肉体よりも魂…厳しい修行がなければ文化は継承できない
反生命論(7)生命は、生命讃歌によって滅びる
文化は全部、魂の価値である。ところが、ルネッサンスの頃から神を失い、文化を支える価値も失ってしまった。よって魂の文化の継承はできなくなってしまった。いみじくも、この神の喪失をロシアの哲学者ニコライ・ベルジャーエ...
収録日:2024/05/16
追加日:2024/09/06
道元『辨道話』の教え「修行こそわが仏門」とは
石田梅岩の心学に学ぶ(5)根本としての仏教と道元の教え
石田梅岩の思想の根本をさかのぼると、最澄の説く「本来本法性 天然自性身」、またその言葉から修行への疑問を呈した道元に行き着く。最澄は「人間は本来仏性を持つ、生まれながらに悟った身だ」と言う。仏教とはそうした存在...
収録日:2022/06/28
追加日:2024/05/06
『即身成仏義』で空海が説いた悟りの方法「三密」修行
【入門】日本仏教の名僧・名著~空海編(2)『即身成仏義』と自他一如
空海の残した名著の一冊目は『即身成仏義』である。本来、仏教では悟りを得るために「未来永劫」というほどの長時間を要すると説いたが、空海は「現在の自分の身体」で速やかに悟る方法を書き残した。それが、身口意による「三...
収録日:2020/08/20
追加日:2021/03/11
最澄が『山家学生式』で示した「一隅を照らす」の深い意味
【入門】日本仏教の名僧・名著~最澄編(3)『山家学生式』で示した修行の仕方
最澄が弟子たちに向けて書いた『山家学生式』では、厳しい修行の仕方が規定される。その奥には、仏教を極める僧こそが国宝であるとする考え方とともに、修行を重ねて他にも利益(りやく)を与えることが鎮護国家につながるとい...
収録日:2020/08/20
追加日:2021/01/08
最澄が比叡山での修行の際に『願文』に込めた願いとは
【入門】日本仏教の名僧・名著~最澄編(2)『願文』で立てた志
『願文』は、比叡山12年の修行に入る際に最澄が立てた「志」である。「一切皆苦」の仏教的世界観に立ち、苦しみのもとを考えかたの誤りに求め、一切衆生の悟りと救いを求めていく名文だ。若き最澄がこの文章に込めた願いは、厳...
収録日:2020/08/20
追加日:2020/12/31
「闘う力」を培ってくれたものは何か
サントリー流「海外M&A」成功術(6)私の来歴と経営者修行
三菱商事に入社し、若き日から頭角を現して、43歳でローソンの社長に就任した新浪剛史氏。「丸の内にいるのは窮屈だった」と語る新浪氏は、いかなる道を歩み、どのような出会いを重ねて、現在に至ったのだろうか。また、ローソ...
収録日:2019/03/25
追加日:2019/08/15
刀鍛冶に必要な道具は「頭」しかない
刀匠・松田次泰に聞く―私の刀工修行(2)徒弟制度
刀鍛冶の仕事というのはずっと火と鉄に向き合う仕事だが、刀匠・松田次泰氏はけがをしたことはないのだろうか。その質問を向けると、話題は昨今の危機管理にまで及ぶ。刀工に限らず職人の世界を律していた「ことわざ」や「徒弟...
収録日:2017/03/22
追加日:2017/12/10
刀匠になるには5年間の修行が必要
刀匠・松田次泰に聞く―私の刀工修行(1)刀鍛冶を志す
40年間刀鍛冶として本物の刀づくりを追求してきた刀匠・松田次泰氏だが、そもそもなぜ刀鍛冶になったのか。若い頃を振り返りながら、刀づくりへの想いとその苦労、そして若者たちへ日本の伝統工芸を伝承していくことについて語...
収録日:2017/03/22
追加日:2017/12/09
スクラム強化のためだけにフランスで武者修行
清宮克幸の「監督術」(2)突き抜けたものをつくる
頂点に立つために必要なのは、どんな世界でも「他に真似のできない」「何か突き抜けた」オンリーワンの強みである。そのための一つに「スクラム」を選んだヤマハ発動機ジュビロ監督・清宮克幸氏は、スクラムを組むためだけにフ...
収録日:2015/04/09
追加日:2015/05/14
幼少期から四書五経を読み、12歳で『自教鑑』を著す
読書とは何か(3)人生修行の素材としての読書
読書が私たちにもたらす意味や影響は、江戸時代も現代もさして変わらない。江戸時代の偉大な為政者である松平定信と、教育者・吉田松陰それぞれの読書観をエピソードを交えて紹介しつつ、読書という行為がもつ意義や楽しさにつ...
収録日:2014/04/09
追加日:2014/07/25
全てが悟りに至る道…日本は茶や花や野球にも「道」がある
石田梅岩の心学に学ぶ(6)禅から茶道へ
道元の『辨道話』には「修証一等」の言葉がある。修行も悟りも同じことであり、修行は特別なことではないことを説く。坐禅だけでなく茶をふるまうのも花を活けるのも、生きることそのものが修行になる。ただし、ただ生きるのと...
収録日:2022/06/28
追加日:2024/05/13
『正法眼蔵』の入り口『弁道話』が述べる「修証一等」とは
【入門】日本仏教の名僧・名著~道元編(3)『弁道話』と修証一等
道元の書に『弁道話』がある。難解といわれる主著『正法眼蔵』の内容を分かりやすくまとめている、いわば導入的位置づけの著作だが、そこで道元の非常に重要な考え方である「修証一等」について語られている。「修証一等」とは...
収録日:2020/09/30
追加日:2022/07/09
本来本法性、天然自性身…仏性と悟りを道元はどう考えたか
東洋思想の主張~見えないものを見る(3)全ては自分の内にある
仏教では、本来人間は皆、仏であり悟りの要素を持っていると説く。その仏性、悟りを得るためにどうするべきかを、道元、千利休など多くの先人が思索し続けた。仕事にどのような意味を見出すのか、悟りを得るとはどういうことな...
収録日:2014/11/12
追加日:2015/07/20
道元の「一つひとつを丁寧に、真心込めて」が奇跡を生んだ
人生に活かす東洋思想(6)道元の思想
禅は難しいと感じている人が多い。まして曹洞宗開祖道元の『正法眼蔵』などは、名著と言われても歯が立たない人がほとんどだろう。しかし、禅の目指している境地、そこに道元が何を持ち込んだかを知れば、禅も道元も身近になる...
収録日:2019/06/14
追加日:2019/09/06
極楽往生、坐禅、法華経…日本人はいかに死を乗り越えるか
死と宗教~教養としての「死の講義」(5)仏教の死:日本編
日本人の死生観を築いていった仏教の宗派は浄土宗・浄土真宗、禅宗、法華宗・日蓮宗であるという。念仏による極楽往生、坐禅がそのまま覚りであること、在家にいながらの菩薩修行は、いずれも死の恐怖に向かう日本人の姿勢をサ...
収録日:2022/03/03
追加日:2022/05/09
『往生要集』の「地獄」描写で見せる源信の編集能力の高さ
【入門】日本仏教の名僧・名著~源信編(2)『往生要集』と観想念仏
源信の『往生要集』は凄まじい地獄の描写で有名だが、その目的は「極楽往生」にあった。現世での解脱が無理になった末世において、極楽で修行を重ねようとするのだが、極楽に往生するには、念仏の行が必要だとするものだ。念仏...
収録日:2020/08/20
追加日:2021/04/01
禅の原点とは――中国から禅をもたらした道元の生涯に迫る
【入門】日本仏教の名僧・名著~道元編(1)道元の生涯と禅の歴史
禅を中国からもたらした僧に道元と栄西がいる。密教も熱心に修行した栄西とは異なり、道元は禅に徹したところに大きな特徴がある。禅宗は、末法思想が中心をなす浄土教とは対照的に、この世で修行して悟りを開くことを目指して...
収録日:2020/09/30
追加日:2022/06/25
どんな時もひるまないという心構えなしに人を教育できるか
98歳の医師が明かす「生物学的教育論」(9)自分で自分を教育せよ
人間は自己教育の範囲を超えて人を教育することはできない。よって、人を教育するためには、自己教育の範囲を広くしておかなければいけない。それは自分との闘いでもあり、修行ともいえる。よって、他人が強制できるものではな...
収録日:2020/01/11
追加日:2020/08/20
仏教の死の考え方…釈尊は死ぬが因果法則を覚ればいい
死と宗教~教養としての「死の講義」(4)仏教の「死」・インド編〈下〉
すべてを因果関係であり、輪廻だとする仏教は、覚者である釈尊の死をどう伝えたのだろうか。直接の弟子たちは「宇宙と一体化して雲散霧消した」と考えたが、そもそも釈尊が覚りに至ったこと自体、ゴータマとして一代の修行のみ...
収録日:2022/03/03
追加日:2022/05/02
天台宗の開祖・最澄が残した最大の成果は「大乗戒」の確立
【入門】日本仏教の名僧・名著~最澄編(1)比叡山延暦寺の開祖として
比叡山延暦寺を開いた天台宗の開祖として著名な最澄は、エリート僧として出発する。その地位を捨て、比叡山中で12年間修行した彼は、弟子たちにも孤絶した状態での勉強を求める。そのような最澄の残した最大の成果は「二百五十...
収録日:2020/08/20
追加日:2020/12/24
末法直前に法華一乗思想と浄土信仰を両立した源信の教え
【入門】日本仏教の名僧・名著~源信編(1)末法思想と浄土信仰
恵心僧都としても著名な源信は、平安中期の天台宗の僧でありながら、浄土信仰の展開に大きな影響を与えた。主著『往生要集』は当時、日本だけでなく中国の宋でも高く評価されたという。ここでは、源信の思想展開の背景として欠...
収録日:2021/08/20
追加日:2021/03/25
ヒンドゥー教のカースト制度への対抗の1つが仏教の真理
宗教で読み解く「世界の文明」(5)ヒンドゥー教と仏教
ヒンドゥー教におけるカースト制は、頂点にいるバラモンのみが宇宙の真理に到達できるという考え方からきている。インド文明はこうした発想を基礎として成立しているが、ヒンドゥー教の考え方・やり方に反対して起こったムーブ...
収録日:2019/11/12
追加日:2020/05/24
フリーターだった若き日の空海、なぜ密教の頂点へ?
空海と詩(1)空海の半生と詩的感性で開く密教世界
真言宗の開祖にして日本三筆のひとりである空海を「詩人」として理解していくのが、本講義の要訣である。鎌田東二氏によると、密教は詩的な感覚をフルに活用した宗教であり、詩が分からなければ密教は分からないという。最初は...
収録日:2024/08/26
追加日:2024/11/02
選択本願念仏集は生死輪廻の世界観に立ち向かうための教え
【入門】日本仏教の名僧・名著~法然編(2)『選択本願念仏集』
「大原問答(談義)」において「浄土門・易行の専修念仏こそが凡夫を救う唯一の道である」と説き、世を騒然とさせた法然が書物として撰述した代表的な著作が『選択本願念仏集』である。「称名」がなぜ往生に結びつくのか。大乗...
収録日:2020/09/30
追加日:2021/07/08
有漏の善根では駄目…「商人日用」に学ぶ商売の心得
石田梅岩の心学に学ぶ(8)鈴木正三『万民徳用』を読む(下)
江戸初期の商人は利を求めるのに忙しく、信心と離れた存在だと自らを卑下していたようだ。鈴木正三は『万民徳用』の「商人日用」において、彼らに対し、利益を追求するには「身命を賭して、天道に抛(なげうっ)て、一筋に正直...
収録日:2022/06/28
追加日:2024/05/27
研ぎ師はお礼奉公の1年で「繕い」の秘伝を覚える
刀匠・松田次泰に聞く―日本刀のつくり方(7)甲伏せ
言葉にしにくい職人の知恵を「鉄と火の科学」と照合して、現代の日本刀づくりに生かし続ける刀匠・松田次泰氏。しかし、メディアは表面的なことで判断することが多い。工程は皮鉄で心鉄をくるんでいく「甲伏せ」に入っていくが...
収録日:2017/03/22
追加日:2018/01/09
コロナ禍で感じたのは日本発の「命の思想」を強調する必要性
コロナ禍で問うべき「転換期の在り方」(6)日本は「命の思想」の国
東洋思想の根幹には、「命」というコンセンサスがある。日本には「草木国土悉皆成仏」という言葉があるが、ことごとくみな仏、つまり命のことで、粗略にあつかうことは命を奪うことに等しいと田口氏は説く。道元のいうように、...
収録日:2020/07/22
追加日:2020/07/22
松下幸之助と船場商人はどこに違いがあるのか
松下幸之助と人間大事の経営(5)行即道場と日本流経営
松下幸之助は少年時代に大阪の船場に丁稚奉公に出ているが、松下幸之助と船場商人はどこが違うのか。幸之助の面白いところは、「私」が基本的な考え方である船場で学びながら、「公」という考え方を自分の中に持ち込んだことだ...
収録日:2019/08/20
追加日:2020/07/26
「観想念仏」から「口称念仏」へ…法然の専修念仏の革命性
【入門】日本仏教の名僧・名著~法然編(1)鎌倉仏教と専修念仏
平安末期から鎌倉時代にかけて、貴族が独占していた仏教の教えが民衆向けに布教されるようになっていった。「鎌倉仏教」と呼ばれるこの思潮は、ヨーロッパの宗教改革にも匹敵する重要なマイルストーンと見なされている。その一...
収録日:2020/09/30
追加日:2021/07/03
法然の専修念仏を批判…明恵の「あるべきようは」とは?
【入門】日本仏教の名僧・名著~明恵編(1)批判精神と『夢記』
明恵は華厳宗の高僧で、法然を厳しく批判した『摧邪輪』で名高い。一方で、生涯書き続けた『夢記』は、世界にも珍しい著作として注目される。『夢記』からの例とともに『明恵上人遺訓』を参照しつつ、現代人にもヒントになる夢...
収録日:2020/09/30
追加日:2021/10/22
無耳法師となった明恵の過激、秘めた切なる想いとは
【入門】日本仏教の名僧・名著~明恵編(2)無耳法師の「賛」と和歌
明恵は両親を早く亡くして仏門に入ったことから、釈尊を父と崇め、「仏眼仏母」の仏画を母と慕い続けた。また、自らの美貌が修行の妨げになることを気遣い、右耳を削ぎ落として「無耳法師」と名乗ったという過激な経歴の持ち主...
収録日:2020/09/30
追加日:2021/10/29
現実を律する者が一番偉い――徳川家康が重んじた儒教思想
徳川家康の果断と深謀~その指導者論・組織論(4)家康と儒教
それまで日本は仏教を重んじてきたが、徳川家康は儒教に重きを置いた。それは儒教が徹底したリアリズムであり、現実世界を治めるものがもっとも偉いのだとしたからである。そしてそれに加えて家康が取り入れたのが「東照大権現...
収録日:2022/09/14
追加日:2022/12/20
規範をどう考えるかによって王陽明の弟子たちが分裂
近代中国哲学と西洋哲学(1)陽明学左派の思想
王陽明以降の中国思想は、「規範」という難問に直面した。彼らはそれをどのように考えたのか。中国哲学者でありながら西洋哲学にも詳しい東京大学東洋文化研究所教授・中島隆博氏が、洋の東西を渡り歩くシリーズ「近代中国哲学...
収録日:2014/12/19
追加日:2015/06/15
茶の哲学のベースにある老荘思想
岡倉天心『茶の本』と日本文化(3)茶の歴史と老荘思想
東京女子大学名誉教授の大久保喬樹氏が明治の美術運動家・岡倉天心と著書『茶の本』について解説。第3話では『茶の本』の第2章と第3章を取り上げる。茶の文化は禅僧により中国から日本に渡り、室町期に大きく発展した。天心は茶...
収録日:2018/05/22
追加日:2018/07/01
愛を認識する「魂」を向上させるために人間は生まれ、死ぬ
伝染病と死生観(5)魂は永遠で、肉体は借り物に過ぎない
武士道も仏教も禅も、すべては「無常」の哲学を表したものである。般若心経も「人間は死ぬ存在で、もともと何もない」という死生観を語っている。信者が次々に磔(はりつけ)になった原始キリスト教も、「死を思え=メメント・...
収録日:2020/04/24
追加日:2020/06/12
すべては救われる――最澄の「法華一乗」思想が与えた影響
【入門】日本仏教の名僧・名著~最澄編(4)一乗思想から広がる成仏
法華経には「一乗」と「三乗」の区別がある。大乗の教えだけが人を救い、小乗では救われないというのが「三乗」、すべては救われるというのが「一乗」である。最澄の考え方は「法華一乗」といい、三乗、つまりそれぞれ違ってい...
収録日:2020/08/20
追加日:2021/01/15
阿弥陀仏は無限の光だ…親鸞の『唯信鈔文意』の教えとは?
【入門】日本仏教の名僧・名著~親鸞編(2)『唯信鈔文意』と方便法身
親鸞の著書として重要なのが『唯信鈔文意』である。『唯信鈔』は同門の先輩・聖覚による著だが、法然の教えをよく伝える書として親鸞は大切にした。その解釈書として著した本書の中でも阿弥陀仏についての捉え方を、「法蔵神話...
収録日:2020/09/30
追加日:2022/03/04
『正法眼蔵』が説く本当の自己…身心脱落して自我を超える
【入門】日本仏教の名僧・名著~道元編(2)現成公案と「自己」の問題
現成公案は『正法眼蔵』の冒頭をなしている。ここで最初に取り上げられるのは「自己」の問題である。「自己」とは確固たる存在ではなく、その他全ての関係性、そのつながりの中で変わり続ける存在と捉えなおすことが、道元思想...
収録日:2020/09/30
追加日:2022/07/02
考えてみれば人類が発展したのは「性悪説」の時代だった
電脳社会の未来(6)人類は性善説によって滅びる
理解しておかなければいけないのは、人類の発展を支えたのは「性悪説」だということである。だが、現在は「生まれただけで素晴しい」という性善説ばかりがもてはやされている。それでは、しつけも教育もできるはずがない。そし...
収録日:2023/08/02
追加日:2023/10/20
「正直」の徳を最初に唱えた鈴木正三『万民徳用』とは
石田梅岩の心学に学ぶ(7)鈴木正三『万民徳用』を読む(上)
鈴木正三は、三河武士から出家して『盲安杖』や『万民徳用』を著した人物である。特に『万民徳用』では、「世法即佛(仏)法」を根拠に、士農工商それぞれの職分を全うすることが仏教修行に当たるとして、在家の教化に務めた。...
収録日:2022/06/28
追加日:2024/05/20
松下幸之助が「勉強よりも掃除」と言った理由
松下幸之助の人づくり
志ネットワーク代表、「青年塾」主宰者として、日本の若者の志を育てる人間教育を生涯のテーマとする上甲晃氏。その教育の実践には、隅々に至るまで松下幸之助氏の言葉、そしてその言葉を受けて上甲氏が考え実行してきたことが...
収録日:2015/03/20
追加日:2015/04/06
偉大な芸術家の「魂を共有する力」
魂の芸術(7)肖像画に見る「根源的共同化」とは
戸嶋靖昌の肖像画は、描く対象の顔と、戸嶋自身の顔が融合している。これこそ、まさにハイデッガーがいう「存在の根源的共同化」なのである。だから、その肖像画は、描く対象には似ていない。だから、戸嶋の肖像画はお金にはな...
収録日:2019/09/11
追加日:2019/12/20
「文は人なり」――原文を読んで名僧の思想の息吹に触れる
【入門】日本仏教の名僧・名著~総論(1)名僧の原著に触れる意味
書店には数多くの仏教の入門書が並んでいるが、名僧や開祖たちが残した著作は敷居が高く、なかなか手に取れない。名僧の息吹をじかに感じつつ、その教えに触れるのが本シリーズだ。総論の第1回では日本に仏教思想が伝来した当初...
収録日:2020/08/20
追加日:2020/09/24
聖徳太子の十七条憲法「和を以て貴つとしと為」の真の意味
【入門】日本仏教の名僧・名著~聖徳太子編(2)十七条憲法と「和」
聖徳太子といえば十七条憲法。第一条の「和を以て貴つとしと為」は、その後の日本人の精神性を方向付けたといっても過言ではない。その「和」という概念はどこからやってきたのか。われわれが現在考える「忖度」や「空気を読む...
収録日:2020/08/20
追加日:2020/12/03
空海と最澄の関係に大きな影響を与えた「密教」の位置づけ
【入門】日本仏教の名僧・名著~空海編(1)空海と最澄
弘法大師としても知られる空海は、どんな人物だったのだろう。伝教大師とも呼ばれる最澄と対比すると、分かりやすい。二人は同時期に遣唐使として中国へ渡るが、当時の最澄は天皇の帰依篤い貴賓待遇、空海は無名の自費留学生に...
収録日:2020/08/20
追加日:2021/03/04
空海の『十住心論』が説いた「真言密教こそが最高の教え」
【入門】日本仏教の名僧・名著~空海編(3)『十住心論』と真言密教
『十住心論』は空海の主著といっていい名著だが、そこでは世界の思想を集大成して10の段階に分け、その頂点に真言密教が位置する。まったくの無知から仏教以外の宗教を経て、小乗・大乗へ。密教と対立する9つは顕教だが、その中...
収録日:2020/08/20
追加日:2021/03/18
「夢と現実を同時に考える勇気」が新しいものを導き出す
勇気について(8)スポーツの根源は「遊び」
村井満氏は、若いころ、執行草舟から「スポーツは『貴族の遊び』だ」と言われて衝撃を受けた。だが、その言葉がJリーグチェアマンとしての仕事の支えになっているという。スポーツの語源デポールトは「港を離れる」の意味で、...
収録日:2021/09/02
追加日:2021/12/17
源実朝暗殺…なぜ公暁は鶴岡八幡宮で襲ったか?黒幕は?
源氏将軍断絶と承久の乱(9)源実朝暗殺事件と後継問題
朝廷・将軍・御家人の三者を満足させるはずの「親王将軍推戴」プロジェクトは、思いがけないかたちで頓挫する。第二代将軍・源頼家の遺児で、鶴岡八幡宮の別当職として鎌倉に戻った公暁が、右大臣拝賀式で鶴岡八幡宮を訪れた源...
収録日:2022/07/13
追加日:2022/11/06
天台宗を純化し法華経を重んじた日蓮…日蓮宗と他宗の違い
【入門】日本仏教の名僧・名著~日蓮編(1)「天台沙門」と題目の功徳
鎌倉仏教の中でも独特の位置を占めるのが日蓮である。日本に対する思い入れを強く持ち、「行動」を重んじた僧で、天台宗の「堕落」に反発し、原点回帰として「純粋な天台宗」の立て直しを目指す。(全3話中第1話)
※インタビュ...
収録日:2020/09/30
追加日:2022/12/04
小国・日本に破れた屈辱が日中関係を複雑にした
中国近代化の真実~科挙と日清戦争(2)日清戦争の爪痕
日清戦争が中国に与えた衝撃と屈辱は想像を絶すると島田晴雄氏は指摘する。中国の文化に憧れ抜いた「属国」の裏切りを意味するからだ。その爪痕は中国の近代化に影を落としたのか、それとも動力源となったのか。(後編)
収録日:2014/03/04
追加日:2014/05/08
仏教を超え内面に向かう「啓蒙」へ! 朱熹が採った道とは?
東アジアにおける近代の啓蒙~儒教と近代(3)仏教から新儒教へ~朱熹と朱子学
宋代に朱熹が築いた「朱子学」とは、何だったのか。後に東アジアの近代的啓蒙に色濃く影響することになる宋代・明代の「新儒教」の発生以前にさかのぼり、儒教と啓蒙の絡まりをひもとく。(全4話中第3話目)
収録日:2014/10/07
追加日:2015/01/30
トラブルやハプニングも必然かつベストな出来事
「起こることはすべてベスト」の理由
夢を実現しようとするとき、トラブルが起こった──そんな事態さえ、ポジティブに捉えることが可能なら、人生は随分と生きやすい。そして、「今」の意識が「未来」をつくる。起こることを全てプラスに転じ、「運のいい人」になる...
収録日:2015/01/27
追加日:2015/04/17
私が「レアメタル」の専門家になった理由
レアな研究者はいかに「精錬」されたか
産官学が集う「レアメタル研究会」やMITを中心とした「リアクティブメタルワークショップ(RMW)」等の会合を主宰する東京大学生産技術研究所教授・岡部徹氏。そこは、世界中から多彩な人々が集まり、多様な談義が交わさ...
収録日:2014/12/11
追加日:2015/05/07
君子は寡黙、おべんちゃらは言わない
『大学』に学ぶ江戸の人間教育(4)人格を磨くための「慎独」
江戸期における幼年教育の体系の最初に位置した『大学』について、老荘思想研究者・田口佳史氏に手ほどきをお願いしてきた。次のキーワードは「慎独」である。「独りを慎む」とは、一体どういう意味で、どのような効果をもたら...
収録日:2014/12/17
追加日:2015/08/06
ダイナミック・ケイパビリティは戦略的経営者に必要な力
ダイナミック・ケイパビリティ~組織の戦略変化(4)ケイパビリティとは何か
慶應義塾大学商学部教授・谷口和弘氏は、ポーターやバーニーが前提とする市場の安定性は、もはや通用しないと考える。そこで新たに提示されるのが、ダイナミック・ケイパビリティだ。これは、戦略的に組織を変えるための能力や...
収録日:2016/06/23
追加日:2016/09/20
腕のいい職人の仕事はどんな場面を撮っても絵になる
刀匠・松田次泰に聞く―日本刀のつくり方(4)水打ち
水蒸気爆発で金肌(酸化鉄)を吹き飛ばす「水打ち」を、刀匠・松田次泰氏は極めて無造作に行う。従来は酸化鉄を完全に除去することが重要だと教えられてきたが、松田氏は自身の経験から「それほど刀の出来を左右するものではな...
収録日:2017/03/22
追加日:2018/01/06
トランプ政権発足から14ヶ月を振り返る
トランプ劇場第三幕へ(1)混乱の船出
発足当初から続いているトランプ政権の急速な人事交代や不安定な統治は、どうして起こっているのか。元海上自衛隊佐世保地方総監で一般社団法人日本戦略研究フォーラム政策提言委員である吉田正紀氏が、政権の政治構造を分析し...
収録日:2018/04/20
追加日:2018/06/07
『茶の本』の背景にあった激動と争いの時代
岡倉天心『茶の本』と日本文化(2)Teaismに見る日本文化
東京女子大学名誉教授の大久保喬樹氏が明治の美術運動家・岡倉天心と著書『茶の本』について解説。第2話では『茶の本』第1章を取り上げる。茶は中国から日本に渡り15世紀に茶道という形に高められた。その世界観を表すために天...
収録日:2018/05/22
追加日:2018/07/01
デカルトに『世界論』の出版を断念させた宗教裁判とは?
デカルトの著作に学ぶ(1)『世界論』『方法序説』
デカルトが四年の歳月をかけて準備した『世界論』の出版直前に、一つの宗教裁判が衝撃を与えた。地動説を唱えたガリレオの有罪宣告である。結局『世界論』の出版は断念され、『方法序説』公刊への道をたどることになる。そこに...
収録日:2018/09/27
追加日:2019/02/17
日本刀の似合う「武士道の書」とは
人間的魅力とは何か(特別篇2)死期を悟った日本男児たち
山岡鉄舟は、皇居に向かって座禅を組みながら亡くなったという。自分の死期を悟っていたのである。しかも、鉄舟の書が数多く残っているのは、廃仏毀釈で苦しんでいる仏教寺院を救うために、書を売ったお金を充てていたからであ...
収録日:2019/04/05
追加日:2019/07/26
どうすれば「行間」が読めるようになるか
読書と人生(1)「命懸けの読書」とは何か
執行草舟は小学生のころ、1行もわからないのに、岩波文庫のカントによる『純粋理性批判』を読み通したという。当時は、結局カントはわからなかったものの、他の本が易しく思えてしかたがないということを経験した。しかも、時が...
収録日:2019/05/14
追加日:2019/08/16
SECIモデルから暗黙知と形式の相互変化を考える
知識創造戦略論~暗黙知から形式知へ(8)SECIモデルによる暗黙知の形式知化
暗黙知と形式の相互変化を考えるためには、SECIモデルが重要だ。これは、暗黙知を暗黙知に変換する共同化、暗黙知を形式知に変換する表出化、形式知と形式知を組み合わせる連結化、形式知を暗黙知に変換する内面化の四つの部分...
収録日:2018/11/24
追加日:2019/08/29
日本の戦後復興を支えた最後の起業家・本田宗一郎の奇跡
戦後復興~“奇跡”の真実(15)本田宗一郎とホンダ
日本の戦後復興を支えた最後の起業家として、ホンダ創業者の本田宗一郎氏を取り上げる。本田氏も戦前にさまざまな機械の修理や販売を請け負う中で、技術者としての能力を身につけていった。戦後の苦境の中で、戦前の経験から培...
収録日:2019/07/23
追加日:2019/09/24
なぜ「魂を燃焼させる」芸術を後世に残すべきなのか
魂の芸術(3)芸術だけが魂を賦活する
芸術だけに、魂を揺さぶる力がある。だからこそ、そのような芸術を集め、後世に残していかなくてはならない。感性は「頭」ではよみがえらない。「心」からよみがえるのである。200年後、もし日本人の魂がもう潰れていたとしても...
収録日:2019/09/11
追加日:2019/11/22
音楽家を「職人」から「芸術家」に劇的に変えた楽聖
ピアノでたどる西洋音楽史(5)「芸術家」ベートーヴェンの凄さ
楽聖ベートーヴェンの存在は、フランス革命を抜きには語れない。また、音楽を娯楽から芸術の地位に高め、音楽家を職人から芸術家へ、歌中心だった楽曲を器楽中心に発展させるなど、音楽史上に数々の革命的変化をもたらしたのも...
収録日:2019/09/04
追加日:2019/11/22
明智光秀はいつどこで生まれたのか~出生の謎に迫る
明智光秀の真実(1)謎につつまれた前半生
本能寺の変のイメージもあり、「主殺しの悪人」「謀反人」といった言われ方もする明智光秀。とりわけ前半生など、謎が多い人物でもある。しかし小和田哲男氏は、「非常に真面目で、学識や教養もあり、部下思いのいい武将だった...
収録日:2019/11/22
追加日:2019/12/31
佐久間象山から学ぶべき最重要キーワードは「先憂後楽」
佐久間象山に学ぶ(4)「先憂後楽」と人材育成
吉田松陰をはじめ多くの人材を育てた佐久間象山。彼から学ばなければいけない一番のキーワードは「先憂後楽」で、政治に携わる者や国家を運営する者にとって大切な資質はそこにあると、田口佳史氏は言う。なぜ「先憂後楽」が重...
収録日:2020/01/24
追加日:2020/03/25
なぜ仏教は5番目の文明とみなすことができないのか
宗教で読み解く「世界の文明」(7)質疑応答編その1
仏教はなぜ4大文明に続く5番目の文明にならなかったのか。手がかりとなるのは、ヒンドゥー教や儒教など、他の文明を形作った宗教との対抗関係と、仏教の教義に見られる特性である。講演後の質疑応答編その1。(2019年11月12日開...
収録日:2019/11/12
追加日:2020/06/07
今の人が苦しいのは「おまえは何か」を問われているから
伝染病と死生観(6)「わきまえ」があることの大切さ
昔の人はみんな死生観を持っていた。「家族に囲まれて、畳の上で死にたい」「夫婦そろって同じ墓に入る」というのも一つの立派な死生観で、この死生観が、人生の最後で振り返ったときに「まあ、良かったんじゃないか」と思える...
収録日:2020/04/24
追加日:2020/06/19
「自分が幸福になろう」と思うと、一気に不安が押し寄せる
真のやる気とは何か(13)自由と勇気の源、不安と臆病の源
企業で働く人も、経営者も、官僚や政治家も、みな幸せになりたいと願うことで幸福病になっている。結果、人は臆病になり、少しのリスクも許容できなくなるという。そうなれば当然、勇気は湧いてこないばかりか、幸せにもなれな...
収録日:2020/04/10
追加日:2020/09/25
古典と歴史を学ぶ意義…考える力を鍛えるために必要なこと
『還暦からの底力』に学ぶ人生100年時代の生き方(7)「おいしい人生」のために
「古典と歴史に学ぶ」――大切なこととは知りながら、つい目の前のことにかまけて後回しになりがちだ。だが、歴史を「適者生存のケーススタディ」と捉えれば、どうだろうか。あるいは、古典を「考えるプロの書いた、考え方の型の...
収録日:2020/06/30
追加日:2020/09/12
「本当の愛」に基づくイメージは絶対に現実化する
渡部昇一に学ぶ教養と明朗(2)運命への愛と夢の実現
渡部昇一先生は、「運命を愛する」人間であった。だが同時に渡部昇一先生は、若い頃、大島淳一名義で翻訳していたジョセフ・マーフィーの『眠りながら成功する――自己暗示と潜在意識の活用』が唱えていた「イメージすることに...
収録日:2020/09/09
追加日:2020/10/16
抗議運動にも脅迫状にも、絶対折れなかった精神の根幹とは
渡部昇一に学ぶ教養と明朗(5)勇気を持つには何が必要か
激しい論争にも臆せず突き進み、反対派の抗議運動の闘士たちに、大学での講義で毎時間突き上げられても絶対に折れなかった渡部昇一先生。自宅にも脅迫状や電話が舞い込んでくる。しかし渡部昇一先生は、自身の心の中で『菜根譚...
収録日:2020/09/09
追加日:2020/11/06
ニーチェの「神は死んだ」という言葉は、400年間の総決算
脱人間論(4)人類は「戻る」ためのホックさえ失った
宇宙には神の摂理があるが、それを捨てた始まりがルネサンスの人間中心主義で、その行き着く先が20世紀の物質文明である。信仰心を失いながらも「信仰心は大事だ」と思い、葛藤(かっとう)していたのがヴィクトリア朝のイギリ...
収録日:2021/03/18
追加日:2021/05/14
エリートを養成できない国は、免疫機構を失ったのと同じ
脱人間論(10)エリートをつくれなくなったら滅びるのみ
1968年のパリでの学生運動の時代から、世の中が変わりだした。魂より肉体を大事と思うようになり、この流れはもう止まらない。今回のコロナ禍でさらに加速し、ホモサピエンスはいよいよ滅びるときに近づいている。過去の文明を...
収録日:2021/03/18
追加日:2021/06/25
パワハラされても、いじめられても「すべて自己責任」
「葉隠武士道」を生きる(3)運命に立ち向かうのが人生
現代社会の多くの人が抱える悩みが「人間関係」である。「パワハラ」や「いじめ」はその典型的な事例だろう。だが、正しい生き方は「自分に与えられた運命」から逃げず、立ち向かうことである。パワハラされたとき、いじめられ...
収録日:2021/04/08
追加日:2021/07/23
渋沢栄一が師・尾高藍香から学んだ『論語』の教養
渋沢栄一の生涯と教養としての『論語』(4)『論語』との仲立ち
江戸の武士にとって『論語』は教養の核だったが、渋沢栄一のような農家出身の若者が親しくそれに接し、生涯の座右の書とするまでに愛したのはどういうわけだろう。彼と『論語』を仲立ちしたものとして、自由な時間と身分、優れ...
収録日:2020/03/03
追加日:2021/08/08
DAZNとの2000億円契約の裏にあった「体当たりと愛の力」
勇気について(10)未来を信じる勇気
Jリーグチェアマンとして村井満氏はパフォームグループ(DAZNグループ)と契約し、世界で初めてサッカー中継を全試合、インターネットやスマホを使って、いつでもどこでも見られるようにした。10年間で2000億円の契約という、...
収録日:2021/09/02
追加日:2021/12/31
王弼の議論で大事な概念「無」と「理」とは何か
デジタル全体主義を哲学的に考える(7)「無」と「理」、複数性の重要性
中国の三国時代の学者である王弼は、「無」という概念を用いて、キリスト教などの一神教とは異なる、偶然性に開かれた状態を志向する。さらに、他方で「理」という概念を持ち出して、複数性は無根拠によって支えられていると説...
収録日:2021/05/27
追加日:2021/12/17
禅はジョブズの哲学にどのような影響を与えたのか
スティーブ・ジョブズの成功哲学(9)なぜ「禅」に魅せられたのか
スティーブ・ジョブズが若い時から東洋の思想に強く影響を受けていたことはよく知られている。ジョブズはどのようにして禅に出会い、それは製品にどのような影響を与えたのか。ジョブズの死生観や時間の感覚などから、ジョブズ...
収録日:2022/03/15
追加日:2022/06/18
お金は使い放題…札束を投げて遊ぶほどだった幼少時代
作用と反作用について…人間と戦争(5)お金と読書
背骨がきちんと通るためには教育や生育環境も重要である。執行草舟の父は大変な教養人で、三井物産の英語の仕事を一手に引き受けるほどの語学力があり、その縁もあって、戦後、GHQの物資を運ぶ会社の社長を務め、20代で大金...
収録日:2022/05/19
追加日:2022/07/29
『ベラスケスのキリスト』の「白」「薔薇」「月」の意味
『ベラスケスのキリスト』を読み解く(10)キーワードを読み解く〈上〉
この長編詩には繰り返し使われるキーワードがいくつかある。その意味を理解することは大事で、例えば「白」は宇宙における生命あるものの姿である。白の逆は暗黒や混沌で、沈黙や永遠の生命でもある。「薔薇」は創造の回転エネ...
収録日:2022/08/02
追加日:2022/11/11
逆参勤交代が可能にする個人・地域・企業の「三方よし」
逆参勤交代が日本を変える(1)逆参勤交代のモデルとメリット
参勤交代によって人材循環による国の活性化が起こった江戸時代。時代は下り、令和の日本では、「逆参勤交代」なるプロジェクトがその実装に向けて動き始めている。逆参勤交代は個人・地域・企業の「三方よし」ということだが、...
収録日:2022/08/29
追加日:2022/11/28
日蓮の「一念三千」――「空-縁起」にも通じる思想の意味
【入門】日本仏教の名僧・名著~日蓮編(2)『観心本尊抄』と一念三千
佐渡流罪中に執筆された日蓮の『観心本尊抄』。本著は、中国天台宗・湛然の言葉「一念三千」に基づき、法華経を受持することで仏の功徳一切を譲り受けることができるとしている。そこには、道元の「自他一如」「空ー縁起」にも...
収録日:2020/09/30
追加日:2022/12/11
軍師・太原雪斎…幼き徳川家康に受けさせた教育とは
家康の人間成長~戦略性をいかに培ったか(2)軍師・太原雪斎の教育
今川義元のもとで軍師を務めた禅僧・太原雪斎が徳川家康の幼少期に与えた影響は大きい。当時の僧侶は「無縁の原理」に守られ、敵国への出入りが自由にできたことから、外交やインテリジェンスの役目を果たした。漢文に通じ、兵...
収録日:2022/10/03
追加日:2023/01/08
「回心」「覚醒」…アメリカを突き動かす「信仰復興の波」
「アメリカの教会」でわかる米国の本質(3)回心と覚醒
アメリカにおけるキリスト教社会の歴史は「回心」が重要視された。さらに宗教的「覚醒」が大規模に巻き起こる“信仰復興の波”が幾度も起こり、アメリカ社会を大きく動かしていったという。では、「回心」や「覚醒」とは、どのよ...
収録日:2022/11/04
追加日:2023/01/20
霊性文明の危うさと、無限成長の危うさに共通するもの
逆遠近法の美術論(5)インパール作戦と無限成長はイコール
江戸時代とビザンティン帝国は、近いところまで到達したと言われる霊性文明――。特に、幕末の日本人の生活を見ていると、本当に霊性文明を感じる。日本人はみな武士道に憧れ、武士のような指導階層がいたからである。しかし、明...
収録日:2022/08/30
追加日:2023/04/07
日本は「苦悩」を投げ捨てて「戦争」に走ってしまった
人生のロゴス(2)インテリの苦悩
芥川龍之介の〈人生は一行のボオドレエルにも若(し)かない〉は、彼の苦悩の頂点で書かれた言葉である。この苦悩は日本的な伝統とヨーロッパ文明との対決であり、大正時代のインテリの苦悩でもある。東大教授だった橋田邦彦も...
収録日:2023/03/29
追加日:2023/06/02
ファスティングこそ究極のサプリメント!摂食・絶食の効果
飽食時代の「選食」のススメ(2)ファスティングの効用
食べる量と質による「選食」において、いかに“食べないか”もまた、何を食べるかということと同様に重要な実践なのである。食事を節制する「摂食」、あるいは食事を飛ばす「絶食」を行うと、体の機能を高めることにつながるとい...
収録日:2023/05/23
追加日:2023/08/31
西洋の二元論と東洋の多様性ある一元論…岡倉天心の喝破
伊福部昭で語る日本・西洋・近代(6)西洋の二元論か東洋の一元論か
戦時中に伊福部昭の音楽が多く取り上げられた背景には、日本全体をとりまく、ある傾向の影響もあった。それは、岡倉天心のような「アジアは一つ」とも似た一元論的な思想である。西洋の没落とともに浮上したこの思想とはいかな...
収録日:2023/09/28
追加日:2023/12/16
最善が堕落したものは最悪である…無限なのは理想や魂のみ
日本企業の病巣を斬る(3)足るを知る
日本の企業には伝統的な成功パターンがある。三井越後屋は地域密着型の商売を行い、300年繁栄を続けているが、これは当主が「足るを知る」をわきまえていたからだ。ローマ帝国の有名なことわざに「最善が堕落したものは最悪であ...
収録日:2023/10/18
追加日:2023/12/15
仏教を重んじる深い理由…なぜ親鸞は聖徳太子を尊敬したか
聖徳太子「十七条憲法」を読む(4)聖徳太子の思想と日本の独立性
十七条憲法について、「中国で隋の直前の時代にあたる北朝の文書(六条詔書)を模倣したものではないか」「中国の思想のパッチワークではないか」といった指摘もある。もちろん、似ている部分や取り入れている部分もある。しか...
収録日:2023/08/24
追加日:2023/12/28
快楽ほど有害なものはない!元老院から追放された男の教訓
キケロ『老年について』を読む(5)老年には快楽がないのは本当か
老年には快楽がないので「嫌だ」「寂しい」というが、本当か。そもそも「快楽ほど有害なものはない」、だからないほうがいい、そうキケロは書いている。ストア派もエピクロス派も基本的には「自分を解放する哲学」であり、解放...
収録日:2023/06/12
追加日:2024/02/03
失敗から学んだ石田梅岩、独学で教養を高めた少年期の体験
石田梅岩の心学に学ぶ(2)梅岩の教養を育んだ少年期の体験
江戸の町人の例に漏れず11歳で奉公に出た石田梅岩だが、奉公先の商家の事情から15歳で帰郷する。失敗ともいえるこの体験が梅岩思想に与えた影響は大きいと言う田口氏。郷里へ戻った梅岩が23歳で再び奉公するまでの記録は残って...
収録日:2022/06/28
追加日:2024/04/15
宮本武蔵「我事に於て後悔せず」の真意と福田恆存の宿命観
福田恆存とオルテガ、ロレンス~現代と幸福(7)日本人の「自然観」
歴史や自然につながっていない人格は崩壊する。そう論じた福田恆存の人間論は、小林秀雄の自然観と軌を一にする。禅宗の修行や宮本武蔵の思想を参照しながら日本人が依拠すべき自然観を論じる小林の議論を追い、福田との共通点...
収録日:2024/05/10
追加日:2024/07/28
紀元前から実践、世界中で注目されるファスティングの効果
新しいアンチエイジングへの挑戦(3)選食とファスティングで防ぐ老化
「テロメア」や「生物学的年齢」など人の寿命を予測する指標がアンチエイジング研究の中で見いだされ、アンチエイジングに有効な方法も具体的に明らかになってきている。今回は、古くから断食として知られる「ファスティング」...
収録日:2024/06/26
追加日:2024/10/24
“死の終りに冥し”…詩に託された『十住心論』の教えとは
空海と詩(4)詩で読む『秘蔵宝鑰』
“悠々たり悠々たり”にはじまる空海『秘蔵宝鑰』序文の詩文。まことにリズミカルな連呼で、たたみかけていく文章である。このリフレインで彼岸へ連れ去られそうな魂は、選べる道の多様さと迷える世界での認識の誤りに出会い、“死...
収録日:2024/08/26
追加日:2024/11/23