日中戦争、大政翼賛会…近衛に学ぶポピュリズムの自縄自縛
石原慎太郎と三島由紀夫と近衛文麿(8)大衆の人気に頼る政治家の失敗
近衛文麿は大政翼賛会を作りトップダウンによる強力政治を目指したが、政治の世界に仲間が多くいたわけではなく、実は大衆の情念によって生まれた政治家でしかなかった。そのため、自分の言葉に縛られ、自滅へと追いやられるこ...
収録日:2022/03/18
追加日:2022/07/27
「小澤開作的なるもの」と「官僚的なるもの」の違いとは?
小澤開作と満洲事変・日中戦争(10)日本の国を滅ぼすのは…
小澤開作は戦争中から「東大をぶっこわせ」と言いつづけ、戦後の東大紛争のときには、徹底して学生側の味方だったという。「日本の国を滅ぼすのは官僚と軍人だ」と考えていたからこそ、官僚を数多く輩出してきた東大に批判的な...
収録日:2019/10/09
追加日:2020/11/16
ロバート・ケネディに直接訴えた満洲事変・日中戦争の教訓
小澤開作と満洲事変・日中戦争(9)ベトナム戦争への助言
「単刀直入」で「陰日向ない」、そして「情にもろい」。それが小澤俊夫氏が見るところの小澤開作のタイプだった。指揮者として成功した小澤征爾氏に、折にふれて投げかけた言葉から、そんな小澤開作の人柄が浮かび上がってくる...
収録日:2019/10/09
追加日:2020/11/09
「涙を忘れてきた日本人が、敗戦で涙を知るのはいいことだ」
小澤開作と満洲事変・日中戦争(8)最後の和平工作は成らず
終戦の数カ月前、「新民会」で共に活動していた繆斌(みょうひん)が、日本を訪れる。彼は自分は蒋介石の特使だと語り、日本に和平を打診する。小磯國昭(首相・陸軍大将)や緒方竹虎(大臣・情報局総裁)、東久邇宮稔彦王はこ...
収録日:2019/10/09
追加日:2020/11/02
小林秀雄、根本博、土肥原賢二、清水安三、遠藤三郎との交友
小澤開作と満洲事変・日中戦争(7)親しく交流した人々
北京の小澤公館には、中国の大きな壷が置いてあった。従軍記者として来ていた小林秀雄は、酒を酌み交わしながらその壷を見て、「これは偽物だ、駄作だ」と評した。小澤開作は「偽物であっても、これを作った人にとってはかけが...
収録日:2019/10/09
追加日:2020/10/26
「後世に誰かが……」検閲されてばかりの雑誌を発行する覚悟
小澤開作と満洲事変・日中戦争(6)『華北評論』に懸けた思い
前話で見たように「この戦争には勝てない」と平気で言い放つ小澤開作の家には、憲兵が監視に来ていた。しかし、その憲兵さんは、小澤家の女中とやがて結婚する。それほど、小澤家は明るい家庭だったのだ。だが、一方で小澤開作...
収録日:2019/10/09
追加日:2020/10/19
「こちらが信じれば、向こうも信じてくれる」を信念として
小澤開作と満洲事変・日中戦争(5)この戦争には勝てない
果敢に中国の民衆への働きかけを行っていく小澤開作には、敵から懸賞金すらかかっていた。しかし、小澤開作は腹が据わっていて、恐れを知らぬ人だった。「運転手を夜遅く働かせたらかわいそう」と呑んだ帰りは1人で人力車で帰り...
収録日:2019/10/09
追加日:2020/10/12
日中友好のために中国人農民の生活向上をめざす「新民会」
小澤開作と満洲事変・日中戦争(4)北京での「新民会」活動
満洲を去った小澤開作は、北京で新たな活動を始める。再び北支(華北)の地で「民族協和」「日中友好提携」の夢を実現しようとしたのだ。だが盧溝橋事件が勃発し、日中戦争が始まる。そんななかで小澤開作が立ち上げたのが「新...
収録日:2019/10/09
追加日:2020/10/05
飛行場建設、満洲国協和会…しかし、協和の理想は壊されて
小澤開作と満洲事変・日中戦争(3)満州建国での活躍と挫折
遂に、満洲事変が勃発する。このとき小澤開作は、なんと自らの財産をなげうって、長春に飛行場を建設してみせるのだった。その後、鉄道を管轄する「東北交通委員会」で活動して若き中国人職員たちに満州建国の理想を熱く語りか...
収録日:2019/10/09
追加日:2020/09/28
「万宝山事件」朝鮮人を迫害から救うべく決起し、満洲事変へ
小澤開作と満洲事変・日中戦争(2)朝鮮人への迫害と闘う
満洲事変の直前、満洲では日本人排斥が猛威を振るっていた。張学良政権は「盗売国土懲罰令」を制定するが、これは日本人や朝鮮人に土地を貸したり売ったりした者を処罰するもので、まったく国際法を無視したものであった。これ...
収録日:2019/10/09
追加日:2020/09/21
満洲で「五族協和」に命を懸けた小澤征爾の父・小澤開作
小澤開作と満洲事変・日中戦争(1)少年時代の苦労と五族協和の夢
小澤開作は、彫刻家の小澤克己氏、口承文芸学者の小澤俊夫氏、指揮者の小澤征爾氏、俳優でエッセイストの小澤幹雄氏の四兄弟の父だが、実は満洲事変当時、満洲在住の日本人として「五族協和」の実現のために奮闘し、さらに日中...
収録日:2019/10/09
追加日:2020/09/14
日中戦争はやがて世界の問題に拡大、そして敗戦・・・
20世紀前半の日中関係~この歴史から何を学ぶか(3)
本年2015年は戦後70年の節目の年。しかし、中国や韓国ではいまだに反日教育が行われ、日本においても特に現代史の教育の欠如は否めない。歴史認識という価値観以前に、事実理解のギャップに問題があると感じた島田晴雄氏...
収録日:2015/07/07
追加日:2015/08/06
欧米列強に蹂躙された屈辱を晴らす―中華の偉大なる復興
中国の歴史認識・歴史の記憶と日中関係(1)中国共産党のレジティマシー
習近平と中国共産党が日本批判を強めているが、それは単に習近平が反日だからではなく、根本的な理由は、中国の「歴史認識」と「歴史の記憶」、そして中国共産党のスローガンにあるという。それは一体どういうことか。石川好氏...
収録日:2014/07/09
追加日:2014/08/07
今こそ石橋湛山。日本人の胆力が問われる正念場
中国の歴史認識・歴史の記憶と日中関係(4)終戦70年、日本の進むべき道
中国の反日運動は、終戦70周年の来年に向けて、ますます強まる。そのとき日本はどう振る舞うべきなのか。日本人の胆力が問われる時代、石川好氏が語る日本の進むべき道。シリーズ最終回。(全4話中第4話)
収録日:2014/07/09
追加日:2014/08/28
極東の小国が旧超大国・清に挑戦した日清戦争
20世紀前半の日中関係~この歴史から何を学ぶか(1)
本年2015年は戦後70年の節目の年。しかし、中国や韓国ではいまだに反日教育が行われ、日本においても特に現代史の教育の欠如は否めない。歴史認識という価値観以前に、事実理解のギャップに問題があると感じた島田晴雄氏...
収録日:2015/07/07
追加日:2015/08/06
現代の「担当大臣」の是非は戦前の「無任所大臣」でわかる
近現代史に学ぶ、日本の成功・失敗の本質(1)「無任所大臣」が生まれた経緯
日本の「組織」は、どうして失敗してしまうのか。その教訓は、歴史をひもとけば山ほど出てくる。たとえば、戦前日本の「無任所大臣」のあり方や「戦時中の省庁再編」を見れば、日本の組織改革がなぜ失敗するのかが、痛いほどよ...
収録日:2021/05/31
追加日:2021/08/04
大粛清、そして対日工作…スターリンの思惑と戦争への道
第二次世界大戦とソ連の真実(3)大粛清と戦争準備、そして対日戦略
ソ連では1937~1938年を中心に行われた大粛清で約70万人が殺害された。その大きな理由は、迫りくる戦争に向けた国内体制の整備だったともいわれている。それと同時に、赤軍の増強や日本への空襲の予行演習など、国内外で戦争に...
収録日:2021/12/06
追加日:2022/04/08
好戦的態度や青島領有に断固反対した湛山に学ぶ
中国の歴史認識・歴史の記憶と日中関係(2)石橋湛山の思想
来年2015年が、日中関係にとって最も重要な年になる。そして、そのときに思い出すべき人物は石橋湛山だ、と石川好氏は言う。それはなぜか。そのとき、私たちはどうしたらよいのか。石川氏が日中戦争の歴史を辿る第2弾。(...
収録日:2014/08/15
追加日:2014/08/14
地中海で学んだ通商破壊戦の重要性を帝国海軍は生かせず
第一次世界大戦100年と日本(3)生かされない教訓
日本人の第一次世界大戦に対する意識は、今も当時も希薄だ。だが、実は日本軍は陸軍・海軍ともに参戦し、地中海にも軍を派遣していた。第一次世界大戦における日本の意外な動向とその影響を、歴史学者・山内昌之氏が語る。シリ...
収録日:2015/04/15
追加日:2015/05/25
中国はアメリカの「孤立化」を仕掛けてくる
米中関係を見抜く(2)強硬策か宥和策か
現在のアメリカ対中政策は、中国の長期抗戦に引きずり込まれる形になっている。かといってアメリカは、トランプ政権や一部の学者たちの思惑通り、簡単に対中経済依存から脱出することもできない。だとすれば、アメリカの対中戦...
収録日:2019/06/28
追加日:2019/08/28
B面だった「露営の歌」大ヒットの秘密…旋律と歌詞の意味
古関裕而・日本人を応援し続けた大作曲家(5)「露営の歌」の大ヒット
1937(昭和12)年、日中戦争開始の年、ついに空前の大ヒット作が生まれる。発売数カ月で56万枚を記録した「露営の歌」だ。実はB面だったこの曲は、当時の大衆の圧倒的な支持を得て、戦時歌謡の一大ブームを巻き起こす。軍部の方...
収録日:2020/08/18
追加日:2020/10/27
国が潰れても関係ないノーメンクラトゥーラ根性の恐ろしさ
作用と反作用について…人間と戦争(1)大官僚主義の脳停止
執行草舟が、ウクライナ戦争にまつわる人間のあり方、そして「作用・反作用」について語る。まず取り上げるのは、2022年2月24日に始まった、ロシアによるウクライナ侵略である。この戦いの恐ろしいところは、相手がプーチンであ...
収録日:2022/05/19
追加日:2022/07/01
日本のバイタリティと近代管弦楽の融合…伊福部昭の独創性
伊福部昭で語る日本・西洋・近代(2)東洋が見直され始めた時代
チェレプニン賞で1位を獲得した伊福部昭。彼が作曲した「日本狂詩曲」は、日本の祭りのバイタリティと西洋近代のオーケストラの融合であった。民族音楽ではなく、世界のどこでも交響楽団と譜面があれば、日本の祭りが猛烈な音響...
収録日:2023/09/28
追加日:2023/11/18
武力で負けても文化で勝つ? 恐るべし「中原」の同化力
中国の「なぜ」(1)なぜ「中国は一つの国なのか」
なぜ中国は一つの国として存在し続けたのか。漢字、度量衡、社会インフラといった文化の力に焦点をあてながら、多民族興亡の中を生き延びてきた中国の国家像を示す。(全8話中第1話)
収録日:2013/08/05
追加日:2014/02/24
胡徳平氏が安倍首相に面会、高村正彦氏らが相次ぎ訪中
「日中」をめぐる保守の内部対立(3)今に至る二つの系譜と関係改善への期待
日中関係は最近になって進展どころか大きな危機を迎えた。その裏には国交正常化以来の自民党内の勢力地図の変化が絡んでいる。その大きな原因となった尖閣問題の経緯を解説しつつ、昨今みられる日中関係改善の兆しについて語...
収録日:2014/04/28
追加日:2014/05/15
『きけわだつみのこえ』を読むと今でも涙が止まらない
戦前派一日本人の憂鬱~太平洋戦争と敗戦後を顧みて…(1)
太平洋戦争敗戦から来年は早くも70年。「あの敗戦に学ぶべき教訓とは?」…。“徴兵検査”を受けた最後の世代である野田一夫氏が、自身の経験と知見に基づき、明治、昭和、平成、三つの時代を回顧しつつ、“戦後民主主義の劣化”に...
収録日:2014/07/18
追加日:2014/08/15
日本の軍人の多くは「武士道」のような美風を失っていた
戦前派一日本人の憂鬱~太平洋戦争と敗戦後を顧みて…(2)
太平洋戦争敗戦から来年は早くも70年。「あの敗戦に学ぶべき教訓とは?」…。“徴兵検査”を受けた最後の世代である野田一夫氏が、自身の経験と知見に基づき、明治、昭和、平成、三つの時代を回顧しつつ、“戦後民主主義の劣化”に...
収録日:2014/07/18
追加日:2014/08/22
第2次世界大戦での天皇の位置について知ることができる
昭和天皇実録~公開の歴史的意義
一般公開された『昭和天皇実録』とはいかなる書物なのか?10世紀以降に一時途絶えることもありながら、天皇の最初の祖とされる神武天皇から脈々と受け継がれてきたこの国史は、昭和天皇の生涯だけでなく、激動の時代「昭和史...
収録日:2014/09/03
追加日:2014/09/13
「Gゼロ」時代で日本はどのように行動すべきか?
「積極的平和主義」とは何か(5)「Gゼロ」時代と日本の安保意識
世界は多極化と混迷化の「Gゼロ」時代を迎えた。不安定な世界情勢の中、日本はどのように行動すべきなのか。オバマ政権の対応が及ぼす世界への影響を手すりに、日本が採るべき道を考える。(島田塾第115回勉強会 島田晴雄...
収録日:2014/07/08
追加日:2014/10/12
日本海軍の第二特務艦隊、地中海で奮戦す…その成果と教訓
第一次世界大戦から100年にあたって(3)第一次世界大戦における日本
概して、日本人の第一次世界大戦に対する見方は希薄であるが、この大戦が日本の立場を大きく変化させたのは確かである。その変化は何を日本にもたらしたのか? また何が第二次世界大戦の悲劇につながったのか? 山内昌之氏が...
収録日:2014/11/05
追加日:2014/12/30
世界で活躍するために日本の歴史・宗教・文化を知る
「島田村塾」リベラルアーツ特講(5)世界で活躍するために日本を学ぶ
リベラルアーツの仕上げは、やはり自国の歴史・宗教・文化を知ることにある。外から見た日本がいまだに「獰猛な軍国主義国家」の残像を残していることは、何にもまして知る必要がある。その上で、日本人の精神と生活を支える宗...
収録日:2014/12/05
追加日:2015/01/24
奴隷制も復活? 歴史学の作法に適わないイスラム国の主張
『歴史とは何か』を語る(5)ある断面から全体を語れるか
「イスラム国」の考え方は明らかにおかしいと、イスラム研究の第一人者・山内昌之氏は言う。「複合的な見方」がないからだ。それは一体何か。『歴史とは何か』を語るシリーズ・第5回。
収録日:2014/10/21
追加日:2015/07/23
アジアの人たちと心の絆を結ぶ―心のインフラの改善を
日中協調発展のために(2)歴史教育と道徳教育
歴史認識問題は、国際社会で非常に重視されており、日中、日韓だけでなく、グローバルな視点から考えなくてはいけない問題である。その認識を日本の中で広く共有するため、本質的な歴史教育の見直しの必要性を説くキヤノングロ...
収録日:2015/01/05
追加日:2015/03/31
なぜシナ事変が本格的な戦争にならざるを得なかったのか
本当のことがわかる昭和史《1》誰が東アジアに戦乱を呼び込んだのか(13)シナ側が仕掛けたシナ事変
1937年7月7日に勃発したいわゆる盧溝橋事件は、シナ事変(日中戦争)の直接の導火線になったといわれるが、4日後には停戦協定に調印を終え、軍事衝突は一応収まっている。なぜ、この事変が本格的な戦争にならざるをえな...
収録日:2014/11/17
追加日:2015/08/13
なぜ山本五十六は真珠湾への「奇襲攻撃」を選択したのか?
戦史に見る意思決定プロセス~日本海軍の決断(2)真珠湾攻撃・山本五十六
当時の日本海軍にとって画期的な作戦だった昭和16(1941)年12月8日の真珠湾奇襲攻撃は、連合艦隊司令長官・山本五十六の卓抜な決断によって可能となったものだった。海上自衛隊幹部学校長・山下万喜氏が、現代の意思...
収録日:2015/07/29
追加日:2015/09/24
「水道哲学」は貧乏克服、「産業報国」は商人の誇り
松下幸之助の経営理念(2)創業から戦後への歩み
パナソニック株式会社の「信条・綱領・七精神」をはじめ、松下幸之助は数多くの理念を文章化している。もちろん企業としての経営理念が中心だが、個人・社会人として見ても人生哲学に通じるものがある。今回は、「経営の神様」...
収録日:2016/02/18
追加日:2016/06/06
トランプ大統領と日米安保…日本から米軍が撤退したら?
トランプのアメリカと日本の課題(4)安保体制を見直す時
トランプ次期大統領が投げかけたもう一つの大きな課題は、日米安保体制の見直しだ。戦後60年間の日本の基礎は、日米安保と共にあり、それ抜きに現体制を維持することはできない。慶應義塾大学名誉教授・島田晴雄氏は、今こそ日...
収録日:2016/11/16
追加日:2016/12/02
なぜ日本人は信仰心が薄いのにモラルが高いのか
ローマ史に学ぶ戦略思考~ローマ史講座Ⅳ(8)質疑応答
欧米人からすると意外なのは、日本人のモラルの高さだ。早稲田大学国際教養学部特任教授・本村凌二氏によれば、その一つの解答が、新渡戸稲造の『武士道』である。誠実で実直な日本人は、陰謀や罠よりも正攻法で闘うことを選ん...
収録日:2016/09/30
追加日:2017/06/12
戦後日本はなぜインテリジェンスを軽視してきたのか?
インテリジェンス・ヒストリー入門(3)戦後日本の構造
戦後日本はなぜインテリジェンスを軽視してきたのか。そこには左翼勢力の反発、霞が関の権力争い、そしてアメリカという、情報を軽視せざるをえない構造があった。歴史学者で京都大学名誉教授の中西輝政氏が、昭和初期から戦後...
収録日:2017/11/14
追加日:2018/05/09
岡倉天心の『茶の本』…世界に向けた日本伝統文化の発信
岡倉天心『茶の本』と日本文化(1)岡倉天心の生涯
東京女子大学名誉教授の大久保喬樹氏が明治の美術運動家・岡倉天心の世界観、自然観を『茶の本』を通して解説する。天心は、幼少期より外国文化をたしなむ一方で、日本の伝統文化の重要性を説き、欧米の近代文化一辺倒であった...
収録日:2018/05/22
追加日:2018/07/01
元号を使う国は日本だけ…その意義と制定時の6つの留意点
元号とはなにか(5)元号の本質と将来の展望
かつて中国の制度を取り入れて始まったのが日本の元号だが、今や元号を使用する国は世界中で日本だけとなっている。第二次世界大戦後、連合国の占領時代には元号廃止論を唱える動きもあった。シリーズ最終話では、元号の本質を...
収録日:2018/09/13
追加日:2018/11/27
「日本の盛衰:40年周期説」に見る明治維新からの波
明治維新から学ぶもの~改革への道(21)40年周期説と近現代史の重要性
明治維新を出発点にすると、日本は約40年ごとに繁栄と衰退を繰り返し、2025年は次の「谷」に当たる。敗戦からの復興は前の時代を否定するパワーにより成功したが、バブル以降の失われた20年では既得権死守による再生産不能が引...
収録日:2018/11/13
追加日:2019/05/04
「強国・強軍」を目指す「中国の夢」とはどんな夢なのか
「中華民族の偉大な復興」と中国外交(4)「中国の夢」
中国外交の将来を占うためには、中国が掲げる「中国の夢」について理解する必要がある。個人の夢である「アメリカン・ドリーム」と異なり、「中国の夢」は1つの運命共同体として捉えられた国家・民族・個人の夢である。それは、...
収録日:2019/04/04
追加日:2019/06/11
なぜローマだけがあれだけ強大な国家になったのか
教養としての世界史とローマ史~ローマ史講座・講演編(9)ローマ人の特質
ローマはなぜ強大な国家になり、覇権を握ることができたのか。その理由に関してはいろいろな意見が出されている。本村凌二氏は特に、ローマ人の敬虔さおよび慎み深さ、ものごとを洗練させていく能力、そして寛容の精神に、その...
収録日:2018/11/28
追加日:2019/08/10
国益を確定する大事な要素はバランス・適切な制限・全体性
国家の利益~国益の理論と歴史(15)国益の確定
国益を確定するのに大事なのは「バランス」、そして国内における「適切な制限」と「全体性」だとされる。国家・国民の生存と安全、そのために必要なパワーの追求、国家の主要目標である死活的国益がバランスを失した例は戦時中...
収録日:2019/04/04
追加日:2019/08/11
中国は「長期抗戦」の構えでアメリカに臨む
米中関係を見抜く(1)中国の戦略
これから米中関係はどうなっていくのか。前提として確認する必要があるのは、米中関係は短期的な視座では決して理解することはできないということである。なぜならアメリカの強硬な姿勢に対し、中国は「長期抗戦」の構えで対米...
収録日:2019/06/28
追加日:2019/08/28
20世紀のクラシック音楽の特徴と「2つの方向」とは?
クラシックで学ぶ世界史(12)革命と戦争の20世紀音楽
20世紀の大衆の時代を迎え、音楽は国民を総動員するため、一層の分かりやすさを求められるようになる。また一方では、進歩の時代を体現するように、「新しさ」が最大のテーマにもなる。第二次大戦後の冷戦時代、東西の音楽はど...
収録日:2019/08/26
追加日:2019/12/28
貿易戦争を持久戦へと戦略転換した中国の思惑
米中ハイテク覇権戦争(3)米中首脳会談と持久戦
2019年5月以降も、米中の経済関係は予断を許さない状況が続いている。断続的に合意はなされるが、双方が態度を硬化しているために抜本的な解決策はいまだ見いだせない。中国政府は、トランプ大統領が再選に向けて動いていること...
収録日:2019/11/20
追加日:2020/01/26
米中ハイテク覇権戦争の展開と行方に関する4つの問題提起
米中ハイテク覇権戦争(9)4つの問題提起
米中ハイテク覇権戦争は今後どうなっていくのか。その展開と行方に関して、シリーズ最終話で島田晴雄氏が独自の視点から4つ問題提起をする。なかでもその最後で、「日本への警告と課題」として、この米中覇権戦争に直面して、日...
収録日:2019/11/20
追加日:2020/03/07
東条英機が開戦後に気がついた大日本帝国憲法の欠陥
戦前日本の『未完のファシズム』と現代(3)戦時の機能不全
明治憲法下で確立した天皇を中心とする分権システムはある程度有効だったが、戦争時のような緊急事態で、ついに機能不全に陥った。東条英機は開戦後に明治憲法の欠陥に気がつき、内閣総理大臣と参謀総長を兼務するようになるの...
収録日:2020/02/26
追加日:2020/06/30
知られざる皇道派の思想…その“密教”と“顕教”とは
戦前日本の『未完のファシズム』と現代(6)皇道派と統制派の対立
戦前日本の運命を考える上で、皇道派と統制派の対立は重要である。特に強国の経済力を目の当たりにした皇道派のビジョンが失敗に終わったことは、その後の日本の運命を決めることになる。(2020年2月26日開催・日本ビジネス協会...
収録日:2020/02/26
追加日:2020/07/21
「100年戦争」と考えて戦争に突入した日本の現実
戦前日本の「未完のファシズム」と現代(8)満州事変と世界大恐慌
日本の陸軍は第二次世界大戦を「100年戦争」であると見なした。勝てる見込みは少なかったにもかかわらず、天皇と国民の一体性という精神主義によって、総力戦になだれこんでいった。石原莞爾が満州事変を起こした時に描いたスト...
収録日:2020/02/26
追加日:2020/08/04
アメリカの過ちは冷戦の勝利で中国に幻想を抱いたこと
歴史から見た中国と世界の関係(3)戦後の中国に夢を抱いたアメリカ
第二次世界大戦での国民党の態度に幻滅したアメリカは、清廉潔白な共産党こそ民主主義の担い手という新たな夢を見る。ところが国民党との戦いに勝利した共産党政権はソ連に接近し、アメリカは中国を徹底的に敵対視する。その後...
収録日:2020/08/21
追加日:2020/10/05
米中関係の今後における3つの誤謬と中独関係の行方
歴史から見た中国と世界の関係(7)ドイツの親中路線は変わるか
日中戦争の時代、蒋介石に軍事顧問を送るなど、中国と独特の関係にあるドイツだが、やはり対中政策が変わりつつある。中でもマース外相は、「中国の側に立ってものを言うことはできない」といった発言をしている。メルケル首相...
収録日:2020/08/21
追加日:2020/10/19
本を買って書棚に並べれば、読まなくても知性は高まる
渡部昇一に学ぶ教養と明朗(9)本は自分で所有する
渡部昇一先生の書籍に対する根本的態度は、「本は自分で所有する」ということだった。電子書籍よりも、紙の本がいい。自分が必要だと思ったら、自分の本なのだから、赤線を引いたり、書き込んだりすることをためらわない。そう...
収録日:2020/09/09
追加日:2020/12/04
伊藤博文は大日本帝国憲法の致命的な問題点に気づいていた
近現代史に学ぶ、日本の成功・失敗の本質(2)明治憲法体制の弱点
第2次近衛内閣時代に無任所大臣を活用するという体制を試みたが、そもそも、この発想に至ったのは、当時の大日本帝国憲法(明治憲法)体制では行政がうまくいかないことが明らかになってきたからだった。そのことに憲法をつくっ...
収録日:2021/05/31
追加日:2021/08/11
岩倉具視の明治維新は第2の徳川幕府を作り出さないこと
近現代史に学ぶ、日本の成功・失敗の本質(3)天皇を中心とした近代国家へ
明治政府、特に岩倉具視が目指したのは、天皇中心の近代的な中央集権国家だった。そして、二度と天皇以外に実権を握られないように、権力が集中しないシステムをつくり上げたのだが、それが結果的に国を動かす際には矛盾をかか...
収録日:2021/05/31
追加日:2021/08/18
実は挙国一致内閣は弱体だった…そして大政翼賛会も挫折
近現代史に学ぶ、日本の成功・失敗の本質(4)政党政治の強さと挙国一致の弱さ
一般的な歴史認識では、政党政治が軍の圧力により潰れ、軍の独裁が始まったとあるが、実は政党政治はそのように弱いものではなく強力だった、と片山杜秀氏は言う。当時の政党政治、挙国一致内閣の実態、そして大政翼賛会の挫折...
収録日:2021/05/31
追加日:2021/08/25
東條内閣で官僚・山崎丹照が構想した強力政治実現への改革
近現代史に学ぶ、日本の成功・失敗の本質(5)大臣を増やすか、減らすか
「無任所大臣の活用」という発想は近衛内閣から東條内閣に引き継がれた。しかし、東條内閣時代はそれに異を唱える役人も登場した。官僚の中枢において、いわゆる「国家デザイン戦略」を担当していた山崎丹照という人物だ。彼は...
収録日:2021/05/31
追加日:2021/09/01
日本が開戦後に行った省庁再編、実態は「縄張り争い」
近現代史に学ぶ、日本の成功・失敗の本質(7)非常時の省庁再編とその実態
第2次世界大戦中、非常時に対応する名目で省庁再編が行われた。外交や行政を円滑に進めることが目的だったが、実態は「縄張り争い」だった。その結果、どうなったのか。省庁再編によって起こった内実に迫る。(全9話中第7話)
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収録日:2021/05/31
追加日:2021/09/15
左遷をバネに勇躍する岸信介、その成長の契機に迫る
岸信介と日本の戦前・戦後(3)満洲への「左遷」
商工省で統制経済の知見を深めていた岸信介だが、官僚時代のキャリアにおいて大きな転機となったのは、満洲への「左遷」だった。近年の研究を参照すると、満洲での功績として挙げられる「満洲産業開発五カ年計画」の内実は、こ...
収録日:2022/09/02
追加日:2023/03/04
東條英機と喧嘩…サイパン島陥落迫る日本と岸信介の覚悟
岸信介と日本の戦前・戦後(4)経済新体制と岸・東條の対立
満洲国での大規模な産業開発を指揮する経験を経て、大物とも渡り合う政治力を身につけた岸信介。しかしその後、商工次官や商工大臣を歴任するも、岸はその中でさまざまな挫折を経験することになる。満洲国から帰国した後の岸の...
収録日:2022/09/02
追加日:2023/03/11
エリート、理念重視、自民党近代化…福田赳夫を深掘りする
福田赳夫と日本の戦後政治(9)ぶれない政治家と自民党での役割
派閥争い、金権政治という荒波を乗り越えて、自身の政治理念を貫き通した福田赳夫の政治家人生。どのようにして、福田のような政治家が生まれるに至ったのか。また、福田の掲げた理念は、今の自民党政治にとってどのような意味...
収録日:2022/09/29
追加日:2023/07/07
『ペルシャの幻術師』が出世作の司馬遼太郎、実は日本嫌い
司馬遼太郎のビジョン~日本の姿とは?(4)日本嫌いと大陸ロマン
「蒙古語」と呼ばれていたモンゴル語を専門にした学生時代の司馬遼太郎。当時、エリートコースにうまく乗れなかった挫折感もありモンゴル語を選んだ司馬だったが、彼が夢見たのは大陸で自由な旅をする「馬賊」になりたいという...
収録日:2023/03/16
追加日:2023/06/11
吉本隆明の思想を凝縮した敗戦時20歳の回想「戦争と世代」
小林秀雄と吉本隆明―「断絶」を乗り越える(4)純粋戦中世代の葛藤―吉本隆明の「起点」
「戦後最大の思想家」ともいわれる吉本隆明について考える第4話。伝統を重視する小林秀雄を保守と捉えるならば、吉本隆明は新左翼を肯定する左派のイメージが強いが、実際は異なる。そこで、まずは純粋戦中世代である吉本隆明の...
収録日:2023/04/07
追加日:2023/09/05
歴史は「韻を踏む」…これからの日本経済のための視座
歴史的転換点における影の主役「インフレ」(3)「韻を踏む」歴史に学ぶ
「インフレと恐慌」と呼ばれる経済危機が繰り返し訪れる、第1次世界大戦以降の日本経済、財政政策の顛末には、当時との共通点の多い現在の日本が学ぶべき教訓が大いにある。最終話の今回は、戦間期終盤から戦後の日本を振り返り...
収録日:2023/12/26
追加日:2024/02/29
全面戦争はできない!?戦後のソ連の思惑と米ソ軍備拡張競争
歴史から考える「ロシアの戦略」(4)ソ連の極東戦略と戦後の米ソ対立
ソ連の基本戦略は強国との対決を避けることである。強国の中でソ連にとって最大の敵はアメリカである。では第2次世界大戦から戦後にかけてソ連はどのような動きをしていたのか。その流れを追いながら、自国維持のためにアメリカ...
収録日:2024/01/18
追加日:2024/03/11
「一匹と九十九匹と」…政治と文学の関係を問うた福田恆存
福田恆存とオルテガ、ロレンス~現代と幸福(4)福田恆存とは誰か?
福田恆存とはいったい誰なのか。消費社会化した日本の「大衆化」の問題を指摘し、また大きな業績の1つとして『シェイクスピア全集』を全て翻訳した福田恆存の思想に迫る前段として、彼の生涯、その人物像を確認しておきたい。下...
収録日:2024/05/10
追加日:2024/07/07