なぜ日本人は信仰心が薄いのにモラルが高いのか
ローマ史に学ぶ戦略思考~ローマ史講座Ⅳ(8)質疑応答
欧米人からすると意外なのは、日本人のモラルの高さだ。早稲田大学国際教養学部特任教授・本村凌二氏によれば、その一つの解答が、新渡戸稲造の『武士道』である。誠実で実直な日本人は、陰謀や罠よりも正攻法で闘うことを選ん...
収録日:2016/09/30
追加日:2017/06/12
恩は返さなくても取り立てても駄目…山本七平と遠慮の意味
『「甘え」の構造』と現代日本(4)人間関係の三重構造と「遠慮」の世界
お互いが今、何を考えているか。居心地の良い社会を築く上でそれを推し量ることができる状況をつくることが重要だが、それを可能にするのが「慣習」だという。そこで、与那覇氏は『「甘え」の構造』の後に発刊された山本七平氏...
収録日:2023/03/13
追加日:2023/06/17
テロ行為は「国家間」の枠を超えたポストモダン世界戦争
パリ同時多発テロ(2)これはISだけの問題ではない
パリ同時多発テロをはじめ世界中で見られる新しい争いの形を、歴史学者・山内昌之氏は「ポストモダン世界大戦」と位置付けた。では、何がこうした「ポストモダン的」戦いを引き起こしているのか? そこには対ISだけでは語れ...
収録日:2015/11/18
追加日:2015/11/23
米国の高校生は選挙の前に「恵むべきか否か」を自問する
日本政治の俗説に反論する(2)対立軸はできないのか
「どこの政党も同じ」という諦めも日本政治の俗説。対立軸の構築は政治家の責任であり、メディアと有権者はその明確化を迫るべきではないか。常に論争機軸が明快な米国の議論を通じて、日本政治の課題を照射していく。
収録日:2014/02/14
追加日:2014/03/06
イノベーションのためには社会全体として育てる意識が必要
「研究開発型ベンチャー」成功の条件(3)育てる意識の重要性
欧米のようにベンチャー企業やスタートアップが活躍するにはどうすれば良いのか。それには、企業や個人単位の利益を考えるのではなく、社会全体の成長を見据えた意識を持つことが必要である。アメリカ社会の特徴から起業を取り...
収録日:2021/05/12
追加日:2021/08/28
不倫へのバッシングを「もののあはれ」的にはどう考えるか
もののあはれと日本の道徳・倫理(3)「不倫の恋」ともののあはれ
『源氏物語』で描かれる恋愛の中心は「不倫の恋」である。インモラル(不道徳)ともいわれるその物語に、「もののあはれ」という倫理の基礎を見いだした本居宣長。そこには、切実な「あはれ」を歌や物語といった芸術的にものに...
収録日:2023/08/04
追加日:2024/02/01
幼少期から四書五経を読み、12歳で『自教鑑』を著す
読書とは何か(3)人生修行の素材としての読書
読書が私たちにもたらす意味や影響は、江戸時代も現代もさして変わらない。江戸時代の偉大な為政者である松平定信と、教育者・吉田松陰それぞれの読書観をエピソードを交えて紹介しつつ、読書という行為がもつ意義や楽しさにつ...
収録日:2014/04/09
追加日:2014/07/25
「講孟余話」は安倍総理の愛読書
『歴史とは何か』を語る(7)記録から歴史へ~古今東西の歴史家の言説~
今回、山内昌之氏が語るのは、「歴史とは何か?」という、古来、人びとを悩ませてきた難問である。学としての歴史の発生と展開を、古今東西の歴史家の言説を通して俯瞰する。シリーズ第7回。
収録日:2014/10/21
追加日:2015/07/30
緩和策と適応策で地球温暖化に伴う気候変動に備える
地球温暖化問題~温室効果と異常気象(4)排出削減から適応策へ
長期・短期の予測と問題意識を踏まえ、では、地球温暖化の具体的な対策として、何をどうしていくべきなのか。また、実際問題として、何が可能なのか。すぐできること、時間をかけてしていくこと。国がすること、個人ができるこ...
収録日:2015/09/28
追加日:2015/12/14
評価最下位からトップグループへ。PAS社逆転の軌跡
松下幸之助の経営理念(4)経営改革の原点は風土改革
公益財団法人松下政経塾理事長・佐野尚見氏が、松下電器でのオートモーティブ事業部創業当時を振り返り、全ての面において下位評価にあった自社をどのように改善していったのか、その軌跡を明かす。まず改革すべきだと思ったこ...
収録日:2016/02/18
追加日:2016/06/13
ハイパーコンペティション時代に必要なのは「越境」
ダイナミック・ケイパビリティ~組織の戦略変化(2)超競争時代への突入
時代は、超競争に突入した。もはや国内市場だけ見ても将来性は薄く、新興国や新たなライバルと対峙しなければならない。慶應義塾大学商学部教授・谷口和弘氏は、激動の時代に対応するにはイノベーションが必要であり、そのため...
収録日:2016/06/23
追加日:2016/09/06
NATO国境での軍事演習から見えてくるロシア外交の特性
プーチンのユーラシア戦略(2)軍事演習とロシア外交
歴史学者・山内昌之氏によるロシア・プーチン大統領のユーラシア戦略に関する地政学レクチャー第2弾。今回は、ロシアが主導権を握るCSTO(集団安全保障条約機構)の軍事演習について取り上げるが、前回挙げた「カスピ海」...
収録日:2016/09/14
追加日:2016/10/03
「父祖の遺風」と「武士道」-ローマと日本の伝統に学ぶ
古代ローマ人に学ぶ~ローマ史講座Ⅱ(3)ローマと日本に相通じる精神
東京大学名誉教授・本村凌二氏によるローマ帝国とローマ人の特性に関する連続講義。前回に引き続き、ローマをローマたらしめた「父祖の遺風」について考える。「父祖の遺風」の本質的な部分にフォーカスすると、見えてくるのは...
収録日:2016/10/20
追加日:2017/01/27
ヨーロッパで深刻化する極右台頭の原因
激変しつつある世界―その地政学的分析(5)極右と左派
歴史学者で京都大学名誉教授の中西輝政氏が、ヨーロッパで深刻化する極右の台頭について解説する。極右台頭の一方で、2016年アメリカ大統領選を戦ったサンダース氏のようなソーシャリストに近い左派も勢いを増しつつある。極右...
収録日:2017/05/16
追加日:2017/12/28
日本人の平等の価値観こそ日本のセーフティーネットだ
激変しつつある世界―その地政学的分析(10)平等の価値観
歴史学者で京都大学名誉教授の中西輝政氏が、日本人の平等の価値観がいかに重要かを解説する。これは一見、江戸時代の身分制や戦時中の軍隊の仕組みとは食い違うように見えるが、それらにも平等の価値観は息づいていた。非正規...
収録日:2017/05/16
追加日:2018/01/16
「失われた20年」問題を政治家との関係から考える
平成という時代を考える(2)「失われた20年」と政治家
平成はバブル崩壊後のいわゆる「失われた20年」と重なっている。なぜ日本はこれほどまでに不良債権問題、バブル崩壊からの回復に時間を有したのか。平成という時代を政治と経済の側面から振り返るシリーズレクチャー第2話の今回...
収録日:2019/04/02
追加日:2019/04/30
マザッチョ…遠近法を生み出したルネサンス絵画の創始者
ルネサンス美術の見方(2)マザッチョと遠近法の世界
ルネサンスが始まったのは、経済的に豊かな町を作っていったフィレンツェであった。そこに登場したのが、「ルネサンス絵画の創始者」といわれるマザッチョだった。彼は古代ギリシャ・ローマに範を取りながら、それまでになかっ...
収録日:2019/09/06
追加日:2019/10/31
「最初の近代人」レオナルド・ダ・ヴィンチの『受胎告知』
ルネサンス美術の見方(4)レオナルド・ダ・ヴィンチ~前編~
2019年は、レオナルド・ダ・ヴィンチの没後500年に当たるが、彼の功績はいまだに解読し尽くされていない。しかし、彼の重要性は、彼が「最初の近代人」であるという点にある。美を追求するだけでなく、観察に従った描写を目指す...
収録日:2019/09/06
追加日:2019/11/13
「1人の力ではできぬことも集団ならできる」と信じて動く
新型コロナウイルスの克服(3)社会連帯の崩壊が本当の敵
急激な感染拡大によって、政治や制度に対する信頼が失われている。それを防ぐためには、感染拡大のピークをなだらかにする必要がある。ロックダウンは、そのための1つの手段なのである。(全5話中第3話)
※インタビュアー:川...
収録日:2020/03/27
追加日:2020/04/01
学ぶ気持ちがあれば、どこでも書斎になる
「50歳からの勉強法」を学ぶ(4)勉強空間の工夫
「家の外にもあちこちに書斎を持っている」と童門冬二氏は言う。それは勉強空間の工夫ということで、学ぶ気持ちをもっていれば、喫茶店もタクシーもどこでも学びの場になるという意味だ。これはモンテーニュのいう「自分だけの...
収録日:2020/01/09
追加日:2020/06/04
コロナ禍でクリアになった加速すべきことと引き返すべきこと
ポストコロナ、日本の指針(1)コロナ禍で明らかになったこと
2020年1月に中国・武漢から始まった新型コロナウイルスの感染爆発は、3月にはヨーロッパ、北米、アジア、アフリカ、オセアニアと160以上の国に拡散した。日本は2か月近く「緊急事態宣言」が続き、社会の大半が大きな影響を受け...
収録日:2020/05/29
追加日:2020/06/30
フランス革命を考える上で鍵となるのはルイ14世と啓蒙思想
独裁の世界史~フランス革命編(1)絶対王政からブルジョアジーへ
18世紀末の世界を揺るがせたフランス革命を取り上げる今回の「独裁の世界史」シリーズ講義。封建的な身分や領主を一掃し、市民(ブルジョア)が力を握る革命は、流血の惨事も続々と招く。この歴史は、「独裁政」という観点から...
収録日:2020/01/10
追加日:2020/09/11
「スコープ3」に注目、大手企業が取り組む気候変動対策
気候変動問題から考えるSDGs(2)「スコープ3」への取り組み
気候変動対策ではグリーン・ファイナンスやコーポレートガバナンスが主流だったが、企業の対応として注目されているのが「スコープ3」である。サプライチェーン全体の排出量を抑えていく姿勢は、企業や投資家などからの社会的信...
収録日:2022/04/07
追加日:2022/06/13
『潮騒』と『太陽の季節』…美への憧憬vs煽情的な太陽族
石原慎太郎と三島由紀夫と近衛文麿(4)三島と石原の芸術性は対極的
三島由紀夫と石原慎太郎はほぼ同時代に活躍した作家であるといえる。しかし、二人の作品を見ると、似たモティーフを用いつつも、その扱い方が全く異なることが見て取れる。交流があり影響し合った二人が、それぞれ何に重きを置...
収録日:2022/03/18
追加日:2022/06/29
ユティニアヌスの腐敗がかすむほど深刻なプーチンの腐敗
歴史的に考えるウクライナ問題とロシア(4)大義なき戦争と独裁者の核恫喝
ロシアでは兵士の年齢上限の撤廃によって兵力の不足を補おうとしている。しかし、実際には戦死したにもかかわらず、軍曹や曹長などがいつまでも生きているという事態が生じている可能性がある。そうなると、軍隊では階級と昇進...
収録日:2022/05/24
追加日:2022/07/28
「正義とは何か」第1巻の重要性と全10巻の全体構造
プラトン『ポリテイア(国家)』を読む(4)第1巻の問題提起
全10巻からなる『ポリテイア(国家)』の中で最も重要なのは、「正義とは何か」という主題が明確に示される第1巻だと納富氏は言う。第1巻では、ケファロス、ポレマルコス、トラシュマルコスの3人がソクラテスの対話相手として登...
収録日:2022/07/08
追加日:2022/12/08
プーチン、習近平、トランプ…リーダーの「終わりの始まり」
ポスト冷戦の終焉と日本政治(6)世代交代と民主主義のために
今、欧米では政治の世界で世代交代が起きつつある。それは同時に、プーチン、習近平、トランプという3人のリーダーが率いた時代の「終わりの始まり」、すなわち行く末が決しつつあるということでもある。この新しい世界への移行...
収録日:2023/05/24
追加日:2023/08/01
小津安二郎映画の「節度ある甘え」…持続可能な甘えとは?
『「甘え」の構造』と現代日本(8)小津安二郎の映画と「節度ある甘え」
『小津安二郎の芸術』(佐藤忠男著)という本が、『「甘え」の構造』と同じ1971年に出版されている。その本では、『「甘え」の構造』を引用しながら小津映画で描かれている「甘え」の美学について分析されているのだが、当時あ...
収録日:2023/03/13
追加日:2023/07/15
『老年について』の著者キケロとはどんな人物なのか
キケロ『老年について』を読む(1)キケロの評価と「老年の心構え」
『老年について』の著者キケロは、カエサルやポンペイウスと同時代にあたり、古代ローマ史上随一の弁論家で、哲学者、また政治家でもあった人物である。多くの著作を残したが、政治的発言がしにくくなり、引退生活を送る中で著...
収録日:2023/06/12
追加日:2024/01/06
勇気とは先天的か後天的か?西洋古典が答える大事な問い
運と歴史~人は運で決まるか(6)運と知はどちらが勝っているのか
古代ギリシアには、道徳を表す「アレテー」と運や運命を表す「テュケー」という言葉がある。それぞれ東洋における「仁」と「運」に近い言葉だが、ここで一つの疑問が出てくる。それは当時から西洋の人びとを悩ませてきた、「運...
収録日:2024/03/06
追加日:2024/05/23
昭和の常識は非常識…令和の世ではマイクロアグレッション
メンタルヘルスの現在地とこれから(2)職場のコミュニケーション
時代に伴ってコミュニケーションは変化する。昭和の時代、職場では今でいうハラスメント(パワハラ、セクハラなど)的なコミュニケーションをよく見かけたが、現在では「マイクロアグレッション」といわれる、本人も自覚しない...
収録日:2024/04/17
追加日:2024/06/22
『東京物語』原節子が象徴的!? 場による日本の人間関係
『タテ社会の人間関係』と文明論(2)場から日本社会を動かすダイナミクス
日本とインドの社会構造は対極の位置にあるというのが『タテ社会の人間関係』での中根氏による分析である。日本の「タテ社会」は場を重視し、例えば移民や転出者が帰国するとよそ者扱いされるのに対し、インドや中国、イギリス...
収録日:2024/05/27
追加日:2024/08/15
なぜ平成は失敗したのか…究極の競争社会と日本の特殊性
『タテ社会の人間関係』と文明論(5)建前で動く日本社会と平成の失敗
「海外よりも、より究極の競争をしてきたところがあるのではないか」と、『タテ社会の人間関係』で示唆した中根氏。「タテ社会」の日本では、法制度は建前としての役割が大きく、契約が情緒的な駆け引きの道具になっているとい...
収録日:2024/05/27
追加日:2024/09/05