大カトーが主張した父親の責任。古代ローマ人は教育熱心
江戸とローマ~「父祖の遺風」と武士道(2)ローマ人が大事にした子どもの教育
騎士道精神はキリスト教道徳に付随するものだったが、武士道や父祖の遺風はそうではない。それらは多神教社会、すなわち多様な価値観を認めるローマと江戸の社会において育った価値観である。今回は、ローマの貴族一家において...
収録日:2021/07/16
追加日:2022/11/19
落書きの誤字脱字でわかる古代ローマ人のリテラシー
江戸とローマ~図書館と貸本屋(2)識字率と落書き
古代ローマでは、貴族階級は家庭教師や父親から、一般の庶民は街に集まってそれぞれ文字を学んだ。公務員や兵士になるためにはそれが必要だからだ。特にアルファベットは20数文字と覚えやすく、非常に使い勝手のよいツールであ...
収録日:2021/06/16
追加日:2022/07/03
なぜローマだけがあれだけ強大な国家になったのか
教養としての世界史とローマ史~ローマ史講座・講演編(9)ローマ人の特質
ローマはなぜ強大な国家になり、覇権を握ることができたのか。その理由に関してはいろいろな意見が出されている。本村凌二氏は特に、ローマ人の敬虔さおよび慎み深さ、ものごとを洗練させていく能力、そして寛容の精神に、その...
収録日:2018/11/28
追加日:2019/08/10
遺書「神皇アウグストゥス業績録」に記された内容とは?
ローマ帝国皇帝物語~ローマ史講座Ⅴ(3)権力より権威を重視したローマ人
早稲田大学国際教養学部特任教授・本村凌二氏が、古代ローマ歴代の支配者に焦点を当てて解説していく。第3話ではオクタウィアヌスが書いた、後に『神皇アウグストゥス業績録』と呼ばれる長大な遺書の内容を取り上げる。彼はその...
収録日:2017/06/16
追加日:2017/08/03
アッピア街道はなんのために?古代ローマ人の気質と戦い
ローマ史に学ぶ戦略思考~ローマ史講座Ⅳ(3)支配の拡大とポエニ戦争
日本がようやく弥生時代になろうかという時、ローマ人はすでに高度な文明を築いていた。アッピウス・クラディウスの進めたアッピア街道はその一例だが、時に街道は、敵を誘い込むリスクともなる。早稲田大学国際教養学部特任教...
収録日:2016/09/30
追加日:2017/06/03
カエサルの寛容―「敵を許す」ローマ人の精神性
古代ローマ人に学ぶ~ローマ史講座Ⅱ(5)カエサルの寛容を現代に生かす
ローマの「自由と寛容」のうち、「カエサルの寛容」と呼ばれる精神はローマ人の精神性をよく表す。内乱の一世紀に生まれ、内外の戦闘・政争に勝ち続けたカエサルは、どのようなリーダーだったのか。古代ローマ史を専門とする東...
収録日:2016/10/20
追加日:2017/02/10
ルクレティアの悲劇に象徴されるローマの共和政
古代ローマ人に学ぶ~ローマ史講座Ⅱ(4)ローマの自由と寛容を知る
ローマとローマ人精神を語る上で「自由と寛容」は欠かせない、と古代ローマ史を専門とする東京大学名誉教授・本村凌二氏は言う。ローマ人たちは、征服した土地の神さえ自分たちの神として神殿に祀り、その土地の人々を自分たち...
収録日:2016/10/20
追加日:2017/02/03
「父祖の遺風」と「武士道」-ローマと日本の伝統に学ぶ
古代ローマ人に学ぶ~ローマ史講座Ⅱ(3)ローマと日本に相通じる精神
東京大学名誉教授・本村凌二氏によるローマ帝国とローマ人の特性に関する連続講義。前回に引き続き、ローマをローマたらしめた「父祖の遺風」について考える。「父祖の遺風」の本質的な部分にフォーカスすると、見えてくるのは...
収録日:2016/10/20
追加日:2017/01/27
「父祖の遺風」は古代ローマ人が常に大事にした行動基準
古代ローマ人に学ぶ~ローマ史講座Ⅱ(2)「父祖の遺風」と子育て
東京大学名誉教授・本村凌二氏が、われわれ現在人の行動や思考のヒントを得るために、古代ローマ帝国とローマ人の特性について分析・解説する。今回取り上げるのは、ローマ人がその行動基準として非常に重視していた「父祖の遺...
収録日:2016/10/20
追加日:2017/01/23
現代にも影響する快適な生活…古代ローマの水道はなお現役
古代ローマ人に学ぶ~ローマ史講座Ⅱ(1)実利精神が生んだソフトとハード
東京大学名誉教授・本村凌二氏が、古代ローマ帝国の強さの秘密と古代ローマ人の特性について徹底分析、われわれ現代人の生活のヒントを探る。第1話では、古代ローマ人の優れた実利精神にフォーカスする。古代ローマが生み、育...
収録日:2016/10/20
追加日:2017/01/14
古代ローマ人は祖国意識から「専守防衛」の考え方をもった
世界史の中のローマ史~ローマ史講座Ⅰ(3)“祖国”を発見したローマ人
「“祖国”というものを発見したのはローマ人ではなかったか」と、早稲田大学国際教養学部特任教授・本村凌二氏は言う。それまで、祖国という観念はなかったというのだ。それはいったいどういうことか。ローマ人は私たちに何を残...
収録日:2016/07/21
追加日:2016/12/07
ローマ人の宗教的な敬虔さはどこの民にも負けないーキケロ
世界史の中のローマ史~ローマ史講座Ⅰ(2)ローマ人は何が優れていたのか
「ローマ人自身が、われわれはなぜ地中海の覇権を握ることができ、なぜこれほどの大帝国を築けたのかと疑問に思っていた」と、早稲田大学国際教養学部特任教授・本村凌二氏は語る。では、ローマ人はいったい何が優れていたのか...
収録日:2016/07/21
追加日:2016/11/30
ローマ帝国滅亡の理由を3つの観点から考える
教養としての世界史とローマ史~ローマ史講座・講演編(10)ローマ帝国の衰退
ローマ帝国が衰退した理由について、「経済の衰退」・「帝国の衰退」・「文明の変質」の3つから説明が展開される。そして本村凌二氏は、ローマ帝国の失敗から学び、現代のわれわれは教訓を得るべきだと言う。それはどのような教...
収録日:2018/11/28
追加日:2019/08/10
なぜ「父祖の遺風」がローマと江戸に共通する価値観なのか
ローマ史と江戸史で読み解く国家の盛衰(1)父祖の遺風
1200年に及ぶ古代ローマ史と、260年以上続いた江戸時代。この二つの歴史は、国家や組織について学ぼうとする者には宝の山である。本シリーズは、古代ローマ史がご専門の本村凌二氏と江戸時代を中心に執筆活動を行う中村彰彦氏の...
収録日:2019/08/06
追加日:2019/12/19
ローマ水道と江戸の上水、卓越した両者の水道システム
江戸とローマ~テルマエと浮世風呂(1)卓越した水道システム
日本人と古代ローマ人の共通点は、他者のアイデアを洗練させ、改良して持続するところにあった。オリジナリティにこだわらないことがその強みになったのである。注目すべきは水道、そしてお風呂(公衆浴場)だ。今回は古代ロー...
収録日:2021/05/24
追加日:2022/02/04
なぜ新渡戸稲造は『武士道』を英語で著したのか
江戸とローマ~「父祖の遺風」と武士道(1)誠実さと新渡戸稲造『武士道』
ローマと日本の共通項として、オリジナリティのなさが指摘されることがある。かつて西欧のモノマネと蔑まれていた日本がモノづくり大国に成長するには、人間としての誠実さが不可欠だった。実はローマにも共通する誠実さの源、...
収録日:2021/07/16
追加日:2022/11/12
新渡戸稲造が『武士道』で説く上杉謙信とカミルスの「義」
江戸とローマ~「父祖の遺風」と武士道(4)上杉謙信とカミルス
今も年末が近づくたびにドラマで再演される『忠臣蔵』は、武士道が大切にした「義」の世界を描き出したものだ。新渡戸稲造の『武士道』には、大量に古代ローマのエピソードが掲載されている。戦国武将の振る舞いと共通するロー...
収録日:2021/07/16
追加日:2022/12/03
サビニ人略奪に見られる初期ローマの「ならず者」的性格
ローマ史に学ぶ戦略思考~ローマ史講座Ⅳ(2)ならず者国家・ローマ
丸山眞男や塩野七生が言ったように、約1,200年続いたローマ史には、魅力ある人物や出来事が詰まっている。早稲田大学国際教養学部特任教授・本村凌二氏によれば、建国時のローマは、現在のISのような、いわば「ならず者国家」だ...
収録日:2016/09/30
追加日:2017/05/31
ローマが見識を磨いていくために重視した「父祖の威風」
独裁の世界史~ローマ編(2)見識を育んだ「父祖の威風」
ローマの政治や歴史を知る上で、元老院の存在は大きい。300人の元老院がそれぞれの見識を持つことで、ローマの政治は成り立っていった面がある。その見識を育むのは、家族の歴史を知り、自分も負けないようになる「父祖の威風」...
収録日:2019/12/19
追加日:2020/05/09
トラヤヌスのダキア併合…今に残るローマとルーマニアの縁
五賢帝時代~ローマ史講座Ⅷ(3)トラヤヌスの功績~ダキアの併合~
ネルウァに後継者として指名されたトラヤヌスは軍功を挙げた皇帝であったが、代表的なのがダキアの併合である。東京大学名誉教授の本村凌二氏が、ローマの属州となったダキアが今日のルーマニアのアイデンティティにいかなる影...
収録日:2018/02/08
追加日:2018/05/14
ローマ建国の伝説に秘められた意外な歴史とは
教養としての世界史とローマ史~ローマ史講座・講演編(8)ローマ史を振り返る
「人類の経験の全てが詰まっている」といわれるローマ史を簡単に振り返る。そこでは、ローマ建国の伝説、ローマ共和政の成立とローマ文化の発展、ポエニ戦争での勝利とローマの覇権掌握、この3つの時期に分けた解説が展開される...
収録日:2018/11/28
追加日:2019/08/03
ローマ共和制の「独裁者を許さない」原則とは?
ローマ帝国への道~ローマ史講座Ⅲ(4)共和制500年の第一原則
早稲田大学国際教養学部特任教授・本村凌二氏によるローマ帝国形成への経緯をたどる連続講義。共和制国家として500年の伝統を持つローマが、その第一原則として徹底的にこだわったのは「独裁者を許さない」ということだった。こ...
収録日:2016/12/16
追加日:2017/04/05
諷刺精神に富んだパックス・ロマーナ、悲劇より喜劇が人気
江戸とローマ~諷刺詩と川柳・狂歌(1)諧謔精神の爛熟
古代ローマと江戸を比較するうえで、社会のゆとりは欠かせない。200年以上続いた江戸の平和は、ほぼ同じぐらい続いた「パックス・ロマーナ」に匹敵し、庶民にも生活文化を楽しむ心が磨かれていった。両者に共通するのは、物事に...
収録日:2021/06/16
追加日:2022/03/14
なぜ日本人は信仰心が薄いのにモラルが高いのか
ローマ史に学ぶ戦略思考~ローマ史講座Ⅳ(8)質疑応答
欧米人からすると意外なのは、日本人のモラルの高さだ。早稲田大学国際教養学部特任教授・本村凌二氏によれば、その一つの解答が、新渡戸稲造の『武士道』である。誠実で実直な日本人は、陰謀や罠よりも正攻法で闘うことを選ん...
収録日:2016/09/30
追加日:2017/06/12
カリグラ、ネロ、ドミティアヌス…悪帝と「記憶の断罪」
フラウィウス朝時代~ローマ史講座Ⅶ(4)ドミティアヌスの恐怖<下>
ドミティアヌスの治世は81年から96年にかけての15年間。その間に競技場建設をはじめ多数のインフラ整備が行われた。首都ローマばかりでなく属州への目配りも大切にした皇帝は、兵士たちも優遇する。そんな彼がなぜ「記憶の断罪...
収録日:2017/11/17
追加日:2018/04/10
一神教のキリスト教が広まった理由…迫害から公認への歴史
教養としての世界史とローマ史~ローマ史講座・講演編(4)一神教としてのキリスト教
一神教であるキリスト教の登場と普及は、世界史における重要な転換点である。キリスト教はなぜ普及したのか、そしてなぜローマにおいてキリスト教は迫害されたのであろうか。その理由が、一神教の特徴とローマの文化という観点...
収録日:2018/11/28
追加日:2019/07/27
古代ローマの敗戦将軍の扱いに通じる幕末期の敗者の処遇
ローマ史と江戸史で読み解く国家の盛衰(7)敗者と人材
多くの国で敗戦将軍は処刑されるが、ローマは彼らをすでに屈辱という社会的制裁を得た者とし、捲土重来を期すべく処遇した。日本の将棋では、寝返ったものを仲間に迎える思想が取った駒を再使用するルールに現れている。負けて...
収録日:2019/08/06
追加日:2020/01/30
独裁政・貴族政・民主政のバランスが取れていた古代ローマ
独裁の世界史~ローマ編(1)なぜローマは帝国になったか
長い世界史のなかで共和政期における古代ローマと中世におけるヴェネツィアは、独裁政の抑制に働いた二つの国家として注目に値する。今回のシリーズではローマの成り立ちと、政治の仕組みを見ていく。第1話では、なぜローマは帝...
収録日:2019/12/19
追加日:2020/05/02
選挙運動にも利用されていた剣闘士興行
江戸とローマ~花見と剣闘士(3)剣闘士興行と戦車競走
剣闘士興行は円形闘技場で行われていたが、そのための施設がローマ帝国内に300ほどもあったといわれる。また、戦車競走は年に十数回、剣闘士興行は春秋の数十回。開催日は祝日となり、庶民は心待ちにしていたという。主催者は皇...
収録日:2021/05/24
追加日:2021/11/29
私心を捨てる――幕臣・山岡鉄舟が体現した武士道
江戸とローマ~「父祖の遺風」と武士道(6)武士道の喪失と現代社会の問題
新渡戸稲造の『武士道』には、古代ローマの「父祖の遺風」に訴えるエピソードが多数盛り込まれていた。「義」を貫き、相手への思いやりを「惻隠の情」として表し、私心を捨て捨て身になることの大切さである。幕末には武士道を...
収録日:2021/07/16
追加日:2022/12/17
司教アンブロシウスの気概がキリスト教の追い風になった
ローマ史に学ぶ戦略思考~ローマ史講座Ⅳ(7)キリスト教確立への影響
早稲田大学国際教養学部特任教授・本村凌二氏は、ローマ史のあり方が、その後のキリスト教の拡大にも大きく影響したという。本村氏が重要人物として挙げるのが、生粋のローマ人である司教アンブロシウスだ。彼は時の皇帝テオド...
収録日:2016/09/30
追加日:2017/06/11
アフリカ出身のセプティミウス・セウェルがローマ皇帝に
五賢帝時代が去って~ローマ史講座Ⅸ(2)新時代の到来
東京大学名誉教授の本村凌二氏が五賢帝時代終焉後から軍人皇帝時代になるまでの皇帝たちを語る古代ローマ史シリーズ。第2話はコンモドゥス暗殺後に出現したセプティミウス・セウェルスを取り上げ、2千年後のオバマ大統領と比較...
収録日:2018/07/02
追加日:2018/09/05
なぜスパルタはローマのように世界帝国にならなかったのか
独裁の世界史~ギリシア編(11)スパルタとローマの違い
ペロポネソス戦争でアテネに勝利したスパルタは、重装歩兵が発展した形だが、市民間の平等が徹底していたことで知られる。そのスパルタがローマのように世界帝国にならなかったのはなぜだろうか。キーワードは「エリート」かも...
収録日:2019/12/03
追加日:2020/04/11
すべての道はローマに通ず――今も残るアッピア街道の軌跡
江戸とローマ~アッピア街道と東海道(1)ローマに通じる道
「すべての道はローマに通ず」――手段や方法は違っていても、中心となる真実、あるいは真理は一つだということわざだが、実際、ローマ帝国の道はローマを起点につくられた。つまり、すべての道は「ローマに始まる」のである。軍...
収録日:2021/08/20
追加日:2023/07/05
アウグストゥスが強調した「権威」、象徴としての街道
江戸とローマ~アッピア街道と東海道(2)権威に通じる道
アウグストゥスが『業績録』の最後に強調したのは「権威」だった。大規模な道路建設に、多大な動員力を要するのはいうまでもないが、それは単なる権力だけでなく、「権威」を意味している。ローマの権威とは、それまでに培われ...
収録日:2021/08/20
追加日:2023/07/12
古代ローマの歴史は2000年!人類史の経験の殆どがある
世界史の中のローマ史~ローマ史講座Ⅰ(1)人類の文明史とローマ史
古代ローマ帝国の歴史が2000年に及ぶことをご存じだろうか? 2000年といえば西暦の全期間にほぼ匹敵する。それだけの長期にわたったローマ史には「人類史の経験のほとんどがある」とさえ言われ、ローマを知ることは現代を考え...
収録日:2016/07/21
追加日:2016/11/23
意外な行政手腕を発揮した4代皇帝クラウディウスの弱点
ユリウス・クラウディウス朝~ローマ史講座Ⅵ(3)弟の弱点
早稲田大学国際教養学部特任教授の本村凌二氏が、ローマ帝国初期ユリウス・クラウディウス家の5人の皇帝を中心に古代ローマ史を解説。3代皇帝カリグラが暗殺され、かつぎ出されたのはゲルマニクスの弟、クラウディウスだった。...
収録日:2017/08/07
追加日:2017/09/14
救国の英雄にも独裁を許さなかったローマの共和制
五賢帝時代~ローマ史講座Ⅷ(1)暴君と共和制の長い伝統
東京大学名誉教授の本村凌二氏が、五賢帝時代について語るシリーズレクチャー。第1話の今回は、その前史としてカエサル登場までの500年にわたる共和制の長い伝統について語られる。カルミス、スキピオ、スッラカルミス、スキピ...
収録日:2018/02/08
追加日:2018/05/12
50年で約70人の皇帝が乱立した軍人皇帝時代
軍人皇帝時代のローマ史~ローマ史講座Ⅹ(1)軍人皇帝の出現と乱立
軍人皇帝時代は「3世紀の危機」とも呼ばれている。ローマ皇帝の地位が軍人出身者によって占められ、頻繁に交替した激動の時代である。235年のアレクサンデル・セウェルス暗殺から285年のディオクレティアヌス帝まで、約半世紀の...
収録日:2018/08/29
追加日:2019/01/03
軍人皇帝時代に終止符を打ったディオクレティアヌス
軍人皇帝時代のローマ史~ローマ史講座Ⅹ(5)ディオクレティアヌスの改革
乱脈極まる軍人皇帝時代の終止符は、284年に打たれる。徹底的なローマ帝国の再建に向け、新皇帝ディオクレティアヌスによる改革は「聖域なき」ものであったようだ。第5回では、ローマ3世紀の危機脱出に向かうディオクレティアヌ...
収録日:2018/08/29
追加日:2019/01/31
カエサルにも匹敵するディオクレティアヌスの優れた資質
軍人皇帝時代のローマ史~ローマ史講座Ⅹ(6)ディオクレティアヌスの評価
ローマ皇帝といえば誰もがカエサルを思い浮かべる。しかし、その業績や時代背景、政敵への処し方を考えると、もっと優れた人物がいたのではないか。最終回では、ディオクレティアヌスの優れた資質について、また、彼に対する評...
収録日:2018/08/29
追加日:2019/02/07
ゲルマン民族大移動と現代の移民・AI…なぜ比較すべきか
教養としての世界史とローマ史~ローマ史講座・講演編(6)世界史の中の異民族
「世界史の中の異民族」に着目することも、世界史を見ていく上での切り口の一つとして挙げられる。4世紀末からのゲルマン民族の移動がローマ帝国に大きな影響を与えたように、異民族の侵入や異なる文化規範の登場は大きな影響を...
収録日:2018/11/28
追加日:2019/07/27
日本が「外交下手」といわれる理由を幕末から読み解く
ローマ史と江戸史で読み解く国家の盛衰(6)衰退の原因
ローマ帝国の衰亡は世界史の重要テーマだが、経済・国家・文明の衰退と変質によって読み取るべき出来事だと本村凌二氏は言う。江戸から明治維新への流れに、大きな外圧と薩長などの内圧の両面を見る必要があるのと同様だ。両者...
収録日:2019/08/06
追加日:2020/01/23
古代ギリシアの民主政と古代ローマの共和政、その違いとは
独裁の世界史~ギリシア編(3)民主政と共和政の違い
古代ギリシアのポリスで行われていた民主政を知るために、ローマの共和政と比較してみよう。全員平等の政治参加を旨とするギリシア、「見識のある人」に政治を任せ平民が保護されるローマ。歴史はどちらに軍配を上げたのだろう...
収録日:2019/12/03
追加日:2020/03/14
モンテスキューがイギリスの党派争いの中に見た政治的自由
政治思想史の古典『法の精神』と『社会契約論』を学ぶ(3)不協和の調和
モンテスキューは、立法、執行、司法という三権の機能的分立だけではなく、諸集団の間の実体的三権分立にも着目していた。イギリスの党派争いを観察する中で、諸集団が激しく対立し合いながらバランスを取ることで政治的自由が...
収録日:2020/08/17
追加日:2020/10/03
ルソーの「一般意志」とは…『社会契約論』で説いたこと
政治思想史の古典『法の精神』と『社会契約論』を学ぶ(6)「一般意志」と直接民主政
「一般意志」とは何かを考えるために、ルソーは個々人の利益を追求するための意志である「特殊意志」と、その単なる総和である「全体意志」を持ち出す。この一般意志と全体意志の間には埋めがたい差異がある。一般意志を追求す...
収録日:2020/08/17
追加日:2020/10/24
「平等」を基調にした社会主義・共産主義の失敗に学ぶ
独裁の世界史~ファシズム編(7)独裁の意味を問い直す
現代社会が直面する難問の多くは国境を越えたグローバルなものである。一国では対処できない問題にどう立ち向かうかということは、これまで考えてきた「独裁」とも密接に関わってくる。未来に向かうには、やはり過去を見つめる...
収録日:2020/01/30
追加日:2021/04/21
ポンペイのファストフード店、遺跡が物語るローマの酒文化
江戸とローマ~日本酒とワイン(2)ローマの酒文化とファストフード
現在では醸造酒を薄めて飲む習慣はないが、江戸やローマでは今より濃厚な原酒が水割りで飲まれていた。ポンペイからは、ワインとファストフードを商う「テルモポリウム」が出土している。夜間照明のない時代、午後になると貴族...
収録日:2021/07/16
追加日:2022/08/28
「狂気」といえるほどの信念を失ったとき国は衰亡していく
人生のロゴス(7)「狂」といえるほどの信念
〈これは狂気かもしれない。しかし筋が通っている〉。この言葉が意味するのは、人間の歴史や人間生命の道理に適っていれば、「狂」の部分があってもいいということである。過去を振り返れば、「狂」が歴史をつくってきた例は、...
収録日:2023/03/29
追加日:2023/07/07
アウグストゥスがお手本、老人にとっていかに権威が大事か
キケロ『老年について』を読む(8)「権威」という褒美
古代ローマには「権威をもって支配せよ」という言葉がある。つまり権力も必要だが、最後に重んじられるのは権威であるということだ。アウグストゥスがローマ皇帝の地位を得た理由もそこにある。権威を保つには自制心が必要で、...
収録日:2023/06/12
追加日:2024/02/24
中国史の「中原」に当たるのが米国の「独立十三州」
アメリカの建国の理念と中華思想の類似性
中原より発し、自らを太陽と見なし、その光で世界を遍く照らし出すことを使命とした、中国。そのありようは、「自由・人権・民主」を掲げるアメリカ合衆国と酷似する。両者の共通性と違いを、石川好氏が解説する。
収録日:2013/10/31
追加日:2014/04/24
迫害、離散…古代イスラエルからのユダヤ人の悲劇の歴史
イスラエルの安全保障観に学ぶ(2)古代イスラエルの滅亡と「ディアスポラ」
ユダヤ人の悲劇の歴史は、実は古代イスラエルに端を発している。ローマ帝国に国を滅ぼされ、1900年に及ぶ流浪の日々を送らねばならなかったユダヤ民族は、生きるために世界中で、さまざまな分野で必死の努力を続けたのだ。...
収録日:2014/07/08
追加日:2014/11/06
イスラム、中国、インドの歴史を知らずにいるのは大問題
「島田村塾」リベラルアーツ特講(3)学校では教えない「イスラム」
「長い間、イスラム文明を学ぶ機会がなかった」と振り返る島田晴雄氏。イランについて調べるため、本を何十冊か読んでいるうちに、大きな発見をしたという。果たしてその発見とは? かつて世界を支配した偉大なイスラム文明に...
収録日:2014/12/05
追加日:2015/01/22
「神の国は近づいた」…では、それはどこにあるのか?
キリスト教とは何か~愛と赦しといのち(2)「神の国」はどこにあるのか
イエスが伝道を始めた最初の言葉は、「神の国は近づいた」だった。では神の国とはどこにあるのか。この問いは重要だ。上智大学神学部教授・竹内修一氏によれば、神の国とは私たちが想定するような「あの世」ではない。神の国は...
収録日:2016/12/26
追加日:2017/03/07
カエサルはなぜ暗殺されたのか?
ローマ帝国への道~ローマ史講座Ⅲ(6)「ブルータス、お前もか」
早稲田大学国際教養学部特任教授・本村凌二氏によるローマ帝国に関する連続講義第6話。今回は、多くの人間的魅力、カリスマ性をもったカエサルが、なぜ反対勢力から危険視され、暗殺されるに至ったのかという点を掘り下げる。そ...
収録日:2016/12/16
追加日:2017/04/19
ディオクレティアヌスはローマの「3世紀の危機」を救った
ローマ史に学ぶ戦略思考~ローマ史講座Ⅳ(6)ディオクレティアヌスの潔さ
ローマは、暴君や軍人皇帝の出現で度々混乱に見舞われたが、そのたびに復活してきた。早稲田大学国際教養学部特任教授・本村凌二氏は、そのような英雄としてウェウパシアヌスやディオクレティアヌスを挙げる。特にディオクレテ...
収録日:2016/09/30
追加日:2017/06/10
オクタウィアヌス、アントニウスと女王クレオパトラ
ローマ帝国皇帝物語~ローマ史講座Ⅴ(1)オクタウィアヌスとアントニウス
早稲田大学国際教養学部特任教授・本村凌二氏による古代ローマ史連続講義。500年の長きにわたって共和政を維持してきた古代ローマは、カエサルを境にいよいよ「1人の支配者」の時代へと動き出す。2回の三頭体制を経て、ローマの...
収録日:2017/06/16
追加日:2017/07/20
アウグストゥスが後継者問題でみせた血統へのこだわり
ローマ帝国皇帝物語~ローマ史講座Ⅴ(5)後継者選びの苦悩
「国家の父」として以後200年続く「パクス・ロマーナ(ローマの平和)」を実現したアウグストゥス。彼がカエサルによって後継者に指名されたのは17歳の時だったが、自身の後継者選びには大いに苦悩することとなる。初代皇帝の後...
収録日:2017/06/16
追加日:2017/08/17
アウグストゥスの称号を得たオクタウィアヌスは政治的天才
ユリウス・クラウディウス朝~ローマ史講座Ⅵ(1)初代の悩み
早稲田大学国際教養学部特任教授の本村凌二氏が、ローマ帝国初期ユリウス・クラウディウス家の5人の皇帝を中心に古代ローマ史を解説。カエサル暗殺後、アントニウスとの対立を制したオクタウィアヌスは、アウグストゥスの称号を...
収録日:2017/08/07
追加日:2017/09/10
皇帝ティトゥスが残忍から善人に変貌した理由
フラウィウス朝時代~ローマ史講座Ⅶ(3)皇帝ティトゥスの変貌
早稲田大学国際教養学部特任教授の本村凌二氏による「フラウィウス朝時代」のローマ皇帝物語。今回取り上げるのは、ウェスパシアヌスの死後、跡を継いだ長男ティトゥス。彼は皇帝になるや人が変わったような善人ぶりを見せて周...
収録日:2017/11/17
追加日:2018/03/27
ローマの皇帝に必要だと言われた2つの資質は?
五賢帝時代~ローマ史講座Ⅷ(2)暴君の経験を経てネルウァ登場
五賢帝時代はどのように始まったのか。東京大学名誉教授の本村凌二氏が、カリグラ、ネロ、ドミティアヌスという五賢帝時代前の暴君の経験を経てネルウァが登場するまでを、グラビタスとレビタスという2つの皇帝の資質から語る。...
収録日:2018/02/08
追加日:2018/05/13
ハドリアヌスの属州視察と文化事業との関係
五賢帝時代~ローマ史講座Ⅷ(5)ハドリアヌスの文化事業
トラヤヌスに比べて文人肌だった皇帝ハドリアヌスは、治世の半分を属州の視察旅行に努めた。この結果、各地にハドリアヌス時代の建築物が造られることとなる。また、彼は詩人と詩作を取り交わすレビタス(軽々しさ)も持ち合わ...
収録日:2018/02/08
追加日:2018/05/21
哲人皇帝マルクス・アウレリウス…ストア哲学的な生き方とは?
五賢帝時代~ローマ史講座Ⅷ(8)マルクス・アウレリウスとストア哲学
マルクス・アウレリウスは『自省録』という書を著したストア哲学者でもあり、プラトンが理想とした、哲人皇帝でもあった。今日なお重要とされるストア哲学の「不動心」とはどのようなものか。そして彼はどのような人物だったの...
収録日:2018/02/08
追加日:2018/06/11
習近平はどんな人物か?野心を悟らせなかったすごさ
逆境の克服とリーダーの胆力(2)習近平の野心
公益財団法人松下政経塾副理事長・イマジニア株式会社代表取締役会長兼CEOの神藏孝之氏が、中国を超大国化させつつある習近平の野心について解説する。習近平について、中国共産党史上、最弱の皇帝であるという世評まであったが...
収録日:2018/01/19
追加日:2018/06/05
帝国立て直しに尽力したデキウスが悪帝である理由
軍人皇帝時代のローマ史~ローマ史講座Ⅹ(2)ローマ建国千年紀の軍人皇帝
動乱の238年、5人の皇帝の即位と死を経験したローマ帝国は、未曾有の混乱期に差し掛かっていく。ちょうどローマ建国1000年を迎える248年には、どんな皇帝がいたのだろうか。(全6話中第2話)
収録日:2018/08/29
追加日:2019/01/10
ガッルス、ウァレリアヌス、クラウディウス2世の悲惨な最期
軍人皇帝時代のローマ史~ローマ史講座Ⅹ(3)捕虜や疫病-悲運の皇帝たち
紀元251年から270年の20年間は、軍人皇帝にとって受難の時期だった。自分を盛り立てる兵士たちの信頼を失って暗殺の憂き目に遭う者もいれば、ローマ史上初めて敵軍の捕虜となってしまった皇帝もいる。今回は、ガッルスからクラ...
収録日:2018/08/29
追加日:2019/01/17
「ローマ史の中には人類の経験が全て詰まっている」
教養としての世界史とローマ史(7)基軸としてのローマ史
ローマ史は世界史の基軸であり、ローマ史には歴史の全てが詰まっていると、さまざまな人物がそれぞれの言葉で語っている。また、最近は世界史ブームとよくいわれるが、本村凌二氏はそれを否定する。それはなぜか。重要となるの...
収録日:2018/11/28
追加日:2019/08/03
ナショナリズムというやり方で出来上がったキリスト教文明
宗教で読み解く「世界の文明」(4)キリスト教
キリスト教は、聖書およびGodとJesusの関係によって説明される。聖書は法律ではないため、人々が世俗の法に従うことを許した。その結果、主権国家やナショナリズムの成立を促し、ヨーロッパ・キリスト教文明が確立した。(2019...
収録日:2019/11/12
追加日:2020/05/17
ギブ・アンド・テイクの関係にあった古代ローマの貴族と庶民
独裁の世界史~ローマ編(3)元老院貴族と庶民の関係
ローマの共和政を支えたのは300人の元老院貴族だが、彼ら自身をそれにふさわしく磨いたのは何だったのか。また、元老院貴族の新陳代謝はいかに行われ、庶民との関係はどのように結ばれていたのだろうか。(全4話中第3話)
※イ...
収録日:2019/12/19
追加日:2020/05/16
500年続いたローマ共和制はいかに帝政に変わったのか
独裁の世界史~ローマ編(4)共和政の変質と終焉
ローマが版図を拡大し帝国化するに従って、共和政は次第に衰退を迎えることになる。カエサルやアウグストゥスの頃には幅を利かせた元老院の権威も、軍人皇帝の時代になると顧みられない。悪帝や五賢帝の時代は、その過渡期とい...
収録日:2019/12/19
追加日:2020/05/25
ジロンド派からジャコバン派へ…なぜ革命は急進化するのか
独裁の世界史~フランス革命編(3)革命はなぜ急進的になるのか
ルイ16世のパリ脱出は、国民を失望させる。革命派は、諸外国の干渉をはねのけようと「革命戦争」を起こすが、失敗。この間にも王家と諸外国の内通が疑われ、王政廃止と国王夫妻の処刑が断行される。 革命プロセスが先鋭化するの...
収録日:2020/01/10
追加日:2020/09/25
フランス革命のモデルは古代ローマにあった
独裁の世界史~フランス革命編(4)古代ローマがお手本
全ての枠組みを変えようとしたフランス革命にも、お手本はあった。恐怖政治のロベスピエールはカエサルの真似をした節があるし、「コンスル」など、共和政から帝政への移行を象徴する名前を積極的に用いている。だが、最も大き...
収録日:2020/01/10
追加日:2020/10/02
古代崇拝が『社会契約論』に持ち込んだ一つのジレンマとは
政治思想史の古典『法の精神』と『社会契約論』を学ぶ(7)自由の意味
古代ローマの共和政に範を見出したルソーだったが、近代における人間観が古代ローマのそれとは大きく異なるという問題に直面する。一般意志を考える上で、より穏当な結論に着地することもできたが、ルソーは突き詰めてその意味...
収録日:2020/08/17
追加日:2020/10/31
エピソードが語るモンテスキューとルソーの両極端な人物像
『法の精神』と『社会契約論』を学ぶ【質疑篇】(1)モンテスキューとルソーの人物像
モンテスキューとルソーは、思想だけではなく人物像も好対照をなしている。中庸の人ともいえるモンテスキューに対して、ルソーは極端から極端といった振れ幅のある人で、人とよく争うが、女性には人気があったという。また、二...
収録日:2020/08/17
追加日:2020/11/07
共和政の意味を江戸幕府とローマ元老院の違いから理解する
独裁の世界史~未来への提言編(3)共和政とは何か
独裁、共和政、民主政と並べたとき、日本人にとって理解しづらいのは共和政である。共和政は寡頭政や貴族政に近く、独裁に対して、ある種集団で政治を運営する形が欧米人の考えに基づく共和政だと本村氏は言う。そこで、われわ...
収録日:2020/08/07
追加日:2020/11/13
欧米の伝統に学ぶ「反独裁政」意識と集団合議制の重要性
独裁の世界史~未来への提言編(5)「独裁政は悪」という認識
「独裁政は基本的に悪いことだ」という認識を持っていることが大事であると本村凌二氏は言う。なぜなら、独裁者は独裁権力をなるべく持続させるため、それを阻もうとする者たちを退けようとして手段を選ばないからである。その...
収録日:2020/08/07
追加日:2020/11/27
二度の敗戦で見過ごされてきたドイツの「帝国性」への警告
独裁の世界史~ビスマルク編(3)終わらないドイツ「帝国」
歴史に"if"を持ち込むのはタブーだが、ドイツに共和政が根づいていたら、二度の世界大戦は避け得たかもしれない、と考えずにはいられない。一方で、敗戦を機にドイツの持つ「帝国性」が見過ごされてきたことも無視できない。ヨ...
収録日:2020/01/10
追加日:2021/02/05
ムッソリーニの独裁…ファシズムとローマ帝国の栄光
独裁の世界史~ファシズム編(2)ファッショとローマの栄光
ファシズムの語源は、古代ローマの「ファスケス」という権力の象徴である斧の周りに木の棒を束ねたものだという。ムッソリーニの手法にはこの古代ローマを意識したものが多く、第一次大戦の敗戦による多額の賠償で意気沮喪して...
収録日:2020/01/30
追加日:2021/03/19
江戸とローマを比較する意味は庶民文化にある
江戸とローマ~花見と剣闘士(2)庶民文化の比較
ローマと江戸に共通するのは、庶民文化の隆盛である。古代ローマの前にはあらゆる学問や芸術の祖となったギリシアがあったが、ローマ市民は高尚さよりも娯楽性を求めた。大都市では戦車競走や剣闘士興行などが行われていたが、...
収録日:2021/05/24
追加日:2021/11/22
江戸時代、流行もファッションも牽引した歌舞伎の熱狂
江戸とローマ~花見と剣闘士(6)庶民の娯楽と熱狂度
観劇にさほど関心が高くなかった古代ローマの庶民に比べ、江戸の庶民が熱狂したのは歌舞伎。当時の「現代」が描かれた舞台を一日がかりで楽しみ、流行もファッションも歌舞伎が引っ張る時代が続いたのである。ちなみに、ローマ...
収録日:2021/05/24
追加日:2021/12/20
洋の東西で大きく違う、庶民の娯楽への為政者の関わり方
江戸とローマ~花見と剣闘士(7)庶民のリテラシーと為政者の関わり方
江戸とローマの共通点である庶民のゆとりは、高いリテラシーに結びついた。江戸の識字率の高さは貸本屋の数にも表れているが、ローマ時代は紙の本が出現する前であるにもかかわらず、落書きなどから庶民のレベルの高さを確認で...
収録日:2021/05/24
追加日:2021/12/27
古代ローマの公衆浴場と江戸の銭湯…風呂は楽しい社交場
江戸とローマ~テルマエと浮世風呂(2)お風呂は社交場だった
日常的にお風呂に親しむ日本人は見落としがちだが、入浴文化は良質な水の大量確保に支えられている。ローマも日本も、文字通りその恩恵に浴してきた。公衆浴場や銭湯には町の社交場の機能があったし、体を清潔にしたり、体の芯...
収録日:2021/05/24
追加日:2022/02/11
ローマの公共事業を担った富裕者層のエヴェルジェティズム
江戸とローマ~テルマエと浮世風呂(3)公共事業とエヴェルジェティズム
日本では水路整備が名君の条件とされたが、ローマでは帝政の始まる頃、すでに水道橋整備が終わっていた。そうした社会資本の公共事業を支えたのは、「エヴェルジェティズム」である。持てる者はその富を社会に還元すべきという...
収録日:2021/05/24
追加日:2022/02/18
諧謔精神を育んだ江戸とローマ、現代社会とどこが違うのか
江戸とローマ~諷刺詩と川柳・狂歌(4)庶民文化を楽しむ社会の形成
川柳と風刺詩を通して庶民文化を楽しんだ「人口100万人都市」江戸とローマ。どちらも当時、大都市でありながらお互いが無関心ではいられない社会を形成していたという。そこには豊かさゆえのゆとりがあったという面もあるが、彼...
収録日:2021/06/16
追加日:2022/04/04
識字率の高さを誇った古代ローマ、その独特な教育方法とは
江戸とローマ~図書館と貸本屋(1)リテラシーの重要性
現代人は読み書き能力を当然のものと考えているが、せいぜい100年前には日本にも読み書きのできない人がたくさんいた。リテラシーは教育が普及した現代の賜物なのである。しかし、前近代の世界の中で、江戸とローマは飛び抜けて...
収録日:2021/06/16
追加日:2022/06/26
源平の合戦、熊谷次郎直実の伝承にみたローマ建国の精神
江戸とローマ~「父祖の遺風」と武士道(5)勇者の務め
一ノ谷における平敦盛と源氏の熊谷次郎直実の一騎打ちは、『平家物語』「敦盛最期」の段、能や幸若舞の『敦盛』として日本人には馴染み深いものである。新渡戸稲造は『武士道』において、この伝承をローマ建国の精神に響く「敗...
収録日:2021/07/16
追加日:2022/12/10
ザマの戦いに勝利――スキピオの戦略的発想の転換に学ぶ
世界史から見たウクライナ戦争と台湾危機(3)持久戦から決戦へ――戦略的発想の転換
現在も続くウクライナ戦争は、このまま持久戦が続けば互いに消耗し、どちらが勝とうとも損失の大きい「ピュロスの勝利」になってしまう。そこで重要になるのは、紛争解決に向けて両者が歩み寄るタイミングだが、それはいつ、ど...
収録日:2023/02/28
追加日:2023/04/12
江戸の下水道は世界一!? 欧米が驚いた「日本の肥溜め」
江戸とローマ~下水道と肥溜め(1)日本人の清潔感と肥溜め
驚くほどインフラが整っていた江戸とローマだが、下水道や糞尿処理も例外ではない。ヴェルサイユ宮殿に一つもトイレがなく、広い庭園で用を足したという話は有名だが、19世紀にオスマンがパリ大改造を行うまで、アパルトマンに...
収録日:2021/09/16
追加日:2023/08/23
「人間の健康にとって何がいいか」の答えが「読書」?
電脳社会の未来(3)再び中世のような時代になる
あるとき、テレビでAIが質問に対して答えを出していく番組をやっていたが、そのとき、「人間の健康にとって何がいいですか」と質問すると「読書」という答えが出され、「では健康によくて長生きする方法は何ですか」と尋ねたら...
収録日:2023/08/02
追加日:2023/09/29
大谷翔平選手が現代の「粋」を体現!?一生懸命よりも遊び心
江戸とローマ~哲人と俳人(4)現代の「粋」とグローバリゼーション
現代の「粋」について考えるとき、大谷翔平選手の名を挙げる本村凌二氏。彼の「二刀流」には野球をとことん楽しみたい、野球の楽しさを体現したい、そんな楽しみ方、遊び心があるのではないだろうか。そして、江戸とローマでな...
収録日:2021/09/16
追加日:2023/10/12
盲目の老人アッピウスの気概…必要な老いへの備えと想像力
キケロ『老年について』を読む(4)老いは徐々にやってくる
アッピア街道などを作ったアッピウス・クラウディウスは、老いて盲目になっても元老院でしっかりと演説して、亡くなるまで周りの連中に対して気概ある態度を見せた。これは希有な例だが、大事なのは日頃からの努力で、自分が60...
収録日:2023/06/12
追加日:2024/01/27
キケロは覚悟がいい…終幕でジタバタしない「死」への構え
キケロ『老年について』を読む(9)死について老年はどう対処すべきか
生きていく上で「捨て身でいる」「死を覚悟する」のは、人生のいろいろな時代を通じて人間の強さ、権威にもつながることだと本村氏は言う。そのためには若いうちから「死の練習」をすることが大事である。「生に執着しない」と...
収録日:2023/06/12
追加日:2024/03/02