テンミニッツTV|有識者による1話10分のオンライン講義
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ヨーロッパの「近代」とは何か

ヨーロッパの「近代」とは何か
ヨーロッパ近代は、世界史に大きなインパクトを与えました。なぜかくも発展し、世界を席捲したのか。思想、経済、政治のあり方など多面的に、ヨーロッパ近代の謎に迫ります。
5世紀から19世紀まで共和政の基本を崩さずに繁栄したヴェネツィア。その智恵と工夫とは何でしょうか。

独裁の世界史~ヴェネツィア編(全4話)

再生時間: 43:45
収録日:2019/12/19
追加日:2020/05/30
本村凌二
東京大学名誉教授

ヴェネツィアがナポレオン登場まで共和政を維持した理由

独裁の世界史~ヴェネツィア編(1)ヴェネツィアの成立

現在も「水の都」と親しまれるヴェネツィアは、海運と交易により発展した国家である。彼らの政治形態は「小さな政府」を志し、5世紀の成立以来ナポレオンが登場する19世紀まで共和政の基本を崩さなかった。なぜそんなことが可能だった...
再生時間:13:55
追加日:2020/05/30

直接選挙の弊害に気づいたヴェネツィアが行ったこと

独裁の世界史~ヴェネツィア編(2)小さな国の発明と工夫

ヴェネツィアは、国土や国家財政、官僚機構の最小化を目指した。その中から生まれたのが複式簿記や銀行のような近代システムだ。政治手法として彼らが選んだのは共和政だったが、規模の拡大によるジレンマを思いがけない選挙手法で解...
再生時間:10:12
追加日:2020/06/06

なぜヴェネツィアは議員の世襲制が行われていたのか

独裁の世界史~ヴェネツィア編(3)世襲制は必要か否か

ヴェネツィアの長い繁栄を支えたのは、ローマのカエサルのように傑出した「一人」ではない。独自の「くじ」と組み合わせた選挙によって選ばれるようになった、能力のある人々である。そこにあるのは、野心的な個人を排除するシステム...
再生時間:11:22
追加日:2020/06/13

経済の持つ意味にいち早く気づいていたヴェネツィアの知恵

独裁の世界史~ヴェネツィア編(4)日本がヴェネツィアに学ぶべきこと

小国でありながら、通商国家として、また海運国家として覇権を示したヴェネツィアには、今の日本が学ぶべき点が多数ある。いたずらに強国と争わず、自らの特性を知った国のシステムづくりに邁進することも、その一つだ。(全4話中第4...
再生時間:08:16
追加日:2020/06/20
なぜ革命は急進化し、流血の惨事が次々と続いたのでしょうか。近代思想の光と影に迫ります。

独裁の世界史~フランス革命編(全7話)

再生時間: 1:12:04
収録日:2020/01/10
追加日:2020/09/11
本村凌二
東京大学名誉教授

フランス革命を考える上で鍵となるのはルイ14世と啓蒙思想

独裁の世界史~フランス革命編(1)絶対王政からブルジョアジーへ

18世紀末の世界を揺るがせたフランス革命を取り上げる今回の「独裁の世界史」シリーズ講義。封建的な身分や領主を一掃し、市民(ブルジョア)が力を握る革命は、流血の惨事も続々と招く。この歴史は、「独裁政」という観点から見ると...
再生時間:12:47
追加日:2020/09/11

ルイ16世が亡命しなければ世界史は大きく変わっていた!?

独裁の世界史~フランス革命編(2)ルイ16世と徳川慶喜の違い

フランス革命の流れを変えた瞬間の一つに、ルイ16世の「ヴァレンヌ逃亡事件」がある。革命の急進化に不安を抱いた国王一家は、これで民衆を敵に回してしまうのだ。この行為は「大政奉還」をした徳川慶喜が大坂城を後にしたのと、どう...
再生時間:08:10
追加日:2020/09/18

ジロンド派からジャコバン派へ…なぜ革命は急進化するのか

独裁の世界史~フランス革命編(3)革命はなぜ急進的になるのか

ルイ16世のパリ脱出は、国民を失望させる。革命派は、諸外国の干渉をはねのけようと「革命戦争」を起こすが、失敗。この間にも王家と諸外国の内通が疑われ、王政廃止と国王夫妻の処刑が断行される。 革命プロセスが先鋭化するのは歴史...
再生時間:13:50
追加日:2020/09/25

フランス革命のモデルは古代ローマにあった

独裁の世界史~フランス革命編(4)古代ローマがお手本

全ての枠組みを変えようとしたフランス革命にも、お手本はあった。恐怖政治のロベスピエールはカエサルの真似をした節があるし、「コンスル」など、共和政から帝政への移行を象徴する名前を積極的に用いている。だが、最も大きいのは...
再生時間:09:11
追加日:2020/10/02

デルフォイの神託とギリシア悲劇が伝える歴史的教訓

独裁の世界史~フランス革命編(5)歴史の宿命に学ぶ

「歴史は繰り返す」というが、理想から出発したはずの多くの革命は先鋭化して自国民の間に悲劇を招く。そうならないために、デルフォイの神託は「汝自身を知れ」と「中庸」を、そしてギリシア悲劇は「傲慢」の戒めを人々に与えている...
再生時間:10:52
追加日:2020/10/09

なぜナポレオンはフランス革命の理念を広めようとしたのか

独裁の世界史~フランス革命編(6)皇帝ナポレオンによる独裁

全ヨーロッパを駆け抜けたナポレオンの評価は、英雄から人非人まで大きく分かれる。フランス革命の時流に乗って皇帝に上り詰めた彼が杖としたのは革命理念だったが、実際にはヨーロッパ全土にナショナリズムが鼓舞され、自身の帝国は...
再生時間:09:41
追加日:2020/10/16

フランス革命とその後の影響…革命の独裁をどう見るか

独裁の世界史~フランス革命編(7)「国民国家」の誕生

フランス革命史を振り返ると、絶対王政を振り出しに、ロベスピエールの革命政府、ナポレオンの帝政と形を変えながら、「民主」の動きが「独裁」へ移行したのが分かる。それは収縮・拡張を繰り返す心臓の拍動のように必然的なものなの...
再生時間:07:33
追加日:2020/10/23
西洋近代史は、経済の発展と表裏一体です。どのような経済学で近代社会は発展したのでしょうか。

本当によくわかる経済学史(全16話)

再生時間: 3:20:24
収録日:2022/06/08
追加日:2022/11/16
柿埜真吾
経済学者

経済学史の基礎知識…大きな流れをいかに理解すべきか

本当によくわかる経済学史(1)経済学史の概観

現代社会の「経済」を正しく理解するためには、実は、正しい「経済学史」を理解していることが大きな助けとなる。逆に、正しい「経済学史」を知らなければ、怪しげな経済理論にダマされてしまうことにもなりかねない。気鋭の経済学者...
再生時間:12:30
追加日:2022/11/16

重商主義と重農主義…古典派経済学の前段階の主張とは?

本当によくわかる経済学史(2)重商主義と重農主義の真実

「重商主義」と「重農主義」という考え方が16世紀から18世紀にかけてヨーロッパで登場した。重商主義は、それ以前にはなかった「経済に法則がある」という発想から出てきたものだが、やがてその問題点に気づいたケネーが「経済は自由...
再生時間:08:47
追加日:2022/11/23

アダム・スミス「見えざる手」の真実とリカード「比較優位」

本当によくわかる経済学史(3)見えざる手と比較優位の真意

古典派経済学の中で、最も重要な人物がアダム・スミスである。『国富論』を著した彼には「見えざる手」という有名な言葉があるが、実は必ずしも自由放任を説いたわけではないという。ではスミスの本当の主張はどういったものだったの...
再生時間:15:53
追加日:2022/11/30

古典派経済学が繁栄をもたらした…柱は自由貿易と貨幣数量説

本当によくわかる経済学史(4)古典派経済学の特徴と時代的背景

古典派経済学の7つの特徴として、自由貿易をはじめ、貨幣数量説、労働価値説、人口論などを挙げることができる。中でも現代でも通用する2つの柱は「自由貿易」と「貨幣数量説」だというが、それはなぜか。また、その他の特徴には「限...
再生時間:14:32
追加日:2022/12/07

異端の経済学者…ドイツ歴史学派、社会主義、マルクス主義

本当によくわかる経済学史(5)古典派を批判した異端者たち

古典派経済学が一世を風靡した時代には、それに批判的な意見も登場する。それが、ドイツ歴史学派や、社会主義、マルクス主義といわれるグループだった。これらの考え方は今でも根強く残っているのだが、やはり「異端」であって、問題...
再生時間:11:12
追加日:2022/12/14

限界効用理論とは?…「労働価値説」はいかに否定されたか

本当によくわかる経済学史(6)労働価値説から限界革命へ

マルクス主義が「主流」になれなかった大きな理由は、彼らが依拠した「労働価値説」への異議が噴出したことにあった。実は「労働価値説」は古典派経済学もマルクス主義も依拠していたが、経済学の「主流」では、「限界効用理論」が主...
再生時間:09:56
追加日:2022/12/21

新古典派経済学への誤解と実際…特徴と古典派との違いは?

本当によくわかる経済学史(7)新古典派経済学とは何か

限界革命以降に登場した「新古典派経済学」。これについては、ケインズ経済学やマルクス経済学と対立するものだという誤解が現代でも非常に多い。それはなぜか。また、その具体的な中身は何なのか。新古典派の具体的なグループとして...
再生時間:15:18
追加日:2022/12/28

貨幣数量説と大恐慌…大恐慌の本当の原因はFRBのミスだった

本当によくわかる経済学史(8)1929年世界大恐慌の真実

よく知られているように、1929年から大恐慌が始まってしまう。はたして、大恐慌はどうして起こったのだろうか。その原因を知るためには、まず、貨幣数量説を知っておいたほうが良い。そして貨幣数量説を理解するためには、「長期的に...
再生時間:13:10
追加日:2023/01/25

大恐慌とケインズ…様々な恐慌克服の処方箋の真実を探る

本当によくわかる経済学史(9)ケインズ、計画経済、オーストリア学派

1929年の世界大恐慌ではFRBの金融政策の失敗が明らかにされなかったため、「古典派経済学には限界があるのではないか」と皆が考えるようになってしまった。そこで代わって台頭したのが、ケインズ経済学やマルクス主義、オーストリア学...
再生時間:09:23
追加日:2023/02/01

ケインズ革命への誤解…真に独創的なのは、どの部分か?

本当によくわかる経済学史(10)「ケインズ政策」の誤解と真実

不況の際は政府の財政出動によって景気回復を図る。これがケインズの政策であり、1929年の大恐慌を救ったのはケインズ革命によるものだと一般にはいわれるが、実はこれは必ずしも正しい理解ではないと柿埜真吾氏は言う。ケインズが本...
再生時間:13:19
追加日:2023/02/08

オーストリア学派…ミーゼス、ハイエク、シュンペーター

本当によくわかる経済学史(11)オーストリア学派の真実

世界大恐慌の後、マルクス主義経済学の計画経済を批判したのが、オーストリア学派といわれるグループであった。彼らは、「そもそも計画経済が可能なのか」という本質部分や、その大きな弊害を鋭く突いた。また、企業家の役割や技術革...
再生時間:08:52
追加日:2023/02/15

「ヒトラーの経済政策はケインズ的で大成功だった」は大嘘

本当によくわかる経済学史(12)ヒトラーの経済政策への誤解

「ヒトラーはケインズ的な政策でドイツ経済を復活させた」などと、ナチスの経済政策を評価する言説も日本では多い。だが、これはとんでもない間違いだという。では、当時のドイツの実状とは、いかなるものだったのか。そこにはおそる...
再生時間:10:59
追加日:2023/02/22

ミルトン・フリードマン…金融政策の復権と自由市場の重要性

本当によくわかる経済学史(13)20世紀最大の経済学者フリードマン

大恐慌の後、ケインズ的な「大きな政府」が主流だったところに登場したのが、ミルトン・フリードマンである。彼は過去のデータや歴史的実例に基づいて理論を検証し、改善していくという「実証主義」を唱えた。そして、ケインズ政策で...
再生時間:15:33
追加日:2023/03/01

「貨幣量と物価」の現代経済史…そしてスタグフレーション

本当によくわかる経済学史(14)ケインズ政策の限界と転換

フリードマンの研究によって次第に金融政策の重要性への認識は高まってきたものの、いまだケインズ政策への支持は強かった。だが、ケインズ政策がうまくいかない局面が多くなっていく。ここでは、サッチャー政権時のイギリスやレーガ...
再生時間:09:49
追加日:2023/03/08

「ケインジアン」の分岐とMMT?…正統と異端の見分け方

本当によくわかる経済学史(15)3つのケインジアンとMMTの違い

ケインジアンにはさまざまな分派がある。よく耳にするのが「オールドケインジアン」「ニューケインジアン」「ポストケインジアン」だが、それぞれ何を指すのか。その主張や代表的な経済学者について解説する。そこで気になるのが、最...
再生時間:15:02
追加日:2023/03/15

結局、主流派と異端派の何が違うか…経済学史の大きな示唆

本当によくわかる経済学史(16)現代の経済学のコンセンサス

1970年後にスタグフレーションに陥ったことにより、ケインズ的な政策よりもフリードマンの金融政策が受け入れられていくことになる。柿埜氏は「実態と理論が合っているからこそ、主流派は主流たり得る」ことを強調し、異端派との違い...
再生時間:16:09
追加日:2023/03/22
「自由主義」がいかに社会を変えていったのか。近代を拓いた思想の歴史を体系的に学びます。

日本人が知らない自由主義の歴史~前編(全7話)

再生時間: 1:00:20
収録日:2022/07/01
追加日:2023/04/18
柿埜真吾
経済学者

消極的自由と積極的自由?…なぜ自由主義がわかりづらいか

日本人が知らない自由主義の歴史~前編(1)そもそも「自由主義」とは何か

近代社会をつくり、現代にまで続く「自由主義」思想。この「自由主義」は、その言葉についても意味についても、意外なほどきちんと理解されていない。現代の日本では、まったく正反対とも思える主張について「リベラル」という言葉で...
再生時間:11:54
追加日:2023/04/18

ホッブズ、ロック…生命、自由、財産の権利をどう守るか

日本人が知らない自由主義の歴史~前編(2)「自由主義」の誕生

自由主義の登場は17世紀にさかのぼる。その頃、社会は相次ぐ宗教戦争等で政府への不満が高まっていた時期でもあった。そうした背景のもと、政府について議論を展開したのがホッブズやロックといった思想家たちだった。ホッブズとロッ...
再生時間:08:56
追加日:2023/04/25

アダム・スミスと見えざる手…自由にしたほうがうまくいく

日本人が知らない自由主義の歴史~前編(3)アダム・スミスの『国富論』

自由主義の発想は、「政府が介入せずに、自由にしたほうが、社会も経済もうまく回る」という自由市場経済とともに発展していくことになる。そのような思想を代表するものこそ、まさに、アダム・スミスの『国富論』であった。アダム・...
再生時間:06:14
追加日:2023/05/02

ベンサムとJ・S・ミル…功利主義や自由論はバランスが大切

日本人が知らない自由主義の歴史~前編(4)ベンサムの功利主義とミルの自由論

18世紀に入り、本格的に自由主義を正当化する議論が登場する。その代表がベンサムの「功利主義」である。さらに19世紀に入ると、ジョン・スチュアート・ミルが『自由論』で自由主義を説く。ベンサムやミルの思想は、とても明快で、な...
再生時間:08:15
追加日:2023/05/09

介入主義?社会主義?…ニューリベラリズムとは何か?

日本人が知らない自由主義の歴史~前編(5)ニューリベラリズムの台頭

19世紀後半になると、リベラリズムに変容が見られるようになる。自由実現のために政府が積極介入すべきという「大きな政府」を肯定するニューリベラリズムの台頭である。ここでは、ニューリベラリズムが登場した背景やその思想の本質...
再生時間:08:49
追加日:2023/05/16

河合栄次郎、石橋湛山、ルーズベルト…日米自由主義者の主張

日本人が知らない自由主義の歴史~前編(6)日本とアメリカのニューリベラリズム

「ニューリベラリズム」は日本やアメリカにも影響を与えていった。日本では河合栄次郎や石橋湛山が紹介に努めることになる。アメリカでは、大恐慌で市場経済への信頼が失墜したことが決定的となり、「ニューリベラリズム=リベラル」...
再生時間:08:58
追加日:2023/05/23

大きな政府も第三の道も行き詰まり…現代リベラリズムの混迷

日本人が知らない自由主義の歴史~前編(7)現代リベラリズム

「現代リベラリズム」はニューリベラリズムの流れを組んでおり、特にアメリカでは大恐慌から1960年代までは有力であったが、その後はリベラルな政党はどんどん没落していくことになる。あらためて現代リベラリズムによる政策と、それ...
再生時間:07:14
追加日:2023/05/30
モンテスキューとルソーの思想を対比して検討していくことで、近代政治の諸問題が見えてきます。

政治思想史の古典『法の精神』と『社会契約論』を学ぶ(全11話)

再生時間: 1:40:26
収録日:2020/08/17
追加日:2020/09/19
川出良枝
東京大学大学院法学政治学研究科教授

モンテスキューとルソー…二人の思想家の共通の敵とは?

政治思想史の古典『法の精神』と『社会契約論』を学ぶ(1)二人の思想家

18世紀フランスの最も重要な思想家は、モンテスキューとルソーである。この二人は、前者が自由主義思想を確立し、後者が民主主義思想を発展させた点や、経済に対する考え方などに関して相違点を持つが、専制に対する手厳しい批判者で...
再生時間:09:34
追加日:2020/09/19

モンテスキュー「三権分立」の特徴は司法権の独立の主張

政治思想史の古典『法の精神』と『社会契約論』を学ぶ(2)権力分立の強調

モンテスキューの『法の精神』では、政治的自由の本質として、権力が他の権力を制限することを重視している。これを実際に達成したのは、名誉革命後のイギリスである。ロックなどが評価する合意による政府の運営よりも、権力の分立を...
再生時間:08:24
追加日:2020/09/26

モンテスキューがイギリスの党派争いの中に見た政治的自由

政治思想史の古典『法の精神』と『社会契約論』を学ぶ(3)不協和の調和

モンテスキューは、立法、執行、司法という三権の機能的分立だけではなく、諸集団の間の実体的三権分立にも着目していた。イギリスの党派争いを観察する中で、諸集団が激しく対立し合いながらバランスを取ることで政治的自由が保護さ...
再生時間:08:41
追加日:2020/10/03

『法の精神』と多様性…国が異なれば制度も異なるのが自然

政治思想史の古典『法の精神』と『社会契約論』を学ぶ(4)多様性を擁護する

イギリスの国政に理想的な政治的自由を発見したモンテスキューであったが、同時に本国フランスにはフランス独自の方法があることを強調した。そもそも国家や社会は、無数の条件に規定された唯一無二の存在であり、ある絶対的に正しい...
再生時間:06:44
追加日:2020/10/10

ルソーが宣言した、新しく国家をつくる際の二重の課題とは

政治思想史の古典『法の精神』と『社会契約論』を学ぶ(5)社会契約論の議論

ルソーの『社会契約論』の議論は、自然的自由を放棄することで、国家を設立することから始まる。しかし、すべての国家の構成員は自らに備わっている立法権を通じて、国家の一般意志、すなわち法律をつくり出す。すべての構成員は自分...
再生時間:06:21
追加日:2020/10/17

ルソーの「一般意志」とは…『社会契約論』で説いたこと

政治思想史の古典『法の精神』と『社会契約論』を学ぶ(6)「一般意志」と直接民主政

「一般意志」とは何かを考えるために、ルソーは個々人の利益を追求するための意志である「特殊意志」と、その単なる総和である「全体意志」を持ち出す。この一般意志と全体意志の間には埋めがたい差異がある。一般意志を追求するため...
再生時間:12:21
追加日:2020/10/24

古代崇拝が『社会契約論』に持ち込んだ一つのジレンマとは

政治思想史の古典『法の精神』と『社会契約論』を学ぶ(7)自由の意味

古代ローマの共和政に範を見出したルソーだったが、近代における人間観が古代ローマのそれとは大きく異なるという問題に直面する。一般意志を考える上で、より穏当な結論に着地することもできたが、ルソーは突き詰めてその意味を考え...
再生時間:10:21
追加日:2020/10/31

エピソードが語るモンテスキューとルソーの両極端な人物像

『法の精神』と『社会契約論』を学ぶ【質疑篇】(1)モンテスキューとルソーの人物像

モンテスキューとルソーは、思想だけではなく人物像も好対照をなしている。中庸の人ともいえるモンテスキューに対して、ルソーは極端から極端といった振れ幅のある人で、人とよく争うが、女性には人気があったという。また、二人はお...
再生時間:13:00
追加日:2020/11/07

なぜ「ナンセンスだ」といわれた社会契約論が出てきたのか

『法の精神』と『社会契約論』を学ぶ【質疑篇】(2)社会契約論の現実

社会契約論の言葉自体は広く日本人の間に膾炙しているが、その発想はかなり人工的なものであり、なかなか受け入れがたい。実は社会契約論の淵源は、内戦期に国家の存在が動揺していた中でホッブズが国家の基盤を問い直したことにある...
再生時間:06:52
追加日:2020/11/14

ルソーの「一般意志」「特殊意志」「全体意志」の違いとは

『法の精神』と『社会契約論』を学ぶ【質疑篇】(3)「一般意志」と全体主義

ルソーは『社会契約論』において三つの異なる意志を定義した。その中でも、特殊意志の総和としての全体意志と、市民全体の共通善を志向する一般意志の間の差異は、重要ながら分かりづらい。一般意志の議論は、ともすれば無謬性を標榜...
再生時間:10:15
追加日:2020/11/19

IT技術の発展による直接民主主義の可能性を考える

『法の精神』と『社会契約論』を学ぶ【質疑篇】(4)直接民主主義の可能性

最後の論点として、IT技術の発展に伴う直接民主主義の可能性について議論する。モンテスキューは権力の抑制に力点を置くために、たとえ技術的に直接民主主義が可能となったとしても、その決定に対して警戒感を持ち続けるのではないか...
再生時間:07:53
追加日:2020/11/26
宗教改革から20世紀まで、クラシック音楽で西洋史がよくわかる。音楽と歴史を一緒に学べる珠玉の講座。

クラシックで学ぶ世界史(全13話)

再生時間: 2:33:33
収録日:2019/08/26
追加日:2019/10/26
片山杜秀
慶應義塾大学法学部教授

音楽はなぜ時代を映し出すのか?…音楽と人の歴史の関係

クラシックで学ぶ世界史(1)時代を映す音楽とキリスト教

「歌は世につれ」というように、音楽は常に時代性を色濃く表していく。「音楽ほど、当時の社会状況や人々の欲望、時代のニーズの影響をダイレクトに受ける文化ジャンルも少ない」と片山杜秀氏は著書の中で書いているが、それはどうい...
再生時間:15:25
追加日:2019/10/26

ルネサンス音楽とバロック音楽の違い…バッハの特徴とは?

クラシックで学ぶ世界史(2)宗教改革と音楽様式の変化

単純だったグレゴリオ聖歌がポリフォニーに変化したのは、社会の複雑化を反映したものだった。神の教えは教会が占有するものではなく、人が信仰の中に見いだすものだという動きを受け、音楽も民衆的になっていく。宗教改革が起こり、...
再生時間:09:41
追加日:2019/10/26

ヘンデルがロンドンで成功を収めた要因とは?

クラシックで学ぶ世界史(3)ヘンデルと近代市民社会

商業革命から産業革命の流れを受けて、当時もっとも隆盛だったロンドンで成功を収めたのがヘンデルである。ブルジョワという新興階級が出現し、彼らは音楽をステータスとして求めたが、それに合唱という手段で応えたのがヘンデルの成...
再生時間:09:17
追加日:2019/10/26

モーツァルトの生きた時代は「就職氷河期」

クラシックで学ぶ世界史(4)不安の時代の作曲家

18世紀後半、市民階級がさらに力を蓄えるにつれ、旧体制(王侯貴族や教会)は弱体化し、お抱えの音楽家を雇用するゆとりを失い始める。ヨーロッパ中に名前を知られた「神童モーツァルト」でさえ雇用する者がいないほど、それは深刻な...
再生時間:12:42
追加日:2019/11/02

ベートーヴェンの音楽を生んだフランス革命後の時代の影響

クラシックで学ぶ世界史(5)ベートーヴェンの時代-上

フランス革命を合図にしたかのようにウィーンの音楽界にデビューするのがベートーヴェンである。市民革命と革命戦争、ナポレオン戦争という長い動乱のさなかに「市民の時代」が確立、これまでにない刺激とテンションを音楽に求めるよ...
再生時間:13:35
追加日:2019/11/09

ベートーヴェンの音楽にフランス革命の動乱が与えた影響

クラシックで学ぶ世界史(6)ベートーヴェンの時代-下

「分かりやすい、うるさい、新しい」、ベートーヴェンの前と後で、音楽は違うものになったといわれる。その理由は、彼が受け取り手である市民の状況と流行に細心な目配りをし、「今、時代が求めるもの」を真摯に追求していったからで...
再生時間:12:09
追加日:2019/11/16

市民革命期の音楽家ベルリオーズ『幻想交響曲』が与えた影響

クラシックで学ぶ世界史(7)ベルリオーズから近代へ

市民革命期の音楽家としてフランスのベルリオーズの名は外せない。最も有名な『幻想交響曲』は作者の妄想が結実したものともいわれ、ギロチンが落ちて首が飛ぶようなシーンとその後の大混乱が、「革命の時代の音響」として近現代にも...
再生時間:09:53
追加日:2019/11/23

パリでの成功を夢見たワーグナーが理想としていたこと

クラシックで学ぶ世界史(8)パリのオペラとワーグナー

19世紀の音楽は、パリのオペラ座で始まる。当時のパリはロンドンと並び世界の富が集中する世界の都だった。オペラ座のグランド・オペラ見物は、ちょうど江戸の歌舞伎見物と同様に、市民のステータス・シンボルとして発展していくのだ...
再生時間:10:31
追加日:2019/11/30

ヨーロッパ中が感染したワーグナーの凄さ

クラシックで学ぶ世界史(9)帝国をつくったオペラ

ベートーヴェンを音楽の理想としたワーグナーは、彼のオペラに不満があった。より良い物語による演劇と舞踊と音楽を一体にした「総合芸術」こそ、ワーグナーの目標となる。さらにユダヤを仮想敵に据えて、空前絶後のナショナリスティ...
再生時間:11:47
追加日:2019/12/07

マーラーの交響曲はなぜそれほどまでに愛されているのか

クラシックで学ぶ世界史(10)マーラーと国民楽派

マーラーの人気は今やベートーヴェンに匹敵するほどだが、同時代の評価は今ほど高くなかった。彼の音楽が、当時残照を迎えていたハプスブルク帝国のさまざまな響きを映してやまず、ややもすれば混沌となることを恐れない複雑さを呈し...
再生時間:11:48
追加日:2019/12/14

ドビュッシーやチャイコフスキーがつくった「国のイメージ」

クラシックで学ぶ世界史(11)ドビュッシーと「フランス的」

ワーグナーに大きく影響を受けつつ、ドイツから覇権を奪うために新たな表現を目指したのがフランスのドビュッシーである。彼が提示したとりとめのない浮遊感は、印象派の曖昧な表現と合わせて近代の「フランス的なるもの」の概念を形...
再生時間:11:43
追加日:2019/12/21

20世紀のクラシック音楽の特徴と「2つの方向」とは?

クラシックで学ぶ世界史(12)革命と戦争の20世紀音楽

20世紀の大衆の時代を迎え、音楽は国民を総動員するため、一層の分かりやすさを求められるようになる。また一方では、進歩の時代を体現するように、「新しさ」が最大のテーマにもなる。第二次大戦後の冷戦時代、東西の音楽はどう変化...
再生時間:15:55
追加日:2019/12/28

多様化の時代とクラシック…YOSHIKIのピアノ協奏曲

クラシックで学ぶ世界史(13)これからのクラシック音楽

シリーズ最終回講義では、数百年間の音楽と歴史の関係を大胆に要約しつつ、今後クラシックはどうなっていくかについての予測をお聞きする。「歴史を担うもの」としての使命はもう終えたという言葉の真意から、2020年の近未来予測に注...
再生時間:09:07
追加日:2020/01/04