『葉隠』の「同じ人間が、誰に劣り申すべきや」を信じて
憂国の芸術(2)ベートーヴェン第5交響曲と内村鑑三全集
執行草舟は、ベートーヴェンの交響曲第5番も小学5年から毎日欠かさずに聞き続けた。すると、ベートーヴェンが音符として打ち込んだ言葉の意味が、全部分かるようになった。内村鑑三も好きで、小学生のときから読んでいた。30歳...
収録日:2021/12/02
追加日:2022/01/21
人にできたことで、自分ができないことは何もない
私の「葉隠十戒」(4)同じ人間が、誰に劣り申すべきや
第九戒「必死の観念、一日仕切りなるべし」は、毎日「やりきる」ことの重要さを述べたものである。明日を思い煩わず、日々自分の生命と対面する。その日に全力を投入せよという意味である。第十戒「同じ人間が、誰に劣り申すべ...
収録日:2021/04/08
追加日:2021/10/22
「忍ぶ恋」のありなしで信念を貫徹できるかどうかが決まる
私の「葉隠十戒」(3)気違ひになりて死に狂ひするまで
第五戒「恋の至極(しごく)は、忍ぶ恋と見立て申し候」の恋は、「憧れ」を意味する。憧れは、絶対に手の届かないものでなければならない。手に届かないものだからこそ、自分の生命に崇高なものをもたらすのである。第六戒「一...
収録日:2021/04/08
追加日:2021/10/15
「成果が出なければ犬死に」などと考えることが大間違いだ
私の「葉隠十戒」(2)毎朝毎夕、改めては死に改めては死ぬ
第三戒「図に当たらぬは犬死などといふ事は、上方風(かみがたふう)の打ち上りたる武道なるべし」は、つまり、自分の信念に基づいて体当たりをすれば、あとの結果が成功だろうが失敗だろうが構わない、という戒めである。「成...
収録日:2021/04/08
追加日:2021/10/08
「死は何か」に毎日対面していないと、いい人生は送れない
私の「葉隠十戒」(1)武士道といふは死ぬ事と見附けたり
小学校4年生くらいのとき、映画の『十戒』を見て感動し、『葉隠』の中から一番武士道的に響いた10の言葉を選んだ。それが「葉隠十戒」であり、それは70歳を越えた今でも、まったく動いていない。すべてここに収斂していくと言っ...
収録日:2021/04/08
追加日:2021/10/01
「嘘つきは泥棒の始まり」という言葉が突きつける真実とは
「葉隠武士道」を生きる(12)自分の卑しさと対面せよ
「卑しさ」は、本人が「卑しさ」に直面しようと思わなければ自覚できない。戦後の日本人は「卑しい」ことを「正しい」と言ってしまった。「日本は平和憲法だからすごい」というのもそうである。領土を全部取られても平和国家を...
収録日:2021/04/08
追加日:2021/09/24
日本人は「卑しい」ということをよくよく認識せよ
「葉隠武士道」を生きる(11)信義のために命を捧げる覚悟
友達を選ぶときは、そこに人生を捧げるぐらいの覚悟が必要である。その結果、人生がうまくいかなくても、それは失敗とは言わない。友情に命を捧げたのなら、それは見事な生き方と言っていい。人生の幸不幸、成功不成功に関係な...
収録日:2021/04/08
追加日:2021/09/17
勝ち負けが「ついで」だからこそ、自由な発想ができる
「葉隠武士道」を生きる(10)武士の「本当の勝ち」とは
武士にとって、「本当の勝ち」とは「武士道の貫徹」だった。武士道を貫徹できるならば、勝ち負けは「ついで」だと考えていた。だが、そのように考えればこそ、むしろ実際の戦いの場では発想が自由になった。勝ちを意識すると硬...
収録日:2021/04/08
追加日:2021/09/10
日本の核であった「家」制度を、どうすれば復活できるか
「葉隠武士道」を生きる(9)「家」を滅ぼしたGHQ
古来、日本人にとって「家」は非常に重要なものであった。だが、そのことを、現代日本人にどうすれば伝えることができるのか。これは、きわめて難しい。まず、ここで言う「家」は今の「家庭」のあり方とは違う。むしろ小さい企...
収録日:2021/04/08
追加日:2021/09/03
「いいね」の数を誇る風潮こそ、物質文明的な虚無思想
「葉隠武士道」を生きる(8)すべて「数」で判断する愚
昔は、真っ正面から真剣に文学論を闘わせるような気風もあったが、最近では、「争いがいけない」「嫌われたくない」ということばかり優先するようになり、友達の数やSNSの「いいね」の数を誇るようになってしまった。しかし、そ...
収録日:2021/04/08
追加日:2021/08/27
人生の知恵が湧くのは「体当たりして失敗した体験」から
「葉隠武士道」を生きる(7)「真心」以外は通らない
人間関係を良くするために、「スキル」が書かれた本を学ぶ人がいる。もちろん、学ぶことは構わない。だが、結局は「真心」でぶつかるしかない。人間関係を「スキル」でやろうと思う心がけがダメなのだ。「スキル」を学んでどう...
収録日:2021/04/08
追加日:2021/08/20
「好かれたい」「成功したい」と思うから、できないのだ
「葉隠武士道」を生きる(6)「今の自分」で戦い抜け
みんなから好かれることを目的とせず、自分の魂をどう燃焼させるかを大事にする。そのように自分を貫く生き方をすれば、多くの人から嫌われることもあろう。だが、昔の人は人に好かれる行為は、卑しいと考えていたのだ。また、...
収録日:2021/04/08
追加日:2021/08/13
武士とは何か、『葉隠』『忠臣蔵』に込められた「覚悟」
徳川将軍と江戸幕府の軌跡~吉宗編(5)天下泰平と「武士の忠義」
8代将軍・徳川吉宗の時代、「法の支配」が行き届いていた天下泰平の世の中であった一方で、赤穂浪士の仇討ちに代表される「武士の忠義」も存在していた。武士とはいったい何か。どのように「法の支配」と折り合いをつけていたの...
収録日:2020/01/07
追加日:2021/08/07
「悩むべき悩み」と「悩まなくてもいい悩み」とは何か
「葉隠武士道」を生きる(5)人生は悩んでいるのが正常
「相手を選ぶことが大事」なのは、人間関係だけではない。いいものに触れる、いい絵に触れる、いい芸術に触れる、いい書物に触れる、などは人生の基本の中の基本である。ときに、自分が信じるものを近しい人に否定されることも...
収録日:2021/04/08
追加日:2021/08/06
貪り取る相手に従うのは、自分に「卑しい心」があるからだ
「葉隠武士道」を生きる(4)一番尊い命を、何に捧げるか
明治の初めには、日本でも『西国立志編』(スマイルズの『自助論』)や、福澤諭吉の『学問のすゝめ』が流行った。当時の日本人には「全部自分でやっていく」という気概があったのだ。そして、それは西洋も同じであった。しかし...
収録日:2021/04/08
追加日:2021/07/30
パワハラされても、いじめられても「すべて自己責任」
「葉隠武士道」を生きる(3)運命に立ち向かうのが人生
現代社会の多くの人が抱える悩みが「人間関係」である。「パワハラ」や「いじめ」はその典型的な事例だろう。だが、正しい生き方は「自分に与えられた運命」から逃げず、立ち向かうことである。パワハラされたとき、いじめられ...
収録日:2021/04/08
追加日:2021/07/23
田中新兵衛とリヒトホーフェンが教える「美しい生き方」
「葉隠武士道」を生きる(2)「自己責任」と「運命への愛」
武士は刀を抜くべき場所で抜かなければ「武士道不心得(ふこころえ)」と後ろ指をさされ、お家断絶にもなりかねなかった。逆に、刀を抜いてはいけない場所で抜いても「お家断絶」である。時と場合を、絶対に間違えない「覚悟」...
収録日:2021/04/08
追加日:2021/07/16
「家制度」に立脚した武士道は「専守防衛」の哲学である
「葉隠武士道」を生きる(1)武士道に生きるとは?
執行草舟が「葉隠武士道」に立脚した生き方の真髄について語る。「武士道」について論じると「道徳」と誤解されることが多いが、これは大きな間違いだと執行草舟は説く。執行草舟にとっての「武士道」とは『葉隠』に尽きるが、...
収録日:2021/04/08
追加日:2021/07/09
「同じ人間が、誰に劣り申すべきや」という究極の覚悟
武士道の神髄(10)『葉隠』が説く真の平等思想
『葉隠』にある「同じ人間が、誰に劣り申すべきや」という言葉。この信念があるからこそ、自分に真の誇りも持てるし、今の自分の失敗も素直に認められる。どれほど偉い歴史上の人物も、同じ人間である以上、挑戦すれば誰でも何...
収録日:2019/11/26
追加日:2020/03/20
『葉隠』だけが「武士道そのもの」を描き出した
武士道の神髄(1)『葉隠』を生きる
武士道を自ら「実践する」ために参考になるのは『葉隠』しかない。それ以外は解説書であり、生き方の役には立たない。『葉隠』の最大の魅力は、「死ぬために生きるのが人生」と言い切っているところである。『葉隠』を読むこと...
収録日:2019/11/20
追加日:2020/01/17
天に向かう読書に没入、そして「ただ突き進め」!
読書と人生(4)読書だけが運命を知っている
いい人生を送った人とは、自分の運命だけに体当たりした人である。だが、自分の人生は誰にもわからない。だからこそ、読書をし、過去の偉い人もそうしてきたと知ることで、「自分もやるぞ!」という勇気を得るのである。そのた...
収録日:2019/05/14
追加日:2019/09/06
人間的に生きるためには「不幸になる」のがいい
崇高と松下幸之助(8)現代人と執行草舟
現代人の脳は、既にAIよりも劣っているかもしれないと執行先生は指摘する。また、そのような現代人に必要なものは、武士道精神であり、「不幸になる」ことが大切だと語る。その本当の意味と、武士道精神を貫いている執行先生の...
収録日:2019/02/06
追加日:2019/04/26
「なぜ」と考え、わからぬものはわからぬまま受け入れよ
読書と人生(5)読書の根本は神秘との対面
昔の人間は、わからぬものは、わからぬままに受け入れた。夫婦でも、「男は女をわからない」「女は男をわからない」と考えていたからこそ、かえって離婚も少なかった。だが、いまは、みんな賢しらで「わかった」と思い込み、思...
収録日:2019/05/14
追加日:2019/09/13
武士道では、卑怯で臆病な人間は「やり直し」がきかない
武士道の神髄(9)大事なのは名を残すこと
突進して死んだのなら、戦場で犬死にしても恥ではなかったが、逆に臆病な死に方をしたら、家が取り潰しになるのが武士であった。生きるか死ぬかの場面では、死ぬほうを選べというのが『葉隠』の思想だが、これは、そのような厳...
収録日:2019/11/26
追加日:2020/03/13
不幸の底から「新しい生」が湧き出てくるのだ
『ベラスケスのキリスト』を読み解く(7)不滅の生とは何か
執行草舟とウナムーノの出会いは、20歳のときに『生の悲劇的感情』を読んだことに始まる。執行草舟は『葉隠』のヨーロッパ版のように感じ、本書によりヨーロッパの騎士道と日本の武士道との相関関係もわかった。ウナムーノと武...
収録日:2022/08/02
追加日:2022/10/21
自分に与えられた試練は、絶対に乗り越えられる試練である
勇気について(7)自転車にナナハンのエンジンを積むな
村井満氏は、昔から「迷ったら緊張するほうを選ぶ」と決めているという。自分が絶対に無理と思っていることは、いわれても緊張しない。簡単すぎることも緊張しない。むしろ、自分が「できるかできないかギリギリだ」と思ってい...
収録日:2021/09/02
追加日:2021/12/10
どうすれば「行間」が読めるようになるか
読書と人生(1)「命懸けの読書」とは何か
執行草舟は小学生のころ、1行もわからないのに、岩波文庫のカントによる『純粋理性批判』を読み通したという。当時は、結局カントはわからなかったものの、他の本が易しく思えてしかたがないということを経験した。しかも、時が...
収録日:2019/05/14
追加日:2019/08/16
「過去の宿命」を愛さないと「次の運命」も愛せない
武士道の神髄(5)「縁」こそが運命である
その仕事が与えられたのは「縁」があるから。「縁」を大事に考えるなら、どんな仕事も大切になる。かつての武士たちも主君は選べなかった。すべては縁で、縁が運命なのだ。日本人に生まれたのも縁で、それを否定すればくだらな...
収録日:2019/11/26
追加日:2020/02/14
「死に死を与える」…死を乗り越える価値観
『ベラスケスのキリスト』を読み解く(12)キーワードを読み解く〈下〉
『ベラスケスのキリスト』第4部第1節に「死に死を与える」という言葉が出てくる。これは「肉体のある人生が人生」と思っている限り、理解できない。戦後の日本人は貧しかったが、写真を見るとみんな明るい。当時の日本人は「...
収録日:2022/08/02
追加日:2022/11/25
人間は、生存に満足したら、それで終わりである
人間的魅力とは何か(5)渇望する魂に叫べ
ダグラス・マレーというイギリスのジャーナリストが書いた『西洋の自死』という本には、「人間から渇望感がなくなったから、経済や世界がダメになった」ということが書いてある。本当に素晴らしいものになろうと思ってもなれず...
収録日:2019/04/05
追加日:2019/06/21
死ぬ気で物事に体当たりしてこそ、生き筋が見える
武士道の神髄(2)「死ぬ事と見附けたり」の本義
信じるもののために命懸けで生き、殺されても文句を言わないのが武士道。その意味では西部劇の主人公たちは、悪人であっても武士と言える。失敗しても自己責任と考えるのが『葉隠』で、大事なのは成功するかしないかではなく、...
収録日:2019/11/26
追加日:2020/01/24
愛を認識する「魂」を向上させるために人間は生まれ、死ぬ
伝染病と死生観(5)魂は永遠で、肉体は借り物に過ぎない
武士道も仏教も禅も、すべては「無常」の哲学を表したものである。般若心経も「人間は死ぬ存在で、もともと何もない」という死生観を語っている。信者が次々に磔(はりつけ)になった原始キリスト教も、「死を思え=メメント・...
収録日:2020/04/24
追加日:2020/06/12
「魂をぶっ潰してやる」…流行りに乗って誇りを壊した人々
作用と反作用について…人間と戦争(6)嫉妬心から出る正義感
国家の存続のためには、自分の頭で考える人が「塊」として存在していることが大切である。そのような人間が1人だと「変人」扱いされてしまうが、10人いれば「変人」とはいえなくなる。だが、日本人は戦後、そのような「自分の頭...
収録日:2022/05/19
追加日:2022/08/05
沈黙と瞑想が本当の価値として定着した世界が「霊性文明」
『ベラスケスのキリスト』を読み解く(2)騒音と沈黙
フランスの作家で政治家でもあったアンドレ・マルローは「霊性文明の時代に入れなければ人類は滅びる」と50年以上前に予言したという。文明に毒されている現代人は、真の意味でキリスト教を信仰することはできないからである。...
収録日:2022/08/02
追加日:2022/09/16
人生はどうでもいい…何事が起こっても全部、自分の責任
人生のロゴス(6)人間はなりたいようになる
「魂の苦悩」に堪えられるのはほんの少数だが、その少数が影響力を持てる国は興隆する。最たる例が、ローマ帝国の元老院議員たちであった。彼らはもとをたどると神話に行き着く家系で、自分たちを「神の子孫」と考えていた。そ...
収録日:2023/03/29
追加日:2023/06/30
自らの内奥に秘めた「矜持」や「情熱」が表出するとき
勇気について(1)2人の出会いと縁
Jリーグの5代目チェアマン・村井満氏は、リクルート出身で、初のサッカー界と無縁のチェアマンである。引退した選手のセカンドキャリア支援をしていた関係でJリーグと縁ができ、チェアマンに就任したのだった。実は、執行草舟...
収録日:2021/09/02
追加日:2021/10/29
DAZNとの2000億円契約の裏にあった「体当たりと愛の力」
勇気について(10)未来を信じる勇気
Jリーグチェアマンとして村井満氏はパフォームグループ(DAZNグループ)と契約し、世界で初めてサッカー中継を全試合、インターネットやスマホを使って、いつでもどこでも見られるようにした。10年間で2000億円の契約という、...
収録日:2021/09/02
追加日:2021/12/31
「剣を磨す火花」そして「沈黙」…生命の本質を表わす言葉
『ベラスケスのキリスト』を読み解く(11)キーワードを読み解く〈中〉
「剣を磨(ま)す火花」という言葉は、われわれの生命を表わす根源的な言葉である。また生命の本質は「沈黙」で、これは宇宙の本質が沈黙だからである。現実のわれわれは火花なしで生きているし、言葉もしゃべる。だがわれわれ...
収録日:2022/08/02
追加日:2022/11/18
「狂気」といえるほどの信念を失ったとき国は衰亡していく
人生のロゴス(7)「狂」といえるほどの信念
〈これは狂気かもしれない。しかし筋が通っている〉。この言葉が意味するのは、人間の歴史や人間生命の道理に適っていれば、「狂」の部分があってもいいということである。過去を振り返れば、「狂」が歴史をつくってきた例は、...
収録日:2023/03/29
追加日:2023/07/07
うわべと人気だけの人が政治家になれる選挙制度の弊害
対談・反生命論(4)エリートと神話
一番大事なのは、国のために命を捨てられるエリート層である。ただし、こういう人は1代では出てこない。エリート層の家が必要で、それには最低3代から5代はかかるという。因果応報と同じだが、現代人はこういう歴史的事実に耳を...
収録日:2024/05/24
追加日:2024/11/08
自らの「運命」は、総じて「嫌いなもの」の中にある
武士道の神髄(4)どんな仕事でも全力でやる
武士道的に生きるなら、目の前にある仕事には命懸けで体当たりするしかない。何事にも命懸けでぶつかる人間は、魅力的だ。人間の生き方を美学として磨き上げるのが「武士道」なのである。また「自分が好きなもの」は、「自分の...
収録日:2019/11/26
追加日:2020/02/07
なぜ会社の「嫌なこと」は自己成長にとって「良いこと」なのか
毒を食らえ(4)不合理との戦いに勝ち抜く
逆境や不遇のときにどう生きたかが、その人の真価になっていく。目の前の不合理を食うことで、偉大さが身につくのである。たとえば本を1冊書き上げ、出版していく作業は不合理との戦いであり、それに勝ち抜く1つの方法である...
収録日:2020/10/13
追加日:2021/01/08
お金は使い放題…札束を投げて遊ぶほどだった幼少時代
作用と反作用について…人間と戦争(5)お金と読書
背骨がきちんと通るためには教育や生育環境も重要である。執行草舟の父は大変な教養人で、三井物産の英語の仕事を一手に引き受けるほどの語学力があり、その縁もあって、戦後、GHQの物資を運ぶ会社の社長を務め、20代で大金...
収録日:2022/05/19
追加日:2022/07/29
武士の誇りにも影響…中世のヨコ社会から近世のタテ社会へ
『タテ社会の人間関係』と文明論(4)ヨコ社会からタテ社会への転換
江戸時代以前の日本社会では「ヨコ型」の要素も多く存在しており、象徴的な言葉として中世の日本にあった「兼参」を紹介する呉座氏。兼参とは複数の主君に仕えることで、つまり中世ではリスクヘッジとして複数の集団に属するこ...
収録日:2024/05/27
追加日:2024/08/29
いま求められる波動を出してエネルギーを生み出す者
行徳哲男が語る稀代の変乱煽起者・吉田松陰
日本BE研究所所長・行徳哲男氏は、いま日本に必要なのは「変乱煽起者」だと言う。変乱煽起者とは波動を出してエネルギーを生み出す人であり、その代表的人物の一人が吉田松陰である。行徳氏が吉田松陰の姿を通して、日本を救...
収録日:2014/12/26
追加日:2015/07/23
武士道の最も大きな思想は「Amor Fati(運命への愛)」
武士道の神髄(3)いかに自分の命を使うかが武士道
武士道とは他人のために命を捧げること。戦国時代に宣教師によってもたらされたキリスト教もそうで、だから武士の間でいっきに広がった。命を懸けられる対象は、崇高なものだけである。命懸けをやってみればわかるけれども、自...
収録日:2019/11/26
追加日:2020/01/31
家庭を深く愛せない人間は、強い人間にはなれない
武士道の神髄(6)守るべきもの、愛すべきものはあるか
武士道とは「愛」のために自分の身を捧げるものである。愛が強いほど、人間は強くなれる。逆に言えば、守るべきものや愛すべきもの「なし」の暴力は、暴力団と何ら変わらない。その「守るべきもの」「愛すべきもの」のなかでも...
収録日:2019/11/26
追加日:2020/02/21
なぜ、かつて人類は伝染病に敢然と立ち向かえたのか
伝染病と死生観(1)逃げ惑う現代人
執行草舟が新型コロナウイルスの流行を背景に、死生観について語るシリーズ講義。これまで人類はペストという国民の3分の2が死ぬような伝染病にも立ち向かい、乗り越えてきた。だが今や人類は、まるで腰抜けのように伝染病に右...
収録日:2020/04/24
追加日:2020/05/15
おいしい餌をまく悪魔は、必ず美男美女の姿でやってくる
脱人間論(7)なぜ成功や幸福を捨てねばならないのか
三崎船舶時代に出会った悪漢政との出会いは、人生最大の幸運だった。日本一の船頭で、強烈な魂を持っていた。学歴はないが頭が抜群に切れ、膨大な取引データもすべて記憶していたほど。こういう人が50年前までの日本にはいて、...
収録日:2021/03/18
追加日:2021/06/04
「人に認められたがる」「幸福になりたがる」が問題の根本
脱人間論(8)「犬死にでいい」の覚悟
人から嫌われてもいいと思って生きてきたが、20代で恋愛をし、好きな女性ができたときは苦しかった。相手に好かれたくて仕方なかったが、それでも自分を曲げることはしなかった。そのため、ふられてしまい、「忍ばされる恋」に...
収録日:2021/03/18
追加日:2021/06/11
神の「恩寵」は真空状態のところにしか入っていかない
勇気について(6)Jリーグ第5代チェアマンに就任
フランスの哲学者シモーヌ・ヴェイユは、「恩寵は満たすものである。だが恩寵を迎え入れる真空のあるところにしか入っていかない」という言葉を残している。実は、村井氏はリクルート香港法人の社長を辞めたあと、半年間、何も...
収録日:2021/09/02
追加日:2021/12/03
真に優れた芸術は「汚い色」が「綺麗な色」になる
憂国の芸術(6)泥水を描いて「蓮の花」になる
洋画家 戸嶋靖昌は「優れた芸術は、汚い色が綺麗な色になる」と言った。同じことはコシノジュンコ氏の絵にも言える。まさに泥水を描いているように見えて「蓮の花」が現われてくるのが、真の芸術家なのである。ところで、芸術作...
収録日:2021/12/02
追加日:2022/02/18
なぜ新渡戸稲造は『武士道』を英語で著したのか
江戸とローマ~「父祖の遺風」と武士道(1)誠実さと新渡戸稲造『武士道』
ローマと日本の共通項として、オリジナリティのなさが指摘されることがある。かつて西欧のモノマネと蔑まれていた日本がモノづくり大国に成長するには、人間としての誠実さが不可欠だった。実はローマにも共通する誠実さの源、...
収録日:2021/07/16
追加日:2022/11/12
新渡戸稲造が『武士道』で説く上杉謙信とカミルスの「義」
江戸とローマ~「父祖の遺風」と武士道(4)上杉謙信とカミルス
今も年末が近づくたびにドラマで再演される『忠臣蔵』は、武士道が大切にした「義」の世界を描き出したものだ。新渡戸稲造の『武士道』には、大量に古代ローマのエピソードが掲載されている。戦国武将の振る舞いと共通するロー...
収録日:2021/07/16
追加日:2022/12/03
逆遠近法のこころは「義ならざるものは結局、美ではない」
逆遠近法の美術論(3)高村光太郎の「義」と「真のリアリズム」
高村光太郎の「義ならざるものは結局美でない」を座右銘としている戸嶋靖昌記念館。この言葉は、芸術とは愛ではなく「義」のものであることを意味し、考え方として武士道に近く、イコン文明にも近い。「真のリアリズム」と聞い...
収録日:2022/08/30
追加日:2023/03/24
「門」…「精霊に向かって行く」というメッセージ
逆遠近法の美術論(8)八反田友則氏の絵を鑑賞する-3
「愛だけが…」の次に描かれた「門」には、義を感じた。義とは神的使命のために幸福を捨てることでもある。人間的な愛の次に、それよりもっと深い、義のほうに傾いた愛に置かれているのだ。この絵からは旧約聖書の『詩篇』に書か...
収録日:2022/08/30
追加日:2023/04/28
暗記していても、必ず文字を目で見ながら読むことが大切
人生のロゴス(1)座右銘は毎日見なければダメ
『人生のロゴス 私を創った言葉たち』は、執行草舟がこれまで命懸けで行ってきた「武士道の読書」を通じて選んだ約190人分の座右銘を紹介、解説したものである。例えば、唐の政治家・魏徴の〈人生意気に感ず、功名誰(た)(た)...
収録日:2023/03/29
追加日:2023/05/26
理念と使命感と塩梅…組織や数字の奴隷にならない生き方
日本企業の病巣を斬る(6)組織の奴隷にならないために
企業の「勝ち負け」は、相手を蹴落とすこととは違う。それは「いかに顧客の心をつかむか」の競争であり、「顧客の心をつかむ」のは「勝ち負け」とは関係ない。顧客の心をつかむことで得られるのは満足や愛である。理念の実現に...
収録日:2023/10/18
追加日:2024/01/05
キケロは覚悟がいい…終幕でジタバタしない「死」への構え
キケロ『老年について』を読む(9)死について老年はどう対処すべきか
生きていく上で「捨て身でいる」「死を覚悟する」のは、人生のいろいろな時代を通じて人間の強さ、権威にもつながることだと本村氏は言う。そのためには若いうちから「死の練習」をすることが大事である。「生に執着しない」と...
収録日:2023/06/12
追加日:2024/03/02
航海をすることが必要なのだ。生きることは必要ではない
反生命論(2)人類の「初心」とは?
人間とは、魂の生き物であり、魂のために肉体を犠牲にする歴史を積み重ねてきた。スペインの哲学者ミゲール・デ・ウナムーノの『ドン・キホーテとサンチョの生涯』には人間を定義した言葉がある。「人間以上のものたらんと欲す...
収録日:2024/05/16
追加日:2024/08/02
「自分さえよければいい」では社会問題は解決しない
対談・反生命論(5)「自分が大切」は下品な考え方
「自分が大事」「自分さえよければいい」というのは、下品な人間の考え方である。グリム童話などではずる賢いおじいさん、おばあさんが登場するが、そんな人たちばかりを目にする状況が、日本は70年以上続いている。ロシアなど...
収録日:2024/05/24
追加日:2024/11/15