本を読まない人類がヒューマニズムという化け物に喰われた
読書と人生(6)読書人がバカにされる時代
現代社会では、価値の主客転倒が起こり、読書人がバカにされるようにさえなった。だが、読書人がいなくなるということは、人間が「魂」に対する興味を失ったことを意味している。そして読書をしなくなったから、人間社会はヒュ...
収録日:2019/05/14
追加日:2019/09/20
戦後、奈良本辰也は吉田松陰を「敗者」と捉えた
吉田松陰の思想(上)松陰像の変遷(2)国士・敗者・ヒューマニズム
多様な吉田松陰像は、その時代の空気を鮮やかに映し出す。明治から戦前にかけて流布したナショナリスト・松陰というイメージは、戦後になると孟子の性善説に基づいたヒューマニスト・松陰へと変化した。東京大学東洋文化研究所...
収録日:2015/02/26
追加日:2015/07/16
「弱き者」を助けるのか、「強き者」をより強くするのか
価値と人間(1)現代の日本が忘れている価値
昨今の世界情勢を見渡すと、ヨーロッパもアメリカも日本もヒューマニズムの綺麗事で身動きが取れなくなっているように見えるのは、なぜだろうか。ローマ帝国時代の「最善のものが堕落した場合、最悪のものになる」ということわ...
収録日:2024/01/31
追加日:2024/03/29
「愛」こそが宇宙の根源、それを認識するのが人類の役目
脱人間論(3)なぜ大宗教家たちは「愛」を語るのか
「愛」を認識する力を持っていることが、人間が他の動物と違うところであり、世界中の宗教家が語っているのも「愛を認識せよ」ということである。宇宙のシステムは、寿命がきた星が爆発して星雲となり、やがてそこからまた新し...
収録日:2021/03/18
追加日:2021/05/07
なぜ「無垢だった人たち」と一生涯対決するしかないのか
『ベラスケスのキリスト』を読み解く(6)偉大な宗教家のエキス
昔の仏教者の生き方は武士道そのままであった。日本への渡海に失敗して失明しても挫けず、ついに日本にやってきた鑑真も、その一人である。大事なのは「脱ヒューマニズム」だが、今の西洋文明はキリスト教のいいとこ取りにしか...
収録日:2022/08/02
追加日:2022/10/14
暗黙知と形式知…「使命感や恩」で心を燃やすのが日本の道
日本企業の病巣を斬る(5)暗黙知と形式知
欧米の企業と日本の企業の違いは、欧米が数値目標を求めるのに対し、日本はお客さんに喜んでもらうことに主眼を置く。これは野中郁次郎の言うところによれば、日本は「暗黙知」であり、一方、欧米の理論は「形式知」である。「...
収録日:2023/10/18
追加日:2023/12/29
なぜ日本人は、まだしも「本当のこと」がいえるのか
価値と人間(7)「家族が一番大切」の真価
ヒューマニズムより「自分の家族が一番大切」、このような心性を持つのは日本人だけになりつつあると執行氏は言う。日本は、政治機構が世界的に劣っているが民衆が歴史的な潜在意識を持っているので、まだ崩れずに済んでいる。...
収録日:2024/01/31
追加日:2024/05/10
毎日「人助けしなければならない」と言われれば嫌になる
価値と人間(3)なぜニュース番組を見られないか
いま、テレビニュースを見ることができないと執行氏はいう。60分のニュース番組でも、ニュース報道の時間はごく少なくなっている。テレビ全体としても、クレームを恐れ、本当に優れた者、強い者を取り上げる番組が作れなくなっ...
収録日:2024/01/31
追加日:2024/04/12
一つの信念のために、自分の命を捨てられる人間をつくる
反生命論(5)人間の初心に還らねばならない
我々人類は、物質文明の頂点を迎えている。これは生命大事とヒューマニズムに塗れ、魂を失ったということでもある。この魂の問題がわからないと、我々の文明が滅亡に向かっていることもわからない。いまこそ「初心」に戻る必要...
収録日:2024/05/16
追加日:2024/08/23
なぜ、「大衆民主主義」の「間違いを排除する社会」は滅びるのか
魂の芸術(8)民主主義は再考せられねばならない
大衆民主主義が絶対に滅びることは、すでにキルケゴールや、オルテガが喝破していることである。しかも、日本や独仏など多くの国が、「間違いを排除する」社会になってしまっている。だから、子どもがケンカすらできないような...
収録日:2019/09/11
追加日:2019/12/27
自分が死んで次の生命を生む自己犠牲的な「星」のシステム
毒を食らえ(2)なぜ宇宙の本質が「愛」なのか
キリスト教にも仏教にも「すべてを捨てよ」と説く厳しさがあった。なぜなら、本当の愛とは、どんな危険にあっても、自らを顧みず、危険を冒して自分のなかの犠牲的精神を発揮することにあるからである。すべての星も、自らの...
収録日:2020/10/13
追加日:2020/12/25
「評価されたい」と思わなければ人間は自由になれる
価値と人間(2)「50点でいい」と思う勇気
人間にとって最も尊い思想は「人間はみんな平等」ではない。それよりも、「家族が一番大切」という価値観のほうが尊い。人間は神ではないから、最善のものなどあるわけがない。必ず欠点がある。だから、最善を狙わない。つまり...
収録日:2024/01/31
追加日:2024/04/05
人間だけが鉄砲の弾に向かって命懸けで突っ込んでいける
反生命論(4)人間文化の頂点にあるもの
「人間」として生きるには、肉体を拒絶しなければならない。フランスの哲学者アランは「魂とは、肉体を拒絶する何ものかである」と言ったが、宗教も含めたあらゆる文化は、全部「反生命」なのである。一方、ヒューマニズムは、...
収録日:2024/05/16
追加日:2024/08/16
「同じ人間が、誰に劣り申すべきや」という究極の覚悟
武士道の神髄(10)『葉隠』が説く真の平等思想
『葉隠』にある「同じ人間が、誰に劣り申すべきや」という言葉。この信念があるからこそ、自分に真の誇りも持てるし、今の自分の失敗も素直に認められる。どれほど偉い歴史上の人物も、同じ人間である以上、挑戦すれば誰でも何...
収録日:2019/11/26
追加日:2020/03/20
「原発」や「紙幣乱発」に共通する「希望」という名の驕慢
脱人間論(1)絶望の中からしか、人類は立ち直れない
今は乱世ですらない。これまでの文明史において、乱世とは、贅沢になり驕った民族を、質実剛健で精悍な民族が打ち負かし、取って替わる時代のことであった。だが、今の人類には取って替わるものがなく、これは人類が滅びること...
収録日:2021/03/18
追加日:2021/04/23
欧米の落ち方は日本の比ではない…これは「人類問題」だ
電脳社会の未来(9)この堕落は「人類問題」
かつて国家は、「働くことが好き」「勉強が好き」という人たちに支えられていた。だが今や、その文化を国家が否定している。知性や合理性、平等、民主主義、科学は全てAIに移行し、われわれホモ・サピエンスが担うのは悪いもの...
収録日:2023/08/02
追加日:2023/11/10
肉体よりも魂…厳しい修行がなければ文化は継承できない
反生命論(7)生命は、生命讃歌によって滅びる
文化は全部、魂の価値である。ところが、ルネッサンスの頃から神を失い、文化を支える価値も失ってしまった。よって魂の文化の継承はできなくなってしまった。いみじくも、この神の喪失をロシアの哲学者ニコライ・ベルジャーエ...
収録日:2024/05/16
追加日:2024/09/06
愛情をかけられなければ成長できない動物は、人間だけ
脱人間論(2)「水平社会」の間違い
「働かざる者食うべからず」は人類の鉄則なのに、今はヒューマニズムによって、それが通じなくなっている。「肉体が大事」というなら、動物と変わらない。人間が動物と違うのは、愛のために肉体を犠牲にできるところ。親孝行も...
収録日:2021/03/18
追加日:2021/04/30
「人に認められたがる」「幸福になりたがる」が問題の根本
脱人間論(8)「犬死にでいい」の覚悟
人から嫌われてもいいと思って生きてきたが、20代で恋愛をし、好きな女性ができたときは苦しかった。相手に好かれたくて仕方なかったが、それでも自分を曲げることはしなかった。そのため、ふられてしまい、「忍ばされる恋」に...
収録日:2021/03/18
追加日:2021/06/11
トインビーが述べた、民族が滅びる「3つの条件」とは?
脱人間論(11)理想、歴史、数量化
20世紀以降、「ヒューマニズム」の名のもと、世界中でエリート教育をしなくなった。だが昆虫ですら、エリートがいなくなれば、その種は滅びる。人類が築き上げてきた諸文明にも、エリート製造システムが機能していた。歴史家の...
収録日:2021/03/18
追加日:2021/07/02
愛のために一生苦悩するか、魂の苦悩を捨てて幸福になるか
憂国の芸術(9)人間は家畜に向かっている
カトリック信者だったミゲール・デ・ウナムーノは、「人間とは、愛のために一生苦悩して生きるか、それとも魂の苦悩を全部捨てて幸福になるか、どちらかしかない」と書いた。しかし、今を生きる人間の多くが、苦悩を捨てて、「...
収録日:2021/12/02
追加日:2022/03/11
なぜ日本の従業員の会社への愛着は世界最低クラスなのか
日本企業の病巣を斬る(11)みんなが「おかしい」と感じている
「いい加減」「適当」「暗黙知」といったことこそが、日本人が持っている非常にいいところ、素晴らしいところであった。それを、コンプライアンスをはじめとしたアメリカンビジネス追従によって、壊してしまった。そのことが、...
収録日:2023/10/18
追加日:2024/02/09
航海をすることが必要なのだ。生きることは必要ではない
反生命論(2)人類の「初心」とは?
人間とは、魂の生き物であり、魂のために肉体を犠牲にする歴史を積み重ねてきた。スペインの哲学者ミゲール・デ・ウナムーノの『ドン・キホーテとサンチョの生涯』には人間を定義した言葉がある。「人間以上のものたらんと欲す...
収録日:2024/05/16
追加日:2024/08/02
親や子よりも「信念」を重んじる命懸けの生き方
読書と人生(8)合理性こそが愚かしい
あまりにキリスト教に血道を上げたためにイギリスとドイツに追い抜かれた国・スペインで、いまや教会の鐘が鳴らなくなった。騒音問題で訴えられたのだという。まさに社会がきれいごとに押し潰されているのである。これを打開す...
収録日:2019/05/14
追加日:2019/10/04
民主主義は、餌に食いつく民主主義者には決してわからない
民主主義の根源とは(6)絶対者なき民主主義は手前味噌
民主主義という制度を作り出した最初の1人である古代ギリシャの政治家・ソロンは、「我々は人間なのだから、人間のことを思わなければいけないと言う人たちに従ってはならない」という言葉を残したと言われる。自分たちで自分た...
収録日:2019/12/25
追加日:2020/05/01
渋沢栄一が生涯変えなかった肩書は「養育院院長」
「近代日本をつくった男、渋沢栄一」の素顔(4)養老院院長と護民官意識
「日本資本主義の父」と称される渋沢栄一だが、実は福祉の世界でも日本の近代を切り拓いた功績者でもあった。高齢者福祉の嚆矢となった「養育院院長」として生涯を尽くした彼の胸にあったのは、とにかく困った人を何とかしたい...
収録日:2019/04/24
追加日:2021/02/17
エリートを養成できない国は、免疫機構を失ったのと同じ
脱人間論(10)エリートをつくれなくなったら滅びるのみ
1968年のパリでの学生運動の時代から、世の中が変わりだした。魂より肉体を大事と思うようになり、この流れはもう止まらない。今回のコロナ禍でさらに加速し、ホモサピエンスはいよいよ滅びるときに近づいている。過去の文明を...
収録日:2021/03/18
追加日:2021/06/25
武士道で生きれば、すべてのことを当事者として考えられる
作用と反作用について…人間と戦争(3)相手の身になって考えよ
日本人は日米安保を信じているが、あれは張り子の虎に過ぎない。いざ戦争が起こればアメリカは日本から引いてしまうだろう。こんなことは歴史の常識である。そのことに真っ正面から向き合わない日本人は、まだ奥底は純真なのだ...
収録日:2022/05/19
追加日:2022/07/15
『ベラスケスのキリスト』の「白」「薔薇」「月」の意味
『ベラスケスのキリスト』を読み解く(10)キーワードを読み解く〈上〉
この長編詩には繰り返し使われるキーワードがいくつかある。その意味を理解することは大事で、例えば「白」は宇宙における生命あるものの姿である。白の逆は暗黒や混沌で、沈黙や永遠の生命でもある。「薔薇」は創造の回転エネ...
収録日:2022/08/02
追加日:2022/11/11
『ベラスケスのキリスト』に感応した絵画とイコンの文明
逆遠近法の美術論(1)八反田友則の絵とビザンティン文明
芸術家・八反田友則氏は『ベラスケスのキリスト』(ミゲール・デ・ウナムーノ著)を読んで感応し、それをもとに描いた13点の絵を執行草舟コレクション・戸嶋靖昌記念館に寄贈した。その寄贈された絵を見て執行草舟は、自身が集...
収録日:2022/08/30
追加日:2023/03/10
誇るべき自分へ…「使命を自分が果たす」と自分で決定せよ
日本企業の病巣を斬る(10)会社の使命を自分の使命に
アメリカの企業と日本の企業はそもそも成り立ち、性質が違う。アメリカの企業は株主が「金儲けのために作った」のに対し、日本の企業は「どういう儲け方をしたか」を問う歴史伝統に立脚している。日本人はそこに戻る必要がある...
収録日:2023/10/18
追加日:2024/02/02
戦後ダメになったのは日本だけでない、欧米はより堕落した
価値と人間(5)欧米社会の堕落
現代の政治・社会を動かしている民主主義の考え方は、全面的にダメなのではない。しかし、下が上を選ぶ現在の選挙制度がある限り、多数派にしか正義はない。そうなると、エリートが生まれなくなるから、やがて国が滅びてしまう...
収録日:2024/01/31
追加日:2024/04/26
いまのフランスやドイツよりも、まだしも日本は自由だ
価値と人間(6)日本は層が厚い国
ヨーロッパの頽廃が著しい。ヒューマニズムのせいだが、フランスやドイツの現状を知れば、日本はまだ捨てたものではないことに気づく。ただし、日本という国家は国家機構としてはヨーロッパやアメリカほど構築されていないかも...
収録日:2024/01/31
追加日:2024/05/03
生を殺すものは死せず、生を生かす者は生きず
反生命論(3)殺生者不死、生生者不生
世界の大宗教は「人間の救い」を唱えているが、その内容を研究していくとすべて「魂のために命を捨てなさい」という教えである。だから、「反生命論」は人間の歴史を意味する。武士道や騎士道も、自分の名誉や「義」を貫けない...
収録日:2024/05/16
追加日:2024/08/09
労働三法と労働組合…GHQの五大改革指令と労働者の保護
労働基準法の精神(1)労働三法成立の背景と経緯
日本労働組合総連合会(連合)第6代会長の古賀伸明氏が日本の労働法について解説するシリーズレクチャー。今回は労働三法を中心にその歴史と制定の背景を論じる。労働者が使用者と対等・平等な関係を維持するのに必要な方法とし...
収録日:2018/06/25
追加日:2018/09/10
1人の人間が心の底から信じたことを書いた本の力
読書と人生(2)「本当のことが書いてある本」の価値
本は「本当のことが書いてある本」を読むべきだという。つまり、ある1人の人間が、本当に信じたことを書いた本を読め、ということである。ヒトラーの『わが闘争』にせよ、マルクスの『資本論』にせよ、あれほどの人を巻き込んだ...
収録日:2019/05/14
追加日:2019/08/23
破壊されて立ち上がるところから始まる
読書と人生(10)思想とは破壊である
「怖さ」「恐ろしさ」がないものはダメである。成長のもとは「恐怖」なのだ。そもそも、すべての思想は破壊である。破壊されなければ建設はない。プラトンやアリストテレスから、ニーチェまで、みんなそうである。文学も、たと...
収録日:2019/05/14
追加日:2019/10/18
死ぬ気で物事に体当たりしてこそ、生き筋が見える
武士道の神髄(2)「死ぬ事と見附けたり」の本義
信じるもののために命懸けで生き、殺されても文句を言わないのが武士道。その意味では西部劇の主人公たちは、悪人であっても武士と言える。失敗しても自己責任と考えるのが『葉隠』で、大事なのは成功するかしないかではなく、...
収録日:2019/11/26
追加日:2020/01/24
武士道の最も大きな思想は「Amor Fati(運命への愛)」
武士道の神髄(3)いかに自分の命を使うかが武士道
武士道とは他人のために命を捧げること。戦国時代に宣教師によってもたらされたキリスト教もそうで、だから武士の間でいっきに広がった。命を懸けられる対象は、崇高なものだけである。命懸けをやってみればわかるけれども、自...
収録日:2019/11/26
追加日:2020/01/31
あのルソーも「すべての悪は弱さから来る」と主張した
伝染病と死生観(3)すべての悪は弱さから来る
国民にこれだけ自粛を強いれば、コロナが収束しても日本人の生活は元に戻らない。テレワークの普及で働き方も変わるが、これについても政治家や官僚が何を考えているか見えて来ない。あらゆることでこれまでの流れをぶち壊した...
収録日:2020/04/24
追加日:2020/05/29
厳しい練習は「優しい人間になるため」とフルニエは語った
渡部昇一に学ぶ教養と明朗(7)乗り越えて掴む「明るさ」
チェリストの巨匠フルニエは、演奏家がつらい練習を何百回、何千回も重ねるのは「優しい人間になるため」だと語ったという。この言葉は、勇気を与えてくれる。「自分が成功するため」といった直接的なことよりも、もっと内面的...
収録日:2020/09/09
追加日:2020/11/20
ニーチェの「神は死んだ」という言葉は、400年間の総決算
脱人間論(4)人類は「戻る」ためのホックさえ失った
宇宙には神の摂理があるが、それを捨てた始まりがルネサンスの人間中心主義で、その行き着く先が20世紀の物質文明である。信仰心を失いながらも「信仰心は大事だ」と思い、葛藤(かっとう)していたのがヴィクトリア朝のイギリ...
収録日:2021/03/18
追加日:2021/05/14
キリストは神の言葉の厳しさを前提に「赦し」を説いた
脱人間論(5)愛のために、自分の体をなげうつのが人類
肉体よりも魂を重んじる人は、現代では落ちこぼれになってしまう。だが、魂のために肉体をいかに犠牲にするかを考えてきたのが、人間である。その代表が武士道や騎士道だといえよう。武士道や騎士道のみならず、魂のために肉体...
収録日:2021/03/18
追加日:2021/05/21
貧乏国に命懸けの仕事をさせて「感謝もしない」日本人
脱人間論(6)相手の「魂」がわからなければダメ
危機の状況下で物事を解決するには、必ず痛みが伴う。どこを我慢するかが大事なのに、それが決められないから適切な対応ができない。戦争も、西側諸国では、1人でも死ぬ可能性があれば、できなくなっている。そんなことでは、今...
収録日:2021/03/18
追加日:2021/05/28
人間の命を「数量」で考えて経済や国の活力を論じるバカ
脱人間論(9)ちょっとした幸福が欲しくて破滅を招く
自分の人生を体当たりで生きていれば、死ぬときもジタバタしない。死を宣告されて慌てるのは、何も考えない人生を送った人である。人口についての考え方も、日本ではおかしくなっている。子どもの数が減って「国の活力がなくな...
収録日:2021/03/18
追加日:2021/06/18
古代国家が理想としたのは聖徳太子の「徳治政治」
「万葉集」の聖徳太子――語りかける人(5)聖の徳
聖徳太子の歌には後日談がある。太子があわれみをかけた行旅人は、死体を残さず消えていた。そう聞いた太子は「神様だったのかもしれない」という。聖を知る太子はまさに聖だと世の人は畏れかしこんだ。そのような太子の徳は、...
収録日:2021/06/04
追加日:2021/08/13
なぜ日本人は「霊性文明」を引っ張ることができるのか
『ベラスケスのキリスト』を読み解く(13)日本と霊性文明
「霊性文明を引っ張れるのは日本だけ」とマルローは述べている。かつて霊性文明に限り無く近づいた歴史を日本が持っていたからである。かつての日本では、師弟関係においても、ほとんどしゃべらなかったといわれる。なるほど、...
収録日:2022/08/02
追加日:2022/12/02
逆遠近法のこころは「義ならざるものは結局、美ではない」
逆遠近法の美術論(3)高村光太郎の「義」と「真のリアリズム」
高村光太郎の「義ならざるものは結局美でない」を座右銘としている戸嶋靖昌記念館。この言葉は、芸術とは愛ではなく「義」のものであることを意味し、考え方として武士道に近く、イコン文明にも近い。「真のリアリズム」と聞い...
収録日:2022/08/30
追加日:2023/03/24
霊性文明の危うさと、無限成長の危うさに共通するもの
逆遠近法の美術論(5)インパール作戦と無限成長はイコール
江戸時代とビザンティン帝国は、近いところまで到達したと言われる霊性文明――。特に、幕末の日本人の生活を見ていると、本当に霊性文明を感じる。日本人はみな武士道に憧れ、武士のような指導階層がいたからである。しかし、明...
収録日:2022/08/30
追加日:2023/04/07
人間は本当に生き切ったら死ぬのは何歳でも怖くない
人生のロゴス(13)生き切ることと愛すること
「死ぬのが嫌だ」という現代人は多い。だが、自分なりに一生懸命生きたら、死ぬのは何歳でも怖くないはずである。だから、「いつまでも生きたい」などと考えるのは、そうやって生きていないということである。ヘルマン・ヘッセ...
収録日:2023/03/29
追加日:2023/08/18
「ずる賢い考え方」をしたがる人類に科学や民主主義は無理
電脳社会の未来(8)やはり最後の記念碑は芸術である
「法の前の平等」は、人間が裁判官をやっている限り絶対に達成できない。人間は平等、正義、科学を標榜しているのに、例えば、縁故とずる賢さと自分だけうまいことをしたいという、さもしい根性を捨てないからだ。AIに、全面的...
収録日:2023/08/02
追加日:2023/11/03
最善が堕落したものは最悪である…無限なのは理想や魂のみ
日本企業の病巣を斬る(3)足るを知る
日本の企業には伝統的な成功パターンがある。三井越後屋は地域密着型の商売を行い、300年繁栄を続けているが、これは当主が「足るを知る」をわきまえていたからだ。ローマ帝国の有名なことわざに「最善が堕落したものは最悪であ...
収録日:2023/10/18
追加日:2023/12/15
創造的経営の核心…「個人の信念」を真実として正当化する
日本企業の病巣を斬る(7)信念と創造的経営
理想や使命へ向かうと「自分がこうやりたい」というものが出てくる。それぞれに正解を見つけていくしかないから、おのずと自分の持ち味が発揮されるようになる。ところが、現在の日本の企業社会では会議ばかりを重んじるあまり...
収録日:2023/10/18
追加日:2024/01/12
【会員アンケート企画】戦争をなくすために必要なのは?
編集部ラジオ2023:12月6日(水)
会員の皆さまからお寄せいただいたご意見を元に考え、テンミニッツTVの講義をつないでいく会員アンケート企画。今回は「戦争をなくすために必要なのは何だと思いますか?」というテーマでご意見をいただきました。
この問に...
収録日:2023/11/29
追加日:2023/12/06
パレスチナへの無差別行為…Z世代から噴出する深刻な疑問
パレスチナ問題…解決への道(4)ガザ戦争による変化
イスラエルとハマスの武力衝突は、パレスチナ内外に重大な変化をもたらした。歴史の「被害者」としてのイスラエルのイメージは、国内でも欧米でも若い世代(Z世代)中心に変化を余儀なくされている。これまでの通念や主義が通じ...
収録日:2023/12/11
追加日:2024/02/05
歴史に残る「愛や忠義の名作」はすべて身を犠牲にする物語
反生命論(8)反生命だけが真の歴史を創った
『日本書紀』にはヤマトタケルの命を救うために海に身を投げた弟橘姫の話が出てくる。楠木正成は忠義のために敗北がわかっていて戦いに出ていった。愛や忠義のために肉体を投げ出しているのである。これが魂の本質である。ロー...
収録日:2024/05/16
追加日:2024/09/13
「金属社会」が経済を支え、考えない人間は家畜となる
反生命論(9)反生命が真の人間を創り上げる
人間の歴史は、金属の精錬の歴史である。結果として人間は、AIをはじめとする機械を生み出した。我々人間から魂が去りつつある中、機械が新しい人間になるかもしれない。そこで今、武士道という魂の一部をAIに打ち込んでいると...
収録日:2024/05/16
追加日:2024/09/20
人間中心主義はやめたほうがいい…資本主義の残酷な前提
人の資本主義~モノ、コトの次は何か?(3)資本主義に賢くなってもらうために
資本主義に賢くなってもらうためには、「欲望」「利己心」「資本」「時間」「差異」など近代的諸概念をアップデートしていくと同時に、「共生」「定常経済」「脱成長」など新しい概念や新しい言葉を生み出していく必要があると...
収録日:2024/04/11
追加日:2024/08/10
朝起きてから夜寝るまで「ゴロ寝をしない」ことの意味
対談・反生命論(3)当たり前とは何か
自分の父や祖父母は、夜に就寝するときと病気のとき以外は、なんとなくゴロ寝することなどなかった。そのような当たり前の所作動作を出来ることが、当たり前の教育としてあった。なんでもかんでも、庶民の意見まで全部を聞いて...
収録日:2024/05/24
追加日:2024/11/01
うわべと人気だけの人が政治家になれる選挙制度の弊害
対談・反生命論(4)エリートと神話
一番大事なのは、国のために命を捨てられるエリート層である。ただし、こういう人は1代では出てこない。エリート層の家が必要で、それには最低3代から5代はかかるという。因果応報と同じだが、現代人はこういう歴史的事実に耳を...
収録日:2024/05/24
追加日:2024/11/08