議長を務めていた、大変な国際派です。彼がSPDからドイツに呼び戻され、党首を務めることになったのですが、その最初の選挙でメルケル氏との戦いに敗れたのです。しかも選挙後は、CDUとの大連立を拒否しました。大連立でなければドイツの政治は動きません。

 CDUとSPDは12年間にわたって大連立を組んできました。その間、最低賃金法が改善されました。しかしシュルツ氏は、これはSPDが言ってきたことなのにメルケル氏の手柄にされたと主張しているのです。CDUと大連立を組むことで、SPDの尽力が全てメルケル氏の手柄になり、SPDのアイデンティティが失われてしまったということで、シュルツ氏は大連立を拒みました。

 メルケル首相は、小さな政党と組むしかありません。この選挙で非常に躍進した政党があります。AfD(Alternative für Deutschland、ドイツのための選択肢)という名前の政党です。

 この政党は右翼、しかもネオナチです。しかしAfDは大躍進し、初の連邦議会選挙だったというのに94議席も獲得しました。得票率でいえば12パーセントで、第3党になってしまったのです。ドイツでは5パーセント以上の投票を確保しないと、議会に出られないのですが、そうしたハードルを楽々と超えてきたわけです。

 メルケル氏にしてみれば、しかしAfDは最も忌み嫌うべき右翼ですから、組むことはできません。そこで連立を模索したのが、自由民主党というプロビジネスの党です。あるいは、緑の党がいます。この双方との連立を模索していたのですが、やはりあまりに考えが違い過...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
クライン『ショック・ドクトリン』の真実(1)ショック・ドクトリンとは何か
100分de名著!?『ショック・ドクトリン』驚愕の印象操作
柿埜真吾
政治思想史の古典『法の精神』と『社会契約論』を学ぶ(1)二人の思想家
モンテスキューとルソー…二人の思想家の共通の敵とは?
川出良枝
アメリカの理念と本質(1)西洋文明の行き着いた先と三つの建国
アメリカの理念と本質とは?…まず「三つの建国」から原点に迫る
中西輝政
教養としての「人口減少問題と社会保障」(1)急速に人口減少する日本の現実
毎年100万人ずつ減少…急降下する日本の人口問題を考える
森田朗
資産運用の思考法…経済や市場の動きをどう読むか
市場予測のポイント…短期・中期・長期の視点と歴史的洞察
養田功一郎
地政学入門 歴史と理論編(1)地政学とは何か
地政学をわかりやすく解説…地政学の「3つの柱」とは?
小原雅博

人気の講義ランキングTOP10
編集部ラジオ2026(37)長谷川眞理子先生の公開収録!
【アンケート&公開収録】長谷川眞理子先生:男と女でどう違う?能力の高め方
テンミニッツ・アカデミー編集部
ロシア人の見る「ロシアの歴史」(2)タタールのくびきと「第三のローマ」
なぜロシアが「第三のローマ」なのか?…東ローマ帝国とモンゴル帝国の根深い影響を探る
上月豊久
『「甘え」の構造』と現代日本(1)「甘え」のインパクト
「甘え」は現代においてダメなものなのか…名著『「甘え」の構造』への2種類の誤解とは?
與那覇潤
高齢者のフレイル・認知症とその予防対策(1)老年病科と高齢者の疾患・病態の特徴
頻尿、低栄養、転倒、誤嚥、フレイル…増える老年症候群と高齢者の疾患・病態の特徴
小川純人
大統領に告ぐ…硫黄島からの手紙の真実(2)翻訳に込めた日米の架け橋への夢
アメリカ人の心を震わせた20歳の日系二世・三上弘文の翻訳
門田隆将
「満洲」から考える日本とアジア(1)「満洲」を知る意義とは
「満洲史」はなぜ現代日本でタブー視されるのか?…王道楽土の夢とアヘンなどの裏面から見えてくる現代への教訓
宮脇淳子
現代人に必要な「教養」とは?(1)そもそも教養とは何か
教養とは…本質を捉える知、他者を感じる力、先頭に立つ勇気
小宮山宏
『オデュッセイア』で読み解く神話の秘密(1)物語の構造を読み解くおもしろさ
『オデュッセイア』の面白さの秘密を神話の構造から読み解く…なぜ波乱万丈の神話が人間の創作の源泉になったか
松村一男
第二次世界大戦とソ連の真実(1)レーニンの思想的特徴
レーニン演説…革命のため帝国主義の3つの対立を利用せよ
福井義高
『万葉集』と律令社会~官僚の心得と歌宴(1)国守・大伴家持と地方社会の日常
『万葉集』でわかる奈良時代の貴族と地方豪族の関係と日常…歌人・大伴家持の歌に秘められた国守時代の苦労話
上野誠