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「文化」の検索結果

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戦後ダメになったのは日本だけでない、欧米はより堕落した

価値と人間(5)欧米社会の堕落

現代の政治・社会を動かしている民主主義の考え方は、全面的にダメなのではない。しかし、下が上を選ぶ現在の選挙制度がある限り、多数派にしか正義はない。そうなると、エリートが生まれなくなるから、やがて国が滅びてしまう...
収録日:2024/01/31
追加日:2024/04/26

運も実力のうち!?小早川の寝返りを生んだ黒田長政の好運

運と歴史~人は運で決まるか(2)運に恵まれるにはどうすればいいか

普通の人間の「運」については、どう考えればいいのだろうか。例えば、日本において消費文化が花開いた江戸時代、11代将軍・徳川家斉の治世には、庶民が「運がめぐってこない」ことを皮肉った狂詩があった。運には「めぐりあわ...
収録日:2024/03/06
追加日:2024/04/25
山内昌之
東京大学名誉教授

権威主義とポピュリズムへの対抗…歴史を学び、連帯しよう

民主主義の本質(5)民主主義を守り育てるために

ポピュリズムや権威主義的な国家の脅威が迫る現在の国際社会。それに対抗し、民主主義的な社会を堅持するために、国際社会の中で日本はどのように振る舞うべきか。議論を進める前提として大事なのは「歴史から学ぶ」ことである...
収録日:2024/02/05
追加日:2024/04/23
橋爪大三郎
社会学者

新宿の歴史…かつては馬糞臭い宿場町だった「内藤新宿」

『江戸名所図会』で歩く東京~内藤新宿(1)内藤新宿の誕生と役割

江戸時代後期に書かれた地誌『江戸名所図会』(えどめいしょずえ)をひもとくと、江戸時代の街の様子や人々の暮らしぶりが見えてくる。今回は、五街道の宿場町として重要な役割を果たした「内藤新宿」を取り上げ、新宿のかつて...
収録日:2024/02/19
追加日:2024/04/21
堀口茉純
歴史作家

努力した人間を認める社会にならなければ滅びるしかない

価値と人間(4)縁の下の力持ち

明治時代は、本などで取り上げられる対象となるのは優れた人物であり、その歴史的業績だった。しかし、今は褒められ、評価されるのは、本来陰で行うものでわざわざアピールするものではなかったボランティアが対象になっている...
収録日:2024/01/31
追加日:2024/04/19

失敗から学んだ石田梅岩、独学で教養を高めた少年期の体験

石田梅岩の心学に学ぶ(2)梅岩の教養を育んだ少年期の体験

江戸の町人の例に漏れず11歳で奉公に出た石田梅岩だが、奉公先の商家の事情から15歳で帰郷する。失敗ともいえるこの体験が梅岩思想に与えた影響は大きいと言う田口氏。郷里へ戻った梅岩が23歳で再び奉公するまでの記録は残って...
収録日:2022/06/28
追加日:2024/04/15
田口佳史
東洋思想研究家

平安文学の危機と藤原定家による「漢字仮名交じり」の試み

文明語としての日本語の登場(6)鎌倉ルネサンス

公家から武家の世へと政権や人心が移る頃、乱れる日本語を通して公家文化の再復興につとめたのが、藤原定家である。釘貫氏が「鎌倉ルネサンス」と呼ぶ彼の活動は「定家仮名遣い」を産み、さらに写本のかたちで定着させていった...
収録日:2023/12/01
追加日:2024/04/12
釘貫亨
名古屋大学名誉教授

町人の時代へ、石田梅岩に影響を与えた江戸経済の隆盛期

石田梅岩の心学に学ぶ(1)石田梅岩の生涯と時代背景

石田梅岩の心学は、日本で初めて商人が学べる学問をつくり上げたといわれる。その思想哲学を理解するためには、梅岩の思想の淵源をたどってみるほうが分かりやすい。まずは、江戸時代の最初の隆盛期である元禄期と重なる彼の生...
収録日:2022/06/28
追加日:2024/04/08
田口佳史
東洋思想研究家

日本人はいつから「漢字仮名交じり」を使うようになったか

文明語としての日本語の登場(5)仮名文字と文芸の成立

10世紀から11世紀に生まれた王朝文芸は、日本が世界に誇る文化遺産である。ここでは紫式部、清少納言、紀貫之などが筆をふるった文章が「平仮名」のみを用いた点に注目したい。当時の発音は仮名と結びついていたため、平仮名の...
収録日:2023/12/01
追加日:2024/04/05
釘貫亨
名古屋大学名誉教授

「評価されたい」と思わなければ人間は自由になれる

価値と人間(2)「50点でいい」と思う勇気

人間にとって最も尊い思想は「人間はみんな平等」ではない。それよりも、「家族が一番大切」という価値観のほうが尊い。人間は神ではないから、最善のものなどあるわけがない。必ず欠点がある。だから、最善を狙わない。つまり...
収録日:2024/01/31
追加日:2024/04/05

ノーベル賞受賞者も指摘!男女の賃金格差を埋めるために

日本の財政政策とその効果を検証する(5)ジェンダー平等と反循環的な財政政策

世界の中でもジェンダーギャップが大きい日本だが、それを改善する糸口はどこにあるのだろうか。経済を刺激する財政政策はジェンダー平等の実現にもつながるのだが、より抜本的には、働き方の柔軟性が必要だ。日本がそれを実現...
収録日:2023/12/14
追加日:2024/04/04
宮本弘曉
一橋大学経済研究所教授

罪とは何なのか?変容する罪の概念と迫られる善悪の判断

ヒトはなぜ罪を犯すのか(3)変容する文化と罪の本質

ヒトは社会生活を送る上で、文化的規範として規範・慣習・掟などを発展させてきた。しかし、文化は社会状況の変化とともに変容し、過去に容認されていたことが罪となることが多く、またその逆もしかりだ。法律は国民国家を支え...
収録日:2023/12/11
追加日:2024/03/10
長谷川眞理子
日本芸術文化振興会理事長

「和歌」と「宣命」でたどる奈良時代の日本語とその変遷

文明語としての日本語の登場(1)古代日本語の復元

日本語の発音は、漢字到来以来一千年の歴史を通してどう変わってきたのか。また、なぜ日本語は「文明語」として世界に名だたる存在といえるのか。二つの疑問を解き明かす日本語学者として釘貫亨氏をお招きした。1回目は古代日本...
収録日:2023/12/01
追加日:2024/03/08
釘貫亨
名古屋大学名誉教授

左道に訴えないーー『古事談』が伝える「貴族道」の本質

平安時代の歴史~「貴族道」と現代(9)「貴族道」の「貴族道」たる所以

平安時代、暴力や武力は「左道」にあたり、やってはいけないことを意味する。「貴族道」は劣勢であっても決して左道、すなわち暴力や武力に訴えず、議論でそのことを伝えていく。つまり客観性と平和主義とを重んじる価値観を示...
収録日:2023/10/20
追加日:2024/03/01
関幸彦
歴史学者

法曹界の『人間観』は間違い?脳の働きから考える「善悪」

ヒトはなぜ罪を犯すのか(1)「善と悪の生物学」として

“ヒトの罪とは何か”――この問題について、法学や哲学的アプローチでなく、進化生物学・進化心理学的視点から考察するのが今回の講義の趣旨である。ヒトが社会的動物として集団生活を送る中で個人間に利害対立が生じ、これを調整...
収録日:2023/12/11
追加日:2024/02/25
長谷川眞理子
日本芸術文化振興会理事長

トランプ政治で加速する分極化…2024年大統領選の行方

加速する「アメリカの政治的分極化」と今後の可能性

政治的分極化が進んでいるアメリカ。特に共和党内での分裂が顕著で、2023年10月には下院議長選挙が大混乱した。この背景にはイデオロギー的、感情的な分極化がある。トランプ政権以降、分極化が加速すると、中道が失われて両極...
収録日:2023/12/21
追加日:2024/02/20
曽根泰教
慶應義塾大学名誉教授

「なあなあ」と自粛警察…大和魂と漢才の対から見えるもの

もののあはれと日本の道徳・倫理(4)「なあなあ」の日本ともののあわれ

日本は「なあなあ」でいい――本居宣長は、人それぞれにある切実な「あはれ」に共感し、不道徳な思いをある程度許容することが日本的な道徳であると説いたが、今回取り上げる考え方がこの「なあなあ」である。表立ったルールでは...
収録日:2023/08/04
追加日:2024/02/08
板東洋介
東京大学大学院人文社会系研究科 准教授

私たちにはなぜ宗教が必要だったのか…脳の働きから考える

進化生物学から見た「宗教の起源」(1)宗教の起源とトランス状態

宗教の起源について、進化生物学はどう考えるか。イギリスの自然人類学者ロビン・ダンバーの著書『宗教の起源』によると、宗教はヒトにとって普遍的な現象であり、そこには脳が大きな役割を果たしているが、文化の影響も否めな...
収録日:2023/12/20
追加日:2024/01/30
長谷川眞理子
日本芸術文化振興会理事長

数字を追いかけるな、説明責任を求めるな…共感経営への道

日本企業の病巣を斬る(9)社会的共感経営の実現

野中郁次郎氏の唱える「知識創造企業」を築くには、「暗黙知」の活用と、地域やお客さんとの「共感」が重要である。まさに「共感経営」が重要だが、そのためには、数字を追いかけたり、説明責任を求めたりするのが間違いだとわ...
収録日:2023/10/18
追加日:2024/01/26
対談 | 執行草舟田村潤

次善を求めよ…ありえぬ「最善」や「絶対正義」を求める愚

日本企業の病巣を斬る(8)「次善」を求める

この世には本来、「最善」などない。必ず欠点がある。それは企業も同じこと。よって「次善を求める」精神が確立してくると、オーバープランニングやオーバーアナリシス、オーバーコンプライアンスの問題も解決に向かう。しかし...
収録日:2023/10/18
追加日:2024/01/19
対談 | 執行草舟田村潤

スサノヲは動物的な力の神、大国主神は植物的な力の神

大国主神に学ぶ日本人の生き方(6)2度殺され、2度甦る神

長編詩「大国主」の朗読をさらに進めていく。大国主神は、世界神話でも日本神話でも稀なる「2度殺され、2度甦る神」である。だが考えてみれば、植物的な生命は、どこで死んで、どこで甦るのかがよく分からない部分がある。その...
収録日:2023/08/08
追加日:2024/01/14
鎌田東二
京都大学名誉教授

55年体制も裏でつながる一元論…即興には共通の土俵が必要

伊福部昭で語る日本・西洋・近代(8)分断と対立を超える知恵

戦後、日本には歌舞伎的二元論、あるいは演劇的二元論といって、例えば表では55年体制とか、進歩派と保守派の対立とか、労使の対立などがあるけれども、裏でつながっている、根底では同じ日本のイメージのようなものが共有され...
収録日:2023/09/28
追加日:2023/12/30
片山杜秀
慶應義塾大学法学部教授

仏教を重んじる深い理由…なぜ親鸞は聖徳太子を尊敬したか

聖徳太子「十七条憲法」を読む(4)聖徳太子の思想と日本の独立性

十七条憲法について、「中国で隋の直前の時代にあたる北朝の文書(六条詔書)を模倣したものではないか」「中国の思想のパッチワークではないか」といった指摘もある。もちろん、似ている部分や取り入れている部分もある。しか...
収録日:2023/08/24
追加日:2023/12/28
賴住光子
駒澤大学仏教学部 教授

生と死の往来…助けられながら達成する最弱にして最強の神

大国主神に学ぶ日本人の生き方(3)一番弱いが、一番強い

大国主神はいったいどのような神様だったのか。出雲系の神々の1人である大国主神は、神話の中でどのような位置づけだったのか。「一番弱いけれども、一番強い」と鎌田氏は評する。また、生と死を行き来して、死からも力を得る神...
収録日:2023/08/08
追加日:2023/12/24
鎌田東二
京都大学名誉教授

Z世代は傷つきやすい!?…昔の世代との相違点、共通点とは

組織心理学~若者とのコミュニケーション(1)「Z世代」の特徴と接し方

各種ハラスメントへの対策が求められる中、若者とのコミュニケーション方法に悩むリーダー層も多い。例えば、近年「Z世代」と呼ばれるようになったが、彼らは昔の若者たちと何が違うのか。また、何を大切にし、どうありたいと感...
収録日:2023/06/21
追加日:2023/12/22
山浦一保
立命館大学スポーツ健康科学部・研究科 教授

おみくじは「吉凶」だけでなく「和歌や漢詩」を読むのが本当

おみくじと和歌の歴史(1)おみくじは詩歌を読む

日本人にとって身近な「おみくじ」。しかし、その歴史を知る機会はあまり多くない。つい吉凶にばかり目が行きがちなおみくじだが、本当に受け取るべきメッセージはそこではないという。どういうことなのか。まず、おみくじの成...
収録日:2023/11/10
追加日:2023/12/20
平野多恵
成蹊大学文学部日本文学科教授

2つの主題を対比する交響曲を超克し、1つの旋律で多様に

伊福部昭で語る日本・西洋・近代(5)西洋音楽の型の超克

近代西洋では複数の要素を複雑に構成することがレベルの高い音楽だとされたが、「西洋の没落」が見え始めるとともにその傾向は見直され、1つのものを重視する方法に回帰していく。「複数の要素を構成する」とはどういうものか。...
収録日:2023/09/28
追加日:2023/12/09
片山杜秀
慶應義塾大学法学部教授

【会員アンケート企画】戦争をなくすために必要なのは?

編集部ラジオ2023:12月6日(水)

会員の皆さまからお寄せいただいたご意見を元に考え、テンミニッツTVの講義をつないでいく会員アンケート企画。今回は「戦争をなくすために必要なのは何だと思いますか?」というテーマでご意見をいただきました。 この問に...
収録日:2023/11/29
追加日:2023/12/06
テンミニッツTV編集部
教養動画メディア

アイヌの即興的な歌や踊りのなかに見つけた「音楽の命」

伊福部昭で語る日本・西洋・近代(3)アイヌコタンでの経験

日本の戦時中に多く演奏されたのが伊福部昭の「交響譚詩」である。日本の民謡をそのまま曲にしているというわけではなく、オリジナリティが高く、それこそ日本的ともいえる曲であるが、なぜそのような独創的な曲を作ることがで...
収録日:2023/09/28
追加日:2023/11/25
片山杜秀
慶應義塾大学法学部教授

日本のバイタリティと近代管弦楽の融合…伊福部昭の独創性

伊福部昭で語る日本・西洋・近代(2)東洋が見直され始めた時代

チェレプニン賞で1位を獲得した伊福部昭。彼が作曲した「日本狂詩曲」は、日本の祭りのバイタリティと西洋近代のオーケストラの融合であった。民族音楽ではなく、世界のどこでも交響楽団と譜面があれば、日本の祭りが猛烈な音響...
収録日:2023/09/28
追加日:2023/11/18
片山杜秀
慶應義塾大学法学部教授

本居宣長が喝破!『源氏物語』と和歌は本質的に同じ

『源氏物語』ともののあはれ(3)『源氏物語』の本質と本居宣長の画期

光源氏の禁忌的な恋を描いた『源氏物語』。その物語を、日本の知識人はどのように理解し、批評してきたのだろうか。儒教や仏教の宗教的な教訓に導くことにその意義を見いだした言説が優勢な中で、「もののあはれ」、その深い感...
収録日:2023/08/04
追加日:2023/11/16
板東洋介
東京大学大学院人文社会系研究科 准教授

『古今和歌集』仮名序とは…日本文化の原点にして精華

『古今和歌集』仮名序を読む(1)日本文化の原点となった「仮名序」

「やまとうたは、ひとのこころをたねとして」と始まる『古今和歌集』の「仮名序」は、歴史を超えて人の心に響く名文として名高い。著者は撰者の一人である紀貫之。ここでは、日本最初の勅撰和歌集である『古今和歌集』の編纂宣...
収録日:2023/07/05
追加日:2023/11/15
渡部泰明
東京大学名誉教授

映画『ゴジラ』の作曲家・伊福部昭、知られざる経歴を追う

伊福部昭で語る日本・西洋・近代(1)チェレプニン賞に輝いた無名の作曲家

いまや世界的に広く知られる映画『ゴジラ』のメインテーマを創った作曲家・伊福部昭。彼は、最初から作曲家として順風満帆な人生を歩んでいたわけではなかった。今回はまず、彼を取り巻く環境と、彼の名が知れ渡ることになった...
収録日:2023/09/28
追加日:2023/11/11
片山杜秀
慶應義塾大学法学部教授

欧米の落ち方は日本の比ではない…これは「人類問題」だ

電脳社会の未来(9)この堕落は「人類問題」

かつて国家は、「働くことが好き」「勉強が好き」という人たちに支えられていた。だが今や、その文化を国家が否定している。知性や合理性、平等、民主主義、科学は全てAIに移行し、われわれホモ・サピエンスが担うのは悪いもの...
収録日:2023/08/02
追加日:2023/11/10
執行草舟
実業家

世界の超富裕層は日本の比ではない…国単位の政策の限界性

経済と社会の本質を見抜く(2)マクロ政策に対するミクロ的視座

続いて考えるのは、それぞれの社会の「違い」がどのように影響するのか、ということである。欧米と日本では、労働市場の構造からして異なる経済を持っており、それが金融政策にも影響を与えている。そもそも「日本」や「アメリ...
収録日:2023/08/09
追加日:2023/11/05

西郷隆盛、ガリレオ…偉人伝が教えてくれた人間のモデル

哲学の役割と近代日本の挑戦(6)歴史を動かす人物と歴史の見方

戦前はとても国際的で、三木清や九鬼周造がドイツに留学し、当時の最先端の哲学を現地で学ぶなど、世界的にも哲学に切磋琢磨した時代だった。その時代についてもちゃんと覚えておくべきだし、さらにいえば、そうした時代に歴史...
収録日:2023/07/28
追加日:2023/11/04
納富信留
東京大学大学院人文社会系研究科 研究科長・学部長・教授

『源氏物語』の謎…なぜ藤壺とのスキャンダルが話のコアに?

『源氏物語』ともののあはれ(1)雅な『源氏物語』の再発見

紫式部が著した『源氏物語』は、日本最大の古典文学として、長らく日本人に読み継がれてきた。しかし、その物語は、世に出た当初から高い評価を得ていたわけではなく、本居宣長をはじめ、さまざまな解釈をされてきた。そこで今...
収録日:2023/08/04
追加日:2023/11/02
板東洋介
東京大学大学院人文社会系研究科 准教授

「近代の超克」――見直すべき哲学に期待した時代の挑戦

哲学の役割と近代日本の挑戦(5)「近代の超克」の時代

1942年、当時の名だたる哲学者や論者、芸術家などが集まった「近代の超克」というシンポジウムがあった。戦後、戦争とファシズムを支持したものとして批判され、忘れ去られるようになったが、日本の思想史にとって、彼らの主張...
収録日:2023/07/28
追加日:2023/10/28
納富信留
東京大学大学院人文社会系研究科 研究科長・学部長・教授

現行人類に残された部分は混沌、不合理、魂の野蛮さ

電脳社会の未来(7)魂の野蛮な部分が人間の特質

人に感化を与えるのは、真の教養を持っている人である。同時に、人間は危険な存在でもある。「希望」があると思って、「悪」をやめないからである。だからこそ、悪意に満ちた人類性善説、機械性悪説を打ち砕かなければいけない...
収録日:2023/08/02
追加日:2023/10/27
執行草舟
実業家

まるでゲームの世界…死後も戦い続ける神オーディンの物語

北欧神話の基本を知る(2)「安らぎ」のない死後の世界

北欧神話における人間の始まり、死後の世界はどのように描かれているのだろうか。人間の始まりについての伝説がいくつかある中で、比較的知られているのが神オーディンの物語である。オーディンは戦いの神であると同時に、戦い...
収録日:2022/06/07
追加日:2023/10/26
鎌田東二
京都大学名誉教授

【会員アンケート企画】どのメディアが問題か?

編集部ラジオ2023:10月19日(木)

会員の皆さまからお寄せいただいたご意見を元に考え、テンミニッツTVの講義をつないでいく「会員アンケート企画」。今回は、ジャニーズ問題などで注目が集まった、「日本のメディア」についてご意見をいただきました。 メデ...
収録日:2023/10/12
追加日:2023/10/19
テンミニッツTV編集部
教養動画メディア

大奥のはじまり―天下泰平の実現に奔走した春日局の想いとは

江戸時代を支えた大奥(1)生活空間としての大奥の確立

テレビドラマなどでも題材になることが多い大奥だが、その実態は、作品世界で描かれるような世界とは少し違っているようだ。社交や儀式の場となる「表」に対して、プライベートな空間として区切られた「奥」という空間。その最...
収録日:2023/08/21
追加日:2023/10/15
堀口茉純
歴史作家

福沢諭吉ら第一世代の慧眼と夏目漱石ら揺れる世代の対比

哲学の役割と近代日本の挑戦(3)明治の哲学とペリクレスの民主政

幕末・明治初期の日本人が慧眼だったのは、初めて遭遇した西洋を知るため、福沢諭吉や岡倉天心をはじめ第一世代といわれる彼らが恥じらいなく西洋へ飛び出し、また西洋から入ってきた新しい学問を一斉に勉強したことだ。一方、...
収録日:2023/07/28
追加日:2023/10/14
納富信留
東京大学大学院人文社会系研究科 研究科長・学部長・教授

大谷翔平選手が現代の「粋」を体現!?一生懸命よりも遊び心

江戸とローマ~哲人と俳人(4)現代の「粋」とグローバリゼーション

現代の「粋」について考えるとき、大谷翔平選手の名を挙げる本村凌二氏。彼の「二刀流」には野球をとことん楽しみたい、野球の楽しさを体現したい、そんな楽しみ方、遊び心があるのではないだろうか。そして、江戸とローマでな...
収録日:2021/09/16
追加日:2023/10/12
本村凌二
東京大学名誉教授

時間の観念「劫(カルパ)」の伝承とカルカッタの衝撃

インド神話の基本を知る(4)文化の始まりと死後の世界

文化の始まりや死後の世界は、インド神話でどのように語られているのだろうか。中でも死後については、日本でも語られている、天国と地獄に分かれて輪廻転生するという話のもとになったのがインド神話で、そこでは「死と再生の...
収録日:2022/06/07
追加日:2023/10/08
鎌田東二
京都大学名誉教授

現代の生き方のモデルをつくった古代ギリシアと哲学の強み

哲学の役割と近代日本の挑戦(2)哲学はパターンと論理に強い

人間の歴史には、規模や風土の違いこそあれ、定型のパターンがある。複雑で流動する現実からある種の型を読み取るということだが、哲学の強みはそこにある。そのためには物事を抽象化して考える必要があり、そこで重要なのはア...
収録日:2023/07/28
追加日:2023/10/07
納富信留
東京大学大学院人文社会系研究科 研究科長・学部長・教授

皇帝ネロへの反骨心…哲人ペトロニウスが見せた粋な生き方

江戸とローマ~哲人と俳人(3)ペトロニウスとセネカ

今回は皇帝ネロに仕えた二人の哲人を紹介する。『サテュリコン』を著したペトロニウスは宮廷の「優雅の審判官」と呼ばれて快楽と遊興を手解きし、セネカは政治の舵取りもする哲人として皇帝を導いた。いずれもやがて不興を買い...
収録日:2021/09/16
追加日:2023/10/05
本村凌二
東京大学名誉教授

「人間の健康にとって何がいいか」の答えが「読書」?

電脳社会の未来(3)再び中世のような時代になる

あるとき、テレビでAIが質問に対して答えを出していく番組をやっていたが、そのとき、「人間の健康にとって何がいいですか」と質問すると「読書」という答えが出され、「では健康によくて長生きする方法は何ですか」と尋ねたら...
収録日:2023/08/02
追加日:2023/09/29
執行草舟
実業家

小林秀雄“最後の弟子”福田恆存の言葉と日本人の「自然」

小林秀雄と吉本隆明―「断絶」を乗り越える(7)改めて問われる、日本人の「自然」

小林秀雄が「伝統」と「直感」、吉本隆明が「大衆の原像」と「対幻想」という言葉でそれぞれ論考している“日本人の「自然」”。戦前・戦後を越え、昭和から平成へと向かう中、ニーチェから始まるポスト・モダニズムが堕落し、200...
収録日:2023/04/07
追加日:2023/09/26
浜崎洋介
文芸批評家

混沌=魂を持っている人間だけが家畜にならずに生きていく

電脳社会の未来(2)家畜になるかならないか

われわれは今、ホモ・サピエンスの頂点の文明として、自由、平等、民主主義、科学などを掲げて現代を生きている。しかし、こういった人類の掲げた「理想」=綺麗事をAIが受け持つ社会になっていくのではないか。人類が受け持つ...
収録日:2023/08/02
追加日:2023/09/22
執行草舟
実業家

風流とジョーク…粋な遊び、粋な生き様の精神とは?

江戸とローマ~哲人と俳人(1)日本の風流とローマ皇帝のジョーク

江戸っ子の「粋」な生き方はよく言われるが、ローマにもやはり同様の精神を尊ぶ風習があった。生活にゆとりができ、精神的な遊びが可能になった時代や都市の象徴として、江戸では俳人、ローマでは哲人の心豊かな生き方を探って...
収録日:2021/09/16
追加日:2023/09/21
本村凌二
東京大学名誉教授

江藤淳と柄谷行人、1960年代に彼らが感じた焦燥感とは

小林秀雄と吉本隆明―「断絶」を乗り越える(6)小林・吉本以降の批評:江藤淳と柄谷行人

小林秀雄と吉本隆明以降の批評家にはどのような人物がいるのか。時代背景としては1960年代、つまり60年安保闘争から高度経済成長期ということになるが、この時期の批評家で代表的な人物といえば、江藤淳と柄谷行人ではないだろ...
収録日:2023/04/07
追加日:2023/09/19
浜崎洋介
文芸批評家

「ユネスコ無形文化遺産」に学ぶ、食の楽しみ方とその効用

飽食時代の「選食」のススメ(4)五感を使って食を楽しむ

食において大切なことは、食材や調理法だけではない。五感を使って食を楽しむということは、人生の楽しみの非常に大きな部分を担っている。家族や親しい人と食卓を囲むことで、食事はより一層豊かな経験になる。「ユネスコ無形...
収録日:2023/05/23
追加日:2023/09/14
堀江重郎
順天堂大学医学部・大学院医学研究科 教授

徳川家康と江戸の町づくりー江戸時代の「日本橋」の姿とは

『江戸名所図会』で歩く東京~日本橋 (1)日本橋に見る徳川家康の手腕

江戸時代のまちづくりや人々の暮らしを振り返るとき、その助けになるのが江戸時代後期に書かれた地誌『江戸名所図会』(えどめいしょずえ)だ。当時の江戸の様子を収めた貴重な資料である『江戸名所図会』から江戸時代をひもと...
収録日:2023/06/07
追加日:2023/09/02
堀口茉純
歴史作家

20億人以上が肥満…飽食の時代に大事な「選食力」3カ条

飽食時代の「選食」のススメ(1)選食の提唱と「食の多様性」

世界の肥満者数が増加の一途をたどり、偏食や低栄養などの問題も叫ばれている昨今。そんな飽食の時代に対応するための食への態度として堀江氏が提唱するのが、食事の質と量を見極める「選食」である。では選食とはいったいどの...
収録日:2023/05/23
追加日:2023/08/24
堀江重郎
順天堂大学医学部・大学院医学研究科 教授

ハラスメントを助長する全体主義、無関心、属人思考、圧力…

ハラスメント防止に向けた風土づくり(2)ハラスメントと心理的安全性の関係性

ハラスメントを助長している組織風土には、全体主義、無関心風土、属人思考風土、圧力的雰囲気があり、これらの根底にあるのは「心理的安全性の欠如」だと青島氏は語る。心理的安全性はコミュニケーションの基盤となるものだが...
収録日:2023/02/03
追加日:2023/08/20
青島未佳
一般社団法人チーム力開発研究所 理事

志賀直哉、太宰治、小林秀雄…対立する『ハムレット』批評

深掘りシェイクスピア~謎の生涯と名作秘話(6)現代への影響と文化的財産

シェイクスピア作品は現在もさまざまな形式で翻訳され、また再演され続けて、その解釈や批評も更新されている。中でも『ハムレット』に関しては、ドイツ・ロマン主義を代表する文豪ゲーテをはじめ、A・W・フォン・シュレーゲル...
収録日:2023/04/12
追加日:2023/08/17
河合祥一郎
東京大学大学院総合文化研究科教授

江戸時代「最悪」の老中・水野忠成が担った「汚れ役」とは

徳川将軍と江戸幕府~徳川家斉(4)水野忠成の「汚れ役」と大塩平八郎の乱

50年という安定政権を築いた徳川家斉だが、実はその裏では文化として贈答(賄賂)が横行していた。家斉に仕えた老中・水野忠成も、賄賂による政治を行ったことで有名である。だが忠成は、実は家斉政権の財政を担い、さらに「天...
収録日:2020/12/14
追加日:2023/08/16
山内昌之
東京大学名誉教授

改革派の松平春嶽も評価した“理想的な将軍”徳川家斉

徳川将軍と江戸幕府~徳川家斉(3)江戸の文化が爛熟した“理想的な時代”

徳川家斉の時代は安定した時代だった。家斉の治世は、風紀の乱れにつながるなどさまざまなマイナス面をはらみながらも、結果的に長期的に政権を持続させることができたからだ。そして安定したこの時期に、江戸の文化は爛熟期を...
収録日:2020/12/14
追加日:2023/08/09
山内昌之
東京大学名誉教授

激変する現実を理解し普遍化するために優れた解説者が必須

国際変動の中の経済政策(3)普遍原理としての学問と現実の激変

学問に国境は関係ない。学問は時代や地域を越えた普遍性を持っている。しかし、経済学などその知見をもってしても、国際秩序が不安定となるなど国際社会の荒波の影響を受けると、学問自体が変化しなければいけない。そうした中...
収録日:2023/03/31
追加日:2023/08/05
曽根泰教
慶應義塾大学名誉教授

『リア王』と『マクベス』でシェイクスピアは何を描いたか

深掘りシェイクスピア~謎の生涯と名作秘話(3)『リア王』『マクベス』が描く人間の本質

シェイクスピアの四大悲劇のうち、『リア王』と『マクベス』を取り上げる今回。王座を退いた男の悲哀を描いた『リア王』、王になる野望の前で葛藤するさまを描いた『マクベス』。それぞれを読み解きながら、シェイクスピアが表...
収録日:2023/04/12
追加日:2023/07/27
河合祥一郎
東京大学大学院総合文化研究科教授

11代将軍・徳川家斉が50年もの長期政権を築けた理由

徳川将軍と江戸幕府~徳川家斉(1)家斉が長期政権を維持できた理由

江戸幕府11代将軍・徳川家斉は約50年にわたる安定した長期政権を築いた。その要因として、山内昌之氏は4つの点を挙げる。中でも注目したいのは、「自分の血(子ども)を全国に行きわたらせた」点である。このようなことを行った...
収録日:2020/12/14
追加日:2023/07/26
山内昌之
東京大学名誉教授

ケルト神話とは…ダーナ神族、アルスター神話、フィアナ神話

ケルト神話の基本を知る(1)ケルト地域と3つの神話群

ケルト神話とは何か。ケルトという地域は広範囲にわたっており、一般的にアイルランドを中心にした「島のケルト」と、フランスやスペインの西北部などに広がった「大陸のケルト」があるが、神話が濃厚に残っているのはアイルラ...
収録日:2022/04/12
追加日:2023/07/23
鎌田東二
京都大学名誉教授

いま「自分は庶民の味方」という人たちほど“上から目線”

人生のロゴス(9)古今の「偉い人」の根本的な違い

教養の根本は文学にあり、政治経済の話を文学に置き換えられるのがユーモアである。今、世界的にそのようなユーモアある政治家たちがいなくなった。かつての日本では、政治家が床の間に軸装を飾って言いたいことを示したりして...
収録日:2023/03/29
追加日:2023/07/21
執行草舟
実業家

江戸時代、参勤交代が果たした役割とその基礎としての五街道

江戸とローマ~アッピア街道と東海道(3)近代に通じる道

日本の街道はまっすぐな道が続くローマの街道とは異なり、防御を優先とした設計思想のもと発達してきたが、特に近代化に向かう時代、重要な役割を担った。「参勤交代」を研究した書籍には、「江戸における各藩の交流が、武士階...
収録日:2021/08/20
追加日:2023/07/19
本村凌二
東京大学名誉教授

エリート、理念重視、自民党近代化…福田赳夫を深掘りする

福田赳夫と日本の戦後政治(9)ぶれない政治家と自民党での役割

派閥争い、金権政治という荒波を乗り越えて、自身の政治理念を貫き通した福田赳夫の政治家人生。どのようにして、福田のような政治家が生まれるに至ったのか。また、福田の掲げた理念は、今の自民党政治にとってどのような意味...
収録日:2022/09/29
追加日:2023/07/07
井上正也
慶應義塾大学法学部教授

生命情報・社会情報・機械情報と本居宣長「もののあはれ」

ChatGPT~AIと人間の未来(8)シンギュラリティと「もののあはれ」

AIに関する議論では、シンギュラリティのような悲観論も多い。未来が暗くならないために必要なことは何か。重要なのは、アメリカ的な考え方をそのまま受け入れるのではなく、日本の伝統と文化を尊重した日本ならではのAIとの関...
収録日:2023/03/15
追加日:2023/07/06
西垣通
東京大学名誉教授

サイバネティック・パラダイムと仏教…「空-縁起」の共鳴

ChatGPT~AIと人間の未来(7)大乗仏教とコンピュータ

多元的な価値観に基づくポストモダニズムは、実は日本人が古くから親しんできた大乗仏教の「空-縁起」の考え方にも通じる。デジタルやコンピュータを考える場合、「コンピューティング・パラダイム」と「サイバネティック・パ...
収録日:2023/03/15
追加日:2023/06/29
西垣通
東京大学名誉教授

ノアの箱舟、ビール…人間の行動の原型とメソポタミア神話

メソポタミア神話の基本を知る(3)大洪水神話のルーツ

世界の神話には大洪水について語られているものが少なくない。現在、もっとも有名なのは『旧約聖書』に出てくる「ノアの箱舟」だろう。だが、世界中の大洪水神話のルーツは、実はメソポタミア神話にあるという。メソポタミア神...
収録日:2022/04/12
追加日:2023/06/28
鎌田東二
京都大学名誉教授

『街道をゆく』で旅を続ける司馬遼太郎の夢

司馬遼太郎のビジョン~日本の姿とは?(6)ウラル・アルタイ語族と司馬史観

司馬遼太郎の大陸ロマンには「ウラル・アルタイ語族」という当時の学説があった。東欧や北欧にまで点在する「自由民的な精神の同胞」を信じ、中国的な定住志向に安住しがちな日本人に、「自由な飛躍」こそ日本の真の姿という夢...
収録日:2023/03/16
追加日:2023/06/25
片山杜秀
慶應義塾大学法学部教授

「ネット集合知」に対する性善説を覆したQアノン的現実

ChatGPT~AIと人間の未来(6)「ネット集合知」の理想と現実

インターネットの創成期は、性善説的な「ネット集合知」に対する楽観主義に満ちていた。「皆で意見をあわせていくと、かなり正確な答えが出てくる」という理論もあり、インターネットの集合知が社会を良くしていくと考えられた...
収録日:2023/03/15
追加日:2023/06/22
西垣通
東京大学名誉教授

ギルガメッシュ叙事詩が描く「森の神」の殺害と死後の世界

メソポタミア神話の基本を知る(2)ギルガメッシュと「イナンナの冥界下り」

メソポタミア神話というと、『ギルガメッシュ叙事詩』という言葉をよく耳にする。この物語には、英雄王ギルガメッシュが森の神フンババを打ち倒す物語が描かれている。これはまさに、人間の力で自然を征服し、都市文明をつくり...
収録日:2022/04/12
追加日:2023/06/21
鎌田東二
京都大学名誉教授

ポストモダニズムとコンピュータ…相対主義とデータ科学

ChatGPT~AIと人間の未来(5)コンピュータと哲学の連関

コンピュータの発達の歩みは哲学と関連してきた。たとえば、1960年代に、それまでのマルクス主義やサルトルなど、近代主義(モダニズム)をベースとした哲学ではなく、レヴィ=ストロースらの「構造主義」「ポストモダニズム」...
収録日:2023/03/15
追加日:2023/06/15
西垣通
東京大学名誉教授

メソポタミア神話は、ギリシア神話はじめ世界の神話の原点

メソポタミア神話の基本を知る(1)メソポタミア神話の神々と人間との関係

このシリーズでは、「世界の神話の源」ともいわれるメソポタミア神話の基本を理解していく。これまでの鎌田東二先生のシリーズでも、「宇宙・世界・人間の起源、そして文化の起源、さらには死後の世界」などについての考え方か...
収録日:2022/04/12
追加日:2023/06/14
鎌田東二
京都大学名誉教授

民主主義社会で一番の悪魔は「幼稚な人間」である

人生のロゴス(3)堕ちた者も自由に堕ちたのだ

次の座右銘は道元の言葉で、執行氏がもっとも尊敬しているという橋田邦彦の愛読書だった『正法眼蔵』からである。橋田邦彦は戦争責任を押し付けられて散った。また、ジョン・ミルトンは〈正しく立てる者も自由に立ち、堕ちた者...
収録日:2023/03/29
追加日:2023/06/09
執行草舟
実業家

「Thank you」か「I am sorry」か…日本人の癖とは?

『「甘え」の構造』と現代日本(2)日本人の自責意識と自由の限界

感謝の言葉として「Thank you」ではなく「I am sorry」と言ってしまう日本人の話が、『「甘え」の構造』に出てくる。そこから著者・土居健郎氏は日本人の本質、「甘え」の背景に迫ろうとしたが、與那覇氏はその分析にコロナ禍の...
収録日:2023/03/13
追加日:2023/06/03
與那覇潤
評論家

大きな政府も第三の道も行き詰まり…現代リベラリズムの混迷

日本人が知らない自由主義の歴史~前編(7)現代リベラリズム

「現代リベラリズム」はニューリベラリズムの流れを組んでおり、特にアメリカでは大恐慌から1960年代までは有力であったが、その後はリベラルな政党はどんどん没落していくことになる。あらためて現代リベラリズムによる政策と...
収録日:2022/07/01
追加日:2023/05/30
柿埜真吾
経済学者

『「甘え」の構造』への誤解…実は甘えを許さない日本人?

『「甘え」の構造』と現代日本(1)「甘え」のインパクト

1971年に出版されてベストセラーとなった土居健郎氏の『「甘え」の構造』。初版の刊行以来、続編や増補版が編まれ、長く読み継がれている名著だが、そのメッセージには「甘え」に対する2つの誤解があるのではないかと與那覇氏は...
収録日:2023/03/13
追加日:2023/05/27
與那覇潤
評論家

過剰なルールベースの内部統制は百害あって一利なし

本質から考えるコンプライアンスと内部統制(4)事例からみる内部統制の実際

内部統制が企業にとって重要であることは言うまでもないが、行き過ぎた内部統制はむしろ「百害あって一利なし」だ。そして、内部統制とはとかくそうなりがちなものでもあるのだ。講師が実際に経験した事例を通じて、過剰なルー...
収録日:2023/01/16
追加日:2023/05/24
國廣正
弁護士・国広総合法律事務所パートナー

納豆1パックでご飯を3膳…一汁一菜とお酒の極意&愉しみ

和食の深い秘密~なぜ身体に良いのか(6)小泉流「一汁一菜」決定版

質疑応答の2話目では、「発酵食品やお酒の菌体は腸まで届いているのか」「和食の調理法として、最も健康にいいものは何か」に続いて、「小泉流『一汁一菜』決定版は?」という質問が飛び出した。味噌汁とご飯で「一汁」。小泉氏...
収録日:2023/01/24
追加日:2023/05/13
小泉武夫
農学博士

軍国主義の狂信者が、民主主義の狂信者になっただけ

逆遠近法の美術論(10)イコンの文化を継承する民族

グローバリズムに代わる、新しい文明である霊性文明に一番近いところにいたのが日本である。だが日本は明治以来、安易な近代化によって、霊性文明から遠ざかってしまった。実は、戦前のインパールや南方作戦、特攻隊と、戦後の...
収録日:2022/08/30
追加日:2023/05/12
執行草舟
実業家

ショパンの心臓はなぜポーランドに?遺言と祖国への想い

ショパンの音楽とポーランド(9)絶筆のマズルカ

ショパンは「自分の心臓はポーランドに」という遺言を姉に託した。それゆえ姉は、ショパンの心臓をアルコール漬けにして、ポーランドに持ち帰った。「11月蜂起」の失敗後、ポーランドに戻ることができなかったショパンだが、心...
収録日:2022/10/13
追加日:2023/05/11
江崎昌子
洗足学園音楽大学・大学院教授

お妾さん文化、不倫騒動…時代で変わる価値観の多様性

江戸とローマ~娼婦と遊女(4)変化する価値観と遊女文化

明治以降、ヨーロッパのキリスト教文化の影響を受けてきた日本人は、そうした近代の価値観に基づいて吉原についても批判する。だが、歴史的な事象は、同時代の価値観、あるいはその地域の価値観に基づいて考えてみるべきもので...
収録日:2021/08/20
追加日:2023/05/08
本村凌二
東京大学名誉教授

「発酵はマジックだ」心も体も豊かにする発酵食品のアレンジレシピ

和食の深い秘密~なぜ身体に良いのか(5)納豆から蕪村、鮒寿司からアイスまで

ウェビナー終了後、視聴者から多くの質問が寄せられた。ここでは「発酵食嫌いの人にも、発酵食は摂らせるようにしたほうがいいのか」「鮒寿司の<飯>の部分には、どんな栄養が含まれているのか」の質問から、納豆汁をうたった...
収録日:2023/01/24
追加日:2023/05/06
小泉武夫
農学博士

キリスト教以前はおおらかだった…古代ローマの遊女文化

江戸とローマ~娼婦と遊女(3)娼婦のインテリジェンスとキリスト教の影響

ローマ遺跡に娼家の痕跡はないが、後代のルネッサンス期イタリアではインテリジェンスが高く知的な高級売春婦が、貴族を顧客としていたことが分かっている。ローマ時代にはおおらかだった活動が、キリスト教支配を経て変化して...
収録日:2021/08/20
追加日:2023/05/01
本村凌二
東京大学名誉教授

「食乱れて、民族滅ぶ」今こそ和食に注目すべきわけ

和食の深い秘密~なぜ身体に良いのか(4)日本の遺産を守れ

発酵食による免疫増進という素晴らしい伝統を持ってきた日本人は、納豆汁のようなすぐれたスタミナ食を生み出し、日本酒を伝えてきた。しかし、ここ数十年で激増した肉食の脅威は、世界遺産たる和食の牙城を揺さぶっている。小...
収録日:2023/01/24
追加日:2023/04/29
小泉武夫
農学博士

花魁は日本独特――洗練された吉原の遊女文化

江戸とローマ~娼婦と遊女(2)遊女の「道」と吉原の文化

江戸の遊郭・吉原において、花魁はトップスターである。遊女たちの住む吉原は厳然たる秩序がある一方、女性や子どもが訪れるエンタメ・スポットでもあったという。ここで育まれた遊女文化は日本独特ともいえる遊女の「道」を究...
収録日:2021/08/20
追加日:2023/04/24
本村凌二
東京大学名誉教授

味噌で免疫力を高める!無限の可能性を秘める発酵食品

和食の深い秘密~なぜ身体に良いのか(3)発酵食品と免疫

驚くべき実験がある。餌に含まれる物質Xの有無によって、放射能被曝したネズミの細胞蘇生率が大きく違うというのだ。免疫力を高める物質Xの正体は、味噌。日本人なら誰もがなじんでいる食材だ。味噌に免疫力を高める効果をもた...
収録日:2023/01/24
追加日:2023/04/22
小泉武夫
農学博士

人間は元来ホモ・ルーデンス…遊びから見た江戸とローマ

江戸とローマ~娼婦と遊女(1)遊びと労働

「税金と売春は、有史以前から存在する」といわれることがあるが、人口集中と文明・文化の爛熟の共通項を持つ大都市の江戸とローマにおいて、風俗ビジネスは必然的に盛んになる。近代以降の「労働は美徳」の概念が社会を支配す...
収録日:2021/08/20
追加日:2023/04/17
本村凌二
東京大学名誉教授

大伴旅人の「梅花の宴」序文に込めた日本文化への想い

万葉集の秘密~日本文化と中国文化(5)「梅花宴序」と多文化社会

日本文化は中国的なものやグローバル文化とは切っても切り離せないが、一方で「われわれの文化を大切にしなければいけない」という想い、ローカルなものを生かそうという姿勢も持っていた。それは、『万葉集』巻5、元号「令和」...
収録日:2022/09/13
追加日:2023/04/11
上野誠
國學院大學文学部日本文学科 教授(特別専任)

日本人は地球上最もベジタリアンだった?和食の7つの基本

和食の深い秘密~なぜ身体に良いのか(1)和食の特徴と日本人

ユネスコ無形文化遺産に「和食」が登録されたのは、大きな話題になった。国の「日本食文化の世界遺産登録に向けた検討会」委員として尽力された小泉武夫氏に、和食の魅力の真髄を伺う。「良い水での調理」「心と体のための食事...
収録日:2023/01/24
追加日:2023/04/08
小泉武夫
農学博士

日本的な良さ…『万葉集』には翻訳文学の側面もある

万葉集の秘密~日本文化と中国文化(4)最大の翻訳文学

『万葉集』は最大の翻訳文学であると上野氏は言う。日本には外来のものが多いが、それをしっかり学び、長い時間をかけて日本のものにしていくところに日本文化の良さがある。『万葉集』においても、同様で中国文化の影響を受け...
収録日:2022/09/13
追加日:2023/04/04
上野誠
國學院大學文学部日本文学科 教授(特別専任)

上野誠先生が語る!『万葉集』の秘密~日本的?中国的?

編集部ラジオ2023:3月29日(水)

名講義をコンパクトにお伝えする、編集部ラジオの「要約シリーズ」。ぜひ講義のチョイスや、学びの予習、復習にもお役立てください。 今回の「編集部ラジオ」では上野誠先生の《万葉集の秘密~日本文化と中国文化》を、スラ...
収録日:2023/03/22
追加日:2023/03/29
テンミニッツTV編集部
教養動画メディア

日本の歌を大切にしよう…中華文明の影響と脚下照顧の教え

万葉集の秘密~日本文化と中国文化(3)グローバル・スタンダードと脚下照顧

『万葉集』は中華文明の影響を受けている。実際、当時の日本はグローバル・スタンダードである中華文明の知識を得、阿倍仲麻呂をはじめとした知識人たちを排出したのだ。しかし、このままではいつまでたっても自分たちの言葉で...
収録日:2022/09/13
追加日:2023/03/28
上野誠
國學院大學文学部日本文学科 教授(特別専任)

詩人追放論と劇場型政治の批判…イデア論の本質と模倣

プラトン『ポリテイア(国家)』を読む(15)詩人追放論

プラトンの評判を落としている「詩人追放論」には、存在論的議論と心理学的議論の2つの側面がある。存在論的議論では、「寝椅子のイデア」という話を用いながら、ホメロスの作品を標的にして詩というものの存在意義について挑戦...
収録日:2022/09/27
追加日:2023/03/24
納富信留
東京大学大学院人文社会系研究科 研究科長・学部長・教授

日本的+中国的…両面あわせ持つ歌集が『万葉集』

万葉集の秘密~日本文化と中国文化(2)『万葉集』という歌集のあり方

日本の古代文化である『万葉集』にはいろいろな漢語、漢詩が登場する。大伴旅人の「酒をほめる歌」や山上憶良の長文などがそうだが、これは『万葉集』の中に中国文化が色濃くあるということを示している。しかし、それだけでは...
収録日:2022/09/13
追加日:2023/03/21
上野誠
國學院大學文学部日本文学科 教授(特別専任)

『万葉集』はいかなる歌集か…日本のルーツと中国の影響

万葉集の秘密~日本文化と中国文化(1)万葉集の歌と中国の影響

4516首、全20巻からなる『万葉集』は日本最古の歌集として知られているが、具体的にどのような性質をもつ書物なのだろうか。詠まれた歌の内容を見ても日本文化のルーツがそこにあるのは確かだが、丁寧に見ていくと中国文明の影...
収録日:2022/09/13
追加日:2023/03/14
上野誠
國學院大學文学部日本文学科 教授(特別専任)

酒豪認定は20リットルから?古代中国の強烈なお酒事情

古代中国の「日常史」(5)古代中国の宴会文化

宴会文化を皮切りとして、お酒に関する古代中国の日常史研究はまだまだある。「二日酔い」のような、現代にも通ずる飲酒文化が当時から存在したことを前回(第4話)紹介したが、では食や芸術がどのように一般の人々の生活に入り...
収録日:2022/09/09
追加日:2023/03/05
柿沼陽平
早稲田大学文学学術院教授

食事、飲酒、噂話…現代にも通じる古代中国の生活風景

古代中国の「日常史」(4)記録から読み解く風俗

数多ある歴史史料の中から当時の日常生活に関する記録を拾い上げる日常史研究。その研究は一体どのように行われ、どのような苦労や楽しさがあるのだろうか。食事や故事にまつわる古代中国の日常史を紹介し、日常史研究の方法と...
収録日:2022/09/09
追加日:2023/02/26
柿沼陽平
早稲田大学文学学術院教授

一直線…コシノ芸術の「生命的自由」と「重力」の代表例

勢いと余白(11)作品を味わう…一直線

「一直線」もコシノ芸術の典型の一つである。暗黒の中を1本の「金」が垂直に流れている。これは、宇宙の生命エネルギーの「垂直軸」の流れを表している。この作品をコシノジュンコ氏は、那智の滝を「日本の一番の象徴」と言っ...
収録日:2022/10/06
追加日:2023/02/24