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「ヨーロッパ」の検索結果

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古き良きヨーロッパのキリスト教社会が克明にわかる名著

渡部昇一の「わが体験的キリスト教論」(1)古き良きキリスト教社会

渡部昇一氏には、若き頃に留学したドイツでの体験を記した『ドイツ留学記(上・下)』(講談社現代新書)という名著がある。1955年(昭和30年)から3年間、ドイツに留学した渡部昇一氏が、その留学で身近に接したヨーロッパ文明...
収録日:2021/08/06
追加日:2021/10/23
渡部玄一
チェロ奏者

メルケル首相とマクロン大統領による「歴史的決断」とは

コロナ禍で揺れる世界経済の行方(5)EUとヨーロッパ情勢

新型コロナウイルスはEUとヨーロッパ諸国にも甚大な影響を与えた。中でもイタリアの医療崩壊、イギリスの首相や皇太子の感染などのニュースは、日本人の心胆をも寒くしたものだ。しかし、世界の多くの国が「自国ファースト」に...
収録日:2020/06/15
追加日:2020/07/08
島田晴雄
慶應義塾大学名誉教授

ヨーロッパ中が感染したワーグナーの凄さ

クラシックで学ぶ世界史(9)帝国をつくったオペラ

ベートーヴェンを音楽の理想としたワーグナーは、彼のオペラに不満があった。より良い物語による演劇と舞踊と音楽を一体にした「総合芸術」こそ、ワーグナーの目標となる。さらにユダヤを仮想敵に据えて、空前絶後のナショナリ...
収録日:2019/08/26
追加日:2019/12/07
片山杜秀
慶應義塾大学法学部教授

中世ヨーロッパの基礎的な学問「7自由学科」の一つが音楽

バッハで学ぶクラシックの本質(1)リベラルアーツと音楽

クラシック音楽に関心がある人もない人も、バッハの名を耳にしたことはあるのではないだろうか。バッハの音楽がなぜ人を惹きつけるのかを考えるためには、西洋のクラシック音楽の伝統を理解する必要があると、樋口隆一氏は力説...
収録日:2019/09/19
追加日:2019/11/01
樋口隆一
明治学院大学名誉教授

ヨーロッパのどこにも模範とすべき民主政のモデルがない

民主主義と政治(2)民主政のモデルと多数派形成の失敗

かつて民主主義の2つのモデルとして議論された、イギリス型の民主政とヨーロッパ型(コンセンサス型)の民主政。現代では、どちらの制度の下でも多数派形成に苦しんでいる。よって、模範とすべき民主政の形は不明瞭になってきてい...
収録日:2019/08/28
追加日:2019/09/21

古典を学び、教養ある人間を目指すことがヨーロッパの理想

西洋文明の起源から見るグローバル化(1)グローバル化

世界のグローバル化は、文化的にはヨーロッパが拡大して、人類全体に拡大する流れといえる。では、当のヨーロッパとは何を指すのか。それは地理的名称というより文化的な概念であり、「ギリシア・ローマの古典+キリスト教」=...
収録日:2019/05/29
追加日:2019/08/01
納富信留
東京大学大学院人文社会系研究科 研究科長・学部長・教授

ヨーロッパ哲学の伝統はプラトン哲学の脚注だ

プラトンの哲学を読む(1)対話篇という形式の哲学

古代ギリシャのアテナイに生まれたプラトン。彼の哲学が分からなければ、現代の西洋、東洋、さらには日本の哲学や自然科学は根本的には理解できない。そういえるほど、プラトンは重要な哲学者である。そのプラトンの哲学につい...
収録日:2018/07/11
追加日:2018/10/01
納富信留
東京大学大学院人文社会系研究科 研究科長・学部長・教授

マクロン大統領はヨーロッパの希望の光

2018年激動の世界と日本(9)ドイツとフランス

ドイツではメルケル政権の支持が揺らぐ一方、フランスではエマニュエル・マクロン大統領がヨーロッパの再統合を掲げている。アメリカ、イギリス、ドイツ、フランスで既存の政治にNOが突きつけられる中、マクロン大統領はヨーロ...
収録日:2018/01/16
追加日:2018/04/22
島田晴雄
慶應義塾大学名誉教授

ヨーロッパで深刻化する極右台頭の原因

激変しつつある世界―その地政学的分析(5)極右と左派

歴史学者で京都大学名誉教授の中西輝政氏が、ヨーロッパで深刻化する極右の台頭について解説する。極右台頭の一方で、2016年アメリカ大統領選を戦ったサンダース氏のようなソーシャリストに近い左派も勢いを増しつつある。極右...
収録日:2017/05/16
追加日:2017/12/28
中西輝政
京都大学名誉教授

難民がテロリストネットワークを利用しヨーロッパ入り!?

モスクワ国際安全保障会議(2)ロシアとシリア

テロリストが移民を利用しているだけでなく、移民もテロリストのネットワークを利用してヨーロッパに入り込んでいる――歴史学者・山内昌之氏は、第5回モスクワ国際安全保障会議でそのことを知ったという。ロシアはシリア情勢に...
収録日:2016/05/09
追加日:2016/06/23
山内昌之
東京大学名誉教授

ヨーロッパ首脳は難民とテロ対策で精一杯

難民とテロ問題で揺れるヨーロッパ経済

「難民とテロの問題を受けて、いまヨーロッパが難しい時期を迎えている」と東京大学大学院経済学研究科教授・植田和男氏は語る。それはどういうことなのか。植田氏がヨーロッパの現状を多角的に分析する。
収録日:2015/12/15
追加日:2015/12/24
植田和男
第32代日本銀行総裁

湾岸諸国(GCC)とヨーロッパの難民事情

シリア難民問題(2)アラブ諸国に対する誤解

ヨーロッパ、特にドイツのシリア難民受け入れが連日報道されているが、湾岸諸国でも難民の数は急増している。では、その地域における難民の姿がさほどクローズアップされないのはなぜなのか? 歴史学者・山内昌之氏が、人道的...
収録日:2015/09/16
追加日:2015/09/21
山内昌之
東京大学名誉教授

本を読まない人類がヒューマニズムという化け物に喰われた

読書と人生(6)読書人がバカにされる時代

現代社会では、価値の主客転倒が起こり、読書人がバカにされるようにさえなった。だが、読書人がいなくなるということは、人間が「魂」に対する興味を失ったことを意味している。そして読書をしなくなったから、人間社会はヒュ...
収録日:2019/05/14
追加日:2019/09/20

欧州のアベノミクスへの高い関心は「日本病」への憂慮から

欧州から見たアベノミクス(1)EUが抱える課題

千葉商科大学学長・島田晴雄氏によれば、今ヨーロッパはその深い悩みゆえに、アベノミクスに強い関心を示している。第一次世界大戦後に欧州が掲げた理念、同じようにリーマンショックの打撃を受けながら、日本やアメリカにでき...
収録日:2015/03/31
追加日:2015/05/11
島田晴雄
慶應義塾大学名誉教授

非国家的な世界主義者と非難された西田の思想とは?

過去から未来へ、京都学派の役割(3)ランケの考えと西田幾多郎の立場

「世界史的立場と日本」を世に問うた京都学派。その思想について考えるうえで、ドイツの歴史学者ランケと西田幾多郎の考え方、立場を押さえておきたい。彼らがそれぞれヨーロッパとアジア、そして日本という立ち位置からどんな...
収録日:2014/07/18
追加日:2014/09/20
髙坂節三
公益財団法人 日本漢字能力検定協会 顧問

ナポレオン戦争後のウィーン体制がもたらした「勢力均衡」

国家の利益~国益の理論と歴史(5)ウィーン体制と勢力均衡

近代ヨーロッパに広まった国家理性は、果てなき国益戦争につながった。その反省から、オランダのグロティウスは自然法に基づく国際法の概念を準備し、ナポレオン戦争後のウィーン体制がヨーロッパに国際秩序をもたらしていく。...
収録日:2019/03/28
追加日:2019/07/07
小原雅博
東京大学名誉教授

「衝突回避の原則」は従来の常識を覆す鉄道革命!

東海道新幹線50周年と海外展開(1)日本型高速鉄道システムを世界標準へ

安全性と効率性をきわめて高い水準で両立した日本の高速鉄道には、それを支える日本独自の概念と技術があった。その革命性と国際化に向けた将来展望を、JR東海の葛西敬之名誉会長が語る。(前編)
収録日:2014/04/15
追加日:2014/07/03
葛西敬之
元東海旅客鉄道(JR東海)代表取締役名誉会長

愛のために一生苦悩するか、魂の苦悩を捨てて幸福になるか

憂国の芸術(9)人間は家畜に向かっている

カトリック信者だったミゲール・デ・ウナムーノは、「人間とは、愛のために一生苦悩して生きるか、それとも魂の苦悩を全部捨てて幸福になるか、どちらかしかない」と書いた。しかし、今を生きる人間の多くが、苦悩を捨てて、「...
収録日:2021/12/02
追加日:2022/03/11

オオカミはいつイヌになったか…犬の起源と家畜化の歴史

もっと知りたいイヌのこと(1)イヌの歴史を振り返る

イヌは「人類の最古の友」とも呼ばれる存在だ。オオカミがイヌになり、われわれの家庭のペットとして「うちの子」と呼ばれるようになるまでには、どのような経緯があったのか。まだまだ分かっていないことは多いが、最新の研究...
収録日:2023/03/29
追加日:2023/06/12
長谷川眞理子
日本芸術文化振興会理事長

ウクライナ問題で欧米が頭を抱えるジレンマとは

ウクライナ侵略で一変した国際政治(3)欧州の安全保障とエネルギー依存

ウクライナ侵略の勃発により、地続きのヨーロッパは大きな方針変更を迫られた。ことはユーラシア全体の安全保障問題に関わるため、中国やアメリカにも波紋が広がっている。さらに問題は経済やエネルギー転換の領域にも及ぶ。当...
収録日:2022/05/10
追加日:2022/06/10
小原雅博
東京大学名誉教授

二つの世界大戦が物語る各国のパワーの差と国益の意味

国家の利益~国益の理論と歴史(7)パワーと国益が支配した二つの世界大戦

世界大戦の深刻さは、近代兵器による殺傷力の高さだけでなく、国民経済や一般市民を総動員する総力戦にもよるものだ。ささいな火種が瞬く間に広がり、全ヨーロッパを巻き込んでいくのは、国際間の同盟関係がマイナスに働くため...
収録日:2019/03/28
追加日:2019/07/14
小原雅博
東京大学名誉教授

米中関係の今後における3つの誤謬と中独関係の行方

歴史から見た中国と世界の関係(7)ドイツの親中路線は変わるか

日中戦争の時代、蒋介石に軍事顧問を送るなど、中国と独特の関係にあるドイツだが、やはり対中政策が変わりつつある。中でもマース外相は、「中国の側に立ってものを言うことはできない」といった発言をしている。メルケル首相...
収録日:2020/08/21
追加日:2020/10/19
中西輝政
京都大学名誉教授

不幸の底から「新しい生」が湧き出てくるのだ

『ベラスケスのキリスト』を読み解く(7)不滅の生とは何か

執行草舟とウナムーノの出会いは、20歳のときに『生の悲劇的感情』を読んだことに始まる。執行草舟は『葉隠』のヨーロッパ版のように感じ、本書によりヨーロッパの騎士道と日本の武士道との相関関係もわかった。ウナムーノと武...
収録日:2022/08/02
追加日:2022/10/21
執行草舟
実業家

なぜ論語の中の「道」は世界的に役立つ普遍的概念なのか

デジタル全体主義を哲学的に考える(6)概念の普遍化に必要なこと

人びとの豊かな生を守るための概念として、平和、自由、平等、そして人権が挙げられる。これらの概念は普遍的価値として認識されているが、それぞれの国には異なる文化的・社会的な背景がある中で、ある概念が普遍的価値になる...
収録日:2021/05/27
追加日:2021/12/10
中島隆博
東京大学東洋文化研究所長・教授

メルケル氏退任後、求心力低下したEUと日本への影響

「激動と激変の世界」の読み方2022(4)EUとアジアの政治情勢

ヨーロッパ諸国に目を向けてみると、政治状況の変化により各国の関係も変わることが懸念されている。中でも、ドイツで長らく首相を務めたアンゲラ・メルケル氏の退任は、EUにとっても有能な調整役の喪失を意味し、組織体制に大...
収録日:2022/01/18
追加日:2022/04/05
島田晴雄
慶應義塾大学名誉教授

白物家電を軍事転用!?…深刻な「制裁の抜け道」問題

ロシアのハイブリッド戦争と旧ソ連諸国(4)制裁の効果と抜け道の問題

ウクライナへのハイブリッド戦争を繰り広げるロシアにとって誤算だったのは、ヨーロッパの国々からの強い制裁である。しかし、ロシアはその制裁に対し、これまでの通商の姿勢を変えて厳しい状況に順応し、国力を維持させている...
収録日:2024/07/25
追加日:2024/10/09
廣瀬陽子
慶應義塾大学総合政策学部教授

ビタミン不足による病気…どの野菜をどう食べればいいか?

クスリのいらない健康法(10)ビタミン不足に効く食べ物

歯の形から考えれば、人間が食べるべき物の約6割は穀物だ。しかし現代では、ビタミンやミネラルを豊富に含む胚芽を取ってしまった穀物を食べるため、「栄養過剰の栄養失調症」に陥っている。医師・石原結實氏は、ビタミンを取...
収録日:2015/06/14
追加日:2015/11/23
石原結實
医学博士

テロへの備えは「カメレオンのように」、前も後も見ること

「テロ」とは何か(1)欧州人テロリストの実態

今年5月下旬の伊勢志摩サミット、2020年の東京オリンピック・パラリンピックといった大きな国際イベントの成功に向け、本腰を入れたテロ対策が始まっている。パリやベルギーで起こった同時多発テロの状況を見ても、それが...
収録日:2016/04/05
追加日:2016/04/25
山内昌之
東京大学名誉教授

木はレンガと一緒――このやわらか発想が鍵!

森と都市の共生~木材活用の豊かな社会(4)西欧で木造建築が進化する理由

東京大学生産技術研究所教授・腰原幹雄氏による、木造建築を知り・考えるシリーズ講話第4話目。今回は、多くの足かせゆえに、なかなか木造の可能性を広げられない日本と、どんどん高層の木造建築を建てている西欧の違いについ...
収録日:2015/11/19
追加日:2016/04/28
腰原幹雄
東京大学生産技術研究所 教授

イギリス情報部がルーズベルト大統領を再選させた

インテリジェンス・ヒストリー入門(6)1940年の米大統領選

歴史学者で京都大学名誉教授の中西輝政氏が、1940年アメリカ大統領選にいかにしてイギリス情報部が介入し、ルーズベルトに勝利をもたらしたのかを解説する。ドイツの脅威を前に、ヨーロッパの民主主義国が危機にさらされる中、...
収録日:2017/11/14
追加日:2018/06/13
中西輝政
京都大学名誉教授

伝染病予防法廃止から見えてくる新型コロナウイルス問題

新型コロナウイルス問題を日本の疫病対策の歴史から考える

新型コロナウイルスに関する問題を考えるとき、日本の歴史を振り返ると、重要な参照点が見えてくる。かつて岩倉使節団の一員であった長與專齋は、疫病対策を十全に行う強力な国家の建設を目指した。(2020年2月26日開催・日本ビ...
収録日:2020/02/26
追加日:2020/03/05
片山杜秀
慶應義塾大学法学部教授

数千年の歴史のなかで勝ち残ってきた文明が4つある

宗教で読み解く「世界の文明」(1)文明とは何か

文明とは、言語や民族によって理解できる文化よりも一段高いレベルにある、歴史上勝ち残ってきた大きな集団である。とりわけ宗教からこの4つの文明を把握することで、混沌とする現在の世界を理解できる。(2019年11月12日開催日...
収録日:2019/11/12
追加日:2020/04/26
橋爪大三郎
社会学者

あのまま存命なら「原・ハーディング」ディールの可能性も

ハーディングとトランプ~100年前の米大統領選を読む(4)新世界としてのアメリカ

およそ100年前のアメリカの大転換は、大英帝国的な国際協調主義を取るウィルソン大統領の姿勢に反発し、ヨーロッパとは異なるアメリカという自己意識を追求する人々に呼応する形で生まれた。この転換は、現代アメリカの姿勢にも...
収録日:2020/06/11
追加日:2020/09/10
東秀敏
米国安全保障企画研究員

日本周辺が最も危険!?米国を中心とした中国包囲網の実態

「激動と激変の世界」の読み方2022(1)バイデン政権と揺らぐ外交関係

2020年アメリカ大統領選で、共和党のドナルド・トランプ氏との激戦を制し、第46代大統領となった民主党のジョー・バイデン氏。就任後には、「アメリカ救済計画」と呼ばれる大規模な経済社会政策を行い話題となっている一方で、...
収録日:2022/01/18
追加日:2022/03/15
島田晴雄
慶應義塾大学名誉教授

考えてみれば人類が発展したのは「性悪説」の時代だった

電脳社会の未来(6)人類は性善説によって滅びる

理解しておかなければいけないのは、人類の発展を支えたのは「性悪説」だということである。だが、現在は「生まれただけで素晴しい」という性善説ばかりがもてはやされている。それでは、しつけも教育もできるはずがない。そし...
収録日:2023/08/02
追加日:2023/10/20
執行草舟
実業家

巨大な財政赤字と高齢化による社会的費用増加が鍵

欧州から見たアベノミクス(3)成否の行方に強い関心

ヨーロッパは、デフレが進行して立ち直れない日本病になるのは困ると考えている。そのため、アベノミクスが成功するか失敗するか、その行方に大きな関心を寄せている。彼らはアベノミクスをどう見ているのか。また、どこに注目...
収録日:2015/03/31
追加日:2015/05/25
島田晴雄
慶應義塾大学名誉教授

シリア内戦で生まれた国外難民400万人

シリア難民問題(1)クルディ少年の悲劇

ヨーロッパ国境に難民が押し寄せている。イスラム国(IS)の台頭などの影響を受け、シリアやイラクでは数百万人規模の人びとが国外退去を余儀なくされ、あるいは国内で避難民となっているのだ。とりわけクルド系シリア人、ア...
収録日:2015/09/16
追加日:2015/09/18
山内昌之
東京大学名誉教授

ハンガリー…ソ連支配下の社会主義国という悲惨な歴史

ハンガリー訪問に学ぶ(1)ハンガリーの歴史と現在

ハンガリーのことを学んでいると、「ハンガリーがいかにEUにがんじがらめに縛られているかがよくわかり分かります」と、慶應義塾大学名誉教授・島田晴雄氏は言う。なぜ島田氏はハンガリーに訪問することになったのか。ハンガリ...
収録日:2016/09/06
追加日:2016/10/17
島田晴雄
慶應義塾大学名誉教授

ルネサンスはどうやって始まった?…美術の時代背景

ルネサンス美術の見方(1)ルネサンス美術とは何か

ルネサンス美術とはいったい何なのか。これを考えるためには、なぜその時代に古代ギリシャ、ローマの文化が復活しなければならなかったのかを考える必要がある。その鍵は、ルネサンス以前のイタリアの分裂した都市国家の状態や...
収録日:2019/09/06
追加日:2019/10/31
池上英洋
東京造形大学教授

ド・ゴールの故事に倣い、日本の姿勢を明確にすべき

歴史から見た中国と世界の関係(10)日本が取るべき選択とは

日本が今、参考にすべきはフランスのド・ゴール大統領の発言ではないだろうか。当時、アメリカと国益をめぐって衝突していたフランスだが、キューバ危機が起こると真っ先に「徹頭徹尾アメリカを支持する」と立場を鮮明にした。...
収録日:2020/08/21
追加日:2020/10/26
中西輝政
京都大学名誉教授

日本競馬のレベルの高さを示すためにも、勝つしかない

世界最高峰の競馬・凱旋門賞2021(3)日本競馬は最高レベル

ヨーロッパの競馬場は美しく、とても雰囲気がある。しかし競馬ファンの熱心さや詳しさでは、日本が上回るという。なんと、その大きな一因になっているのが、日本の競馬新聞の驚愕すべき情報術だというのだ。また、世界のトップ...
収録日:2021/09/08
追加日:2021/10/21
本村凌二
東京大学名誉教授

プーチンが信じる「大ロシア再生」のための使命とは

歴史的に考えるウクライナ問題とロシア(1)プーチン大統領の使命感

ロシアのウクライナ侵攻に関するニュースは連日報道されているが、進行中の事態を正しく理解するには、その奥に潜む歴史的・大局的な観点が必要である。いったいロシアはどのような使命感を持ち、プーチン大統領は何を実現しよ...
収録日:2022/05/24
追加日:2022/07/07
山内昌之
東京大学名誉教授

胡適が中国に導入した新哲学「プラグマティズム」とは?

東アジアにおける近代の啓蒙~儒教と近代(1)胡適と福沢諭吉の「浅い啓蒙」

胡適と福沢諭吉は、ヨーロッパ的な啓蒙に対して、中国と日本でそれぞれ「浅い啓蒙」を行ったという。浅い啓蒙とは一体何か。中国と日本に何がもたらされたのか。中島隆博氏が東アジアにおける近代の啓蒙を語る。(全4話中第1...
収録日:2014/10/07
追加日:2015/01/28
中島隆博
東京大学東洋文化研究所長・教授

なぜギリシャは危機的事態に陥ったのか?

ギリシャ危機~経済指標から見る今後の展望~

一応の合意にたどりつつある今回のギリシャ問題だが、まだギリシャ議会を通す作業に加え、ユーロ諸国による具体的支援を詰める作業も残っているため、先行きは不透明だ。一体なぜギリシャはこのような危機的事態に陥ったのか。...
収録日:2015/07/15
追加日:2015/07/17
植田和男
第32代日本銀行総裁

窮乏ギリシャが蒸し返すナチス戦争賠償

新しい東方問題~EUの課題(3)複雑さを増す戦後賠償や金融問題

現在、ギリシャ金融危機やウクライナ問題、イランの核開発問題などさまざまな問題に直面しているユーロ圏だが、この状況は19世紀の東方問題とは様相を異にする新しい東方問題の誕生と言える、と歴史学者・山内昌之氏は語る。...
収録日:2015/07/29
追加日:2015/08/27
山内昌之
東京大学名誉教授

隣国イランはシリア難民を一人も受け入れていない

シリア難民問題(3)解決に向けて~期待されるイラン

歴史学者・山内昌之氏によれば、シリアをはじめとする難民問題は、今や国際社会全体で対応すべきレベルに達している。そこで、この難民問題解決に向け期待すべき国として山内氏はイランを挙げている。イランはシリアの隣国であ...
収録日:2015/09/16
追加日:2015/09/24
山内昌之
東京大学名誉教授

90年代の欧米諸国はどのように財政再建に取り組んだのか

少子高齢化と財政の役割(4)外国の財政再建の成功と失敗

明治大学公共政策大学院ガバナンス研究科教授の田中秀明氏による連続講義「少子高齢化と財政の役割」。第4回目では、1990年代、欧米諸国中心に行われた財政再建策の成功例と失敗例を取り上げる。当時、財政ルールを導入した国は...
収録日:2017/08/09
追加日:2017/09/16
田中秀明
明治大学公共政策大学院専任教授

原人・旧人・新人は長い年月をかけて分岐と混血を重ねた

核DNAからさぐる日本のルーツ(2)原人・旧人・新人

かつて、世界は現在とは大きく異なり、サフール大陸やスンダランドといった、今では海に沈んだ地域もあった。そこにはどのような人が住んでいたのだろうか。今回は、アフリカから出ていった人々の種類と、どのようにして彼らが...
収録日:2018/09/26
追加日:2019/03/26
斎藤成也
国立遺伝学研究所 名誉教授

冷戦期、イデオロギー闘争は核開発競争を伴って加熱

国家の利益~国益の理論と歴史(8)冷戦期の「戦争と平和」

第二次世界大戦が終盤に入る1945年2月にヤルタ会談は開かれた。以後、アメリカ中心の資本主義国陣営と、ソ連中心の共産主義国陣営の間で東西冷戦が本格化する。その後の歴史から見て、ヤルタ会談はどう位置付けられるのだろうか...
収録日:2019/03/28
追加日:2019/07/14
小原雅博
東京大学名誉教授

公約に掲げた経済政策を実現させるトランプ大統領の危うさ

2020世界の政治経済と日本(2)トランプ政権の経済政策

トランプ大統領は市民の注意を引くような公約を掲げて当選したが、驚くことにその多くを実行に移している。経済政策では大規模な減税やインフラ建設を打ち出したが、収支バランスが保たれる兆しはない。また極端な保護主義によ...
収録日:2020/01/23
追加日:2020/04/12
島田晴雄
慶應義塾大学名誉教授

クロノジェネシスとディープボンドはなぜ?…勝つ条件とは

世界最高峰の競馬・凱旋門賞2021(1)日本馬がなぜ勝てないか

『馬の世界史』(講談社現代新書/中公文庫)でJRA賞馬事文化賞を受賞するなど、熱心な競馬ファンとして知られる本村凌二氏は、伝統を誇るヨーロッパ最大の競馬・凱旋門賞(パリロンシャン競馬場)に幾度も足を運んでいる。...
収録日:2021/09/08
追加日:2021/10/21
本村凌二
東京大学名誉教授

近世の精髄、中世の精髄、近代の精髄とは何か?

『ベラスケスのキリスト』を読み解く(5)ダンテ『神曲』とミルトン『失楽園』

『ベラスケスのキリスト』には「騒音と沈黙」「永遠と欲望」「霊と肉」などの対決が書かれている。その対決からウナムーノは、ヨーロッパの本質を紡ぎだした。本書を読めば錬金術やキリスト教、さらには現代科学までわかる。あ...
収録日:2022/08/02
追加日:2022/10/07
執行草舟
実業家

「キリスト教は知らない」ではアメリカ市民はつとまらない

「アメリカの教会」でわかる米国の本質(1)アメリカはそもそも分断社会

アメリカが日本の運命を左右する国であることは、安全保障を考えても、経済を考えても、否定する人は少ないだろう。だが、そのような国であるにもかかわらず、日本人は、本当に「アメリカ」のことを理解できているだろうか。日...
収録日:2022/11/04
追加日:2023/01/06
橋爪大三郎
社会学者

映画『ゴジラ』の作曲家・伊福部昭、知られざる経歴を追う

伊福部昭で語る日本・西洋・近代(1)チェレプニン賞に輝いた無名の作曲家

いまや世界的に広く知られる映画『ゴジラ』のメインテーマを創った作曲家・伊福部昭。彼は、最初から作曲家として順風満帆な人生を歩んでいたわけではなかった。今回はまず、彼を取り巻く環境と、彼の名が知れ渡ることになった...
収録日:2023/09/28
追加日:2023/11/11
片山杜秀
慶應義塾大学法学部教授

「弱き者」を助けるのか、「強き者」をより強くするのか

価値と人間(1)現代の日本が忘れている価値

昨今の世界情勢を見渡すと、ヨーロッパもアメリカも日本もヒューマニズムの綺麗事で身動きが取れなくなっているように見えるのは、なぜだろうか。ローマ帝国時代の「最善のものが堕落した場合、最悪のものになる」ということわ...
収録日:2024/01/31
追加日:2024/03/29

史上空前のベースマネー増を行った日本を世界は見ている

欧州から見たアベノミクス(2)日本病を克服するか

EUが抱える矛盾に深く悩むヨーロッパ人が注目するのは、自分たちの最も恐れる「死に至る病=デフレ」を日本政府がどうやって克服するのかという手法についてだ。経済専門家として招聘された千葉商科大学学長・島田晴雄氏は、...
収録日:2015/03/31
追加日:2015/05/18
島田晴雄
慶應義塾大学名誉教授

石油における安全性と確実性は多様性と多元性に潜む

第一次世界大戦100年と日本(2)石油と安全保障

中東の紛争、「イスラム国」(IS)、ウクライナ。現在の国際秩序を揺るがす混乱のどれもが、まさか100年前に五つの大帝国が崩壊した余波だとは。歴史学者・山内昌之氏が“石油エネルギー”の視点からこの一世紀の近代史を読...
収録日:2015/04/15
追加日:2015/05/21
山内昌之
東京大学名誉教授

テロ抑止力としては役立たない「対話と交流」の協調路線

「テロ」とは何か(2)「自由」はテロの遠因をなしたのか

ISに触発された「欧州人テロリスト」の存在は、不気味で得体が知れない。しかし、世界史と国際情勢の両面から中東情勢を読み解いてきた歴史学者・山内昌之氏は、彼らの誕生した遠因を「ヨーロッパの育んできた『自由』そのも...
収録日:2016/04/05
追加日:2016/04/28
山内昌之
東京大学名誉教授

BREXIT(ブレグジット)で一体何が起こるのか?

イギリスEU離脱のグローバル経済への影響

2016年6月23日の国民投票を前に、いま世界中から注目を集めているイギリスのEU離脱問題「BREXIT(Britain's EXIT from EU)」。もし本当にEUから離脱することになれば、一体何が起こるのか。イギリスやヨーロッパへの影響や、...
収録日:2016/06/17
追加日:2016/06/22
植田和男
第32代日本銀行総裁

人権はなぜ普遍化したかーフランソワ・ジュリアンの視点

東洋の普遍、西洋の普遍~中国の思想的課題(6)普遍化とはトランスの経験だ

東京大学東洋文化研究所の中島隆博教授は、現在「普遍」を問うとは「普遍化」への努力を意味すると言う。かつての「人権」がそうだったように、最初から普遍的だった価値などない。「中国発の普遍」が問われる中、日本はこの「...
収録日:2016/04/21
追加日:2016/08/24
中島隆博
東京大学東洋文化研究所長・教授

日本の景気は中長期的に見るとかなり危険な状況

2018年激動の世界と日本(1)激変する世界を展望する

2018年はアメリカ、ヨーロッパ、そして東アジアで、大激動の年になるだろうと、公立大学法人首都大学東京理事長・島田晴雄氏は予測する。ドナルド・トランプ大統領の政策、ブレグジットを含めたヨーロッパの状況、中国の台頭と...
収録日:2018/01/16
追加日:2018/04/21
島田晴雄
慶應義塾大学名誉教授

大航海時代の「コロンブスの交換」が食文化に与えた影響

「食」から世界史を考える

世界における現在の食文化は、「コロンブスの交換」の影響を大きく受けているという。「コロンブスの交換」は大航海時代に起こった事象を指すが、そこからどのようなことが世界中に広まっていったのか。立命館大学食マネジメン...
収録日:2018/04/26
追加日:2018/10/07
南直人
立命館大学食マネジメント学部 教授

反EUの極右勢力台頭によるEU崩壊の懸念

2019年激変する世界と日本の針路(8)反EU勢力の台頭

フランスのマクロン大統領はEU域内の格差を是正しようと改革に努めている。しかしながらフランス国内から反発が生じている。またイタリア、ギリシャ、ポーランド、ハンガリーなどEU各地で反EUの極右勢力が台頭しておりEU崩壊の...
収録日:2019/01/28
追加日:2019/05/21
島田晴雄
慶應義塾大学名誉教授

なぜ西洋文明の起源はギリシアにあったとされているのか

西洋文明の起源から見るグローバル化(3)学問の起源

西洋文明とグローバル化を考える上で、ギリシアが起源とされる「学問」の果たした役割は大きい。ルネサンス以来、何度も繰り返しギリシア・ローマの古典を再生する運動が、西洋では繰り返された。人文系と自然科学を問わず、そ...
収録日:2019/05/29
追加日:2019/08/01
納富信留
東京大学大学院人文社会系研究科 研究科長・学部長・教授

「世界哲学」の可能性を日本から追求していく

西洋文明の起源から見るグローバル化(6)「世界哲学」

西洋文明の起源をたどりつつ世界のグローバル化を考えてきたが、現代の位置付けを探るには、ここにいたる全プロセスを俯瞰する必要がある。また、ギリシア・ローマの古典を現代にどう生かすかについても検討が必要だ。日本から...
収録日:2019/05/29
追加日:2019/08/01
納富信留
東京大学大学院人文社会系研究科 研究科長・学部長・教授

江戸幕府が260年続いた理由…平和な世に暴君をつくらず

ローマ史と江戸史で読み解く国家の盛衰(4)法とリテラシー

組織や国家の中興期では、秩序を守る手立てがクローズアップされる。そのために法が整備される一方、民衆のモラルを高める方法が問われていく。ローマ法で著名なローマの歩みと「ご法度」が威力を発揮した江戸を重ね、識字率の...
収録日:2019/08/06
追加日:2020/01/09

『カラマーゾフの兄弟』の予言通りデジタル独裁へ進むのか

独裁の世界史~未来への提言編(10)もっと「マシなポピュリズム」へ

中国共産党がデジタル独裁の将来へ着々と進む中、自由主義・民主主義陣営は反撃のための模索を始めている。しかし、西洋はローマ法に基づき、中国は刑法を中心に発展してきた社会である。日本はその双方を理解することができる...
収録日:2020/08/07
追加日:2020/12/25
本村凌二
東京大学名誉教授

バブル期に買ったサンデーサイレンスが日本馬を強くした

世界最高峰の競馬・凱旋門賞2021(2)バブルの遺産

前話で紹介されたように、2021年に凱旋門賞に出走したディープボンドは、同じロンシャン競馬場で行なわれた前哨戦ともいうべきフォワ賞に出て、1着となっていた。しかも、同年の凱旋門賞より6秒もタイムが良かったのである。馬...
収録日:2021/09/08
追加日:2021/10/21
本村凌二
東京大学名誉教授

日本人の家庭では、妻が夫の声を知らないことも普通だった

『ベラスケスのキリスト』を読み解く(3)幕末明治と霊性文明

マルローは「霊性文明は日本しかできないだろう」と述べたという。たしかに、ヨーロッパやアメリカは「言語の文明」であるのに対し、日本は明治初期まで夫婦も親子もほとんど会話をしないほどだった。執行草舟は、祖母に祖父の...
収録日:2022/08/02
追加日:2022/09/23
執行草舟
実業家

苦悩しつつキリストと対話したウナムーノを「追体験」する

『ベラスケスのキリスト』を読み解く(9)自分の命と永遠の命

『ベラスケスのキリスト』を座右の書として読み込んでいくと、ウナムーノがキリストと同一化していく行程を追体験できる。すると「生の革命」が起こり、「自分の命」が「永遠の命」につながっていくようになる。「義の心」を引...
収録日:2022/08/02
追加日:2022/11/04
執行草舟
実業家

スーッと流れる道を行く…「運命を受け入れる」とは?

勢いと余白(9)生命的自由、運命、逆遠近法

生命は表現しようとすると、嫌味になる。だからそれを表現するのは難しい。だが、コシノ芸術はそれが本当に綺麗に表わされている。コシノ芸術とは、人間賛歌であり、生命的自由の賛歌なのである。そのコシノ芸術の特長は、コシ...
収録日:2022/10/06
追加日:2023/02/10

大航海、資本主義、中国・ロシアの変容…モンゴルの重要性

モンゴル帝国の世界史(7)近代への礎をつくったモンゴル帝国

モンゴル帝国がユーラシアの大部分に及んだことで、後世にさまざまな影響をもたらした。その一例が中国の「省」である。また、モンゴル帝国時代に東西交易が盛んになったことが、のちの大航海時代にもつながり、ペストも資本主...
収録日:2022/10/05
追加日:2023/02/11
宮脇淳子
公益財団法人東洋文庫研究員

ロシアの野望に対する「抑止」に失敗した欧米の教訓

日本の外交防衛政策…家康の教訓(3)ウクライナ侵攻と欧米の責任

なぜロシアの野望に対する「抑止」を欧米諸国は失敗したのか。「民主主義の浸透は絶対に許さない」というプーチン氏には、ユーラシア国家としてのロシアの窮状回復と将来に向けた新しい国家の創設、それを阻止するものへ対決姿...
収録日:2022/12/26
追加日:2023/02/28
山内昌之
東京大学名誉教授

日本は「苦悩」を投げ捨てて「戦争」に走ってしまった

人生のロゴス(2)インテリの苦悩

芥川龍之介の〈人生は一行のボオドレエルにも若(し)かない〉は、彼の苦悩の頂点で書かれた言葉である。この苦悩は日本的な伝統とヨーロッパ文明との対決であり、大正時代のインテリの苦悩でもある。東大教授だった橋田邦彦も...
収録日:2023/03/29
追加日:2023/06/02
執行草舟
実業家

欧米の落ち方は日本の比ではない…これは「人類問題」だ

電脳社会の未来(9)この堕落は「人類問題」

かつて国家は、「働くことが好き」「勉強が好き」という人たちに支えられていた。だが今や、その文化を国家が否定している。知性や合理性、平等、民主主義、科学は全てAIに移行し、われわれホモ・サピエンスが担うのは悪いもの...
収録日:2023/08/02
追加日:2023/11/10
執行草舟
実業家

8世紀を代表する知識人・山上憶良が感じたグローバリズム

山上憶良「好去好来の歌」を読む(1)山上憶良に学ぶ国際感覚

万葉歌人として名高い山上憶良は8世紀当時、阿倍仲麻呂と肩を並べる国際的な知識人だった。豊富な知識や見識を支えたのは遣唐使としての経験であり、彼のもとに教えを乞いに訪れる遣唐大使もいた。今回のシリーズでは、グローバ...
収録日:2024/04/02
追加日:2024/05/19
上野誠
國學院大學文学部日本文学科 教授(特別専任)

起源は南北戦争…アメリカ再建への道とリンカーンの演説

アメリカの理念と本質(9)南北戦争の意義とリンカーンの理念

アメリカには共和主義と自由主義が並立している。共和党と民主党の二大政党は、それを象徴する存在である。しかし南北戦争の前は、国家主義がフロンティア精神を誘発し、権力者が弱者をないがしろにしていた。南北戦争はアメリ...
収録日:2024/06/14
追加日:2024/10/15
中西輝政
京都大学名誉教授

中国の漢字を勝手に読み替えた日本は知的所有権の略奪者?

中国の「なぜ」(7)文化的側面からの日中のズレ

尖閣諸島国有化に何故中国はあれだけの反応を見せたのか。日中の最大の文化的共通点である「漢字」を例に、両国間に積み重なる歴史的誤解を指摘する。(全8話中第8話)
収録日:2013/08/05
追加日:2014/02/24
石川好
作家

和漢洋の知を複合的に捉えるための読書

読書とは何か(5)和漢洋の知を複合化し現代に活かす

江戸伝来の知の伝統を再び見直し始めたようにみえる現代日本。和漢洋の教養を身につけ、複合的な知のあり方を示してくれる先人を例にとり、読書とは何か、何を私たちにもたらしてくれるのかを読書の喜びとともに山内昌之氏が語...
収録日:2014/05/22
追加日:2014/08/07
山内昌之
東京大学名誉教授

スエズ運河とアラビア湾が挟む中東の地政学的意味が大変化

第一次世界大戦から100年にあたって(2)帝国崩壊の余波と中東の役割

第一次世界大戦から100年、中東から黒海に至る地域で国際秩序を揺るがす事件が絶え間なく続いている。これまで第一次世界大戦に関する考察は、ヨーロッパの中心性を自明の前提とし、中東の事象は脇に追いやられる傾向があった。...
収録日:2014/11/05
追加日:2014/12/29
山内昌之
東京大学名誉教授

ピケティ『21世紀の資本』の読み方で気をつけること

格差と成長~トマ・ピケティ『21世紀の資本』考

本著が示したシンプルで強烈な方程式「r>g」をどう読むか?この格差論は日本にも当てはまるのか?社会現象ともなったトマ・ピケティ『21世紀の資本』を、東京大学大学院経済学研究科教授・伊藤元重氏が独自視点から語った。
収録日:2015/02/02
追加日:2015/02/04
伊藤元重
東京大学名誉教授

欧州は約20年周期で深刻な通貨危機に陥る傾向がある

ユーロの十字架とギリシャ問題(2)欧州通貨危機の歴史

第一次世界大戦以降、欧州は約20年周期で通貨危機に陥るようになったという。それは欧州の凋落と、新たな覇権国家の誕生と繁栄を象徴しているのではないか。シティグループ証券チーフFXストラテジスト・高島修氏が語る「ユ...
収録日:2015/02/19
追加日:2015/02/26
高島修
シティグループ証券 チーフFXストラテジスト

「シンパシー」に規範の根拠を求めた清朝考証学の泰斗

近代中国哲学と西洋哲学(2)清朝考証学・戴震の思想

性善説の「性善」には、味と同じような仕組みがある。清朝考証学の泰斗と呼ばれた戴震はそう主張した。それは一体どのようなことなのか。東京大学東洋文化研究所教授・中島隆博氏が洋の東西を渡り歩くシリーズ「近代中国哲学と...
収録日:2014/12/19
追加日:2015/06/29
中島隆博
東京大学東洋文化研究所長・教授

難民流入とギリシャ・イギリスの離脱志向に対処できるか

激動する世界情勢と日本(6)きしみ始めた欧州連合

EUは元来、歴史的に反目し合ってきたドイツとフランスが再び争わないために設立された壮大な試みだ。しかしそのEUが今、大きくきしみ始めていると、千葉商科大学学長・島田晴雄氏は指摘する。その背景には、ギリシャやイギ...
収録日:2016/01/26
追加日:2016/05/09
島田晴雄
慶應義塾大学名誉教授

「ハンガリー事件」後に残る社会主義の後遺症

ハンガリー訪問に学ぶ(2)社会主義体制の後遺症

ハンガリーの「社会主義体制の後遺症は相当深い」と、慶應義塾大学名誉教授・島田晴雄氏は言う。すでに資本主義体制になってから30年近くたつのに、いったい何が問題なのか。島田氏たちはいったい誰から何を学んできたのか。島...
収録日:2016/09/06
追加日:2016/10/24
島田晴雄
慶應義塾大学名誉教授

イタリア国民投票のテーマ・憲法改正は日本も学ぶべき議論

イタリアの国民投票から何を学ぶか

2016年12月4日、イタリアの国民投票が行われた。レンツィ首相が進退を賭けた憲法改正案は大差で否決され、レンツィ氏は引責辞任を表明した。これはイタリア政治固有の問題にはとどまらない、各方面に影響のある政治イシューだと...
収録日:2016/12/15
追加日:2017/01/15
曽根泰教
慶應義塾大学名誉教授

欧米の中央銀行による金融政策正常化の論点

金融政策正常化の難しさ(1)欧米の金融引き締め政策

最近、欧米では金融政策正常化の機運が高まっているという。その正常化の経緯やそこに伴ういくつかの困難、その背景等について、共立女子大学国際学部教授の植田和男氏が2話にわたり解説する。今回は、特に顕著なFEDの引き締め...
収録日:2017/07/19
追加日:2017/08/12
植田和男
第32代日本銀行総裁

予想を大きく覆したドイツ連邦議会選挙の意味と今後の課題

2017年9月ドイツ連邦議会選挙の総括

政治学者で慶應義塾大学大学院教授の曽根泰教氏が、2017年9月に行われたドイツの連邦議会選挙の結果について解説する。選挙の結果、反EU・反難民の立場を掲げる右派ポピュリズム政党「ドイツのための選択肢(AfD)」が第3党にま...
収録日:2017/09/28
追加日:2017/10/11
曽根泰教
慶應義塾大学名誉教授

日本美術の特徴を示す矛盾した2つの要素とは?

日本美術論~境界の不在、枠の存在(1)具象と抽象の共存

東京大学大学院人文社会系研究科教授の佐藤康宏氏が、日本美術の特質について、美術史の知識を補足しながら解説する。ヨーロッパや中国では、具象的なものと抽象的なものが区別される傾向にあるが、日本美術にはそうした区別は...
収録日:2017/08/02
追加日:2018/02/08
佐藤康宏
東京大学名誉教授

マキャベリが禁書にもなった『君主論』で説いた思想とは

国家の利益~国益の理論と歴史(3)マキャベリとホッブズによる新「国家」観

16世紀のヨーロッパに国益の概念をよみがえらせたのは、マキャベリの『君主論』である。キリスト教的正義や倫理よりも政争に勝つ理性を尊ぶ論は、発表当時は恐れられたが、100年後にはフランスで実践されて、「レゾンデタ(国家...
収録日:2019/03/28
追加日:2019/06/30
小原雅博
東京大学名誉教授

西洋の考え方の根本はギリシア哲学…西周が気づいたこと

西洋文明の起源から見るグローバル化(2)近代日本と西洋

アジアの文化伝統に浸っていた日本は、ペリーの黒船により西洋と対面する。19世紀半ば、産業革命により先進的な技術を築いた西欧列強と日本の差は大きく、近代化=西洋化を推進することは、日本にとって植民地化されないための...
収録日:2019/05/29
追加日:2019/08/01
納富信留
東京大学大学院人文社会系研究科 研究科長・学部長・教授

「サイエンス」の本来の意味である「知識」とは何か

西洋文明の起源から見るグローバル化(4)科学の起源

現代にいたる科学の始まりはギリシアにあった。ただし、当時の人々が考えていたのは自然科学領域だけではなく、「証明され、体系を持ち、真理を表す知識」の総体がそう称されたのである。科学と技術は決して混同されることなく...
収録日:2019/05/29
追加日:2019/08/01
納富信留
東京大学大学院人文社会系研究科 研究科長・学部長・教授

交響曲より「オペラ」を重視したモーツァルト

ピアノでたどる西洋音楽史(3)モーツァルトとオペラ

交響曲の父ハイドンが尊敬してやまなかったのは、親子ほど年下の天才モーツァルトだった。宮廷への「就活」に失敗したモーツァルトは金を生む卵としてオペラやピアノ協奏曲の楽譜を大切にし、交響曲は軽視したという。一体どう...
収録日:2019/09/04
追加日:2019/11/08
野本由紀夫
玉川大学芸術学部芸術教育学科 教授

カンヴァスと油彩画の組み合わせを定着させたティツィアーノ

ルネサンス美術の見方(8)ヴェネツィア派の巨匠ティツィアーノ

フィレンツェと北方に次いで、ヴェネツィアはルネサンス第3極として位置付けられる。特に最大の巨匠であるティツィアーノは、共和国の筆頭画家として活躍した。海運国家の特性が対象や技法に現れており、特にカンヴァスと油彩画...
収録日:2019/09/06
追加日:2019/12/04
池上英洋
東京造形大学教授

デカップリングは一国の内でも外でも起こっている

アンチ・グローバリズムの行方を読む(3)デカップリング

最近、「デカップリング」という言葉を耳にすることが多いが、これはどのように理解すれば良いのか。元来は安全保障の分野で用いられてきたこの語は、米中の経済関係を中心に、より幅広く生じている情勢の多極化を示す語彙にな...
収録日:2019/11/07
追加日:2019/12/14

ドビュッシーやチャイコフスキーがつくった「国のイメージ」

クラシックで学ぶ世界史(11)ドビュッシーと「フランス的」

ワーグナーに大きく影響を受けつつ、ドイツから覇権を奪うために新たな表現を目指したのがフランスのドビュッシーである。彼が提示したとりとめのない浮遊感は、印象派の曖昧な表現と合わせて近代の「フランス的なるもの」の概...
収録日:2019/08/26
追加日:2019/12/21
片山杜秀
慶應義塾大学法学部教授

王弼の議論で大事な概念「無」と「理」とは何か

デジタル全体主義を哲学的に考える(7)「無」と「理」、複数性の重要性

中国の三国時代の学者である王弼は、「無」という概念を用いて、キリスト教などの一神教とは異なる、偶然性に開かれた状態を志向する。さらに、他方で「理」という概念を持ち出して、複数性は無根拠によって支えられていると説...
収録日:2021/05/27
追加日:2021/12/17
中島隆博
東京大学東洋文化研究所長・教授

「内乱の10年」制し成立した武家政権と封建制の歴史的意味

「武士の誕生」の真実(8)武家政権の成立と封建制の意味

「内乱の10年」といわれる対平氏と藤原氏との10年にわたる戦いを制し、源頼朝による武家政権が成立する。その過程で「奥州合戦」に勝利し、その結果として与えられた「征夷大将軍」という名称が武家の正統なる官職として認知さ...
収録日:2021/10/22
追加日:2022/02/02
関幸彦
歴史学者

ロシアの天然ガスが鍵?地政学と絡むエネルギーの安定供給

「危機の時代」の気候変動(5)ネットゼロと地政学的駆け引き

COP26でも各国が「ネットゼロ」を表明し、動き出している。だが、これは実に遠い目標であり、各国がネットゼロにどの程度インセンティブをもって取り組むのかについては疑念が残る状態である。さらに大国間における地政学の駆け...
収録日:2022/02/16
追加日:2022/05/05
小原雅博
東京大学名誉教授

「エネルギー危機」問題につきまとう理想と現実のジレンマ

「危機の時代」の気候変動(6)エネルギーの安定供給のために

各国が化石燃料から再生可能エネルギーに移行する中で立ちはだかるのは、電力の安定供給をどのように担保するかという問題である。特にエネルギー価格の高騰など世界が危機に瀕した時に、その問題は顕わになる。再生可能エネル...
収録日:2022/02/16
追加日:2022/05/12
小原雅博
東京大学名誉教授