お遍路さんの御詠歌、原点は空海…歌がないと成り立たない
空海と詩(5)偈と頌とお遍路の御詠歌
『秘蔵宝鑰』の詩文は、インド映画で皆が踊るパッションと共通すると鎌田氏はいう。説明は端的に短く、最後に詩文を置くことで、歌い踊る場面を設定する。そうした詩による説明は手に取るように分かりやすく、クライマックスは...
収録日:2024/08/26
追加日:2024/11/30
なぜ校歌や社歌を歌うのか?音楽の重要性と中間集団の役割
独立と在野を支える中間団体(5)仲間意識の形成と中間集団の役割
仲間意識を高めるには、同じように歌う、同じように踊るなど、同じ儀式をする必要がある。これが集団行動をする社会的な生き物としての人間の本質に触れるところで、そのことによって助け合いや協力度を高めることができる。そ...
収録日:2024/06/08
追加日:2024/11/15
肉体よりも魂…厳しい修行がなければ文化は継承できない
反生命論(7)生命は、生命讃歌によって滅びる
文化は全部、魂の価値である。ところが、ルネッサンスの頃から神を失い、文化を支える価値も失ってしまった。よって魂の文化の継承はできなくなってしまった。いみじくも、この神の喪失をロシアの哲学者ニコライ・ベルジャーエ...
収録日:2024/05/16
追加日:2024/09/06
山上憶良が示したグローバル社会に生きるためのヒント
山上憶良「好去好来の歌」を読む(4)改良・改善と「墨縄」の思想
日本人の創造力の源は改良・改善にある。改良・改善とは、海外から得たものを「身の丈に合ったものにしていく」ことである。そこで山上憶良である。彼は遣唐使に対して「墨縄」という言葉を用いて「一直線に帰ってこい。無事で...
収録日:2024/04/02
追加日:2024/06/09
神様か仏様か?…和魂漢才・和魂洋才の融通無碍さと得意技
山上憶良「好去好来の歌」を読む(3)神と仏の棲み分けと「和魂漢才」
山上憶良は、遣唐使の旅立ちに送る歌の中で神と仏の棲み分けを示していた。神仏が時に一つになり、時に分かれ、棲み分けてきた融通無碍さは、日本が島国だから生まれた方法である。菅原道真は、受容したものを工夫して使うこと...
収録日:2024/04/02
追加日:2024/06/02
言霊の幸わう国とは?なぜ神様?「好去好来の歌」が描く日本
山上憶良「好去好来の歌」を読む(2)言霊の加護ある国の神様と遣唐使
山上憶良の「好去好来の歌」にはどのようなことが詠われているのか。言霊に加護された大和の国から荒海を旅する遣唐使の危険に対して、海上の道も陸上の道も大和の神々がきっと守ってくれると、その一首には詠まれている。ここ...
収録日:2024/04/02
追加日:2024/05/26
8世紀を代表する知識人・山上憶良が感じたグローバリズム
山上憶良「好去好来の歌」を読む(1)山上憶良に学ぶ国際感覚
万葉歌人として名高い山上憶良は8世紀当時、阿倍仲麻呂と肩を並べる国際的な知識人だった。豊富な知識や見識を支えたのは遣唐使としての経験であり、彼のもとに教えを乞いに訪れる遣唐大使もいた。今回のシリーズでは、グローバ...
収録日:2024/04/02
追加日:2024/05/19
万葉仮名から平仮名へ…「いろは歌」が示す日本語の変化
文明語としての日本語の登場(4)平安時代語と文芸の登場
平安時代に入ると、日本語の母音は八つから五つに減り、各種の音便ができる。単語は長く、発音はルーズになっていくのだ。文字の歴史は万葉仮名から平仮名と片仮名が生まれる画期的な時期を迎え、「いろは歌」が成立して手習い...
収録日:2023/12/01
追加日:2024/03/29
「和歌」と「宣命」でたどる奈良時代の日本語とその変遷
文明語としての日本語の登場(1)古代日本語の復元
日本語の発音は、漢字到来以来一千年の歴史を通してどう変わってきたのか。また、なぜ日本語は「文明語」として世界に名だたる存在といえるのか。二つの疑問を解き明かす日本語学者として釘貫亨氏をお招きした。1回目は古代日本...
収録日:2023/12/01
追加日:2024/03/08
大国主神が詠んだ歌…『古事記』の歌の意味と縁結びの力
大国主神に学ぶ日本人の生き方(8)求婚の歌と縁結びの力
大国主神の歌は『古事記』上巻の中で最も多く掲載されている。はたして、どのような歌をうたっているのか。今回はその歌の数々をみていく。大国主神が詠んでいる求婚の歌を見ていくと、いかに相手の気持ちを汲み取る力のある、...
収録日:2023/08/08
追加日:2024/01/28
「和歌みくじ」で運をつかむ…現代に息づくおみくじの知恵
おみくじと和歌の歴史(5)現代の和歌みくじ
明治時代に入り、おみくじは大きな転換期を迎える。神仏分離令を契機に、江戸の歌占とは違う新しい和歌みくじが作られるようになるのである。その流れで現代に至るわけだが、注目したいのが明治神宮の和歌みくじだ。神道学研究...
収録日:2023/11/10
追加日:2024/01/17
江戸時代に流行した「歌占本」…その実際の占い方は?
おみくじと和歌の歴史(4)歌占本の流行と歌占の方法
神意を伝える歌占(うたうら)は、江戸時代になると「歌占本」が登場し、流行することになる。では、当時の人々は、いったいどのようにして歌占をしていたのだろうか。そこには易の占いも影響しているという。実際に賽と歌本を...
収録日:2023/11/10
追加日:2024/01/10
なぜ和歌で神意を伝えるのか…古典文献の事例と巫女の歌占
おみくじと和歌の歴史(3)神意を伝える和歌と歌占
古来より日本人に親しまれてきた和歌。神様として信仰されたスサノヲノミコトが最初に詠んだとされる和歌は、神意を人々に伝えるための重要なツールだったが、人々がその神意を受け取るために必要としたのが巫女だった。『伊勢...
収録日:2023/11/10
追加日:2024/01/03
征夷大将軍も勅撰和歌集の撰者も「おみくじ」で選ぶ?
おみくじと和歌の歴史(2)おみくじのルーツ
おみくじには3つのルーツがある。1つ目が「和歌みくじ」、2つ目が「神仏の前で引く自作のくじ」、3つ目が「漢詩みくじ」だが、それぞれどのようなものなのか。また、歴史のなかでは、くじ引きで征夷大将軍が決まった「くじ引き...
収録日:2023/11/10
追加日:2023/12/27
おみくじは「吉凶」だけでなく「和歌や漢詩」を読むのが本当
おみくじと和歌の歴史(1)おみくじは詩歌を読む
日本人にとって身近な「おみくじ」。しかし、その歴史を知る機会はあまり多くない。つい吉凶にばかり目が行きがちなおみくじだが、本当に受け取るべきメッセージはそこではないという。どういうことなのか。まず、おみくじの成...
収録日:2023/11/10
追加日:2023/12/20
なぜ仮名序で六歌仙を批評?ポイントは「さま」と社会性
『古今和歌集』仮名序を読む(6)六歌仙の先輩たち
古来、謎とされてきたのが「仮名序」で登場する六歌仙への批判めいた言葉である。六歌仙とは、『古今和歌集』の撰者から数えて50~80年ほど先輩にあたる、僧正遍昭、在原業平、文屋康秀、喜撰法師、小野小町、大伴黒主の6人であ...
収録日:2023/07/05
追加日:2023/12/13
和歌には社会的な意義もあった…『古今和歌集』の思想とは
『古今和歌集』仮名序を読む(5)いにしへの歌
「仮名序」では「いにしへの歌」を通して歌の社会的意義が述べられる。『古今和歌集』が編纂された頃(900年頃)について、「仮名序」は「今の世の中は派手さを求め、人の心も移ろいやすくなってしまったがために、不実な歌、い...
収録日:2023/07/05
追加日:2023/12/06
和歌の6種の修辞(六義)とは?…漢詩と和歌の比較
『古今和歌集』仮名序を読む(4)6つのスタイル
「仮名序」では和歌の様式を6種に分け、それぞれの用例を挙げている。「そへ歌」は隠喩表現を用い、「かぞへ歌」は「物の名」の歌といわれるが、さまざまなものを並べあげる。「なずらへ歌」は縁語や掛詞を用い、「たとへ歌」も...
収録日:2023/07/05
追加日:2023/11/29
アイヌの即興的な歌や踊りのなかに見つけた「音楽の命」
伊福部昭で語る日本・西洋・近代(3)アイヌコタンでの経験
日本の戦時中に多く演奏されたのが伊福部昭の「交響譚詩」である。日本の民謡をそのまま曲にしているというわけではなく、オリジナリティが高く、それこそ日本的ともいえる曲であるが、なぜそのような独創的な曲を作ることがで...
収録日:2023/09/28
追加日:2023/11/25
難波津の歌、安積山の言葉…隠喩・直喩の「よそえる」表現
『古今和歌集』仮名序を読む(3)和歌の始まり
和歌の始まりとして、天の下照姫、地の素戔嗚尊(スサノオノミコト)が引かれ、天地開闢の神話時代に遡る始原が説き起こされる「仮名序」。さらに誰もが知る「難波津の歌」「安積山の言葉」が歌の父母として紹介されるのだが、...
収録日:2023/07/05
追加日:2023/11/22
本居宣長が喝破!『源氏物語』と和歌は本質的に同じ
『源氏物語』ともののあはれ(3)『源氏物語』の本質と本居宣長の画期
光源氏の禁忌的な恋を描いた『源氏物語』。その物語を、日本の知識人はどのように理解し、批評してきたのだろうか。儒教や仏教の宗教的な教訓に導くことにその意義を見いだした言説が優勢な中で、「もののあはれ」、その深い感...
収録日:2023/08/04
追加日:2023/11/16
やまとうたは人の心を種として…「託す」表現の神秘的な力
『古今和歌集』仮名序を読む(2)和歌とは何か
「仮名序」の冒頭では、和歌の機序とその機能が説かれる。「人の心を種」として「多くの言葉」として茂ってきたのが歌であり、歌は「天地を動かす」力を持っているというのだ。こうした内容の表現に縁語や掛詞の技法をふんだん...
収録日:2023/07/05
追加日:2023/11/15
『古今和歌集』仮名序とは…日本文化の原点にして精華
『古今和歌集』仮名序を読む(1)日本文化の原点となった「仮名序」
「やまとうたは、ひとのこころをたねとして」と始まる『古今和歌集』の「仮名序」は、歴史を超えて人の心に響く名文として名高い。著者は撰者の一人である紀貫之。ここでは、日本最初の勅撰和歌集である『古今和歌集』の編纂宣...
収録日:2023/07/05
追加日:2023/11/15
【阪神優勝・古関裕而】六甲おろしと「歌の力」
編集部ラジオ2023:10月28日(土)
2023年のセ・リーグは阪神タイガースが優勝しました。その優勝決定戦となった9月14日の試合で、また伝説が生まれました。リリーフに登板した守護神・岩崎優投手が、登場曲として「栄光の架橋」(ゆず)を流し、スタジアム全体を...
収録日:2023/10/24
追加日:2023/10/28
子守歌…左手がずっと同じ伴奏を繰り返す「夢の世界の作品」
ショパンの音楽とポーランド(4)ショパンと子守歌
ピアノ演奏と講義でショパンを追う連続シリーズ。続いて「ショパンと子守歌とノクターン」に焦点を当てるが、第4話で見ていくのは「子守歌」である。左手のゆったりした伴奏の上で、右手が自由に旋律をかなでる曲調は「ショパン...
収録日:2022/10/13
追加日:2023/04/06
日本の歌を大切にしよう…中華文明の影響と脚下照顧の教え
万葉集の秘密~日本文化と中国文化(3)グローバル・スタンダードと脚下照顧
『万葉集』は中華文明の影響を受けている。実際、当時の日本はグローバル・スタンダードである中華文明の知識を得、阿倍仲麻呂をはじめとした知識人たちを排出したのだ。しかし、このままではいつまでたっても自分たちの言葉で...
収録日:2022/09/13
追加日:2023/03/28
日本的+中国的…両面あわせ持つ歌集が『万葉集』
万葉集の秘密~日本文化と中国文化(2)『万葉集』という歌集のあり方
日本の古代文化である『万葉集』にはいろいろな漢語、漢詩が登場する。大伴旅人の「酒をほめる歌」や山上憶良の長文などがそうだが、これは『万葉集』の中に中国文化が色濃くあるということを示している。しかし、それだけでは...
収録日:2022/09/13
追加日:2023/03/21
『万葉集』はいかなる歌集か…日本のルーツと中国の影響
万葉集の秘密~日本文化と中国文化(1)万葉集の歌と中国の影響
4516首、全20巻からなる『万葉集』は日本最古の歌集として知られているが、具体的にどのような性質をもつ書物なのだろうか。詠まれた歌の内容を見ても日本文化のルーツがそこにあるのは確かだが、丁寧に見ていくと中国文明の影...
収録日:2022/09/13
追加日:2023/03/14
「源実朝は文弱」は誤解…『金槐和歌集』に込めた想いとは
源氏将軍断絶と承久の乱(6)源実朝の政と和歌
源実朝を歌人として知る人も多いだろう。和田合戦直後に彼が編んだ『金塊和歌集』は後世の評価も高い。だが、それだけに実朝を「文弱」と指摘する傾向も続いてきた。しかし、和歌は幕府のトップとして朝廷のトップと渡りあう彼...
収録日:2022/07/13
追加日:2022/10/16
樽廻船とアンフォラの山、酒文化を謳歌した江戸とローマ
江戸とローマ~日本酒とワイン(1)醸造技術の進歩と輸送手段の変遷
都市人口が増加した平和な時代、飲酒の需要は当然大きいが、その要因の一つにノウハウの洗練がある。日本では醸造技術が進み、濁り酒が清酒に変わり、日常的な嗜好品として愛飲されるようになる。一方、ローマではワインのよし...
収録日:2021/07/16
追加日:2022/08/21
『源氏物語』紫上の死…紫式部が描くもっとも幸せな最期
『源氏物語』を味わう(8)最愛の人・紫上に対する鎮魂歌
光源氏の正室・女三の宮は、頭中将の息子・柏木とのあいだに不義の子を産むことになる。源氏は女三の宮を女として顧みることなく、ここでも紫上は最終的に救われる。やがて死を迎える紫上だが、何の苦しみもなく、源氏をはじめ...
収録日:2022/02/22
追加日:2022/08/08
諧謔精神を育んだ江戸とローマ、現代社会とどこが違うのか
江戸とローマ~諷刺詩と川柳・狂歌(4)庶民文化を楽しむ社会の形成
川柳と風刺詩を通して庶民文化を楽しんだ「人口100万人都市」江戸とローマ。どちらも当時、大都市でありながらお互いが無関心ではいられない社会を形成していたという。そこには豊かさゆえのゆとりがあったという面もあるが、彼...
収録日:2021/06/16
追加日:2022/04/04
冷笑から嘲笑、義憤へ、ローマ諷刺詩人の健全な批判精神
江戸とローマ~諷刺詩と川柳・狂歌(3)川柳・狂歌と諷刺詩の時代
日本の川柳や狂歌の源流は、京鴨川の「二条河原の落書」にあるといわれる。悪政に対する批判的風刺の精神が庶民レベルにまで拡大したのが、川柳や狂歌の流行した江戸末期だった。同様のことが、ローマでは風刺詩を通じて紀元前5...
収録日:2021/06/16
追加日:2022/03/28
スサノオとオルフェイス、悲しみと歌でつながる男神の物語
古事記・日本書紀と世界神話の類似(2)詩の文化の共通点
日本神話とギリシア神話の類似点として、スサノオとオルフェイスという、夫(男)の神の存在が挙げられる。この2神はどのようなつながりがあるのか。スサノオの物語を通して、ギリシア神話との共通点をさらに挙げていく。(全10...
収録日:2021/09/29
追加日:2022/03/27
江戸時代の粋が生んだ「川柳」を詠んで俳諧の歴史を楽しむ
江戸とローマ~諷刺詩と川柳・狂歌(2)江戸っ子と川柳
川柳や落語では「江戸っ子の粋」が強調されるが、ローマにはそれに匹敵する「ローマっ子」がいたのだろうか。どちらの都市も外部から多様な人が流入したが、「それ以外の人間」により純粋な都会人の定義が行われたのは江戸だけ...
収録日:2021/06/16
追加日:2022/03/21
諷刺精神に富んだパックス・ロマーナ、悲劇より喜劇が人気
江戸とローマ~諷刺詩と川柳・狂歌(1)諧謔精神の爛熟
古代ローマと江戸を比較するうえで、社会のゆとりは欠かせない。200年以上続いた江戸の平和は、ほぼ同じぐらい続いた「パックス・ロマーナ」に匹敵し、庶民にも生活文化を楽しむ心が磨かれていった。両者に共通するのは、物事に...
収録日:2021/06/16
追加日:2022/03/14
ギリシア悲劇における合唱隊“コロス”の役割と意味
ギリシア悲劇への誘い(6)コロスの歌とその役割
ニーチェも指摘するように、ギリシア悲劇は合唱隊である“コロス”の歌から始まったとされている。『オイディプス王』に登場するコロスは町の長老たちという設定で、その構成においてはストーリーを展開させ、さらには観客を代弁...
収録日:2021/03/30
追加日:2022/03/01
江戸時代、流行もファッションも牽引した歌舞伎の熱狂
江戸とローマ~花見と剣闘士(6)庶民の娯楽と熱狂度
観劇にさほど関心が高くなかった古代ローマの庶民に比べ、江戸の庶民が熱狂したのは歌舞伎。当時の「現代」が描かれた舞台を一日がかりで楽しみ、流行もファッションも歌舞伎が引っ張る時代が続いたのである。ちなみに、ローマ...
収録日:2021/05/24
追加日:2021/12/20
歌の始まりも言葉の交換から――互酬性と信頼のネットワーク
ソフトな歴史学のすすめ(4)交換によるネットワークの構築
人間にはそもそも互酬性があり、それがネットワークの構築、信頼の形成に大きく影響している。『古事記』によると歌は言葉の交換から始まっており、そこからもうかがえることである。今回は祖母のエピソードを中心に、交換によ...
収録日:2021/06/04
追加日:2021/11/01
無耳法師となった明恵の過激、秘めた切なる想いとは
【入門】日本仏教の名僧・名著~明恵編(2)無耳法師の「賛」と和歌
明恵は両親を早く亡くして仏門に入ったことから、釈尊を父と崇め、「仏眼仏母」の仏画を母と慕い続けた。また、自らの美貌が修行の妨げになることを気遣い、右耳を削ぎ落として「無耳法師」と名乗ったという過激な経歴の持ち主...
収録日:2020/09/30
追加日:2021/10/29
聖徳太子は歌によって問いかけた人である
「万葉集」の聖徳太子――語りかける人(4)姓名・食事・衣服・歌を与える意味
聖徳太子の歌の背景には、飢えて倒れた旅人に寄り添い、姓名を問い、食事、衣服、歌を与えたという経緯があった。「姓名を問う」とは、相手を尊重することの第1番目にある。では歌を与えること、人に思いのこもった声をかけるこ...
収録日:2021/06/04
追加日:2021/08/06
『日本書紀』で伝えられた聖徳太子と歌の物語
「万葉集」の聖徳太子――語りかける人(3)歌の背景としての物語
歌は感情の吐露だから、その歌が出てきたときの背景として、物語がある。物語とは、亡くなった人の言動を語り伝えることも指すのだが、その語りによって人はよみがえり、それが供養につながるのである。『万葉集』所載の聖徳太...
収録日:2021/06/04
追加日:2021/07/30
『万葉集』に収載されている聖徳太子の歌とは
「万葉集」の聖徳太子――語りかける人(2)伝説上の人物・上宮聖徳皇子の歌
『万葉集』には聖徳太子の歌も収載されている。編纂された8世紀の半ば頃には伝説上の人物となっていた彼は、そこでは「上宮聖徳皇子」という言い方をされている。その歌が巻の三にある「家ならば 妹が手まかむ 草枕 旅に臥や...
収録日:2021/06/04
追加日:2021/07/23
スサノオなしに日本の祭も歌もなかった
世界神話の中の古事記・日本書紀(5)『古事記』の中のスサノオ像
スサノオはスクラップ・アンド・ビルド、つまり世界を展開させていく破壊的な役割を果たすと同時に、世界をつくり上げていく役割も果たす、一番のキーとなる神様だと鎌田東二氏は言う。また、「八雲立つ 出雲八重垣 妻籠みに 八...
収録日:2020/10/05
追加日:2021/05/01
古関裕而のライバルは古関裕而――校歌も社歌も古関メロディで
古関裕而・日本人を応援し続けた大作曲家(7)戦後の歌と鎮魂
終戦によって、国民を励まし、人々とともにあった戦時歌謡の時代は終わった。レクイエムとも言える「長崎の鐘」を作曲した古関裕而が生み出す音楽も、戦後復興とともに次第に明るい曲調のものが増えていく。子どもたちを夢中に...
収録日:2020/08/18
追加日:2020/11/10
古関裕而の戦時歌謡は戦時中、大衆の心の支えであった
古関裕而・日本人を応援し続けた大作曲家(6)戦時歌謡は大衆の応援歌
「露営の歌」「暁に祈る」「若鷲の歌」の3曲は、古関自らが選んだ戦時歌謡の代表作だ。「露営の歌」が満州旅行時のイメージから生まれたように、他の2作も、体験や経験を元にしているのだが、いずれも楽器を使わずに作曲された...
収録日:2020/08/18
追加日:2020/11/03
B面だった「露営の歌」大ヒットの秘密…旋律と歌詞の意味
古関裕而・日本人を応援し続けた大作曲家(5)「露営の歌」の大ヒット
1937(昭和12)年、日中戦争開始の年、ついに空前の大ヒット作が生まれる。発売数カ月で56万枚を記録した「露営の歌」だ。実はB面だったこの曲は、当時の大衆の圧倒的な支持を得て、戦時歌謡の一大ブームを巻き起こす。軍部の方...
収録日:2020/08/18
追加日:2020/10/27
「流行歌界のプリンス」松平晃は戦前の古関作品に重要な歌手
古関裕而・日本人を応援し続けた大作曲家(4)古関メロディの誕生
苦悩の末、26万枚のヒット作「船頭可愛や」を生み出したとはいえ、すぐに古関裕而のもとに流行歌作曲の依頼が殺到したわけではなかった。松平晃や高橋掬太郎とコンビを組み、ヒット作を狙いながらも、当時「新民謡」と呼ばれた...
収録日:2020/08/18
追加日:2020/10/20
「努力する天才」が最初に世に知られたのは早稲田の応援歌
古関裕而・日本人を応援し続けた大作曲家(3)大衆性の意味を知る
コロムビアの作曲家になった古関裕而を待ち受けていたのは、自分の求める音楽性と、ヒット作に求められる大衆性との矛盾だった。葛藤すること8カ月、苦悩しながらレコード化に漕ぎ着けるも、鳴かず飛ばずの日々。そんな時に出会...
収録日:2020/08/18
追加日:2020/10/13
コロナ対策において大事なことは「責任」と「比較優位」
新型コロナウイルス対策~和歌山モデルの教訓(10)ポストコロナにおける国と地方の関係
よく「地方分散」といわれるが、何でも地方に移せばいいというものではない。基準認証の権限や規制の権限などを地方に移せば、県ごとに基準や規制が違うことになりかねず、企業活動が不便になる。国がキープする部分と任せる部...
収録日:2020/07/30
追加日:2020/09/06
ポストコロナで経済を盛り上げるため和歌山県が考える3つのこと
新型コロナウイルス対策~和歌山モデルの教訓(9)今後の経済をいかに盛り上げるか
ポストコロナにおいて、経済を盛り上げるために和歌山県が考えていることは3つある。1つ目は「耐える」ことだ。そこで大事な事業継続のために、助成金や支援策によって事業者を励ます。2つ目は新しい芽を生かすこと。特に現在進...
収録日:2020/07/30
追加日:2020/09/06
なぜ和歌山県は「休業補償はしない」と表明したのか
新型コロナウイルス対策~和歌山モデルの教訓(8)「休業補償」はおかしい
「休業補償を出すのが当たり前」という風潮があるが、和歌山県は出さなかった。それは、休業要請をした業種にはお金を出し、自発的に休業した業種や店にはお金を出さないというのは理屈に合わないからだ。県として救済するなら...
収録日:2020/07/30
追加日:2020/09/04
「和歌山モデル」は大都市でも可能性はあるのか
新型コロナウイルス対策~和歌山モデルの教訓(7)経済活動と感染拡大防止の両立に向けて
保健所の機能を活用して感染拡大を防ぐ「和歌山モデル」は、大都市でも十分可能だと仁坂知事は言う。保健所や公務員の数が多いのだから、彼らを一つの統合ネットワークのもとに駆使すればいい。今後、新型コロナの状況がどう推...
収録日:2020/07/30
追加日:2020/09/04
「大阪モデル」をつくった吉村洋文知事の行動をどう見るか
新型コロナウイルス対策~和歌山モデルの教訓(6)前回の経験をどう生かすか
「保健医療行政」と「国民の協力」のどちらを重視するかは、副作用を考えれば「保健医療行政」しかない。和歌山県では2020年5月下旬、県民へのメッセージを「不要不急の外出をやめる」から、「安全な外出、安全な生活、安全な営...
収録日:2020/07/30
追加日:2020/09/04
「緊急事態宣言」の問題点はどこにあったのか
新型コロナウイルス対策~和歌山モデルの教訓(5)「保健医療行政」と「国民の協力」
2020年4月7日に出された「緊急事態宣言」は少し遅かったが、16日に対象を全都道府県にしたのは時宜を得ていたという和歌山県・仁坂知事。緊急事態宣言の問題点は、「即行動あるいは営業の自粛」としたことにある。保健所がある...
収録日:2020/07/30
追加日:2020/09/03
「クリニックに行って大丈夫」というシステムができた理由
新型コロナウイルス対策~和歌山モデルの教訓(4)現場から学ぶことの大切さ
和歌山県が陽性者発見にクリニックの協力を求めたのは、まず病院で仕分けしたほうが現場に混乱が生じないからだ。欧米には日本のような保健所が存在しない。日本の病院で欧米のような混乱が起こらなかったのは、保健所の果たし...
収録日:2020/07/30
追加日:2020/09/03
「和歌山モデル」として重要な3プラス1の要素とは何か
新型コロナウイルス対策~和歌山モデルの教訓(3)「和歌山モデル」が目指したもの
「早期発見」「早期隔離」「感染者の行動履歴の徹底的な調査」が、感染拡大防止のために、和歌山県が取り組んできたことである。早期発見に有効なのが、町のクリニックとの連携。国は「4日以上の発熱が続いたら病院へ」と言って...
収録日:2020/07/30
追加日:2020/09/03
緊急非常事態のときに重要なのは「現場の癖」を知ること
新型コロナウイルス対策~和歌山モデルの教訓(2)PCR検査と保健所の現実
PCR検査は陽性者の発見以上に、陽性者を「隔離」するための手段である。院内感染が起きたときに、関係者全員にPCR検査をしたが、全国の保健所でPCR検査がなかなか行われなかったのは、対象者を中国と関係ある人に限定したから。...
収録日:2020/07/30
追加日:2020/09/01
新型コロナによる日本初の院内感染にどう対処したのか
新型コロナウイルス対策~和歌山モデルの教訓(1)院内感染発生当時の状況
国内初の院内感染が、和歌山県の済生会有田病院で起きた。和歌山県ではまず入院患者を個室に移し、その後、病室を訪れる医師、看護師など、うつす可能性の高い人からPCR検査を行っていった。さらに中国人観光客が出入りするホテ...
収録日:2020/07/30
追加日:2020/09/01
本歌そっくりだが知れば知るほど際立つ藤原雅経の歌の工夫
和歌のレトリック~技法と鑑賞(6)本歌取り:その2
和歌のレトリック「本歌取り」についてのレクチャー後編、今回は百人一首の中から2首を、それぞれの本歌とともに取り上げる。なかでも藤原雅経の歌「み吉野の山の秋風さ夜ふけて故郷寒く衣うつなり」」には、「本歌と大差ない」...
収録日:2019/06/17
追加日:2020/02/18
藤原定家が完成した「本歌取り」は古歌への恋
和歌のレトリック~技法と鑑賞(6)本歌取り:その1
和歌のレトリックについて解説するシリーズ講義。6つ目のレトリックは「本歌取り」だ。この技巧を完成したのは藤原定家であるため、百人一首には本歌取りの歌が多く収められている。では本歌取りとは何か。皆の共有財産となって...
収録日:2019/06/17
追加日:2020/02/11
紫式部が友を思い詠んだ歌…和歌における縁語の効果
和歌のレトリック~技法と鑑賞(5)縁語:その2
和歌のレトリックの1つ、縁語についてのレクチャーの後編。今回紹介する藤原公任、紫式部、小式部内侍、藤原基俊の歌は、いずれも縁語を駆使した非常に技巧的に優れたものばかりだ。相手への称賛や友情、自らの無実の証明や複雑...
収録日:2019/06/17
追加日:2020/02/04
百人一首に多く使われている「縁語」というレトリックとは
和歌のレトリック~技法と鑑賞(5)縁語:その1
今回紹介する和歌のレトリックは、百人一首に多く使われている「縁語」である。縁語とは、文脈を超えて複数の言葉に関係を持たせる技巧だが、そのうちのある言葉が掛詞として使われるケースが多い。それゆえ、凝りに凝った表現...
収録日:2019/06/17
追加日:2020/01/27
わが身と場が運命的に重なるものとして使うのが掛詞
和歌のレトリック~技法と鑑賞(4)掛詞:その2
今回、百人一首の中から紹介する和歌は、いずれも大変技巧的に凝ったものだ。私たちは「技巧的」というと表面的で心がこもらないと思いがちだが、和歌のレトリックは気持ちをきれいに包装して相手にわたすような技法だと渡部泰...
収録日:2019/06/17
追加日:2020/01/22
「掛詞」ー和歌の代表的なレトリックの魅力
和歌のレトリック~技法と鑑賞(4)掛詞:その1
渡部泰明氏が百人一首を例にとりながら、代表的な和歌のレトリックについて解説するシリーズレクチャー。今回取り上げるのは「掛詞」について。掛詞は単に言葉のしゃれというものではなく、わが身の在り方や心情と、場や風景、...
収録日:2019/06/17
追加日:2020/01/13
自由・平等・博愛の理想を歌う「第九」の秘密と仕組み
ピアノでたどる西洋音楽史(7)現代に生きる「第九」
日本では年末の風物詩になって久しいベートーヴェン第九だが、そのメッセージは「自由・平等・博愛」というフランス革命の理想そのものだ。ベルリンの壁崩壊直後の演奏会では東西の演奏者が同じ舞台に上がり、「世界はひとつ」...
収録日:2019/09/04
追加日:2019/12/06
クラシック音楽の源流はキリスト教の聖歌である
バッハで学ぶクラシックの本質(6)聖歌からの音楽の発展
キリスト教の聖歌は、非常に長い歴史を持っている。はじめは小さな修道院で単純な歌を歌っていたが、徐々に都市が成立するとともに、生活が複雑かつ巨大なものとなると、それに伴いポリフォニーや対位法といった複雑な作曲技法...
収録日:2019/09/19
追加日:2019/11/21
日本文化には歌や舞いで「からだ」が変容する瞬間がある
世界の語り方、日本の語り方(4)〈からだ〉を解き放つ
物質的アルゴリズムに支配される日常の「からだ」を解き放つ方法として、古来、歌や舞いはあったのではないか。今回は能の歩みや『荘子』を軸に、日本文化が伝える<からだ>を見直していく。(2019年2月14日開催日本ビジネス協...
収録日:2019/02/14
追加日:2019/07/31
菅原道真や在原業平の和歌にみる見立ての役割
和歌のレトリック~技法と鑑賞(3)見立て:その2
見立ては表現を膨らませるテクニックでしかないのか。渡部泰明氏は、単なる技術としての見立てという見方から離れて、ある二つの役割を強調する。それはどのような役割なのか。菅原道真や在原業平の和歌を取り上げながら解説す...
収録日:2019/03/11
追加日:2019/06/29
古今和歌集の時代に発展した「見立て」…その意味と技法
和歌のレトリック~技法と鑑賞(3)見立て:その1
ある対象を異なるものに見立てるというレトリックは、劇的な空間を演出し、対象を芝居がかった表現で讃嘆するものである。「見立て」という技術が織りなす臨場感あふれる讃嘆に彩られた和歌の世界を、2話にわたって紐解いていこ...
収録日:2019/03/11
追加日:2019/06/29
和歌における序詞の役割と意味は「呪文」?
和歌のレトリック~技法と鑑賞(2)序詞:その2
和歌の中で序詞はどのような役割を担っているのだろうか。渡部泰明氏は、和歌における呪文としての役割を提唱する。呪文とはいったいどういうことなのか。前話に続き、序詞について解説する。(全12話中第4話)
収録日:2019/03/11
追加日:2019/06/23
枕詞よりも長く、使い方が固定的でない序詞
和歌のレトリック~技法と鑑賞(2)序詞:その1
和歌のレトリックとしては、枕詞よりも耳慣れないであろう序詞。大きく3類型に分かれるというが、どのような方法で、どのような効果を生むのか。今回も2話に分けて具体的に説明し、古代人の考え方を序詞の役割とともに紐解いて...
収録日:2019/03/11
追加日:2019/06/23
枕詞は畏敬を表わす呪文?…和歌の中での役割と効果とは
和歌のレトリック~技法と鑑賞(1)枕詞:その2
枕詞はいったいどのような言葉を修飾し、和歌の中でどのような役割を担っているのだろうか。「あしひきの」や「たらちねの」など実例をいろいろと挙げながら、神様や信仰の対象を崇敬するなど枕詞の役割を解説する。(全12話中...
収録日:2019/03/11
追加日:2019/06/15
ぬばたまの、あしひきの……不思議な「枕詞」の意味は?
和歌のレトリック~技法と鑑賞(1)枕詞:その1
日本古来の詩の形式である和歌。しかし、その中身について詳しく知っている人は少ないのではないだろうか。渡部泰明氏が和歌のレトリックについて解説するシリーズレクチャー。第一弾である今回は枕詞についてで、その知られざ...
収録日:2019/03/11
追加日:2019/06/15
「廃藩置県」の一声で無に帰してしまった兵制改革
明治維新から学ぶもの~改革への道(9)紀州・和歌山藩の挑戦
陸奥宗光らが立案した紀州・和歌山藩の兵制は画期的だった。四民平等の徴兵制、プロシア式の導入、弾薬製造の徹底など、薩長に脅威を与えた改革は、紀州が敗者だったから取り得た策である。廃藩置県により夢破れた陸奥は、税制...
収録日:2018/11/13
追加日:2019/04/27
元号「令和」の出典『万葉集』「梅花の歌の序文」とは
「令和」の出典「梅花の歌三十二種の序文」を読み解く
元号「令和」。今上天皇の生前退位に伴い、ご健在のもと改元が行われたのは近代国家になってからは初めてのことであった。また、漢籍からではなく、日本の古典である『万葉集』から文字が選定されたのも、記録上は初めてのこと...
収録日:2019/04/06
追加日:2019/04/16
藤原定家が生涯の一首として取り上げた理由
百人一首の和歌(5) 藤原定家
東京大学大学院人文社会系研究科教授の渡部泰明氏による百人一首に関するシリーズレクチャー。最終話では百人一首の選者とされる藤原定家が自身の歌として選んだ一首を取り上げる。定家自選というだけあって、その歌は多くの示...
収録日:2018/04/02
追加日:2018/06/30
百人一首の皇嘉門院別当の歌は奇跡的なまでに技巧的
百人一首の和歌(4)皇嘉門院別当
東京大学大学院人文社会系研究科教授の渡部泰明氏による百人一首に関するシリーズレクチャー。今回取り上げる皇嘉門院別当は在原業平、和泉式部と比して知名度は圧倒的に劣る。また、歌人としても当代随一の実力派というほどで...
収録日:2018/04/02
追加日:2018/06/25
和泉式部の『百人一首』の歌は最も情熱的
百人一首の和歌(3)和泉式部
東京大学大学院人文社会系研究科教授の渡部泰明氏が百人一首の和歌について解説するシリーズレクチャー。第3回では、日本史上最大級の女性歌人ともいえる和泉式部の歌を取り上げる。渡部氏は、百人一首に選ばれた情熱的な一首に...
収録日:2018/04/02
追加日:2018/06/23
在原業平の一首が背負う「物語」とは?
百人一首の和歌(2)在原業平
いくつもの謎を抱える日本古典の代表『百人一首』を、日本文学研究者で東京大学大学院人文社会系研究科教授の渡部泰明氏に案内いただくシリーズレクチャー。第2回からは個別の歌人と選ばれた作品の謎に迫っていく。今回は、美男...
収録日:2018/04/02
追加日:2018/06/18
『百人一首』の歌が選ばれた理由とは?今も残る3つの謎
百人一首の和歌(1)謎の多い『百人一首』
漫画「ちはやふる」の影響で、若い世代にもブームを続ける『百人一首』。日本人なら誰もが知っている古典の代表作品だが、「実は謎がたくさん隠されている」という説もある。奥深い『百人一首』の和歌について、日本文学研究者...
収録日:2018/04/02
追加日:2018/06/16
俵屋宗達「風神雷神図」に見る枠を超えた表現
日本美術論~境界の不在、枠の存在(5)宗達と歌麿の枠
東京大学大学院人文社会系研究科教授の佐藤康宏氏が、俵屋宗達「風神雷神図」と喜多川歌麿「北国五色墨 てっぽう」を例として、日本美術を特徴付ける枠への意識を解説する。宗達が南宋絵画の対角線構図を発展させるだけでなく、...
収録日:2017/08/02
追加日:2018/02/12
戦後日本の姿を鋭く衝いた、ある戦争未亡人の歌がある
本当のことがわかる昭和史《7》歴史を愛する日本人の崇高な使命(7)「捧げし人のただに惜しまる」
〝かくまでに醜き国となりたれば 捧げし人のただに惜しまる〟 これは、ある戦争未亡人の歌だが、家族を「捧げた」親や妻や子供や弟妹も多かった。だが戦後日本は、日本の戦争は侵略戦争だったと断じ、国のために命を捧げた人...
収録日:2015/02/02
追加日:2015/09/21
五・一五事件は2年前にすでに予告されていた!?
本当のことがわかる昭和史《3》社稷を念ふ心なし――五・一五事件への道(1)若者に歌い継がれた『青年日本の歌』
1932年の五・一五事件の中心人物となる海軍の三上卓中尉が、事件の2年前に作詞・作曲した『青年日本の歌』という歌がある。犬養毅首相を殺害した三上中尉ら被告人たちに国民から数多くの減刑の嘆願書が寄せられたが、三上...
収録日:2014/12/22
追加日:2015/08/24
バラ、光、歌で奇跡のV字回復!ハウステンボスの集客戦略
ハウステンボス再生への戦略(1)仕組みで勝つ
18年間赤字のハウステンボスを1年で黒字に転換させた澤田秀雄氏。〝100万本のバラ〟〝光の王国〟〝ハウステンボス歌劇団〟など、数々の魅力あるイベントで集客を増やしてきた、ハウステンボス再生における澤田氏の戦略論に迫る。
収録日:2014/03/31
追加日:2014/05/15
歴史上の人物にもひけをとらない魅力を持っていた裕次郎
歴史家が語る『裕次郎』(2)同時代史として書いた本
西洋古代史、ローマ史を専門とする早稲田大学国際教養学部特任教授・本村凌二氏が、2017年7月に上梓した自著『裕次郎』を通して、石原裕次郎の魅力を語る。その語りには、同時代を生きた裕次郎を、歴史家として取り上げてみたい...
収録日:2017/08/23
追加日:2017/09/27
謎多き紫式部の半生…教養深い「女房」の役割とその実像
日本語と英語で味わう『源氏物語』(1)紫式部の人物像と女房文学
日本を代表する古典文学『源氏物語』と、その著者である紫式部は、NHKの大河ドラマ『光る君へ』の放映をきっかけに注目が集まっている。紫式部の名前は誰もが知っているが、実はその半生や人となりには謎が多い。いったいどのよ...
収録日:2024/02/18
追加日:2024/10/14
対談 | 林望/ロバート キャンベル
寅さんも水戸黄門も…「ほかひびと」が伝承した貴種流離譚
折口信夫が語った日本文化の核心(3)貴種流離譚と型の文化
日本の物語の多くは古来から「貴種流離譚」といい、偉い人が流浪の旅を続ける苦難の物語である。折口信夫は、そうした物語を伝承したのは自らも流浪の民だった「ほかひびと」だと指摘している。さらに語りには必ず弦楽器を伴い...
収録日:2022/09/13
追加日:2023/01/09
不倫へのバッシングを「もののあはれ」的にはどう考えるか
もののあはれと日本の道徳・倫理(3)「不倫の恋」ともののあはれ
『源氏物語』で描かれる恋愛の中心は「不倫の恋」である。インモラル(不道徳)ともいわれるその物語に、「もののあはれ」という倫理の基礎を見いだした本居宣長。そこには、切実な「あはれ」を歌や物語といった芸術的にものに...
収録日:2023/08/04
追加日:2024/02/01
社会派でありながら娯楽映画に仕立てた裕次郎映画
歴史家が語る『裕次郎』(4)『太陽への脱出』と「骨」
古代ローマ史を専門とする早稲田大学国際教養学部特任教授の本村凌二氏が著書『裕次郎』について解説するシリーズレクチャー。最終回の今回取り上げる『太陽への脱出』は、単行本では「必死に耐えながらも傷ついてゆく男の宿命...
収録日:2017/08/23
追加日:2017/09/29
音楽はなぜ時代を映し出すのか?…音楽と人の歴史の関係
クラシックで学ぶ世界史(1)時代を映す音楽とキリスト教
「歌は世につれ」というように、音楽は常に時代性を色濃く表していく。「音楽ほど、当時の社会状況や人々の欲望、時代のニーズの影響をダイレクトに受ける文化ジャンルも少ない」と片山杜秀氏は著書の中で書いているが、それは...
収録日:2019/08/26
追加日:2019/10/26
本居宣長の説く「もののあはれ」の意味…心の動きとため息
『源氏物語』ともののあはれ(4)「もののあはれ」とは何か
本居宣長は、歌も物語もその本質は「あはれ」というひと言で説明できると説いたわけだが、では「もののあはれ」とはいったいどのようなものなのか。また、なぜ宣長は「あはれ」に着目したのか。友人からの問いかけから始まった...
収録日:2023/08/04
追加日:2023/11/23
「国生み・国作り・国譲り・国治め」と「むすひ」の力
日本神話の基本を知る~世界・人間・文化のはじまり
日本神話とはどのような構造・内容なのだろうか。「国生み・国作り・国譲り・国治め」という起承転結のストーリーで進んでいくというが、そこにはどのような神が関わり、そのような話が展開されていくのか。『古事記』『日本書...
収録日:2022/03/29
追加日:2022/08/11
現代経営に生かしたい松尾芭蕉の創造論とは
日本の特性とは何か~「日本的」の本質(2)日本的経営と松尾芭蕉の創造論
日本のアイデンティティ、特性を現代経営に生かすには、松尾芭蕉の創造論を大いに参考にするべきだと田口佳史氏は説く。芭蕉の創造論は、普遍的な歌心を持って四季の変化に敏感になることを旨とする。よって、現代のビジネスパ...
収録日:2020/01/08
追加日:2020/05/06
『古事記』と『日本書紀』の大きな違い…その神話と構造
世界神話の中の古事記・日本書紀(2)『古事記』と『日本書紀』の違い
人間と神との距離感が非常に近い日本神話。その日本神話の代表的なものが『古事記』『日本書紀』であるが、この2作は全く性質が異なるものだと鎌田東二氏は言う。『古事記』と『日本書紀』は、どのような点がどのように異なるの...
収録日:2020/10/05
追加日:2021/04/07
日本人はいつから「漢字仮名交じり」を使うようになったか
文明語としての日本語の登場(5)仮名文字と文芸の成立
10世紀から11世紀に生まれた王朝文芸は、日本が世界に誇る文化遺産である。ここでは紫式部、清少納言、紀貫之などが筆をふるった文章が「平仮名」のみを用いた点に注目したい。当時の発音は仮名と結びついていたため、平仮名の...
収録日:2023/12/01
追加日:2024/04/05
「オリンピック・マーチ」――最大の古関作品に込めた思い
古関裕而・日本人を応援し続けた大作曲家(8)後世へのメッセージ
一番の大作である1964(昭和39)年東京五輪の「オリンピック・マーチ」を生んだ古関裕而は、その後も1989(平成元)年8月に亡くなるまで、数多くの楽曲を作り続けた。そんな古関が母校を訪れた時に贈ったのは、「皆さんは若い、...
収録日:2020/08/18
追加日:2020/11/17
良き日本人の魂を思い出すのは芸術作品と会ったときだけだ
憂国の芸術(1)芸術作品こそが心を動かす
執行草舟が、自身の芸術コレクションの中から、コシノジュンコ氏の作品などを紹介するシリーズ。執行草舟は、芸術として優れているのに加え、魂の燃焼に命をかけて生きた人たちの作品を「憂国の芸術」と名づけて集めている。そ...
収録日:2021/12/02
追加日:2022/01/14
ルネサンス音楽とバロック音楽の違い…バッハの特徴とは?
クラシックで学ぶ世界史(2)宗教改革と音楽様式の変化
単純だったグレゴリオ聖歌がポリフォニーに変化したのは、社会の複雑化を反映したものだった。神の教えは教会が占有するものではなく、人が信仰の中に見いだすものだという動きを受け、音楽も民衆的になっていく。宗教改革が起...
収録日:2019/08/26
追加日:2019/10/26
20世紀のクラシック音楽の特徴と「2つの方向」とは?
クラシックで学ぶ世界史(12)革命と戦争の20世紀音楽
20世紀の大衆の時代を迎え、音楽は国民を総動員するため、一層の分かりやすさを求められるようになる。また一方では、進歩の時代を体現するように、「新しさ」が最大のテーマにもなる。第二次大戦後の冷戦時代、東西の音楽はど...
収録日:2019/08/26
追加日:2019/12/28